ポストコロナの教訓:テック労働者は組織化を望んでいる

数年前には珍しかったテック労働者の組織化の動きが広がっている。そして、世界中の情報・技術・通信・サービス(ICTS)部門の労働組合が、こうした多様な労働者に対する支援を強化している。6月9日、UNI世界ICTS部会は、パンデミックの際に学んだ教訓について、テック労働者とオルグを集めた座談会を行った。

司会を務めたアンディ・カーUNI世界ICTS部会議長(英国通信労組副書記長)は、「この1年半の間に、テック労働者の組織化が急速に活発化した。リモートワークのため実際には離れていても、使用者側の反対があっても、労働者は結束を図ってきた」と述べ、「テック労働者達の団体行動によって、職種、業界、使用者の垣根を超えた重要な成果が得られている」と喜んだ。

米公共ラジオ局(NPR)で、デジタル・プラットフォーム担当シニアプロダクトマネージャーを務める、全米通信労組(CWA)の新しい組合員、ハ・ホア・ハマノ氏は、長時間労働によって直面していた燃え尽き症候群から、#MeTooやBlack Lives Matter(黒人の命は大切だ)といった大きな社会運動まで、どのようにして職場での活動や組織化に火をつけたかを語った。NPRの記者は団体交渉の対象となっていたが、デジタル労働者は対象から外れていた。ハマノ氏や同僚は、その状況を変えた。「私達は仕事にやりがいをもっている。持続可能なやり方で最高の仕事ができるような労働条件を勝ち取ることは、非常に重要だ。だからこそ、組織化を進め団結したのだ。」

韓国SAP労組のイム・スヨン氏は、業界全体の労働者がオンラインのメッセージ交換アプリを介して、テック部門で連帯を示すために活発な労働運動を構築している方法について、詳しく説明した。企業の枠を超えた助け合いによって、SAP労組は人員削減に抵抗することができた。更に、組織化してより公平な賃金と労働条件を勝ち取った経験を通じ、ホワイトカラー労働者は、テック産業おける組合の重要性について、身をもって理解することができたという。

同様に、ルーマニアSITT労組のクリスティナ・ザベルカ氏(インド系企業テックマヒンドラの従業員)も、組合がオンラインツールを利用して現実世界でコミュニティを構築し、実際に成果を挙げた経験を共有した。米国の同僚と同じように、ルーマニアの労働者も燃え尽き症候群と闘い、仕事以外の共通の関心事をベースにグループを作ることで、集団としての精神を育んできた。SITTは既に数社で組織化を推進しており、今後も組織化を続け、産別協定の締結を目指していく。

「これまでは苦情を個別に経営陣に伝えていたが、対応してもらえなかった。今は一丸となって行動し、状況は劇的に改善されている」とザベルカ氏は強調した。

賃金の良い直接雇用の従業員であっても、生計を立てるのに苦労している下請け労働者であっても、座談会に参加したテック労働者達は同じ思いを共有していた。