ウーバーイーツの契約配達員、スイスで歴史的な合意

ジュネーブに拠点を置くアプリ「チャスキ」に登録したウーバーイーツの配達員数百人が、賃上げとさらなる労働者保護、雇用の安定をもたらす新たな団体協約を勝ち取った。

スイスの組合シンディコムのロジスティクス部門でキャンペーンを担当するデヴィッド・ロス氏は、「この合意は、ウーバーイーツのアプリと連携している他のフードデリバリー企業にとっても明確なサインとなるはずだ。公正な雇用条件の実現は可能であり、シンディコムはジュネーブとスイス全土でそれを要求していく」と意気込んだ。

チャスキの全配達員は2022年までに、透明性のある業務計画に基づく勤務割当を満たした毎月のシフトと収入保証の伴う雇用契約を締結する予定だ。この協約の実施により、チャスキは従業員に公正かつ公平な労働条件を提供することになる。

シンディコムは、使用者団体スイス・メッセンジャー・ロジスティクスが代表を務めるスイス国内19の都市配送業者と、包括協定を結んでいる。チャスキは今週、都市部の配送業者の包括協定に加わったが、協定によって生じる新たな義務に労働モデルを適合させるためには、数か月におよぶ議論と交渉を要した。

コーネリア・ベルガーUNI郵便・ロジスティクス部会担当局長は、「今回の協約によって、配達員が仕事で敬意を払われ、尊厳を得られるよう、スイスの組合は食事宅配ビジネスをリードしていくことができるようになる」と成果を称えた。

協約の主な成果は以下の通り

  • すべての配達員の稼働率が固定された、安定した雇用契約。
  • 社会保険料の負担、従業員の事故に対する保険、病気の場合の補償。
  • 週3時間~40時間の固定労働時間の保証。
  • 1シフト2時間以上の勤務の保証。
  • 最低賃金は20.65フラン(休日、祝日を除く)、ジュネーブでは23.14フラン(州の最低賃金)。
  • 備品の清掃、個人の自転車・携帯電話の使用に対する補償の提供。