労働の未来には公正な移行が必要

ドイツ連邦労働社会省のトーベン・アルブレヒト事務次官は、ドイツ・ベルリンで開催されたUNI世界商業部会大会に特別ゲストとして出席し、労働の未来における公正な移行について基調講演を行なった。アルブレヒト事務次官は大会代議員に問いかけた。「問題は、我々が将来どのような働き方をしたいのか、である。」それがドイツにおいて「労働4.0」が投げかけた問題である。

「労働者のニーズや価値が優先されなければならない。つまり、ディーセントで質が高く、賃金も高い仕事という意味だ。労働の未来は、人間が中心でなければならない。デジタルツールは使うが、現場の人間を監視するアルゴリズムに従属するのではない。」

「デジタルな職場を形作るのは人間でなければならない。悲観することはないが、油断せず、議論と交渉を通じて、意見の相違があってもそれを克服することで、デジタルな職場を作っていかなければならない。」

アルブレヒト事務次官は、デジタル革命によって「中間クラス」の雇用が空洞化する危険性を警告した。従って、労働者にはスキルアップや再訓練が必要になるだろう。特に低賃金労働者のスキルアップが重要である。職場で求められるスキルに投資するのは会社の責任であり、全ての労働者がスキルアップに参加できるよう、労使協議会に資源と専門性を持たせることが重要だと述べた。

更に、従来の仕事から新しい仕事への公正な移行を実現することが不可欠であり、そのためには例えば、国が失業手当を支給するより、失業する前に労働者が再訓練を受けられるよう投資することを提案した。

また、アルブレヒト事務次官は、見せかけの自営業者対策を最優先するとも明言した。「小さなコンピュータ会社を設立した起業家と、権利も年金も無いタクシー運転手は大きく違う。ドイツにはウーバーのビジネスモデルを防止する法律がある。同じ様に、デジタル・プラットフォームは使用者としての責任をクラウド労働者に負う。ドイツには、家で働く裁縫師の権利擁護を目的とする在宅労働法がある。同様の法律がクラウド労働者に適用できない理由はない。」

アルブレヒト事務次官は、多くの答えは、従来の解決策である、団体交渉、交渉の自由、組織化の自由にかかっていると述べた。「ドイツではこれらの権利は法律に書かれているが、効果的な労使協議会がない場合には、濫用されることもある。この点では、なすべきことは多い。」

最後に、本社がシリコンバレーのように他の国にあるとしても、プラットフォームがある国で事業を行うのであれば、その国の法律が適用されるべきである、とアルブレヒト事務次官は述べた。同様に、国境を超えて収入が生み出されているにも関わらず、租税回避ができるような税の抜け穴を暴く方法も見つけなければならない。


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