2019年5月14日、欧州連合司法裁判所は、銀行産業だけでなく欧州全域の労働者を、健康を害する恐れのある過度な長時間労働から保護し、毎日及び1週間単位で休息期間を受ける権利と適切なワークライフバランスを確保する、画期的な判決を下した。
スペインのUNI加盟組織CCOOが、労働時間及び残業時間を適切に記録するよう多国籍企業ドイツ銀行に要求するも、はねつけられたため、欧州連合司法裁判所に判断を仰いでいた。
司法裁判所は、労働者には、労働時間に関する欧州指令によって認められた「労働時間を制限する権利」があるとし、EU加盟国には、使用者が「客観的に、信頼性ある方法で」1日の労働時間を記録する仕組みを整えることを義務付けるよう指摘した。
CCOOは、「労働者の権利を明白に擁護し、加盟国にそれを保障する法制化を義務付けた」この判決を歓迎した。スペインの組合は引き続き、残業時間全てに適切な報酬が支払われ、社会保障の対象とされるよう要求していく。
昨年9月、UNI欧州地域組織が採択したウィーン宣言の中では、労働時間の公正な配分や、人生の様々な段階に合わせて調整された労働時間の取り決めを通じ、労働者が自らの労働時間を決められるよう、また、生涯学習への投資をより強調する中で、労働者の自主性が強化されるよう求めている。
「現在の労働時間の文化は、社会構造に悪影響を及ぼしている。労働者は、働き過ぎで限界に達しているか、或いはきちんと家族を養うために必要な労働時間を否定されている」と、オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は指摘する。「ウィーン宣言では、労働時間の現状を徹底的に見直し、欧州全域の労働者により良い労働条件と自主性をもたらす、具体的な解決策が示されている。」