第1回UNI Apro東アジア金融労組フォーラムを東京で開催!

2023年10月26日午前、東京・神田明神ホールにて、日本、韓国、台湾、香港のUNI加盟金融労組より約50名が一同に会し、第1回UNI Apro東アジア金融労組フォーラムが開催された。2021年3月の準備会合以来、2回の延期を経て初めての開催となった。

■開会 
冒頭、北村聡太UNI Apro金融部会議長は、これまで様々な形で東アジアの仲間と交流を図ってきたことが2020年の台湾金融労連(TFFU)のUNI加盟、更にはこの第1回フォーラム開催に繋がったとして、友好関係の構築に貢献いただいた諸先輩に感謝の意を表した。また「今フォーラムはあえて特定のテーマを設定せず、お互いを知り合い各国組織の取組みを共有し、意見交換を行うことからスタートしたい。東アジアの金融労組が国境を越えて連携し、未来に向けて共に歩む一歩として、このフォーラムを位置付けたい」と述べた。続いて、キム・ヒュンスン韓国金融労組(KFIU)副会長とジョン・フージー台湾金融労連(TFFU)会長が挨拶した。

■基調講演
アンジェロ・ディ・クリストUNI世界金融部会担当局長が「アジア太平洋地域における金融労働者の課題」をテーマに講演し、雇用不安、賃金格差、長時間労働とストレス、デジタル化、金融規制、金融包摂、持続可能な金融などのキーワードについて概説し、「労働者の権利が守られるようにするためには、団体交渉を強化し、拡大する必要がある」と訴えた。出席者からは、感情労働やストレス管理の観点から金融労働者に対する保護の取組みや、フィンテック企業に対する規制について、質問が出された。

■加盟組織より報告
日本から金融部会7組織(全信連、生保労連、全国農団労、労済労連、全労金、損保労連、JP労組=発表順)が、韓国からKFIUが、台湾からTFFUが、それぞれ組織紹介および重点取組み等の報告をし、互いの組織と重点取り組み活動などについて理解を深めた。

●台湾金融労連 ジョン・フージー会長:1993年に結成、2001年に労働委員会に承認された。組合として最近の重要課題は、「企業の吸収・合併と労働者の権利保護」「繰延賞与と賃金の定義と退職金への反映」「保険業務員の雇用契約と業績保護」の3つである。

●韓国金融労組 キム・ヒュンスン副会長:組合員約9万4千人を擁する産別労組であり、週5日勤務制等がこれまでの大きな成果である。2023年度には感情労働者の業務中断権、家族看護勤務時間短縮制度の新設等を獲得した。現在、韓国産業銀行の移転について、阻止闘争を展開している。また、反金融・反労働弾圧政策に対し、二大産別が共同で連帯闘争を進めている。

以下、日本の加盟組織
●全信連(小川道知議長、福本耕介副議長):全信連としての主な取組みは、対外交流・調査研究、組合員向けの講演会や役員対象の勉強会の開催、情報交換である。単組としては、それぞれ職場環境・労働条件の維持改善に向けた会社との協議や組織の一体感醸成、組合員の意見収集などに取組んでいる。

●生保労連(松田惣佑中央副書記長):組合員の7割が生保営業職であり、9割が女性である。2023年の春闘では多くの組合で賃金改善に繋がる成果を獲得、今後も賃金改善の流れを継続すべく、組合員の賃金・処遇、そして働く環境の改善を目指していく。また生保産業や営業職員の社会的理解拡大に向けた取組み、産業政策推進、ジェンダー平等推進などが重点課題である。

●全国農団労 (川岸正徳中央執行委員長代行):1989年に結成、農協等の従事者11000人を組織している。農協事業や農業再建により、農協経営の改善から賃金水準や労働条件の引き上げを目指す方針である。また、法案に則した職員教育などを課題について、農水省との意見交換も行う。

●労済労連(古川伸平中央副執行委員長):こくみん共済coopグループの9労組で構成され、「協同組合運動・労働者自主福祉運動の推進を柱とする政策実現に向けて、協同組織産別・単組連絡会の取り組み、全労金との定期協議、事業体への政策反映・提言活動を行う。ジェンダー平等推進、環境活動や社会貢献活動について、専門委員会を設置して取組んでいる。

●全労金(櫻井大介書記長):重点課題である「ジェンダー平等と男女平等参画社会の実現に向けた取組み」では、DVやハラスメントの根絶や被害者支援の活動を行い、2021年にはハラスメントの禁止ガイドラインを制定した。また高年齢者雇用に関しては、定年退職年齢を65歳とすべく協議を進めており、これに併せて退職金制度や人事・賃金制度の改定についても協議中である。

●損保労連(上山慶事務局長):22単組、約85,000人の組合員を擁する。労働条件の維持向上、健全な産業発展を目的に掲げ、労連としては、各種法規制等の課題について対外的な働きかけや、加盟単組に対する支援に注力している。中期重点取組み課題として多様性の受容を掲げ、業界経営との定期的な意見交換、地域の組合委員同士のつながり構築、広報活動などに取組んでいる。

●JP労組(中西望中央執行委員):組合としてジェンダー平等推進計画を策定し、女性役員の増強に努めている。また労使交渉の成果である各種休業制度は、法を上回る内容であり、今後も多様な従業員が安心して働ける職場作りに取組んでいく。人材発掘と育成、組合員の声が届きにくいこと等が課題であり、組織拡大と環境整備による職場活動の活性化、労使関係の高度化が重要である。

■閉会
韓国KFIUから採択要請が出された「韓国産業銀行本店の移転問題に関する連帯声明」について、参加者は拍手をもって採択した。続いて、北村議長がフォーラムについて総括し、「日本、韓国、台湾の金融産業で働く仲間が共に集い、未来に向けての連携と協力を模索する重要な一歩になったと確信している」と語った。

その後、3か国の労組代表とジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長が「UNI Apro東アジア金融労組フォーラム協定書」に署名し、本フォーラムが今後も継続して開催されることが確認された。最後にプリヤラル担当部長が、「アジア地域における労働組合の組織化を進め、より多くの金融労組を仲間に加えていきたい。私たち全員が結集し、互いに学び合いながら、効果的かつ効率的な方法で目標を達成するために、共に協力していこう」と挨拶し、締めくくった。