人々をつなぎ未来を届ける―世界の郵便・ロジスティクス労組、世界大会で連帯

アマゾンキャンペーンに参加するJP労組の大会代議員

世界で200万人を超える郵便・ロジスティクス部門の労働者を代表する労働組合が、5月25~27日、UNI世界郵便・ロジスティクス部会大会に参集し、労働者の結束を高め、郵便サービスを強化していくことを誓った。コロナ禍のためオンラインで開催された世界大会には、60か国85労組の代表ら300人以上が出席した。

大会では、以下の4つの目標を含む今後4年間の戦略計画が採択された。

  1. 郵便の自由化・民営化と闘い、強力な公的郵便サービスを守ること
  2. 郵便サービスの多角化と、その強化のためのインセンティブを支援すること
  3. 環境にやさしく持続可能な産業を促進し、新たな技術やデジタル化に直面する中で雇用を守ること
  4. Eコマースが郵便・ロジスティクス部門を変える中、適正な賃金と労働条件を求めていくこと

増田UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長は、郵便サービスの多角化に関する日本やアジアの事例を挙げながら、多角化のプロセスに労働組合が関与する重要性を訴えた。

パンデミックで「郵便労働者はエッセンシャルワーカー」であることが証明された1年だったが、郵便部門では、技術革新の進展と相まって、郵便物量が激減し、小包の量が大幅に増加している。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「新しい技術やデジタル化は、将来的にも郵便事業に影響を与えていく。未来を決定づけるこれらの重要な問題に取組むため、郵便労組は団体交渉の戦略を新技術に対応させていかなければならない」と訴えた。

大会代議員は、団体交渉の適用範囲の拡大、社会対話の重要性、組織化の推進、グローバル枠組み協定の締結交渉と実施の確保、多国籍企業のデューデリジェンス・プロセスを通じ郵便・ロジスティクス産業全体での労働条件改善に向けた戦略計画を支持した。

大会では、世界中で繰り広げられている、アマゾンの労働組合権確保の闘いを支援する動議が採択され、動議を提案した米国の郵便労組は、各国においてもアマゾン労働者組織化の取組みを支援するよう、重ねて加盟組織に呼びかけた。また、増田UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長は、ミャンマーにおける平和、民主主義、人権・労働組合権を擁護する声明の採択を、UNI Aproを代表して提起し、大会は満場一致で承認した。この他、コロンビア、パレスチナ・イスラエルにおける平和、民主主義、人権・労働組合権の確保を求める声明も採択された。

来賓として基調講演を行った、国際運輸労連(ITF)のノエル・コード内陸運輸部会部長は、多国籍企業に責任を負わせるためのUNIとITFの協力関係強化を訴えた。

本大会はもともとセネガル・ダカールで開催されることになっており、開会式では同国のヤクバ・ジャタラ・デジタル・経済・通信大臣からのメッセージが代読された。大臣は、郵便サービスの品質向上とサービス拡大に向けた共同戦略を策定する手段として、労使の社会対話の重要性を強調した。

また、国連の機関である万国郵便連合(UPU)のシバ・ソマスンドラム規制・市場政策部長は、郵便事業の成功は、郵便労働者をもっと評価し支援することにかかっていると強調し、そのためにUPUはUNIと緊密な連携を図っていると述べた。

この他にも、来賓として、ポスト・ヨーロッパのボトンド・ゼベニー事務局長及びUPU諮問委員会のウァルター・トレゼク議長が、Eコマースに関するセッションで見解を述べた。バーゼル大学のジャクリン・カルベルマター氏は、「郵便・ロジスティクス部門の雇用に対するデジタル化の影響」に関し、UNIが委託した研究結果を報告した。

最後に、今後4年間の意欲的な戦略計画を実行に移していく、UNI世界郵便・ロジスティクス部会委員会メンバーと役員が選出された。増田UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長が世界副議長に再選された他、新設された女性枠の第5副議長に、モザンビークSINTAC郵便労組のビクトリア・フェリスベルト氏が選出された。また、世界委員会に青年議席1席の追加が確認され、各地域が2年間の輪番制で青年代表を推薦することとなった。議長については、英国のデイブ・ウォードCWU書記長が再選された。ウォード議長は就任挨拶の中で、労働組合が、今後数年間の、労働者の雇用と権利、サービスを守るため、喫緊の課題に立ち向かう必要性と国際連帯の重要性をあらためて強調した。