米国ペンシルバニアの介護施設労働者、強力な労働協約を獲得

大手介護事業者とUNI加盟組織SEIUの間で結ばれた労働協約には、賃上げ、福利厚生の改善、労働者と入居者に対する業界の説明責任に関する条項が盛り込まれた。

何か月にもわたる交渉と、SEIUペンシルベニア支部ヘルスケア部門では最長となる介護施設でのストライキを経て、全米2,000人以上の介護施設で働く労働者は、人員配置と入居者ケアに資金を投入する旨の協約を勝ち取った。コンプリヘンシブ・ヘルスケア、プライオリティ・ヘルスケア、シェナンドア・ハイツ・ヘルスケアの3社が所有する介護施設の労働者は、今回の勝利がペンシルバニア州および全米の介護施設産業の変革につながると期待している。

今月初めのストライキでは、州内のSEIU組合員が張るピケットに、ジョー・バイデン大統領も加わり、ディーセントな雇用と仕事における尊厳を求めて闘う介護労働者に連帯を示した。

交渉委員を務め、コンプリヘンシブ・ヘルスケアが所有する介護施設の看護助手であるシャノン・マクブライド氏は、「7日間ピケットを張り終えた今、大好きな入居者と仕事のもとに戻りたい。ストライキの実施は非常に難しい決断だったが、団結することができた。我々には、組合を守り、労働力を強化し、入居者のケアを第一に考えた協約を結ぶ権利があるから」と語り、「我々の要求はあまりにも長い間、無視されてきたが、我々は諦めなかった。経営陣は最後に、我々の声に耳を傾けた。この合意は、州全体でコンプリヘンシブ・ヘルスケアが所有する施設でのケアと介護労働の水準を上げる上で、正しい方向への第一歩だ」と喜んだ。

コンプリヘンシブ、プライオリティ、シェナンドアの各社が所有する施設にはそれぞれ別の協約があるが、3社に共通するのは、以下の内容だ。

・全部門の全労働者を対象に賃金を引き上げる給与体系、全労働者の一律昇給、労働力維持に向けた経験と勤続年数を尊重した昇給。3つの協約における労働者の平均昇給率は24%である。
・健康保険料を調整し、すべての労働者がより手頃な価格で医療を受けられるようにする。
・改善が予定されている州の職員配置規制を遵守する確約。
・これらの介護施設が売却された場合に、組合との協約を破棄するのではなく、協約を維持する条項。

プライオリティ社が所有する「The Gardens at Wyoming Valley」で看護助手として働くラヒーム・アーミテージ氏は、「自分が働く施設が、別の会社に売却されるとはどういうことなのか、身をもって体験した。福利厚生はなくなり、給料が下がり、従業員はより良い仕事を求めて辞めていき、残った人材が酷使されていく」と振り返り、「明日、仕事があるのか、家族の世話はどうするのか、心配になります。文言が残ることで、我々が闘ってきた成果を維持できる、ゼロから始める必要はないということだ」と語った。

シェナンドアの協約には、使用者が負担する休日が含まれている。つまり労働者は、家族と共に休日を祝うために有給休暇を使う必要がなくなるのだ。

マシュー・ヤーネルSEIUペンシルバニア支部ヘルスケア部門委員長は、「労働者は、我々の多くが想像もできないような状況下でケアを提供し、入居者のために絶え間ない支援を行ってきた」と述べ、「全国レベルの傾向として、営利目的の介護施設事業者は、投資家の要求を満たすために税金を使用している。今回のストでは、介護施設運営事業者に対し、我々の仕事とペンシルベニア州民のケアにこそ、投資をするよう迫ってきた。我々が反対しているのは、介護施設の入居者に対する営利モデルのケアの在り方だ」と述べた。

エイドリアン・ドゥルチUNI世界ケア部会担当局長は、「この歴史的な勝利を達成するためにストライキを闘った勇敢な労働者をたたえたい」と祝福するとともに、「パンデミックの間、我々はずっと、エッセンシャルワーカーである介護労働者への早急な投資を要求してきた。不当な低賃金や慢性的な人員不足の状況で、働き続けることはできない。この画期的な勝利は、人々が組合のもとで団結し、企業責任を追及する力を示すものだ」と指摘した。

介護労働者は、9月2日~5日の「レイバーデー」に始まった、不当労働行為に対するストライキに加わった。看護助手、栄養士、居室係、活動担当者、補助員、その他地域の介護施設の運営に欠かせない職種の人々が、労働力を立て直し、介護士を業務に戻す名目であてられた州予算からの公的資金6億ドルに対する企業の説明責任を求め、職場を放棄してストを決行した。