オーストラリア金融労組、豪コモンウェルス銀行における男女間賃金格差を非難

UNI加盟組織のオーストラリア金融労組(FSU)が、オーストラリア・コモンウェルス銀行(CBA)に対し、賃金体系の秘密主義をやめ、男女間賃金格差を是正するよう、求めている。男女間の賃金格差により、同行は年間5億オーストラリアドル(3億7000万米ドル)も人件費を節減していると推定される。

「沈黙の代償」と題する報告書のためにFSUが国内で実施した調査によると、CBA従業員の95%が自分の賃金について話してはいけないと考えており、90%が話すと懲戒処分、あるいは解雇のリスクがあると答えている。

この調査は、2021年にCBA従業員が自らの賃金について同僚と話し合ったことを理由に解雇されたことを受けて実施された。同行は現在、職員が賃金について話し合うことを禁止している唯一の大手銀行であり、これによって、同じ業務を担う一部の労働者に、他の労働者よりはるかに低い賃金を支払うことが可能になっている。

また報告書では、CBA従業員の大多数を占める女性は、自らの賃金が低いと感じているものの、賃金や賞与について話し合うことが許されていないため、不満を口にしたり賃金の見直しを求めたりできない状況にあることが分かった。

ジュリア・アングリサノFSU書記長は、「CBAの従業員は、賃金や賞与について互いに話しただけで、いじめや、脅迫、嫌がらせを受け、解雇されると脅されている。銀行によるこのような禁止措置は、男女間の賃金格差を強化しようとするものだ。CBAが問題に気づけない以上、今こそ連邦政府が行動を起こし、これらの機密条項を違法化する時だ」と力説した。

多国籍銀行であるCBAは、約48,000人の労働者を雇用し、世界中に支店を構えている。

アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、「CBAの賃金の秘密主義によって恐怖心が植え付けられ、労働者の大半を女性が占める中で男女の賃金格差が助長されている状況は、到底容認できない。労働者には賃金について話し合う権利があり、同一賃金を得る権利もある。国際女性デーのこの日、我々はCBAが女性のために行動し、賃金について透明性を確保するとともに、男女間の賃金格差をきっぱりと是正するよう求める」と語気を強めた。