UNI Apro女性委員会:公正な未来の構築に向け、ジェンダーを超えた連帯呼びかけ

パンデミックの間、労働組合が雇用と労働者の安全を守るために邁進する中、UNI Apro女性委員会は、状況に甘んじることなく、すべての人にとって公正な未来をもたらすため、労働者は挑戦し続けるべきだと考えてきた。

この信念に突き動かされ、またUNI Apro女性メンバー間の既存ネットワーク及びコミュニケーション・チャンネルを強固なものにしてきた過去1年の経験から、UNI Apro女性委員会は、2021年5月22日にウェビナーを開催した。メーデーと国際女性デーを記念し、アジア太平洋地域の全域から加盟組織が集った。

このイベントは、アリス・チャンUNI Apro女性委員会担当部長、アンジャリ・ベデカー南アジア担当コーディネーター、ミシェル・ベリーノ東南アジア担当コーディネーター、森川容子東アジア担当コーディネーター(ウェビナー全体の司会も務めた)がコンセプトを練り上げて実現したものである。

ウェビナーは、今回のテーマ「より公正な未来の構築に向けてジェンダーを超えて連帯しよう」に沿って、東アジア、南アジア、東南アジア、太平洋地域と、全小地域の加盟組織から強力なスピーカーが勢揃いした。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長とベロニカ・メンデスUNI世界機会均等局長が、開会の挨拶を行った。冒頭の挨拶の中で、今回のパンデミック中に特に女性を苦しめた喫緊の課題について、概要が説明された。逼迫した資源と限られた制度面での能力が、女性の脆弱性をさらに悪化させることとなった。また挨拶では、今回のウェビナーが、女性メンバーの能力を紹介し、全ての女性に自信を持たせる上で最適な時期に開催されたことを歓迎した。

ミラ・スミラットUNI Apro女性委員会議長は、基調講演の中で、最前線で業務に従事する労働者やエッセンシャルワーカー、パンデミックで亡くなった人々に敬意を表すとともに、パンデミックによって引き起こされた地域の女性の喫緊の課題を聴衆に訴えた。とりわけ、大量解雇、精神的ストレス、家庭内暴力によって、何百万人もの女性が影響を被った。

Apro地域の女性は、各国政府が打ち出した不当な労働法や政策に対し、抵抗してきた。また、若い女性やLGBTIQの人々など、社会的弱者や脇に追いやられた人々を含めた団体交渉を通じ、ディーセントな労働条件を維持し、エッセンシャルワーカーの権利を守っていく必要性を声高に訴えた。

同様に重要な点は、香港、ミャンマー、そして最近ではパレスチナなど、平和的な集会や言論の自由が弾圧され、女性に悪影響が及んでいる地域の人々への連帯である。とりわけスミラット議長は、長年の不平等に取組んでいくためには、「ニューノーマル」が、すべての経済復興計画の中心に女性が含まれることを意味しなければならないと訴えた。

その後、ジュリア・アングリサノ・オーストラリア金融労組(FSU)書記長が、同国におけるリモートワークとつながらない権利にかかわる問題について、経験を共有した。多くのメンバーから要望の高いテーマであった。

インド郵便労組(FNPO)のレッカ支部書記次長は、同国の郵便労働者が、組合員、特に女性の郵便労働者のニーズに対応しながらも、一般市民へのサービスを維持するため、パンデミックによる諸課題に対処すべく奮闘している状況について熱く語った。

台湾の公共テレビ放送労組から参加したジャーナリストのパトリシア・ハン氏は、組合が実践する参加型のアプローチと、男女平等の促進に向けた実践手段について、生き生きした報告を行った。

オーストラリアのジュリア・フォックス店舗流通関連労組(SDA)書記次長(UNI世界女性委員会副議長)は、COVID-19や小売店従業員に対する暴力から労働者を守り安全な職場を確保したことや、パンデミック中の賃上げとエッセンシャルワーカーへの支払い獲得など、組合が勝ち取った主な成果を概説した。さらに、SDAが現在行っている調査など表立たない部分の活動についても紹介したが、これらはジェンダーの側面が強く、多くの加盟組織が関心を寄せる内容となった。

安藤賢太UAゼンセン流通部門副事務局長は、日本の現場スタッフを長年悩ませ、パンデミック時にさらに悪化した、悪質クレームに対するUAゼンセンの重要な模範的取組みについて、経験を共有した。

ジョシュ・グラホUNIフィリピン加盟協青年委員会副議長は、LGBTIQに対する偏見との闘いにおいて、労働組合がどのような役割を果たしうるか、取組みを共有した。LGBTIQに関する偏見への取組みは、最近UNI Apro女性委員会の活動にも組み込まれた課題である。

ウェビナーの最後に、アリス・チャンUNI Apro 女性委員会担当部長が、全てのスピーカーがダイナミックに意見交換したことを称賛するとともに、女性問題に焦点を当てるのは、国際女性デーの1日だけにすべきでないと訴えた。

現在、パンデミック前に得られた進歩が深刻な脅威にさらされており、さらに悪化する可能性もある。チャン担当部長は、UNI Apro女性委員会があらゆる形態の不公平と暴力に反対する立場であることを繰り返した。そのためには、あらゆる人の尊厳と権利を十分に守り、推し進めていくため、労働組合が女性の関心事をきちんと取り込んでいく必要がある。具体的な課題の1つとして、仕事の世界における暴力とハラスメントを包括的に扱うILO条約の批准キャンペーンを展開していくことが強調された。