
UNI世界印刷・パッケージング部会は、新型コロナウィルス感染の世界的大流行と、あらゆる地域における惨状を深く憂慮している。この危機の際に、UNI世界印刷・パッケージング部会は、公的機関及び企業にとって、一般市民、特に労働者の健康が唯一の緊急性を要する最優先事項でなくてはならないと確信している。
この声明は、新型コロナウィルスに対処するための主要な原則を定めることを目的とする。
印刷産業の事業活動と必要不可欠な部門の定義
- 新型コロナウィルス撲滅の対策を取っている多くの国では、パンデミック期間中も、印刷・パッケージング部門は非常に重要な部門とされている。
- 新聞・雑誌部門は実際、市民に質の良い情報を提供するために業務の継続が重要である。特にこのような危機の際には、偽の情報が多く拡散することがあり、民主主義が機能を維持するために不可欠である。
- また、食料品、医薬品、医療機器に「必要不可欠」なパッケージを生産し続けることも必要となる。これらは、市民の極めて重要なニーズに応えるために必要不可欠である。
- 保護マスク、ティッシュ、衛生用品等の「ティッシュ」産業製品の安定供給も極めて重要である。
- この健康危機の間、業務を継続することのできる主な部門のリストは、当該部門の社会パートナーと緊密に協力して、決められるべきである。質の良い情報の提供/配布やティッシュペーパーの生産は必要不可欠な部門とされる一方、パッケージング部門では、事業の一部、例えば、食料品、医薬品、衛生用品のパッケージは必需品とみなされ得る。ウィルスの拡散防止と労働者の保護のため、非中核的業務は、中断されるべきである。
印刷産業の企業は、全てのレベルで社会対話を強化することにより新型コロナウィルスと闘う
- この特に困難な局面において、印刷産業の使用者に、産別/企業レベルにおける社会対話の強化を要求する。職場の安全衛生対策及び業務の見直しに関する、あらゆる決定に労働組合の関与が不可欠であり、そうすることで、全ての労働者が理解し、受け入れることができる。
- 多国籍企業は、優良事例に基づいて、世界中の全ての生産工場において、労働者を保護するための統一した高い基準のルール作りに努力しなければならない。これに関連し、UNI世界印刷・パッケージング部会は、多国籍企業の経営側に対し、適切なレベルの労働者保護を確立し、全ての現場に適用することを目的として、労働組合と対話を行うよう要請する。
- 各地域/各国の労働組合は、労組間の連携や欧州労使協議会、その他労働者のための情報連携機関等と緊密に連携し、多国籍企業において、これらの対策が厳密に実行されるようにしなければならない。
- UNI世界印刷・パッケージング部会は、欧州の印刷産業使用者団体Intergrafや南米のConlatingraf等、業界の国際使用者団体に対し、各地域の印刷産業の現状をしっかりと分析し、何よりもまず労働者を守り、同時に企業を守るために必要な勧告を採択するために、UNI欧州印刷部会やUNI米州印刷・パッケージング部会と、地域別の建設的な社会対話に参加するよう要求する。
可能な限り、テレワークを優先する
- 既に実施している国もあるように、可能な限り、この産業の全ての企業は、労働者にテレワークをさせるべきである。
適切なレベルの労働組合と共に定めた高い安全衛生基準を遵守し、必要不可欠な事業活動を継続する
- テレワークが不可能で、かつ、企業活動が必要不可欠とされる場合、労働者のための安全衛生基準を厳格に遵守しつつ業務を継続できる。これらの基準は、当該分野の優良事例を基に、労働組合と共同で定めるものとする。UNI世界印刷・パッケージング部会は、労働者保護の高い基準を設定するために、この声明の付属文書として、ガイドラインをまとめた。
業務編成の一時的な変更は、労働組合と交渉しなくてはならない
- 安全衛生規則を遵守し、(ティッシュやパッケージング部門のように)予測される高い生産需要に対処するため、業務編成の変更が必要となる場合がある(例えば、シフトの増減、勤務時間・休憩時間の調整、食堂や更衣室の利用時間の調整、敷地内の定期的消毒等)。可能な限り、これらの変更については、産別の団体協約の枠組み内で労働組合と交渉することが重要である。これらの変更は危機の間のみ実施され、協約には、危機の終息後すぐに通常に戻るよう定められるべきである。
労働者との協議は、労働者の雇用と賃金を守るための解決策を求めるに当たって最も重要である
- 最後に、使用者は、この危機の期間中、労働者の解雇を避けるべきである。労働組合と共に、そのための団体協約を締結すべきである。
- 組合は、病気、育児、または自主隔離の場合、労働者の賃金を全額維持するための交渉を行う。
- 使用者は、この危機の期間中、労働者に年次休暇の取得を強制してはならない。