ティム・ブレイAWS前副社長、「アマゾンには組合と“力の不均衡”を覆す政治的アクションが必要」

巨大IT企業アマゾンの子会社、アマゾンウェブサービス(AWS)前副社長であるティム・ブレイ氏は、2020年6月11日、アマゾン・グローバル労組同盟が開催したフォーラムの中で、アマゾン労働者の組織化計画への支持を表明した。ブレイ氏は、パンデミック期間中にアマゾン倉庫内の労働条件を公然と批判した従業員が解雇されたことに抗議の意を示すため辞職した。

20か国以上のアマゾン労働者を代表する同労組同盟は、現在もアマゾン倉庫で働く従業員が直面している危険に対処するよう、会社に対し一連の緊急要請を出した。

ティム・ブレイ氏は次のように述べた。「アマゾンでは“カスタマー・オブセッション”と言っている(※)。“執着”という言葉を本気で使っているのだ。豊富な品揃え、手ごろな価格、迅速な配達に、いったい誰が対抗できるだろう?しかし、この顧客への執着は倉庫労働者の犠牲の上に成り立っている。彼らがアマゾンの経営を支えているのだ。彼らが犠牲を払わされるのは、21世紀の経済において、労働者に殆ど力がないからだ。この力の不均衡を正すために、いかなる対策でも始めるべきだ。状況をよくする策としては、組合を組織し、法的・規制の枠組み改善に向けて政治的アクションを起こすことだ。」

※「カスタマー・オブセッション」:リーダーはお客様を起点に考え行動します。お客様から信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合にも注意は払いますが、何よりもお客様を中心に考えることにこだわります。(AWSウェブサイトより)

UNIが半年に1度開催するアマゾン・グローバル労組同盟フォーラムには、世界中のアマゾン労働者と組合リーダーが結集し、アマゾンに雇用責任を持たせるための戦略や計画を練っている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ティム・ブレイ氏はアマゾンの変革に重要な意見表明をしてくれた。この変革は、アマゾン労働者が団結して仕事における尊厳を要求しなければ、起こせない。ブレイ氏が指摘したように、これは力の不均衡の問題だ。我々は労働者の声と力を高め、アマゾンが今日の経済と人々の暮らしの中で握っている無限の力を解体しなければならない」と述べた。UNIは、組織化を推進する各国の組合の取組みの連携を図るため、このフォーラムを主催している。「パンデミック期における労働者の待遇に関して、アマゾンは落第点だ。この状態を放置させないためには、労働者が強力な組合の下に団結し、アマゾンに変革を迫るしかない」と訴えた。

欧米の20を超える組合代表らフォーラム参加者は、以下の通り一連の要求に賛同し、取組みの継続を確認した。

2020年アマゾン・グローバル労組同盟は「安全で公正なアマゾン」とするため次の通り要求する

  1. 直ちに組合への反対を止めること。安全衛生及び賃金・諸手当に関する協約を交渉すること。反組合的コンサルタントの使用を止め、組合組織化キャンペーンにおいて中立的立場をとること。
  2. 5月末に取消された賃上げを直ちに回復し、恒常的な賃上げとすること。アマゾン労働者は今も業務遂行にあたって前例の無いリスクに直面しており、アマゾンとジェフ・ベゾス社長には賃上げの余裕がある。
  3. パンデミックが完全に収束するまで、あるいは広く利用できるワクチンが開発されるまでの間、必要な安全予防措置を直ちに導入もしくは復活させること。これには、追加の休憩時間、(米国における)有給病気休暇、時間外労働に対する2倍の賃金、無制限の無給休暇の付与や、労働者へのノルマ割当禁止等が含まれる。
  4. コートニー・ボーデン、ジェラルド・ブライソン、マレン・コスタ、エミリー・カニンガム、バシル・モハメド、クリス・スモールズら、解雇された全ての内部告発者と活動家を直ちに再雇用し、未払いの賃金を支払うこと。
  5. アマゾン労働者(従業員及び請負契約労働者)のうちのCOVID-19感染者数及び死亡者数を直ちに公表すること。労働者及び組合に、感染に関する情報を迅速かつ継続的に提供すること。

さらにアマゾン・グローバル労組同盟は、年に1度のアマゾン・プライムデー開催期間中の今年9月に、過去最大規模のアマゾン抗議活動を組織することを決議した。

UNIは、世界中で急成長するサービス産業において、150か国、2000万人以上の労働者を代表する。全ての地域でUNI及び加盟組織は、ディーセントな雇用が得られるよう、また組合加入権や団体交渉権をはじめとする労働者の諸権利が守られるよう、使命感をもって取組んでいる。