アルゼンチン国立銀行でトランスジェンダーの割当雇用を獲得する歴史的合意

アルゼンチンのUNI加盟組織であるラ・バンカリアが国立銀行との間で、金融部門におけるトランスジェンダーの人々のための割当雇用制度を設置する協定に署名した。

この協定は、割当は「国立銀行の全従業員数の1%を下回らないものとする」と規定しており、その目的は、過去にこうした人々が被ってきた社会的排除と構造的差別を是正する具体策を導入することにある。

共同声明の中で労使双方は「これまでなおざりにされてきた人々を包摂し、こうしたグループの人々に対する歴史的・社会的な負債を認識し、是正することに全力を尽くし、全ての市民にとってより公平でより良い社会の構築に貢献していく」ことを目指すと宣言した。

ラ・バンカリア書記長を務めるセルジオ・パラッツォUNI米州金融部会議長は次のように述べた。「アルゼンチンの国立銀行は、この種の協定を締結した世界で最初の銀行となった。政府のインクルージョン(包摂)政策の後押しなくして、この協定は成立しなかったということを述べなければならない。この協定には、高度にイデオロギーに関わる内容が含まれている。これは割当雇用に限った話ではなく、認識を高めるキャンペーンや、専門職に対する教育研修にまで及ぶ話だ。正しい道を歩んでいると思う」

ギジェルモ・マフェオUNI米州金融部会担当部長は、この革新的な協定は、組織化された労働運動の歴史を変えるものであるとし「ラ・バンカリアがアルゼンチン最大の銀行で獲得したトランスジェンダーの地位は、社会で最も弱い立場にある人々を社会が公正に認識し統合していくための非常に大きなステップだ」と述べ、次のように続けた。

「この協定は国立銀行に留まらず、アルゼンチンの他行においても同様の事例を作っていくものだ。国境を超え、米州や世界中のあらゆる銀行においてトランスジェンダーの雇用割当のために闘っていくことを我々に迫るものだ。UNI米州金融部会は世界規模で調査したが、銀行がトランスジェンダーおよびトランスヴェスタイト*の人々の雇用割当に関する制度を設けるのは今回が初めてだということが分かった。このことは非常に誇らしく思うが、同時にあらゆる場所へと拡大していくことは大きな挑戦だ。その意味で、アルゼンチン国立銀行内労働組合委員会の今回の取組みを評価したい。こうした取組みが無ければ、話は違っていたであろう。」

また、ブリセイダ・ゴンザレスUNI米州機会均等部長は次のように述べた。「UNI機会均等局は、世界中のLGBTI+の労働者を含め、あらゆる被差別グループについて人々の意識を高め保護するためのキャンペーンを行ってきた。いかなる形態の差別も存在しないディーセントワークを促進していく上で、組合は重要な役割を担っている。今回、トランスジェンダーの労働者の権利と尊厳を守り、暴力や差別のない労働環境へと統合していく上で組合がどのように取組むことができるか、銀行は明確な模範となっている。」

 

*異性のものとされる服装を着用する人。狭義には、生物的・社会的な性転換を伴わない外面的な異性装や異性装者のこと。