過剰な長時間労働で、世界中の映画・テレビ業界が苦しんでいる、米国だけではない

娯楽関連の組合が結集し、国際舞台演劇映画組合(IATSE)を支援すると共に、世界レベルで人道的な労働時間を取決めようとしている

UNI加盟組織である国際舞台演劇映画組合(IATSE)組合員が、米国の映画・テレビ産業における長時間労働に対するストライキを圧倒的多数で支持する中、世界15万人以上の舞台裏で働く労働者の組合を対象とした新たな調査によって、「非人道的な労働時間」は世界的な課題であることが明らかになった。

UNI世界メディア部会は、20か国28加盟組織を対象に、労働時間に関する調査を実施した。その結果、調査対象となった全ての国で、クルーは週50時間以上働いており、週60時間労働も一般的であることが分かった。このような長時間労働は、身体の健康、精神衛生、家庭生活に壊滅的な影響を及ぼしうる。

長時間労働が世界的な課題であることや、米国の使用者が持つ世界的な影響力を踏まえ、公正な労働契約と人道的な労働時間を勝ち取るためのIATSEの取組みを、世界中の組合が自らの問題と重ね合わせている。

マシュー・ローブIATSE委員長(UNI世界メディア部会議長)は、米国の組合員の98%が全国ストを承認したという歴史的な投票結果について、「組合員の声は大きく明確だ。今回の投票は、映画・テレビ業界で働く人々の生活の質、そして労働安全衛生に関するものだ。我々の仲間には、食事休憩の時間、十分な睡眠、週末の休み等、人間としての基本的ニーズがある。最も賃金水準の低い人々は生活賃金を得るに値する」と主張した。

UNI世界メディア部会は、労働時間改善のための国際キャンペーンに向けて、団体協約、労働時間、労働条件に関するデータを収集した今回の調査の全貌を近々発表する予定だ。

スペンサー・マクドナルド英国BECTU書記長(UNI世界メディア部会 映画・テレビ制作作業部会議長)は、「米国、英国、そして世界中のクルーは、コロナ禍の間も、安全衛生基準を強化しながら、休むことなく働いてきた。労働者にプレッシャーをかけても、持続可能ではない。国際的な問題には、国際的な解決策が必要だ。全ての制作現場で、安全な労働時間が必要だ!」と語気を強めた。

オーストラリアのメディア・娯楽・芸術関連労組(MEAA)のケリー・ウッド娯楽・クルー・スポーツ担当部長(UNI世界メディア部会副議長)は、「我々は、尊厳ある労働条件、つまり労働時間を抜本的に是正するための公正な取決めを要求するIATSEの闘いを全面的に支持する。世界中の舞台裏で働く労働者の多くが、十分な休憩や休息を取れず、週末さえも奪われている。我々は世界中に蔓延する長時間労働に反対する国際キャンペーンに積極的に参加する」と決意を語った。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は次のように述べた。「頻発する時間外労働や、勤務中及び勤務間の休息が不十分な状況は、例外ではなく常習化している。制作クルーからは、もうたくさんだと言う声が聞かれる。労働者がストライキを圧倒的に支持したのは、多国籍企業の使用者に対して、今こそ変わる時だ、という明確なメッセージを送ったのだ。」

長時間労働が世界共通の課題であり、使用者が世界の映画・テレビ業界で影響力を持つことから、UNI世界メディア部会は近いうち、メディア及び娯楽関連労組の国際会議を開催し、IATSE組合員を支援すると共に、持続可能で人道的な映画・テレビ産業とするため、国際的な取組みを行う予定だ。

連帯し、共に立ち上がろう。