重要な節目となる欧州デュー・ディリジェンス指令の最終承認

長年にわたる審議と白熱した交渉の末、欧州連合(EU)の閣僚は2024年5月24日、企業の持続可能性に関するデュー・ディリジェンス指令(CSDD)を最終承認した。企業の説明責任に新時代の到来を告げるものであり、今回の成果は、労働組合、市民社会、進歩的な議員のたゆまぬ取組みによって勝ち取られた前進である。

この指令は、企業の本社が欧州にあっても海外にあっても、欧州に大きな影響を及ぼす全ての企業が世界中の労働者の人権を確実に尊重するようにするための新たな可能性を引き出す。対象となる推定5,400社の範囲には、グローバルな事業、下請け業者、子会社、グローバルなバリューチェーン全体の労働者数百万人が含まれることになる。

この広大な範囲に人権デュー・ディリジェンスの義務化をもたらすと同時に、既存の国内デュー・ディリジェンス法を超える新たな規定も導入する。最も重要なことは、デュー・ディリジェンス・プロセスのあらゆる段階を通じて労働組合の役割が組み込まれる点である。また、監督当局が苦情を受理できるなど、様々な手段を組み合わせた執行の可能性も導入しており、その範囲は限定的ではあるが、民事責任を導入した最初のデュー・ディリジェンス法である。

欧州の各国労働組合は、 堅固な国内法制を確保するため、各国政府に強力な立法基盤を設定するよう圧力をかけていく必要がある。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「ようやく欧州連合(EU)レベルでCSDDが可決されたことは、大きな節目だ。この指令には制限があるものの、労働者の権利を守ろうとするEUの重要なリーダーシップが示されている。欧州全域の労働組合は今後、国内法が指令を確実に実施するだけでなく、さらに水準を高める機会を確実に捉えるべく、気を配っていくだろう」と述べた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「今回の承認は、 莫大な苦闘の末の勝利であり、労働者を保護する法律が弱い、もしくは存在しない国々の労働者に特に恩恵をもたらすもの。例えばアマゾンの請負業者は、ついに正義を求める手段を得ることになる。グローバル・ブランドの衣料品を生産する労働者は、EU域内で申立てを行えるようになる。UNIにとって、この法律の実施と施行は主要な優先事項となるだろう」と付言した。