UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会開催

2022年10月11日、ベルギー・ブリュッセルにて、UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会がハイブリッド開催され、スタッフ・役員変更、前回委員会以降の活動報告、今後の活動計画について確認した。

委員会には、オーストラリア(オンライン)、インド、インドネシア(オンライン)、日本(オンライン)、マレーシア(オンライン)、ネパール、パキスタン、タイから、議長、副議長、委員、オブザーバー、スタッフ等約30人が出席した。日本からは、宍戸良太 印刷労連中央執行委員長(副議長)、梅原貴司 全印刷中央執行委員長(委員)、石川昌義 新聞労連中央執行委員長(オブザーバー)が参加した。

ロレイン・キャシンUNI Apro印刷・パッケージング部会議長は開会挨拶で、長く担当していたニコラ・コンスタンディノ前UNI世界印刷・パッケージング部会担当局長のこれまでの貢献に感謝した。前局長は、今後もコンサルタントとして新局長を支援していく。役員変更では、アムニュイ・イェムラクサ委員(タイ・キンバリークラーク労組)の退任とウィナイ・メーラスリ委員(タイ・アムコール労組)への交代が確認された。

20212022年度活動報告についてラジェンドラ・アチャリャ地域書記長より説明を受けた。コロナ禍も収束し、組織化活動が再始動した年となった。パキスタンPCLWUが新たにUNIに加盟し、2022年5月にはインド・ムンバイで、UNI本部や連帯支援組織関係者も参加してセキュリティ・印刷労組会議や多国籍企業の組織化会議等が開催され、今後の活動方針が確認された。その他この間の各国の活動のハイライトは以下の通り。

  • インド:2022年5月、ムンバイにてセキュリティ印刷労組会議を開催し、9つ全てのセキュリティ印刷事業所の労組から代表者が出席した。テトラパックの組織化イニシアチブでは、オルグがプネの現地代表者と計画と戦略を決定し、マッピングも今年中に完了予定である。
  • インドネシア:セキュリティ印刷部門、パッケージング部門において組織化を強化している。前者は、Balai Pustaka、PNRI、PERURIの3社で、後者は、大日本印刷とソフテックス(キンバリークラーク子会社工場)の2社に焦点を当て、労組役員同士のネットワーク強化を図り、情報交換を行っている。
  • 日本:2022年4月に春闘情報交換会を開催し、全印刷、印刷労連、大日本印刷労組、UAゼンセンが参加した。UNIの活動についても確認した。
  • マレーシア:UNIPACKマレーシアの強化および拡大が焦点。現在各企業において、組織化の取組みが進行中。
  • ネパール: IMPRESSIONと UNIPressの2労組がUNI印刷・パッケージング部会の支援の下、民間印刷・パッケージング労働者の組織化、能力向上等に取り組んでいる。
  • ニュージーランド:Etuはキャンペーンを実施し、チャルタパッケージング、オパールキウィ・パッケージング、ヴィジボード(段ボール包装)をターゲットに抗議行動を開始した。8月にピケを張り、適正な賃金と労働条件の改善を求めて立ち上がった。
  • パキスタン:PCLWUが2022年よりUNIに正式加盟。他の企業別労組を全国規模のパッケージング労連に加入させる計画。
  • タイ:パッケージング部門では、キンバリークラーク、アムコール、SIGにおける3つの企業別労組がUNIに加盟している。今年、アムコールが売却した別企業の組合がPPNT(タイ印刷パッケージング労組ネットワーク)に加わり、労連結成に向けて一歩前進した。テトラパックについても、PPNTを中心に組織化を進めている。8月に労連結成に焦点を当てた全国ワークショップを開催し、全加盟組合が連盟結成に合意。

組織化及び組合強化計画について、まず本部のコンスタンディノ前局長より、アムコール労組アライアンス会議等、多国籍企業における労組ネットワークや組織化を引き続き強化していくことが強調された。次にダニエル・フェルナンデス新局長より、各国の労働条件や社会対話の状況等についてまとめた構築中のシステムについての紹介があり、今後は携帯アプリ等デジタル・ツールも活用し、情報共有を密に図りながら組織化を進めていくとの説明を受けた。

この他、参加した各国委員から各国の最新状況と課題、活動の報告を受けた。

全印刷 梅原 委員長

全印刷の梅原委員長は、日本の印刷局を取巻く状況について報告した。キャッシュレス化、ペーパレス化が進んでおり、紙媒体の製品の受注量が減少することが想定されており、今後は、海外で多くの中央銀行が検討しているデジタル通貨(CBDC)や、製品の高機能化、公的部分からの業務委託、情報資産の活用など、新たな事業が検討されていることを報告した。

印刷労連 宍戸 委員長

印刷労連の宍戸委員長は、印刷産業の新たな価値を生み出すために立ち上げられた「アフター・コロナプロジェクト」等の印刷産業の取組みを報告した。また、労働組合として、ニューノーマルに対応した組織コミュニケーションを中心に日々組合活動を展開し、変化に対応した新たな労働運動のスタイルを確立すること、印刷産業に集う仲間にとって「必ずそばにいる存在」となるべく、組合の存在価値を一層高めていきたいと報告した。

新聞労連 石川 委員長

新聞労連の石川委員長は、新聞のネット購読が普及し、1世帯1紙を紙で購読する時代が過ぎ去り、収益構造が新聞販売に依るところが大きく苦境に陥っている新聞印刷部門の現状と、2022年初頭から始めた「新聞の未来」プロジェクトについて報告した。編集などの部門と並行して印刷部門を設け、新聞産業の社会的意義や持続可能性について議論を進めている。

その他の国の報告は以下の通り。

  • オーストラリア:コロナ禍でパッケージング部門は伸びている。2022-2023年は、ラベル、軽包装、ワイドフォーマット印刷の需要が高く、印刷業界はより好調になると予測される。
  • インド:デジタル化が進んでおり、E電子パスポート導入が予定されている。
  • マレーシア:BEMISアジアパシフィック労組が2月4日に登記された。(BEMISは現在、M&Aにより、アムコール傘下の企業)
  • インドネシア:アムコールの組織化は非常に順調。大日本印刷インドネシア労組はASPEKに加盟を希望している。
  • ネパール:デジタルプラットフォームを使って組織化を進めている。今年は800人を新たに組織化予定。
  • パキスタン:UNIに2022年に加盟したので、会社概要と組合の歴史について説明。1957年にパキスタンのアリ財閥とスウェーデン等の海外資本により設立された民間合弁会社で、組合は1967年に民間印刷会社で初めての組合として結成された。2009年以降現体制となり、7つの協約を締結。2022年夏の洪水においては、義援金を集めて被災地住民に届けた。
  • タイ:アムコールは全国で19の工場があり、タイには4つある。労連を作ろうとしているが、大会で同意が得られないと結成できない法律になっており、来年になる見込み。

20222023年度活動計画について、アチャリャUNI Apro地域書記長より、組織化と組合強化について、キンバリークラーク、アムコール、テトラパック等の多国籍企業において、引き続き各国労組と連携して組織化を進めていく旨、説明があった。また、トレーニングや能力開発プログラム、労働安全衛生や団体交渉に特化したワークショップなども各国で予定されている。

来年の主な行事:

UNI世界印刷・パッケージング部会大会(2023年11月6~9日、フランス)

UNI Apro印刷・パッケージング部会委員会は、2023年上半期にアジア地域で開催予定。