ドイツ加盟組織ver.di、H&Mと初のデジタル化協約

ドイツのUNI加盟組織ver.diは、今後3年間にわたり14,300人のH&M労働者の権利を促進・保護する、小売業界で初となるデジタル化協約に調印した。

半年に及ぶ交渉の末に結ばれたこの画期的な協約によって、H&Mの労働者は、雇用保障と賞与を獲得すると同時に、ファッション業界大手における新技術の導入方法について、より大きな発言権を持つことになる。

この協約により、労使の代表者で構成されるデジタル化諮問委員会が設立され、労働者からのフィードバックを得て、委員会はH&Mにおける仕事の未来について、独自の提案を行っていく。また、デジタル化に関連する問題について、H&M中央労使評議会が関与する権利も拡大される。

コジモ・ダミアーノ・キントver.di交渉担当は、「小売業で初めてのデジタル化に関する団体協約であり、大きな成果だ。我々はデジタル技術に関する決定が、従業員の利益となるようにしていく必要がある」と語った。

オンライン販売の増加により、通常、店舗で働く従業員が得る販売報酬は、減少している。店舗での売上減少を補うため、この協約では年に2回の賞与を規定しており、2023年の賞与額は、労働時間に応じて250~450ユーロ(総額)となる予定だ。

この協約は、デジタル化の過程での解雇や降格に対する特別な保護を店舗従業員に与えるとともに、H&M正社員の代替として派遣労働者が使用されないことを保証している。また、店舗で働く従業員のスキル低下を防ぐため、接客のスキルアップ・キャンペーンを導入していく。2023年以降、一部の店舗で試験的にワークショップが開催され、従業員は新しい働き方を検証し、さらなる見直しに向けて結果をフィードバックしていく。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「ver.diとドイツのH&M労働者が、この画期的な協約を交渉し締結したことを祝福したい。この協約が示しているのは、高度にデジタル化された小売部門への公正な移行は、団体交渉、店舗労働者の積極的な参画、スキルアップ、労働者の努力に対する適正な評価によってのみ、達成できるということだ。次の世界商業部会大会おいて、本件が成功事例として発表されることを、楽しみにしている」と語った。