UNIメディア部会、女性役員情報交換

UNIメディア部会女性役員は毎年、世界執行委員会に合わせて情報交換を行っている。2020年はコロナ禍のため、8月10~11日、オンラインでの開催となった。新型コロナウィルス感染拡大が世界中のメディア・娯楽産業で働く女性に及ぼした影響について情報共有し、組合の情報発信におけるジェンダー描写について議論を行い、国際舞台演劇映画組合(IATSE)から、米国の同産業におけるジェンダー平等を求める闘いについての講演を受けた。

IATSEのジョアン・M・サンダース国際担当副委員長は、IATSEにおける女性労働者の地位向上を成し遂げた経緯を説明した。過去100年近く、撮影クルーにおいても組合役員においても女性比率は非常に低かった。しかし、時間はかかったが着実に、IATSEの女性は組合内で、女性の重要性を認識してもらい、その結果より高い役職に多くの女性が就けるよう、結束を深めて取組んできた。そうするうちに、組合の支部等にも効果が波及し、変化が起こり始めた。これらの努力が2015年6月6日、IATSE女性委員会の設立につながった。その翌年、IATSEは平等に関する声明も採択した。女性委員会は、女性の人脈作りやメンタリングの機会、各種教材を提供したり、ソーシャルメディアを活用したキャンペーンを展開したりする他、コミュニティにも働きかけたり、IATSE女性組合員の様々な活動を企画・実施している。その後、IATSEは2019年にプライド委員会を設立することによって、LGBTQ+組合員を含めるよう範囲を拡大し、組合及び広くコミュニティにおいて認知度を高めると同時に、LGBTQ+組合員に重要な問題についての意識喚起も行った。ジョージ・フロイドの死を受けて、ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大切だ)運動が国内外で注目され、とりわけ警察や司法当局による有色人種の扱いに注意が向けられるようになった。IATSEは現在、BIPOC(黒人、原住民、有色人種)組合員のニーズに応えられるよう、多様性委員会を改変しようとしている。ジョアン・M・サンダース副委員長は、「人種差別主義者でない」だけでは不十分だと強調し、我々は「人種差別反対主義者」だと断言しなければならないと訴えた。

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、今回のパンデミックが世界中の女性に及ぼした影響について話した。「感染拡大当初、女性に不足していたのは情報だった。労働組合がこのような例外的な状況の中で労働者の権利について、また危機からいかに自分を守るかについての情報を提供すべきであったのは明白だった」と強調した。UNI機会均等局は、女性労働者向けの教材を作成し、共有している。女性の多くは、エッセンシャルワーカーとして、命を危険に晒しつつ最前線で働いている。女性参加者の多くが、それぞれの国において、「コロナ危機を受けて実施されたロックダウンの間に、女性に偏って育児や家事の負担が増し、仕事との両立が難しくなった」、「育児サービスを受けられなくなり女性は仕事を辞めざるをえなかった」、「在宅・自粛期間中、明らかに家庭内暴力が増えた」等と報告した。UNI機会均等局は、加盟組織と連携し、例えばオンライン教育を受けられるようにする等、最も弱い立場にある女性が支援を受けられるよう働きかけている。

メディアにおけるジェンダーの描写について、UNIメディア部会女性ワーキンググループは、リーフレットを作成している。その目的は、組合内で、広報資料に関して男女をどのように描写しているかについての議論を始めることである。例えば、ある職種を無意識に特定のジェンダーに連想させる固定観念を押し付けるような広報資料をまだ見かける。リーフレットがまとめられたら、メディア部会加盟組織には、自組織の広報資料やジェンダー問題への取組みの評価に活用するだけでなく、ジェンダーを巡る描写について議論を奨励し、意識喚起のためにも活用することが期待されている。

日本からは、民放労連・女性協議会の岸田議長が、民放産業における女性役員の登用を求める取組みについて、日本俳優連合の森崎国際事業部長が、俳優をはじめとするフリーランス労働者への法的保護拡大の取組みについてそれぞれ状況を報告した。岸田議長は、女性役員を登用し多様性を確保しなければ先入観の無い倫理的な決定がなされず業界は生き残れないと訴えた。