UNIと欧州保険業界使用者団体、人工知能(AI)の責任ある利用に取組む共同宣言に署名

2021年3月16日、UNI欧州金融部会は、欧州の保険業界使用者団体である欧州保険協会、BIPAR(国際保険募集人連盟)及びAMICE(ヨーロッパ協同組合・相互保険者協会)と、人工知能(AI)に関する共同宣言に署名し、AIについて業界全体で責任ある倫理的な運用に取組んでいくことに合意した。
本宣言では、AIは人間の能力に取って代わるものではなく、人間の能力を強化するために設計・使用されるべきであり、AIシステムの運用に際しては「人間による制御」の原則に従わなければならないとしている。
署名者は、AIが労働条件の改善や生産性の向上に資することを認識する一方、従業員がAIによって不当な偏見や差別に晒されてはならない点に同意している。
アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は「当然ながら労働者は、AIが職業生活に侵入してくる可能性について懸念している。この宣言は、責任あるAIに関する一連の原則を確立するものであり、労働者及び雇用を守るだけでなく、労働者がAIの非倫理的使用を求められないようにするものだ」と指摘した。
共同宣言は、バリューチェーン全体における「ピープルプラン(人材開発・人事評価制度)」におけるAIの責任ある運用に初めて言及したものだ。
マイケル・ブドルフセンUNI欧州金融部会議長は、「責任ある方法でAIが開発・運用されることは、保険業界の従業員の労働条件や企業の長期的競争力にとって極めて重要だ。業界全体が、AIの使用条件について労働組合と協力して交渉を行うことを奨励する。例えば、従業員のスキルニーズをマッピングし、キャリアパスやトレーニングの可能性を切り拓くためのAI利用などが挙げられる。」と語る。
また共同宣言では、AIによるデータ使用や処理を行う場合も含め、透明性に関する規則を遵守する重要性が強調されている。
クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この共同宣言は、職場におけるAI使用に関し、組合及び企業が直面している多くの課題に言及した歓迎すべき声明である。この宣言は、労働組合には新たなテクノロジーから成果を得る能力があることを認めるとともに、採用プロセスやアルゴリズム管理にAIを使用した際に偏見が生じる危険性など、その他の重要な分野についても社会パートナーとの議論が必要であると認識するものだ。前向きで明るい進展だ」と喜んだ。
共同宣言は、18か月におよぶ交渉を経て合意され、欧州保険部門社会対話会議において、欧州委員会の立会いのもと、署名された。
今後も欧州保険業界における社会パートナーは、雇用に関するAI使用の発達と、保険業の従業員や企業への社会的影響について引き続き注視し、議論していくことになる。