労働組合、米郵政公社の民営化を狙うトランプ大統領に抵抗

UNIに加盟する米国の郵便労組が、米国郵政公社(USPS)の民営化を目論むトランプ大統領の意向が最近改めて示されたことを受け、反撃に出ている。

マーク・ディモンドスタイン米郵便労組(APWU、内勤従業員の組合)委員長は、「紛れもない事実として、郵便事業は攻撃にさらされている」と警告を発し、「これは郵便局だけの問題ではない。郵便局を利用する人々、我々の地域社会、公共の利益に関わる問題だ」と、雑誌『マザー・ジョーンズ』のインタビューで続けた。さらに民間企業に利益をもたらすためにUSPSを弱体化させようとする動きについて、「権力掌握」であるとして批判した。

トランプ米大統領は、2024年度には95億ドルに上るUSPSの財政赤字を政府が補填することを望まないと発言している。しかし組合側は、長期的な効率化を図るために多額の投資を行ってきたこと、年間800億ドルの収益と拡大の可能性があることから、財政的に安定していると主張している。

こうした中で2025年2月13日、全米郵便労組(NALC、外勤従業員の組合)は、公正な契約、労働者の安全、民営化の阻止などを求める「徹底抗戦」キャンペーンを開始した。

ブライアン・L・レンフロNALC委員長は、「郵便事業の民営化の動きには組合として何としてでも抗戦する準備ができている。民営化の考えは完全に誤っており、郵便配達員や我々が提供するユニバーサルサービス、そして安全で信頼性の高いUSPSを直接攻撃するものだ。我々の仕事は地域社会を結びつけるものであり、切手やサービスによる収益によって支えられている。納税者の税金によるものではない。郵便サービスは米国の歴史よりも古く、米国憲法に定められている。我々はすべての連邦議会議員がH.Res.70(民営化反対の決議案)の共同提案者となるまで、民営化反対の闘いを続ける」と語気を強めた。

1775年に設立され 2025年に250周年を迎えるUSPSは、国民から最も愛され、信頼されている機関のひとつであり、72%の支持率を誇る。USPSは最低でも週6日間、1億6800万以上の住所に、3億7600万通の郵便物と小包を配達している。64万人の従業員を擁し、退役軍人の雇用者としては国内最大である。またUSPSのネットワークは、AmazonやFedExなどの民間配送業者にとっても重要な役割を果たしている。こうした企業がUSPSと提携しているのは、USPSが全米のあらゆる企業および個人顧客に対して独自のラストワンマイル配送サービスを提供しているためだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は「我々は欧州における郵便事業の民営化の危険を目の当たりにしてきた。民営化によってサービスの低下、料金の値上げ、雇用削減、郵便配達が採算に合わない地方コミュニティの切り捨てにつながっている。トランプ大統領は、USPSを民営化するのではなく、Eコマースの機会を捉え、特に疎外された地域や遠隔地へのサービスを拡大し、かけがえのない公共の通信ネットワークを保護するため、郵便事業を支援すべきだ」と述べ、米国の郵便労組の闘いを支持した。