2013年9月23日、トミー・アンダーソンUNI印刷・パッケージング部会議長夫妻が来日した。翌24日には印刷労連を訪問し、釣本利幸委員長、田倉正司委員長代行他と意見交換を行った。印刷労連を中心に、現在の印刷産業の抱える問題、組合運動のあり方等について議論した。午後には、国立印刷局・滝野川工場を訪問して竹井京二委員長、川口工場長の歓迎を受け、工場見学や意見交換を行った。25日は午前中に釣本印刷労連委員長、高橋義春同副委員長の案内で、印刷博物館を訪問、日本の印刷技術の質の高さを堪能した。
同日午後にはNTT労組会議室にてUNI-LCJ印刷部会主催のセミナー「北欧における印刷産業と印刷労働組合運動の現状」を開催し、全印刷、印刷労連、UAゼンセンから40人以上が参加した。
まずスウェーデンの労使関係モデルについて説明があった。アンダーソン議長が副委員長を務めるGSは、ソーシャル・パートナーである使用者団体と団体交渉を行い、全国協約を締結する。組合員は全てこの産業別の全国協約にカバーされており、全国協約の水準の賃金を支払えない企業は市場から撤退する。失業者には失業前賃金の80%水準の失業保険が最大2年間給付される。
同国の組織率は80%以上であり、こうしたシステムによって労働者が保護されてきた。保守党政権はこのモデルを覆そうとしており、組合としてはスウェーデンモデルを守るための取組みが必要だと述べた。また、グローバル化によって、底辺へ向かう競争が続いており、こうした流れに対抗するためには、多国籍企業の組織化やグローバル枠組み協定の締結が必要だと強調した。
質疑応答では、欧州における印刷市場の動向、日本とスウェーデンの社会保障の違い、スウェーデンの組合費、非正規労働者の組織化、高齢労働者の状況等について熱心な質問が出され、議長からそれぞれに丁寧な応答がなされた。
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