世界平和、民主主義、人権を求めて

平和と民主主義は労働運動にとって重要である。UNIは国連核兵器禁止条約の成立に大きく貢献した2つの平和推進組織、ICAN及びIPBのメンバーである。1891年に設立された世界で最も歴史のある平和団体、国際平和ビューロー(IPB)は1910年に、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)は2017年に、それぞれノーベル平和賞を受賞した。ライナー・ブラウン国際平和ビューロー(IPB)共同会長は、世界大会で演説し、「平和は今脅かされ、世界は混乱状態にある。軍備拡大から縮小へ舵を切らねばならない。対立と軍事化の政治を克服しなければならない」と強く訴えた。2010年に開催された長崎世界大会において、UNIファミリーは、核兵器の恐怖を再認識するとともに、核兵器廃絶を求める世界平和の大使となることを誓った。

UGTT(チュニジア労働総同盟)のフセン・アバシ前書記長は、希望と連帯のメッセージを大会代議員に送った。国民対話カルテットの一員として、アバシ前書記長は不断の努力を続け、チュニジアを内戦から救った。2015年10月、UGTT、チュニジア商工業・手工業経営者連合、チュニジア人権擁護連盟、チュニジア全国法律家協会から構成される国民対話カルテットはノーベル平和賞を受賞した。「グローバル化によって我々は、強欲な企業、不安定な雇用、民主主義の縮小といった同じ課題に直面している。UNIは単に2000万人の労働者を持つ組織であるだけでなく、アイデアを持つ組織だ。みんなで立ち上がり、平和、労働者の権利、正義のために闘っている。我々が直面するグローバルな課題には、組織間、国家間の連携を強化してこそ打ち勝つことができる。一貫したアクションと、経済・社会・教育的行動を通じて、国際連帯を持続していかなければならない。」国民対話カルテットの事例は、市民社会、とりわけ労働組合が社会の亀裂を癒す上で大きな役割を果たせることを証明した。

続いて、不正に立ち向かっている人や団体にUNIから「恐怖からの解放賞」が贈られた。

ヒルズボロ遺族支援グループ、ヒルズボロ正義キャンペーン、故アン・ウィリアムズ氏は皆、1989年4月に発生したヒルズボロの悲劇(サッカースタジアムで発生した将棋倒しで96人のファンが犠牲になった)の遺族と生存者のために正義を勝ち取るまで、その闘いを決して諦めなかった。代表して受賞したジリアン・エドワーズ氏とシーラ・コールマン氏に、大会代議員は総立ちの拍手で称えた。「私達は女性として決して諦めなかった。リバプールの女性のDNAかもしれない」とコールマン氏は述べた。英国政府は96人の死亡の原因を隠蔽しようとしたが、彼女達の正義を明らかにするという決意は揺るがなかった。「他の人のために集団で闘う意味を理解する、UNIのような同志から表彰されて光栄だ。」ヒルズボロの悲劇の正義は実現したが、現在は他のキャンペーングループが真実を明かそうとするのを支援している。彼女達は、恐怖からの解放賞を、グレンフェルの正義を求めるキャンペーン(2017年に発生したグレンフェルの火災で72人が犠牲となった後、結成された)に捧げた。

偏狭、人種差別、外国人排斥に立ち向かっている国際奴隷博物館にも同賞が贈られ、リチャード・ベンジャミン館長が受賞した。同博物館は、道義に反する奴隷制度を風化させないよう、今でも闘い続けている。同博物館は、奴隷貿易廃止法制定200周年記念の、2007年8月に開館した。だが、未だに世界史の暗く野蛮な出来事の遺産は残っている。「2007年の開館以来、400万人を超える人がこの示唆に富む博物館を訪れた。我々は来館者に、大西洋奴隷貿易の遺産を思い巡らすだけでなく、現代の奴隷の形態すなわち人身売買や債務労働等の奴隷についても積極的に考えてもらいたい」とベンジャミン館長は述べた。国際奴隷博物館は、奴隷制度の国際的な重要性を歴史的及び現代的視点から訴えかけている。他の団体と連携し、奴隷制度と自由に焦点を当て、現代の奴隷制度の理解と意識喚起の機会を提供すると共に、人種差別や憎悪犯罪と闘っている。第三者憎悪犯罪報告センターに指定された英国で唯一の博物館でもある。

米国のプロバスケットボール選手、ビルキス・アブドゥル・カーディルは、イスラム教の女性が被るスカーフ(ヒジャブ)を着用して競技する権利を要求して闘った勇気を称えられ、恐怖からの解放賞を受賞した。3年間競技停止を受けてもなお、彼女はUNI世界選手協会、世界各国のバスケットボール選手協会、EUアスリート及び人権ウォッチ(NGO)等と連携して差別をなくすキャンペーンを展開し、国際バスケットボール連盟(FIBA)の禁止規定を覆させた。受賞演説で彼女は、バスケットボール選手への平等な扱いという観点だけでなく、イスラム教の女性への偏見や差別をなくす闘いだったと振り返った。「若いイスラム教の女子選手が安心して競技できる場をつくりたかった。イスラム教の女性はどこにでもいる。彼女達は他の人々と同様に扱われ、同様にする権利がある。」それでも人種差別や外国人排斥との闘いは続く。全ての組合活動家は、逆境を跳ね返した彼女の強さに勇気付けられるだろう。バラク・オバマ前米国大統領は、「ビルキスはイスラム教の女児だけでなく、我々全員に感動を与えた」と称えた。

フロアから発言した藪裕之代議員(JP労組)は、東日本大震災の直後に世界の仲間から受けた連帯支援に感謝すると同時に、自ら被災しても地域の役に立ちたいという使命感を持って仕事をしたことを振り返り、助け合い労わり合う心があれば、争いはなくなるだろうと述べた。そして将来を担うユース世代が中心となって、人を思いやる精神をもって全ての労働者の社会的地位の向上に取組み、世界平和の実現に向けて行動していくとの決意を述べた。

動議5については、LGBTQI、メディア、スポーツの視点を追加し、トルコ情勢等を修正した、決議委員会の最終案が採択された。

 

 


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