スウェーデン商業労組、新型コロナウィルス危機の間に組合員5000人増加

UNIに加盟するスウェーデン商業労組ハンデルは、新型コロナウィルス危機の間の解雇回避と労働者の賃金維持を求めて小売業使用者との交渉に成功し、2020年3月だけで組合員が5000人増加した。

ハンデルと使用者団体であるスウェーデン商業連盟(スヴェンスク・ハンデル)は、従業員の労働時間を20%、40%、または60%まで短縮することに合意した。しかしながら、賃金は、国からの補償によりそれぞれ僅か4%、6%または7.5%の低下で済む。つまり、労働者は、自らの仕事を守り、かつ、収入も高レベルに維持できるというわけだ。

この協定は、スウェーデン政府が解雇を避けるために労働時間の短縮を可能にする新しい法制度を導入した後に締結された。

ハンデルと使用者団体は、ウィルス拡散を防止し、商業部門の雇用喪失につながる経済への悪影響を避けるための共通ガイドラインにも合意した。このガイドラインは、労働条件の迅速な変更を可能とするが、意思決定プロセスに各地の組合及び従業員を巻き込む必要性を強調している。

スウェーデンでは、これまでに、2000件以上の新型コロナウィルスの感染報告があり、30人以上がこのパンデミックで命を落としている。危機は益々拡大し、経済や商業部門に深刻な影響を与えているが、ハンデルの協定は、こうした危機への対応時に、団体交渉と対話がいかに重要な役割を果たすかを示すものである。

雇用、賃金、労働者の健康を守るためのハンデルの取組みは、労働者の支援を求めるニーズの高まりと相まって、組合員の劇的な増加につながった。通常の組織化活動の多くが新型コロナウィルスのせいで停止しているが、ハンデルは、電話やインターネットを利用した運動を展開することにより、新規組合員や潜在的組合員に接触している。

ハンデル会長でありUNI欧州商業部会議長を務めるスザンナ・ギデオンソンは次のように訴えた。

「今こそ我々の組織の真価が試されており、嬉しいことに労働者が新たにハンデルに加入している。我々を取り巻く世界は混乱に陥っているが、組合は断固闘っている。我々は皆、長期に渡りこの危機がもたらす結果と共に生きていかなくてはならない。しかし、我々の職務の基本は常に変わらない。それは、組織化と影響力の拡大だ。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長はハンデルの組合員増加を称賛し、こう語った。

「ハンデルは、この困難な時に商業労働者にとって強い組合が重要であることを益々明確に示してくれている。組合は、最前線で働く商業労働者を守り、更なる保護と権利を獲得するために闘いながら力を構築し続けることができるし、それをしなくてはならない」