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組合は、労働者がテクノロジーについて交渉できるようにしなければならない

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「AIと公共の利益」と題された幅広い討論の中で行われた基調講演において、労働者がAIの影響と導入について交渉する必要性を強調した。

2023年11月15日に オープンマーケッツ・インスティテュートとAIナウ・インスティテュートが、ワシントンDCで主催したイベントでは、AIの出現後に我々が地域社会や職場で直面する将来予測、脅威、規制上の課題について、議論が展開した。欧米から第一線の政策立案者、規制当局者、技術者、起業家、作家、音楽家、政策専門家、学者が集った。

ホフマン書記長は講演の中で、AIの使用に関する懸念について、職場における新技術の導入をめぐる集団的闘争という、より広範な歴史的文脈の中に位置づけた。産業革命の黎明期から、労働者は団結して、今日で言うところの「公正な移行」を要求してきたのである。

1980年代にホフマン書記長が交渉担当を務めたジェットエンジン工場を含め、現代の労働組合運動は1970年代からロボットやオートメーションといった技術をめぐって、本格的な交渉を開始した。同書記長は、今日のテクノロジーをめぐる闘いには、数十年前の闘いと同じ力が必要だと指摘し、次のように述べた。「我々が主に求めてきたのは、技術導入前の事前通告と、雇用、安全衛生、トレーニングの分野におけるリスクに対処する機会でした。また、新しい機械やテクノロジーを導入するための最善の方法を提案する機会も求めてきました。そして、こうした要求は現代にも通じることなのです…(中略)…しかし、より長期的には、新たな効率化によってもたらされるメリットを分かち合いたいと考えていました。実際にこの時代、自動車産業では、自動車製造に必要な労働者数が減ったという事実を踏まえ、賃金をめぐって大規模なストライキが起こりました。そしてまた、これこそ、私たちが生成AIに関して直面している重要な課題なのです」

ホフマンUNI書記長は、非常に人権侵害的なアルゴリズム管理など、他のタイプの職場技術に保護措置を設置することで、世界中の組合が成功を収めていることを指摘した。このようなプログラムは通常、継続的な監視とフィードバックによって生産性を向上させ、労働者を安全上好ましくない、持続不可能な速度で働かせている。

労働運動は、団体交渉と社会対話を必要とする規制枠組みの両方を通じて、職場監視の量と労働者のデータの使用方法を規制してきた。その例として、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)とATTの団体協約や、ドイツの労使協議会とアマゾンの個別データに関する協約が挙げられる。

同様に、昨年登場した生成AIは、生産性の向上が期待されているが、アルゴリズム管理とは異なり、これらの利益は、単に労働者を過酷に働かせて搾り取るのではなく、作業の自動化や労働者の能力の増強によってもたらされる可能性がある。 生成AIを職場で使用することに関する唯一の大規模な調査研究のひとつは、コールセンターを対象としたもので、そこではこのテクノロジーによって通話時間が14%短縮され、顧客満足度が向上した。

ホフマン書記長は、 「これは良い話であり、労働者の離職率が下がり、雇用が安定するということになるかもしれない…(中略)…しかし、より多くの電話に応対できるようになったからといって、労働者の賃金は上がるのでしょうか? スピードアップによって、仕事のストレスはさらに増えるのでしょうか? これらの疑問は、こうした労働者が交渉の席で交渉し、ある程度の力を発揮できるかどうかによって多くの部分が決まる、未知の問いなのです」と続けた。

UNIメディア部会の加盟組織による最近の勝利が示しているのも、集団的な行動の力だ。こうした組合は、労働者の補償と雇用が完全に保護されるよう、AIの規制について交渉することができたからだ。

このことは、今後の組合闘争のモデルになるはずだ。ホフマンUNI書記長は次のように締めくくった。「米国で議論されているAIに対する規制は、組合を作るのが難しすぎるという核心的な問題を回避しています。実際、肖像権や知的財産の保護を強化する必要があるのです。 監視は継続的なものであってはならず、安全衛生規則は強力に実施されるべきであり、すべての労働者が休憩を得られるべきです。しかし最も重要なことは、労働組合結成への障壁を減らすことによって、すべての労働者がテクノロジーに関して交渉できるようにすることなのです。…(中略)…労働者には、我々が組織化の進んだ部門で何十年も行ってきたように、テクノロジーに関して使用者と交渉するための本当の力が必要です。 我々はその方法を知っています。ただ、扉を開くだけでいいのです」


第10回UNI Apro東アジア労組フォーラム(2日目)

テーマ2:各国で進む働き方改革と労働組合の対応-長時間労働、少子高齢社会、労働力不足等、東アジア共通の課題解決に向けた取組み
2-1)長時間労働の是正に向けた取組み
●日本(中島遥香 損保労連事務局次長):同労組の中期重点取組み課題において、多様な働き方の実現が掲げ、その一つに「長時間労働につながる商慣習の見直し」がある。時間外電話や至急の対応依頼などの行動を見直し、相手の働き方への配慮が重要である。連合と連携したシンポジウム開催や他産別との意見交換、労使協議等を行い、組合員の行動変革を促している。
●韓国(キム・ミュンソ KFIU副委員長):労働時間短縮に向けた同労組の取組みについて概説した。2002年に金融労使交渉の成果として同国で初の週5日制が導入され、他産業に対しても起爆剤となった。他に昼食休憩の一斉付与、パンデミック時の営業時間短縮などを要求してきた。現在は週休3日制を目指している。
●台湾(ナガオ・クナウ TPTSEU委員長):台湾の公共テレビとその組合員構成、同労組による長時間労働是正と勤務形態の多様化に向けた取組みについて、概説した。組合として次の勤務までの休息時間の確保等に取組んでいる。高齢化が進む中、交渉によって年5日の有給の介護休暇を獲得した。また「報道者」について、残業削減に向けて、超過勤務指示が直前に行われた場合には代休時間を増やすことを協約で定めた。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):政労使で公正される国家労働安全衛生委員会があり、2023年7月に労働条件の基準が改定、これにより労働安全衛生管理に重点がおかれることになった。最近はメンタルヘルス課題にも注力している。組合として、公務員の給与水準の統一、勤務歴に応じた手当、地方勤務手当の支払い、インフレに見合わない賃金水準の改善と求めている。

2-2)女性が働きやすい職場作り
●日本(阪本裕実子 生保労連中央副執行委員長):同労組では「誰もが安心と働きがい・生きがいをもてる職場の実現」に向けて、ジェンダー平等に向けたポジティブ・アクションの推進、両立支援制度の拡充・活用推進を柱に、働き方を柔軟に選択できる制度の整備に取組んでいる。ジェンダー平等に関する意見交換会、管理職フォーラム等を開催し、今後さらに女性が活躍できる環境を整備していく。
●韓国(バン・キウォン KHMU教育委員会議長):約9万人の組合員のうち、多くが女性看護師である。過重労働ゆえに高離職率で、看護師有資格者で実際の稼働率は約5割である。組合は、長時間労働の是正、交代勤務の改善、ワークライフバランス向上について、病院や政府と交渉・闘争し、成果を勝ち取ってきた。
●台湾(リュウ・チュンハン CPWU企画部長):台湾における女性の安全衛生に関する法的保護、中華郵政による女性が働きやすい職場環境促進に向けた措置、(各種休暇や補助金、育児支援など)ワークライフバランスの取組みなどを紹介した。 

2-3)多様な働き方(リモートワーク、フレックス勤務、ワークライフバランス、つながらない権利等)
●日本(水野和人 情報労連書記長): 2020年よりテレワークが急速に拡大、ICT産業で特に顕著であるが、東京と地方、業種間や事業所規模により開きがある。情報労連では加盟組織では7割以上がテレワークを実施、勤務時間管理や業務に必要な現物や手当ての支援、柔軟な働き方等について取組んできた。在宅勤務によるメンタルヘルス維持、つながらない権利が課題であり、労働条件と職場環境の改善に引き続き取組む。
●日本(井上克彦 UAゼンセン常任中央執行委員/イオンフィナンシャルサービスユニオン中央執行委員長):男性の育児休業取得率は2020年以降100%であり、取得日数も増加している。全国規模でのサテライトオフィスの活用や、誰でも時短制度の導入など、多様な働き方の促進に取組んでいる。

テーマ3:賃金・労働条件交渉の成果と今後の課題-物価高騰に対応した労働者への公正な分配・労働条件の向上は実現したか?
●韓国(キム・オクラン FKMTU政治部長):全国医療産業労連は大学病院と交渉、週休3日のパイロット事業の期間と部署を拡大した。また仁荷大学病院労組は2023年に医療労組として初めて中央労働委員会の調停制度を活用、賃金引上げについて早期に協約を締結しただけでなく、適正な人材配備による業務強度の改善、及び病院サービスの質の向上等、労働条件と密接な関連がある部分に対する合意を導出できた。
●日本(徳田和宏 自動車総連国際局部長):2023年の春闘は、全体的または中小組合についてもほぼ30年ぶりとなる水準の賃上げが実現した。2023年度は自動車販売部門においても物価上昇、人手不足を背景に、高い賃上げを獲得、自動車総連全体の底上げ・底支えに確実につながった。整備士を含むサービス職についても、資格手当や役職手当の新設、手当額の引上げを獲得した組合もある。
●日本(中田綾子 UAゼンセン流通部門執行委員):物価上昇やマイナスの実質賃金などを背景に2023年には全加盟組織より署名を集め、UAゼンセンとして賃上げ促進を政府に要請した。結果、政府や経営者団体の間で賃上げの必要性について認識が広がって賃上げの機運も大きく高まり、高い賃金妥結水準となった。短時間組合員の賃金引上げも8年連続で正社員の引上げを上回り、雇用形態間格差是正につながっている。また、労働時間の改善や、カスタマーハラスメント対策などについても多くの加盟組合で交渉が行われた。
●台湾(スー・ホンティン CTWU台北支部長):中華電信および組合、台湾の経済状況、CTWUの方針や戦略枠組みについて概説した。実際の成果として、会社収益に関わらず賃上げを確保すること、育児対策と補助の拡充、永年勤続者の賞与改善などがある。また労働権益の向上にむけた取組みとして、労使協議や政府陳情、労働者教育という3つのチャネルを説明した。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):組合の意見も反映した上で2021年に改定された同国の労働法では、雇用契約、労働時間、賃金・手当、柔軟な労働条件などの点において改善が見られた。リモートワークやパートタイムの環境整備を団協協約で決められるようになり、超過勤務や深夜勤務の手当、同一労働同一賃金も明記された。また一度のシフトにおける勤務上限は12時間となり、健康面で大きな成果である。また、男性の育休や障がい者の雇用割合についても規定された。

■閉会式
砂川翔UNI Apro青年委員(JP労組)より、今回のフォーラムを総括し「今後もUNI、UNI Aproと連携し、東アジアの加盟組織間の情報交換を継続しながら、政労使の社会対話を促進し、労働者の声を政府および使用者に届けていく」ことを確認する共同声明が読み上げられ、採択された。また、次回フォーラムホスト国である韓国のキム・ドンホKPWU委員長が、次回は2025年にキョンジュで開催することを発表した。最後に、安藤京一UNI-LCJ副議長が、二日間で学んだことを生かし、UNIファミリーとして「共にこの地域の社会・経済の発展に貢献していこう」と挨拶し、閉会した。

なお、各セッションでは以下の方々が司会を務めた。
• 開会/基調講演:(日本)山下茂美 日放労中央執行委員
• サブテーマ1 :(日本)加藤友樹 全印刷組織部長
• サブテーマ2 :(韓国)ヨン・ユンギュ KHMUプサン支部長 
• サブテーマ3 :(台湾)ジュリア・ロー CPWU書記長 
• 閉会 :(日本)大澤佳之 全労金ろうきんセントラル労組 執行委員


第10回UNI Apro東アジア労組フォーラムを東京で開催!(1日目)

UNI Apro東アジア労組フォーラムは第10回目を迎え「Rising Together! 共に立ち上がろう!東アジアにおける公正な分配と働き方改革の実現を目指して」をテーマに、2023年10月26~27日、東京・神田明神ホールにて開催され、日本、韓国、台湾、香港、モンゴルより延べ約160名(日本から14組織約100名)が参加した。

■開会式
ホスト国を代表し、石川幸德UNI-LCJ議長は4年ぶりの対面開催となった今回のフォーラム参加者を歓迎し、「実り多い経験の共有と交流の機会になることを期待する」と冒頭の挨拶をした。各国代表より、韓国からシン・ソンイルUNI-KLC議長が、台湾からジョン・フージー台湾金融労連(TFFU)委員長が、モンゴルからオユンバヤル・チュルテムドルジUNI-MLC議長が、そして香港から挨拶があった。続いて、松浦昭彦UNI Apro会長は「UNIファミリーのネットワークを活用し、東アジア共通の諸課題の解決に向けて、労働者の声をよりよく反映させていこう」と連帯挨拶を述べた。

■基調講演
「アジア太平洋地域の労働者を取り巻く環境と課題」と題して、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がについて講演した。デジタル化等によって急速に変化する仕事の世界において、労働者の新たなスキルを強化して公正な移行を確保すること、ギグ・エコノミーやリモートワークの普及によって組織化が困難になった労働者層を代表していくこと、監視によるプライバシー侵害から労働者を保護すること、正規雇用であったものが非正規化されていくことを阻止すること、などの重要性に言及した。

■テーマ別セッション:3つのテーマについて、各国の加盟組織より報告が共有された。

テーマ1:東アジアの労働者を取り巻く政治・経済・社会の現状と課題
●日本(浅香朋子 JP労組中央執行委員):デフレ経済と停滞する賃金水準、格差拡大、少子高齢化と生産年齢人口の減少といった日本ンの社会経済の抱える課題、政府政策等を概説した。賃上げ機運を継続するために組織拡大が重要である。
●韓国(ユン・チャン KFIU/KDB銀行労組副委員長):反労働保守政権による労働政策改悪の状況と韓国の経済状況や少子高齢社会について言及し、労働弾圧に立ち向かう組合の活動や韓国産業銀行移転阻止に向けた取組みについて紹介した。
●台湾(ハン・シューシェン TFFU事務局長):台湾におけるメーデーの取組み、Mee too運動、インフレに伴う基本給の引き上げについて触れるとともに、2024年の総統選に向けて与党が最低賃金法を提出していること、交渉中の台米貿易協定の状況等について概説した。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):政府は経済発展、人材育成、産業推進などの分野で2050年の達成を目標に掲げている。全人口の約半数が労働可能人口であるが、高度人材の不足が課題となっている。組合は賃上げ実現に尽力し、2023年7月に国家公務員の賃上げを獲得、高齢者の年金の均一化も図られた。また都市部での渋滞解消のためにも組合として柔軟な勤務時間の導入に取組んでいる。


イスラエルとガザにおける戦争に関するUNI声明

以下の声明が、2023年11月8日に開催されたUNI世界執行委員会で採択された。

UNIは、イスラエルとガザで生じている悲劇に衝撃を受け、驚愕している。我々は、イスラエルとパレスチナのすべての暴力による犠牲者に思いを寄せ、連帯する。我々は、国際法の完全な適用に基づく平和と民主主義が実現する恐怖のない平和な世界に強くコミットしている。この目的を達成するため、我々全員が取り組みを強化する必要性は、かつてないほど高まっている。

敵対行為の即時停止が不可欠であり、国際社会は、すべての当事者が国際法の基本原則を守り、すべての民間人が保護されるよう、介入すべきである。

我々は、ハマスによるイスラエル市民に対する残忍な攻撃と殺害を非難し、すべての人質を即時且つ無条件に無事解放することを要求する。

ハマスによるイスラエル市民の殺害も、イスラエル政府によるガザ市民への砲撃も、恒久的な和平をもたらすものとはならない。

ガザでは今、破滅的な状況が続いている。 住民は容赦ない爆撃下に追い込まれ、ガザの医療体制は、必死に助けを求める人々を治療することがますます困難となり、電気、水、食料の遮断は、多数の男性、女性、子どもの死を引き起こしかねない広範な人道危機につながっている。ガザへの人道回廊を開き、切実に支援が必要な人々に援助を提供することが急務である。

UNIは、国連安全保障決議に則った公正で持続可能な和平と、占領の終結を求める長年の方針を掲げている。イスラエル、パレスチナ、そして国際社会が、何世代にもわたって続いてきたこの紛争の公正な解決の実現にこれまで失敗し続けてきたことは、あらゆる立場の多くの人々に影響を与えてきた暴力、トラウマ、殺戮の継続を意味する。

すべての国々は今、平等、民主主義、人権と労働権の尊重を促進する包括的かつ恒久的な和平に向けた取り組みを一層強化しなければならない。我々は、この地域全体のコミュニティを荒廃させてきた暴力の連鎖を終わらせなければならない。

世界中で反ユダヤ主義やイスラムへの嫌悪がエスカレートしていることに我々全員が警鐘を鳴らしている。だが我々は、この危機を利用して分断を煽ろうとする勢力を決して許さない。戦争、暴力、そしてあらゆる形の人種差別に反対する我々の断固たる姿勢は、すべての人のための平和と正義を希求する闘いにおいて、我々全員を団結させるに違いない。

ガザへの人道支援、人質の解放、そして即時停戦は、この危機を脱するための第一歩である。戦争と暴力から抜け出し、我々を平和な未来へと導く道である。


UNI、AI安全サミットに労働者の声を反映させるよう呼びかけ

2023年10月末、UNIとUNI欧州は、世界中の100を超える市民団体とともに、英国政府が開催するAI安全サミットについて「チャンスを逃した」と非難した。

リシ・スナク英国首相に宛てた公開書簡の中で、各団体は、AIによって最も影響を受ける地域社会や労働者がサミットから疎外されている一方で、一部の企業がルールを形作ろうとしている、と警鐘を鳴らした。

2023年11月1日、2日にロンドン近郊で開催予定のAI安全サミットでは、政治家やテック企業幹部を中心に、オープンAIのChatGPTのような高度なAI技術のリスクについて、議論がなされる予定だ。

ケイト・ベルTUC書記次長は、「AIはすでに、我々の働き方、雇用や解雇のされ方など、人々の人生を変えるような決定を下している。しかし、働く人々にはまだその交渉の席が与えられていない」と述べ、「このイベントは、幅広い声を集め、差し迫った脅威にどう対処し、いかにしてAIがすべての人に利益をもたらすようにするかを議論する機会となるべきだった。AIの未来を形作るのは、技術者や政治家だけであってはならない」と指摘した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「サミットから労働者の声を排除することは恥ずべきこと」と批判し、「AIを経済全体に展開する計画があるなら、労働者は初日からそのテーブルにつく必要がある。 AIは多くの人々にとって仕事が改善される機会を提供するが、それは適切な保護が導入され、労働者が利益を共有する場合に限られる」と強調した。


グローバルユニオン、イランで高まる人権・労働権および市民的自由の侵害を非難

グローバルユニオン評議会(CGU)による声明 (2023 年 9 月 12 日付)

グローバルユニオン評議会(CGU)は、国際労働組合総連合(ITUC)、国際産業別労働組合組織(GUFs)、経済協力開発機構(OECD)労働組合諮問委員会(TUAC)を通じ て2 億人以上の労働者を代表し、イランの様々な当局による労働組合指導者・ 活動家の人権・労働権および市民的自由の侵害がエスカレートしていることを、非難する。

特に、ジナ・マハサ・アミニさんが超法規的に死亡に至った2022年9月16 日から1年となる節目の日が近づいていることに鑑み、教員、ジャーナリスト、労働組合活動家、学生活動家、女性の権利擁護者を標的とした弾圧措置の強化に対し、CGUは深い懸念を表明する。我々は、この弾圧を糾弾し、その即時停止を要求する。そうすることで、労働組合員が、あらゆる民主主義社会の礎石である労働者の権利をイランにおいて擁護し、支持することができるようになる。

我々はまた、「道徳警察」の影響力の増大と、強制ハビド法の施行によって女性への嫌がらせが行われ、教育へのアクセスが妨げられていることを懸念する。

特に、教育インターナショナル(EI)、国際運輸労連(ITF)、国際ジャーナリスト連盟(IFJ)の加盟組織、すなわち、イラン教職員組合連絡協議会、テヘラン・郊外バス会社労働組合(VAHED労組)、イランジャーナリスト協会(AOIJ)は、執拗な嫌がらせ、逮捕、長期拘留、刑務所での拷問に直面している。

さまざまなグローバルユニオンの加盟組織、指導者、各部門の労働者は、以下を含む同様の人権侵害を報告している:

教師や労働組合の権利活動家を標的にした解雇: イランでは、教師や労働組合の権利活動家が不当に標的にされ、解雇されることで、彼らの生活が著しく損なわれている。強制的な「自白」の公開放送など、拘禁中に肉体的・精神的拷問が行われている。恣意的な不定期刑の下で、劣悪な環境で、医療を受けられずに投獄されている。

労働者の集会や平和的なデモを攻撃し、労働活動家、ジャーナリスト、抗議する労働者を威嚇し、恣意的な略式解雇を行い、労働組合活動家を逮捕し、「公の秩序を乱す」、「国家に反対するプロパガンダ」、「国家の安全に反する行為」などの罪で起訴されている。死刑を含む厳罰が科されることもある。

組合活動に関するニュースの自由な伝達が妨げられ、政権が支援する並列組織が設立されて善意の労働組合が妨害されている。メーデーに関連するものを含め、組合が公的行事を開催しようとする試みが、攻撃されている。

囚人の権利の侵害: 労働組合活動家を含むすべての被拘禁者は、国際法が規定する敬意と尊厳をもって処遇されるべきである。不法に拘留されている教師、学生、労働組合活動家、人権擁護者は、釈放されるべきである。また、すべての拘置所において、拷問を禁止すべきである。

労働組合指導者の家族に対する圧力:活動家の家族に対する圧力が高まっていることは、深く憂慮すべき事態である。家族には、報復の恐怖から解放され、平穏に暮らす権利がある。

組織化し、集会を開く権利:イランの労働組合員には、迫害の脅威なしに組合を組織し、総会を開く基本的権利が認められるべきである。

労働者の要求を敵視する政府:労働者の正当な要求と退職者の要求に無関心であることは不当である。我々は、公平な待遇と尊厳ある生活に値するすべての労働者・退職者と連帯する。

我々はイラン当局に対し、国際労働基準、特に結社の自由を尊重し、人権、正義、尊厳、 公正の原則が優先されるよう、求める。CGUは特に、民主的で公正な社会を求める女性の権利擁護者の闘いに対し、連帯を表明する。

我々は結束して、イランと世界の労働者、女性、教育者、ジャーナリスト、権利擁護者、活動家の権利擁護に取組む。


EU、労働者の権利を損なう企業に対して10億ユーロの助成金

ITUCが発表した2023年度版のグローバル権利指数は、労働者の基本的権利を損なう企業に対し、10億ユーロという途方もない金額が支払われていることを、明らかにした。ギリシャのディミトリオス・パパディムーリス欧州議会議員兼欧州議会副議長が、欧州委員会に書簡を送り、説明を求めた。

UNI欧州は、欧州委員会の回答は非常に不満足であると考えている。同委員会は、欧州全域の労働者に影響を及ぼしている問題の制度的性質を認識するのではなく、こうした状況を説明するために、法的拘束力のない社会規範(ソフト・ロー)と優良事例のガイドラインを提案しているのだ。

反対意見が高まるにつれ、より実質的な行動の必要性は明らかである。権利を侵害する企業に多額の財政支援が与えられている状況については、もっと強力で実効的な解決策が必要である。

公共調達指令の見直し
この差し迫った問題に対処するため、ディミトリオス・パパディムーリス欧州議会副議長は、労働者の権利を尊重し、団体協約を結んでいる企業だけが公的資金を受け取るべきだと提起している。同氏は、公共契約がディーセント・ワークの基準と団体協約を尊重する企業にのみ発注されるようにすることを目的としたUNI欧州のキャンペーン『ディーセント・ワーク調達宣言』に賛同した160名の欧州議会議員連盟の一人だ。

EUの公共調達は年間2兆ユーロ(GDPの14%)に相当する。公共入札の半分が、他のいかなる側面についての考慮もなく、最低価格であることのみが理由で落札されている。その結果、公的資金が労働者の底辺への競争に拍車をかけている。職場の民主主義を回避し、賃金や人件費を切り下げることを最も厭わない企業が、公的契約によって報われているのだ。

労働組合は、ディーセント・ワークを確保するには公的資金が不可欠だと主張している。団体協約を結んでいる企業にのみ公契約を発注することで、労働者の最低限度の尊厳が確保される。

今こそ、行動の時!
懸念が高まる中、具体的な行動が不可欠である。欧州委員会には真の変革をもたらす力がある。ソフト・ロー指針や優良事例はそれなりの役割を果たすであろうが、問題の深刻さに見合った、より強力な措置が必要である。今こそ、言葉だけでなくて、深く響く変化を実行に移す時なのだ。


クリスティ・ホフマンUNI書記長が再選

フィラデルフィアで開催された第6回UNI世界大会の最終日に、満場一致でクリスティ・ホフマンUNI書記長が再選された。

新たに選出されたジェラルド・ドワイヤーUNI会長は、2018年に始まったホフマン書記長の最初の任期を称え、「COVID-19パンデミックを機に、各国政府や組合、そして加盟組織間のつながりを深めた。UNIと世界の労働運動が困難な時代にも成功するための準備を整え、政府お要人や企業の重役に労働者のための力強い声を届けてきた。彼女が書記長を務めるUNIには、非常に明るい未来がある」と語った。

同書記長は過去5年間に、多国籍企業との協定や、訓練・能力・連帯を通じたキャンペーン支援で成果を出すなど、UNIの組織化プログラムを強化してきた。また、資本戦略や広報、OECDガイドラインのような国際的ツールの活用におい て、UNIの力を拡大してきた。さらには、UNIのエッセンシャルワーカーのためのキャンペーンを含め、UNI全部会でパンデミックとその労働者への影響について、交渉・政策対応を調整してきた。

ホフマン書記長は、UNI世界大会に出席した109か国の組合指導者に対し、「この世界ではあまりにも多くの人々が取り残されている。我々は、こうした状況を変えていく」と力強く語りかけ、「私たちは、グロテスクな不平等ではなく、共有できる繁栄を、ファシズムや戦争ではなく、平和と民主主義を、職場における尊厳、安全で環境に優しい仕事、そしてすべての人のための組合を、何度でも求めていかなければならない」と訴えた。

これらの目標を実現するため、同書記長は、次期任期における3つの重要な優先課題を概説した。

第一に、UNIは各部会の主要多国籍企業すべてとのグローバル協定の締結に向けた取組みをさらに強化していく。「すべての多国籍企業の事業の中で、団体交渉を規範として確立する必要がある。労働者が従業員であるか、請負業者であるか、フランチャイズ事業で働く労働者であるかは、関係ない。こうしたすべての労働者が、団体交渉でカバーされなければあらない」と語り、「会社の拠点が米国であろうと、ドイツであろうと、フランスであろうと、関係ない。今がその時だ。事業展開している国がパキスタンでもケニアでもペルーでも関係ないのだ。言い訳はできない。そして、きちんと機能するルールが必要だ。デューディリジェンスには実効性がなくてはならず、投資家は注意を払わなければならない」と続けた。

第二に、UNIは気候危機と新たなテクノロジーの導入の双方に対処するため、公正な移行を要求する。使用者の気候変動政策に労働者が発言権を持つ必要があるのと同様に、ホフマン書記長は、労働者がテクノロジーがどのように使用されるかについて、関わる必要があると述べた。

第三に、ホフマン書記長は、UNIのインフラと能力のさらなる強化を約束した。UNIは、労働者の複雑な生活を共有するために独自のプラットフォームを利用することを含め、世界の政策決定者を動かすための戦略と戦術を革新し続けていく。しかし、こうした取組みには資金が必要であり、UNIは財政的パートナーの裾野を広げていく。

UNI書記長に選出される前、同氏は2010年からUNIの副書記長を務め、UNIビル管理部会担当局長でもあった。その任期中には、UNIは投資家や法的戦略などさまざまな手段を通じて、労働者の権利擁護に積極的に取組んできた。

米国を拠点に労働組合の活動家として25年以上の経験を持つホフマン書記長は、ジェットエンジン工場でIAM職場委員としてキャリアをスタートさせた。その後、鉱山労働者、チームスターズ、SEIUなど米国の労働組合のオルグや法律顧問を務めた。

企業の説明責任を提唱し、現在では国際アコードとして知られる「バングラデシュの火災・建設物の安全に関する協定」の交渉において、重要な役割を果たした。これは、同地域の労働者の人権保護を目的とした画期的な協定であった。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、ニューヨーク大学ロースクールで法学博士号を、スミス・カレッジで経済学の学士号を取得。彼女のリーダーシップは、特に世界がデジタル時代の複雑な労働問題に取り組む中で、尊厳ある労働を求める影響力のある発言で、高い評価を得ている。


UNI世界大会2日目:世界中の労働者の緊急課題に取り組む

2023年8月30日、第6回UNI世界大会2日目は、松浦昭彦代議員(UAゼンセン)が司会を務める中、ルーク・トライアングルITUC書記長代行が基調講演を行い、「労働者の力を高め、ルールを変えるために共に立ち上がることによってのみ、企業権力に打ち勝つことができる。それが私たちの共同の闘いだ」と呼びかけた。

最初のセッション『公正で包摂的な経済』では、フランク・ヴェルネケ代議員(ドイツ、veri.di)が、より良い団体交渉を確保するためにストライキや産別行動が有効であることを強調し、その証に同労組の組合員数が14万人増加したことを挙げた。

また、インフレとの闘いにおける成功を引き合いに出したヘクター・デール代議員(アルゼンチン、FATSA) も、「我々は交渉の場でも街頭でも労働組合の力を高めている」と同様の見解を示した。地球の反対側では、日本の小川敬太代議員(自動車総連)が、春闘がいかにして物価上昇から労働者を守ることに成功し、過去数十年で最大の賃上げを実現したかを強調した。また、自動車総連として、大企業の動向に関わらず、それぞれの企業組合が自ら目指すべき賃金水準を実現し、中小企業の底上げを実現していきたいと発言した。

フロアから発言した松田惣佑代議員(生保労連)は、同労組では「人への投資」を重視し、賃金改善をはじめとする総合的な労働条件の改善に向けた取組みを積極的に展開しており、今後も生保産業で働くすべての組合員の経済的・社会的地位の向上、ひいては生保産業の健全な発展に努めていく、と力強く発言した。

また、セッション『不平等、人種主義、差別に対抗して立ち上がろう』では、深見正弘代議員(全労金)が、日本が現在もILO第190号条約を批准できていない経緯に触れつつ、ILO条約に基づく整備が必要であるとの認識の下、同組織が労働組合内における議論と業界団体との協議を進め、2020年4月に国内法を上回る内容で「労働金庫業態におけるあらゆるハラスメント禁止ガイドライン」を策定したことを報告した。

モーリス・ミッチェル働く家族の党代表は、セッション『不平等、人種差別、差別に反対して共に立ち上がろう』の基調講演において、「経営側は、労働者が互いに対立すれば、自分が勝利することを知っている。労働者が自身の勝利を自らのものだと考える時、我々は勝利する」と呼びかけて、UNIの参加者を鼓舞した。

この基調講演後、清掃員、警備員、全米サービス従業員労組(SEIU)32BJ 支部の組合員が、ドラムとコールを響かせながら会場に入り、清掃員の公正な契約を求めてアピールした。UNI世界大会の参加者は、この米国最大のビル管理部門の組合キャンペーンに連帯すべく、フィラデルフィアの街頭で展開された集会に参加し、路上を練り歩いた。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、グローバルな連帯の力を強調し、「世界中の組合員が今日、フィラデルフィアで清掃員を支援できることを誇りに思う。公正な協約を求めて闘う勇気ある清掃労働者は、単に生活のために闘っているのではなく、この国のハートとソウルのために闘っている。パンデミック時の彼らの献身は、尊厳を守り、家族を守り、地域を再建する協約を得ることで、正当に評価されなければならない。この極めて重要な連帯行進は、フィラデルフィアの街をはるかに超えて響き渡り、あらゆる場所で働く人々の模範となるものだ」と呼びかけた。

しかし、この日の勢いはここで終わらなかった。ジュリー・スー米国労働長官代行は、熱気に包まれたUNI世界大会で講演し、「バイデン=ハリス政権は皆さんを支持しており、労働者を第一に考えている」と述べ、低賃金労働者や移民労働者を擁護してきた自身の経験についても語った。「労働者に対する虐待をなくし、すべての人の雇用の質を向上させる上で、皆さんとともに行うグローバルな活動が、我々の使命にとって不可欠であることを認識している」と発言し、米国政府は外交を通じて労働者の権利を促進する活動を継続するため、世界労働戦略を発表する予定であると述べた。

続いて、セッション『安全衛生のために共に立ち上がろう』において司会を務めたジェラルド・ドワイヤー代議員(オーストラリア、SDA)が、 労働者が直面するメンタルヘルスの危機、長時間労働、生産性に関するプレッシャー、第三者からの暴力について、概説した。パンデミックはケア部門の労働者に大きな打撃を与えたが、そうした労働者のメンタルヘルスの課題は、長い間見過ごされてきた。

ミゲル・ズビエタ代議員(アルゼンチン、FATSA)は、同労組によるメンタルヘルス課題への取組みと、ケアに関わる労働者への支援について語り、「労働組合は、メンタルヘルス問題を可視化する必要がある。労働者がそうした課題について語ること、そして組合がそれに共感し、理解することを促していく必要がある」と発言した。

また、スウェーデン、フィンランド、日本から、商業における暴力やハラスメントを阻止する取組みが共有された。リンダ・パルメッツホファー代議員(スウェーデン、Handels)は、暴力やハラスメントから商業労働者を守るための同国の法律について語り、「顧客を出入り禁止にする法的権利も重要だが、労働組合や使用者のためのさまざまなツールを備えた包括的なワークショップも必要」と発言した。

永島智子代議員(UAゼンセン)は、「サービスを受ける側も提供する側も共に尊重される社会を創る!」というコンセプトのもと、小売業におけるカスタマーハラスメントや第三者による暴力の根絶に向けた同労組の取組みを報告し、従業員に対するアンケート調査の実施や、国会集会の開催等に触れた。地方自治体が独自にカスタマーハラスメント対策に着手している事例などを紹介し、「カスタマーハラスメント対策が社会全体で推進されるよう必ずや対策推進法の法制定を実現させる」と力強く発言した。

菅野秀則代議員(損保労連)は、長時間労働の是正に向けた取組みについて発言した。長時間労働の要因の一つに、時間外における問い合わせや至急対応依頼などの「商慣習」があり、これらの課題を解消する必要があるとした上で、「お互いに相手の働き方に配慮する」という考えを社会全体に広げていくことも有効だと述べた。また、同労連ではこうした課題認識のもと、世論喚起を図るべく、政労使学のキーパーソンを招いてシンポジウムを開催したことを報告した。

エリカ・カハラ代議員(フィンランド、PAM)は、「顧客が常に正しいとは限らない。攻撃的な行為や侮辱的な行為を非難することは、悪いカスタマーサービスではない。脅迫や侮辱、個人的な誹謗中傷を受けることは、誰の仕事でもない。労働者は自分自身を守る力を得る必要がある」と指摘した。

エンターテイメント業界では、過重労働や長時間労働が横行している。マシュー・ローブ代議員(米国、IATSE)は、労働者の休息時間増を求めて闘い、それを実現した同労組の革新的なキャンペーンについて「この業界のプレッシャーが、エンターテイメント制作労働者の安全衛生リスクを増大させ続けるなか、労働組合はグローバルな連携と団体交渉を通じて反撃し、安全な職場を提供するという第一義的な責任を使用者に負わせなければならない」と述べた。

続くセッション『デジタル時代のディーセント・ワークのために、共に立ち上がろう』では、司会を務めたピーター・ヘルバーグ代議員(スウェーデン、Unionen)が、スウェーデンのテック企業スポティファイで働く労働者の、UNIを通じた国際的な組織化の取組みについて紹介した。

アラン・マカヴィニー代議員(米国、CWA)は、アルファベット労働者間の国際連帯の高まりに言及し、「我々は使用者がグローバル戦略を持っていることを知っている。我々もまた、グローバルに戦略を持たねばならない」とメッセージを発した。

フロアから発言した高須玲衣代議員(情報労連)は、変化の激しい環境の中、スキル向上のために求められるリスキリングへの対応について、会社と団体交渉を積み重ねてきたと述べた。そして人材育成政策を整備する事で合意したことを報告し、「再チャレンジやリカバリができるセーフティネットをつくるのが労働組合の役割であり、誰1人取り残されないために、仲間を守る私たちの役割はとても重要だ」と発言した。

中熊英樹代議員(JP労組)は、日本郵便が取組むデータ駆動型のオペレーションサービスや業務効率化などの取組み等に触れつつ、DX化の取組みは、働く環境や働き方に大きな変化を及ぼす可能性があり、雇用を守りつつ、労働生産性を高める取組みとなるよう、変化に合致した人事制度や処遇の見直しも必要であると指摘し、「先端技術を活用し、その結果を働く者の幸せに繋げていくためには、労働組合が将来を見据えて能動的に取り組むことが重要」と発言した。

クァク・チャンヨン代議員(韓国マイクロソフト労組)は、マイクロソフト労組のキャンペーンと、韓国におけるテック労働者の組織化の状況について報告した。同労組から始まった取組みは、グーグル、アマゾン・ウェブ・サービシズ、ツイッター、セールスフォース・ドットコム、メタにおける組織化も刺激している。

ローウェル・ピーターソン代議員(米国、全米東部脚本家組合)は、「我々がテクノロジーをコントロールすべきなのであり、テクノロジーが我々をコントロールしてはならない」と強調し、米国のテレビ・映画脚本家が、デジタル時代における公正な業界を求めて決行しているストライキについて報告した。UNI世界大会の参加者は、脚本家組合や俳優労組のSAG-AFTRAに連帯し、集会に参加した。


UNI世界大会1日目:組織化、ジェンダー平等、立ち上がるアマゾン労働者

2023年8月28日、 第6回UNI世界大会が米国・フィラデルフィアで初日を迎え、組合の力、女性の権利、Make Amazon Pay(アマゾンに支払わせる)をテーマに、盛りだくさんの議題で幕を開けた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々はこの大会に結集し、次の4年間を展望すると同時に、グローバルな労働組合主義の力を称え、再確認していく。労働者に敵対する勢力が大きくとも、我々の力はもっと大きい。世界最大の民主主義運動であり、さらに大きくなる可能性を秘めている。我々は団結し、戦略的でなければならない。礼儀正しくお願いしていては、これらの目標を勝ち取ることはできない。闘わなければならない。闘えば、勝利を得られる」と呼びかけ、「我々の使命は、労働者の生活を向上させ、グローバルなパワーバランスを変えるために組合を強化すること。そしてこれは、ただ単に語るだけでなく、実際に変化をもたらし、物事を成し遂げるということ。そして、我々はそれを実践している」と参加者を鼓舞した。

この日の第1部「すべての人のために組合の力を構築しよう」は、ロシオ・センツ代議員(米国、SEIU)の司会で進められ、各地域のUNI加盟組織による、組織化の成功にスポットライトが当てられた。

トニー・クラーク代議員(米国、メジャーリーグ選手会)は、組合が初めてマイナーリーグを組織化して協約を締結し、健康手当や年金、そして報酬の改善を獲得したことを報告した。

松坂武敏代議員(UAゼンセン)は、今年の春闘での部門全体の賃金交渉における、歴史的に高水準となった成果について報告するとともに、「労働組合に対する社会の注目を大いに集め、特に労働組合への関心が低いとみられる青年労働者や、組合未加入のパートタイマー労働者に、労働組合の重要性を訴えることが出来た。この賃上げの流れを来年以降も推し進めることで、労働組合の存在意義を社会に示し、組織化や組合への新規加入につなげていきたい」と意欲を語った。

グローバル協定を通じた組織化
UNIと多国籍企業の間のグローバル協定は、厳しい環境で組織化を進める労働者を支援する上で、大きな役割を果たしている。クリスティーナ・ゴゲスク代議員(ルーマニア、FSC)は、 UNIがスーパーマーケット小売業のオーシャンと締結したグローバル協定によって、今年3月にこのスーパーマーケット・チェーンで組合結成の道が拓かれたことを共有し、「我々の目標は、団体協約の交渉を開始できるよう、来年4月までに組織率を少なくとも35%にすること。今のところ、組合員数は順調に伸びており、予定通り法的承認を得られると確信している」と期待した。

同様に、リズ・パサロ代議員(ペルー、SutraH&M)も、UNIの支援を受け、スウェーデンのファストファッション大手H&Mとのグローバル協定を活かした同労組のキャンペーンについて「初の団体協約を締結し、6年以上ぶりの昇給を実現した。経営側は中立の立場を維持することを約束した」と語った。

UNI組織化センター
大会では、東欧(COZZとUNISEEOC)、コロンビア(COE)、西欧(EPOC)にあるUNIの地域組織化センターによる優れた活動についても、それぞれ参加者に共有された。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「我々はポーランド、ハンガリー、チェコで、ケア、ICTS、印刷・パッケージングの各部門において、組合のない職場で組織化を行い、商業部会と金融部会では組織率を高めるキャンペーンを実施した。昨年だけでも、COZZはポーランドのタレス、ハンガリーのエランダース、チェコのアルツハイマーに特化した介護施設の組織化に成功しており、現在も、グーグルやオルペアを含む6つのキャンペーンを継続中だ。この戦略が目指すのは、単に少数の企業、部門、国で成功することではなく、新自由主義の新たな攻撃に耐えられる強靭な労働組合の機構を欧州全土で実現することだ」と報告した。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「我々のブレイキング・スルー組織化キャンペーンは、世界中の組合が設定した戦略の中でも最も重要な一つだ。このキャンペーンを実施することで、人々の生活に真の変化をもたらしうる労働者の力を構築できると期待しており、不平等や貧困と闘う上で役立つだろう。 米州で70人以上がCOEで働いており、組織化の発展、より良い団体交渉の実現、民主主義の擁護を後押しする、より広範な戦略の一部だ」と述べた。

キャロル・シェファー代議員(アイルランド、CWU)は、「EPOCの利点は、草の根の代表から上級組合役員に至るまで、組合の全レベルで能力を開発できること。このアプローチによって、労働者の力を高める最善の方法について、一貫した共通の理解を得ることができる」と説明した。

グローバル労組アライアンス
大会では、力を構築するための国際ネットワークとグローバルな連帯の重要性についても、強調された。

アフリカにおけるUNIのDHL労組アライアンスは、世界最大のロジスティクス企業であるDHLの組織化において目覚ましい成功を収め、これまでアフリカ大陸の5か国から32か国に拡大している。イブラヒム・サール代議員(セネガル、SNTPT)は、「国際的なアライアンスを持つことは重要であり、多くの国々で、団結する自由と組合を持つことで、さらに多くの人々が恩恵を受けられるようになる」と、述べた。

ロザリナ・ンガコプ代議員(ニュージーランド、Etu)は、警備労働者の公正な賃金協約の確保に向けた同労組のキャンペーンについて語った。この協約は部門全体レベルでの全国交渉の土台を築くものであり、E tūは、このキャンペーンでUNI米国加盟組織SEIUの支援を受けている。

UNIはまた、新たな資金調達イニシアチブを立ち上げ、個人がオンラインで資金を拠出することで世界的な連帯を示し、世界中の組織能力を高めることができるようにすることを発表した。

ジェンダー平等のために立ち上がろう!
午後には、テレサ・モーティマー代議員(バハマ、BFSU)が、ジェンダーの視点に立った交渉を提唱するUNI世界女性大会の動議について紹介し「協定の中に女性のニーズを盛り込むことで、女性だけでなく、家族や地域社会全体に影響を与え、女性が労働組合運動に参加する門戸を開くことになる」と述べた。

パネル・ディスカッションでは、職場で無視されがちな女性の問題が取り上げられ、パトリシア・ナイマン代議員(南アフリカ、SACCAWU)は、「不妊、流産、人工妊娠中絶、死産は、肉体的・精神的に壊滅的な影響を母親に与えうるのであり、肉体的回復には数カ月、喪失感から精神的・心理的に回復するにはさらに多くの時間を要する」と述べた。

アレハンドラ・エストゥープ代議員(アルゼンチン、ラ・バンカリア)は、「女性を支援するための条項を交渉してきた。卵子凍結治療休暇は、女性がこの治療を受けるために1労働日の休暇を全給与で取得できるものであり、代理母を通じて子どもを授かる場合の代理懐胎休暇もある」と付け加えた。

ルクサナ・パーベン代議員(バングラデシュ、GPEU)は、自身が主導した、衣料品工場における衛生設備の改善と安全性を求めるキャンペーンについて説明し、 「女性たちは、この問題がいかに重要かを理解し、闘ってきた。今は、専用のトイレがあるし、必要なときに着替えることができる。要すればトイレ休憩をとることもできる。そして最も重要なことは、脆弱であると感じることもなく、危険にさらされていると感じることもない、ということ」と語った。

世界中で労働組合が、ドメスティック・バイオレンスの被害者を支援する立場をとるようになってきている。キャロル・シェファー代議員(アイルランド、CWU)は、「アイルランドでは秋に、5日間の有給DV休暇に関する法律が導入される予定であり、被害者、使用者、そしてアイルランドの労働組合運動の勝利だ」と報告した。

また、寺嶋雪乃代議員(UAゼンセン)は、日本における生理休暇の取得率が0.9%と非常に低いことについて、有給ではないこと、名称が直接的すぎること、異性の上司には申し出にくいこと、まわりで誰も取得していないことなどを理由に挙げ、生理休暇を有給で休むことができるよう、組合として推進している、と報告した。また、更年期症状についても、セミナーやリーフレットを通して、職場における健康意識の向上に取り組んでいる他、更年期休暇制度の支援や、生理や更年期の症状で休んだ場合の有給義務化などについて、組織内議員とともに進めていると報告した。そして、性別や働き方を問わず、誰もが活躍できる社会を目指していく旨、力強く発言した。

MakeAmazonPay

大会初日の最後のセッションでは、世界的大企業アマゾンに関する熱のこもった議論が展開された。

討議の先頭に立ったのは、スチュアート・アップルバウム代議員(米国、RWDSU)で、アマゾンの慣行に対する責任を追及し続けることが急務であると強調し、「アマゾンほど21世紀経済の不正と行き過ぎを体現している企業はない。悪質な反組合主義、過酷な生産性目標、労働者の監視、不安定労働の利用、独占的なビジネス慣行、租税回避、極端なグリーン・ウォッシング等、この企業は、労働者、地域社会、地球、そして我々の未来に対する脅威だ」と訴えかけた。

アラバマ州ベッセマーのアマゾン倉庫で働くジェニファー・ベイツ代議員(米国、RWDSU)は、「これまで、組合潰しに何百万ドルも費やすことを良しとする企業で働いたことはなかった。だから組織化が始まったとき、辞めて転職するか、残って正義のために闘うか、決断しなければならなかったが、私は残って闘うことにした」と語った。

ステファイン・ヌッツェンベルガー代議員(ドイツ、ver.di)は、アマゾンの過剰な監視とアルゴリズムによる悪質な管理に反撃する必要性について、「我々は、アマゾンが労働者の行動を監視し、労働者にまともな仕事を提供しないような世界を望んでいない。アマゾンとの団体協約を求めて闘っていく」と訴えた。

地元フィラデルフィアから、ジェシー・モレノ代議員(米国、チームスターズ)は、アマゾンがそのすべての労働力に対して責任を負うよう要求し、「我々はアマゾンの荷物を配達し、アマゾンの車両を運転しているが、会社は世界に向けて、我々はアマゾンの労働者ではない、と言い続けている。我々には変革が必要であり、変革の時は、今だ」と呼びかけた。


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