ドイツのサプライチェーン法、法改正によって重大な弱体化のリスク

『デュー・ディリジェンス法の効果 ₋ドイツサプライチェーン法施行の事例から』と題する新たな報告書は、ドイツのサプライチェーン法が人権保護に効果的であることを示している。だが、現在審議中の同法改正案により、こうした成果が危ぶまれる状況となっている。

2026年2月9日に発表された新たな報告書で、ドイツの非営利組織Germanwatchと、同じくドイツの開発援助団体Misereorは、2023年から施行されているドイツのサプライチェーン法(LkSG)が実際にどのように機能し、世界中で人々の権利を守るためにどのように活用しているのかを明らかにしている。UNIとその加盟組織の事例を含む複数の事例調査を用いて、報告書は最近審議されている同法の改正案が、その有効性を大幅に制限する可能性があると警告している。

本報告書の著者であり、Germanwatchで企業の説明責任政策アドバイザーを務めるフィン・シュフト氏は、「ドイツの運輸部門であれ、トルコにおける結社の自由の実現であれ、西アフリカでの原料採掘問題であれ、世界中の人々と企業がすでにサプライチェーン法を活用し、人権侵害への対策に成功している。例えば西アフリカでは、ドイツ企業が初めて現地パートナーと連携し、ボーキサイト採掘による環境への深刻な影響について、対策を実施し始めた」と述べる。

サプライチェーン法は、ドイツ国内でも賃金の未払いなど、繰り返し権利を侵害されているトラック運転手にとって重要な手段だ。「サプライチェーン法により、影響力を持つ発注企業に対し、サプライヤーによる権利侵害を防止する責任を追及できる。これによって多くの事例で、運転手は未払い賃金を受け取れるようになった」と説明するのは、不当な扱いを受けた運転手を支援するフェア・モビリティ・ネットワークで部門コーディネーターを務めるアンナ・ヴァイリッヒ氏だ。

ドイツ企業のサプライチェーンにおける結社の自由の実現も好例だ。アルケ・べシガーUNI副書記長は、「サプライチェーン法は、労働者が労働組合を結成する権利を保障する新たな道を開いた。この法律の助けを借りて、トルコのUNI加盟組織は既に数多くの事例でドイツ企業の反組合活動に対して成功裏に措置を講じ、団体交渉を通じてより良い労働条件を確保することができた」とその意義を語る。

だが同時に調査結果は、最近提案されたサプライチェーン法の弱体化案が、こうした多くの成果を危うくする可能性があるということも示している。Misereorのアルミン・パーシュ責任ある企業活動政策アドバイザーは、「連邦政府はサプライチェーン法改正により、企業が人権リスクや対策の効果について分析を怠った場合の制裁を撤廃しようとしている。これにより法の抑止力が大幅に弱まり、人権侵害が発生する可能性が高まる」と警告する。

本調査では、サプライチェーン法に関わる労働組合、協会、企業、市民社会組織の専門家20名以上がインタビューに応じた。

ドイツ連邦議会では現在、サプライチェーン法改正案が審議中である。2026年2月上旬に、一部の業界団体が同法の完全停止を要求したばかりである。