テレワークと、つながらない権利

世界中の若年労働者にとって2020年は、かつてない規模の失業や将来への不安に見舞われた大変厳しい年となった。将来への不確実性、失業の高まり、様々な雇用形態、これらが絡み合って世界的に若年層の危機が発生している。しかし組合にとっては、若年労働者を守り、支え、関与を働きかける好機でもある。こうした背景から、UNI世界青年委員会は、若年労働者に重要な課題について加盟組織の若手役員と意見交換を行うウェビナーを企画した。

シリーズ第1弾は6月15日、「テレワークと、つながらない権利」をテーマに開催された。

始めに、UNI世界専門職・監督職(P&M)委員会のアレックス・ホグバック担当局長から、組合がテレワークを交渉する際のポイントと「つながらない権利」という概念について説明があった。

リモートワークに関する議論

つながらない権利(平時)

つながらない権利(コロナ危機時)

欧米ではコロナ禍以前から、仕事と私生活を両立しやすいテレワークを希望する労働者が多く、UNIは加盟組織がテレワークを交渉するための参考となるようガイドラインを作成していた。コロナ禍で浮きぼりになった課題を踏まえ、最近、改訂版を出したところだ。組合としては、テレワークの選択肢は危機の時だけでなくコロナ禍が収束しても継続して与えられるべき、テレワークは義務ではなく任意であるべき、仕事の成果の測り方や評価方法について再検討すべき、プライバシーを尊重すべき、つながらない権利を確保すべき、といった点を交渉すべきだとした。

また「つながらない権利」を交渉するには、常に仕事とつながっていることの危険性を認識し、つながっていないために罰せられないこと(逆に、常につながっていることが評価につながるわけではないこと)を明確にし、通常と例外の明確な定義や、明確な方針、上司及び部下への適切な研修が必要だと強調した。

UNI Apro(UNIアジア太平洋地域)を代表し、釘本UNI Apro青年委員会副議長は、日本におけるテレワークの拡大と特に若年労働者への影響について報告した。若年労働者にはデジタルツールは比較的馴染みやすく、メリットを活かして多様な働き方を実現できるという前向きな捉え方もある一方で、労働時間管理や労働者の健康を守るためのルール作りは必要だと述べた。

欧州(スペイン)や米州(アルゼンチン)の青年委員会代表からは、テレワークのメリット/デメリット、つながらない権利を交渉した企業事例や法制化に向けた動き等が報告された。

第2弾(6月29日)ウェビナーのテーマは「メンタルヘルス」、第3弾(7月22日)のテーマは「不安定雇用」である。