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ネパール最大のスーパーマーケットで20%の賃上げを獲得

UNI加盟組織である全ネパール店舗販売労組(ANSSWU)のバットバテニ支部は、ネパール最大のスーパーマーケット・チェーンであるバットバテニの従業員4,500人(ほぼ全員が女性)の賃上げを確保する、新たな団体協約の最終合意を実現した。

組合とバットバテニ経営陣との間で結ばれた新協約では、20%の賃上げが確保されたが、これは2023年8月に政府が発表した新最低賃金通知の引き上げ幅を上回るものである。また協約は、同社経営陣が全従業員の拠出型社会保障基金への加入を完了させ、それによって従業員の長期的な経済的安定を確保することを約束している。

ミーナ・プーデル全ネパール・バットバテニ労組(AMBBEU)委員長は、団体交渉チームの功績を称え、「UNIネパール加盟協とフィンランドの連帯支援組織SASKによる団体交渉とリーダーシップ研修がなければ、今回の協約は実現できなかった。チームが成し遂げた成果を非常に誇りに思う」と述べた。

同労組は、SASKがフィンランドのUNI加盟組織PAMおよびPROと連携して資金提供する4年間のUNI Aproプロジェクトの一環として、支援を受けてきた。プロジェクトは2025年末まで実施され、ネパールの商業部門労働者のディーセントワークの強化を目指す。

団体交渉チームメンバーの一人であるシャルミラ・タマン氏は、「ワークショップを通じて受けた訓練によって、我々の要求が明確になり、経営陣に効果的に発言するスキルと自信が身についた」と語った。

ベシュラジ・ダールANSSWU委員長は、従業員の公正な賃金と社会保障の確保に向けて取組むバットバテニ労組を称え、「ネパールの労使関係と労働者の権利の模範となる協約を達成したバットバテニ労組を非常に喜ばしく思う」とコメントした。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域会長は、「職場における組合の存在意義と重要性、団体交渉と円滑な労使関係の維持に不可欠な組合の役割を浮き彫りにした素晴らしい成果だ。おめでとう!」とANBBEUを祝福した。

1984年に設立されたバットバテニ・スーパーマーケットは、ネパール国内27か所に展開し、約5万の雇用を創出している。


アルゼンチンのゼネスト、新政権の改革に対して強固な反対の意思表示

2024年1月24日、アルゼンチン全土で労働者がハビエル・ミレイ新大統領の極右・反民主主義的政策に抗議するためにストライキを決行し、数十万人の人々が国の機能を停止させた。

この日のゼネストは、就任7週間目の大統領が「ショック療法」に例えた、有害な経済・政治改革の数々に対する最大規模の反対運動であった。労働組合によれば、必要緊急大統領令(DNU)と国家改革法案(オムニバス法として知られる)は、労働者、環境、民主主義のために何十年にもわたって苦労して守られてきたものを後退させるものだ。

ブエノスアイレスのプラザ・デル・コングレソでの大規模集会で、CGTおよびUNI加盟組織FATSAのヘクター・デール書記長は、「DNUを打倒し、オムニバス法が否決されるまで闘い続ける」と宣言した。同氏はUNI米州地域会長も務める。

アルゼンチン国内での広範な支援に加え、ゼネストは世界中で連帯を生み出 した。

約170か国の労働者を代表するグローバルユニオン評議会は、次のように支援声明を発表した。
「我々は、アルゼンチン政府が一方的に法案を出すのをやめ、労働問題に対処する方法について組合と交渉を開始するよう、要求する。また、民主主義の基盤を脅かすこうした逆進的な政策に積極的に反対するため、アルゼンチンの組合を支援する世界各地の行動に連帯する。(…中略…)アルゼンチンの民主主義の後退を許すわけにはいかない。今、我々は行動しなければならない。」

クリスティ・ホフマンUNI書記長とマルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「アルゼンチン政府が行おうとしている違法な改革は、貴国が締結した国際協定に謳われているストライキやデモの権利など、基本的な国際法に明白かつ明確に反している」として、ストライキを支持するとともに法改悪を非難する書簡を、ミレイ大統領に送った。

ブラジル、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、ドミニカ共和国、ドイツ、エルサルバドル、メキシコ、ペルー、パラグアイ、スペイン、英国、米国、ウルグアイなど、数十か国の労働組合が、街頭で連帯を表明した。


欧州議会議員、アマゾンのロビイスト出入り禁止を支持

欧州議会の雇用・社会問題委員会(EMPL)に所属する欧州議会議員は、2024年1月23日、アマゾンの経営陣が欧州議会の公聴会への出席を拒否したことを非難した。アマゾンは2023年12月にも、ドイツとポーランドの倉庫への欧州議会代表団の視察を、急遽とりやめている。また2021年にも、アマゾンは前回の公聴会で証言を拒否しており、アマゾンのこうした一連の動きに辟易した欧州議会議員は、欧州議会からアマゾンのロビイストを追放することを要求し、UNI欧州もそれを支持している。

ドラゴシュ・ピスラルEMPL委員長は、アマゾンの欠席について、「アマゾンから、都合をつけられなくなったという趣旨の手紙を受け取った。これだけの規模と代表を抱える企業であれば、今日来られなくなった人の代わりになるような人材がいたのではないか」と苦言を呈した。

オランダのキム・ファン・スパレンタク議員もこれに同調し、「アマゾンが我々の民主的制度に敬意を示さないことに失望はしているが、驚きはしない。議会公聴会に2度も来ず、我々のミッションを取りやめた後のことだから」と語る。

オランダのアグネス・ヨンゲリウス議員は、さらに一歩踏み込み、欧州議会におけるアマゾンのロビイング活動の禁止を求めている。「私は12月にもポーランドとドイツの労働者との会合を予定に入れていたが、この会合も撤回されている。議会は、議会内でのアマゾンのロビイストの活動を禁止するよう検討すべきだ」

この提案を支持するフランスのレイラ・チャイビ議員は、アマゾンのロビイストの活動禁止を求める結束したアプローチを提唱し、「アマゾンは民主的な機関に対しても、労働者に対する姿勢と同じように無礼な態度を示している。(…中略…)我々は具体的な行動、つまりアマゾンのロビイストの欧州議会への立ち入りを禁止するという行動を起こすことができる」と述べ、政治団体の垣根を越えて連携し、欧州議会内へのアマゾンのロビイストの立ち入りを禁止するよう要求する書簡を議会議長に送ることを提案した。

ドイツのガビー・ビショフ議員はこの提案を支持し、「敬意の問題であり、国会で公聴会が開かれるのであれば、アマゾンは出席すべきだ。アマゾンのロビイストのバッジを撤回する提案を支持する」と述べている。また、同じくドイツのデニス・ラドケ議員も、アマゾンのロビー活動と、委員会への関与を拒否する姿勢について非難し、「私は、議会や委員会として取ることのできるいかなる措置も支持する。(アマゾンのやり方を)受け入れるべきではない」と語気を強める。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、公聴会について「アマゾンの経営陣が民主的機関による公的な監視を拒否することは容認できない。残念なことだが、これは労働者や労働組合にとっては驚くべきことではない。アマゾンは悪名高い組合潰しを行う企業であり、結社の自由や団結権、交渉権といった基本的権利を否定してきた。したがって、私たちは国会議員とともに、アマゾンのロビイストが我々の公的機関を尊重しない限り、欧州議会へのアクセスを拒否するよう求めていく」と述べた。

労働組合の証言
公聴会では、ドイツのUNI加盟組織ver.diと、ポーランドのSolidarnośćおよびInicjatywa Pracowniczaの代表が、各国のアマゾンにおける労働条件について、説明を行った。

ポーランドのアガタ・ウィピオール氏は、「私たちはロボットだと思われている。生産性の目標は、物理的な不可能なレベルのものであり、これを変えるよう求めた。労働者に対する圧力は大きく、監視の目も厳しい」と述べ、ドイツのコリーナ・グロース氏は、「アマゾンでは、立法府が強制しない限り、質の高い安全な労働は保証されていない。健康上の理由で解雇されたり、正当な理由もなく解雇されたりしている」と付言した。

組合代表は国境を越えた組織化の重要性を強調するとともに、組織化のための欧州ネットワークを促進するUNIアマゾン労組アライアンスの役割を指摘した。

Make Amazon Pay(アマゾンに支払わせる)
2023年秋に、UNIとプログレッシブ・インターナショナルは、20か国以上から労働組合員、市民社会組織、専門家、国会議員を英国・マンチェスターに集め、史上初の「Make Amazon Pay」サミットを開催した。

サミットに参加したオランダのキム・ファン・スパレンタク議員は、その核心的なメッセージを欧州議会に伝えた。「11月にマンチェスターで開催されたMake Amazon Payサミットに出席することができたが、このキャンペーンが世界中のいたるところで広がりを見せていることを大変嬉しく思う。労働組合、税金問題やデジタル権の活動家、先住民族、気候変動活動家、零細企業経営者、そして政策立案者が本当に力を合わせて取組んでいる。アマゾンのような巨大な搾取企業に立ち向かうには、共に協力することが必要だ。そしてこれは、我々がこの問題に取組み、労働者の状況を改善しようとする人々と団結していることを示す瞬間でもあると思う」

労働、税金、気候、データ、人種的公正に関連する問題に取組むことを目的とするMake Amazon Payキャンペーンは、2020年以来5回の世界行動デーを実施してきた。世界中の80以上の団体と数百人の国会議員から支持を集めている。


UNI書記長、ダボス会議でAIをめぐる交渉の必要性について訴える

2024年1月中旬にスイスの山村・ダボスで開催された世界経済フォーラムの年次総会では、人工知能が最重要テーマとなった。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、特にAIのようなテクノロジーをめぐる団体交渉の必要性について、訴えた。

2024年の総会の全体テーマは「信頼の再構築」であり、ホフマン同書記長は、AIの導入に関して信頼が確立されるためには、使用者はこれについて労働組合と交渉しなければならないと指摘した。

デロイトやロレアルのCEOも参加した『オーグメンテーションを通じて考える』パネルでは、同書記長は「世界中の労働者は、AIが自らにとって何を意味するのか、不安を抱いている。解雇や職を失うことを心配しているのだ。この不安に対処するためには、そのプロセスに労働者を参加させなければならない」と強調した。

そして「労働時間をどのように再構築するかについて、広い視野を持つこと。生産性が向上すれば、解雇の代わりに週休3日制についての議論が高まる可能性もある。しかし、これも交渉次第だ」と加えた。

6万人以上の俳優や実演家を率いて、AIを中心課題として118日間のストライキを行った米国の組合SAG-AFTRAのダンカン・クラブツリー=アイルランド事務局長は、『労働者に焦点を当てる』の討議で、ホフマンUNI書記長と共にステージに上がった。そして、人工知能の導入に関する決定は、機械ではなく人間によって下されるものであるため、これらの選択に責任を持ち、人間を第一に考えるべきだと指摘した。そして、そのためには「労働者はそれらの決定を下す上で重要な役割を持つべきだ」と訴えた。

ホフマンUNI書記長は、ダボス会議でビジネス・リーダーや人権擁護に関わる活動家と会談したほか、アンソニー・ブリンケン米国務長官と会談したグローバル・ユニオン代表団の一員として、労働権の促進と労働組合の構築を目指すバイデン政権のグローバル・レイバー指令について語った。


UNI欧州が勝利:欧州委員会、公共調達の問題に取組むことを約束

2024年1月15日、UNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公契約なし』は、より良い雇用を求める闘いにおいて、突破口を開いた。

欧州委員会のニコラ・シュミット雇用・社会権担当委員が出席する中、欧州議会は公共調達指令に関する重要な本会議討論を行った。そして、欧州委員会は初めて、欧州議会が求める同指令の改正に直接応じた。シュミット同委員は「欧州委員会は、さらなる具体的な措置が必要となれば、立法的なものであれ検討することを約束する。つまり、現行の条文を見直す必要があり(…中略…)、これには社会的配慮も必ず含まれる」と述べた。

公共調達指令は、EU全域の公的機関が民間企業と物品・サービスの提供を契約する際の条件を概説している。残念なことに、あまりに多くの場合、価格だけが唯一の基準となり、賃金や労働条件、サービスの質に関して底辺へ向かう競争へとつながっているのが現状だ。清掃員やコールセンター労働者、通訳、安全監視員、看護師など、UNI欧州が代表する700万人のサービス労働者の多くが、公共入札の落札方法によって、直接影響を受けている。

改革を支援する欧州議会議員
UNI欧州の代表はストラスブールに赴いて討議をフォローし、欧州議会議員との会合の中で懸念を提起するとともに、会えなかった議員にはメッセージを送った。こうした取組みを経て、過半数の欧州議会議員が、ソーシャル・ダンピングの停止と公共調達指令の改革を求めるUNI欧州の要求を支持した。

ドイツのデニス・ラトケ議員は、討議の開始にあたって「本日この場で、この公共調達の問題を議論し、委員にこの質問を投げかけることは、非常に重要なことだ」と述べ、オランダのキム・ファン・スパレンタク議員は、「労働者を犠牲にして企業が利益を最大化する一方で、基準を引き下げることはもはや許されない」と述べた。

オランダのアグネス・ヨンゲリウス議員は、「労働者と団体協約を結んでいない企業に、これ以上公契約を結ばせないようにする必要がある」と同意を示し、デンマークのニコライ・ヴィルムセン議員は、「公共調達指令をできるだけ早く改正することが重要だ。団体協約を結ばない企業に、納税者の資金が使われるべきではない」と語った。討論に先立ち発表された論説では、4つの異なる政治系列の欧州議会議員4人が、欧州委員会に対して改革の道を拓くよう求めている。

討論会では、スペインのマリア・ロドリゲス・パロップ議員、イタリアのダニエラ・ロンディネッリ議員、マルタのアレックス・アギウス・サリバ議員、スペインのエストレラ・ドゥラ・フェランディス議員、スロベニアのミラン・ブルグレス議員など、他の複数の欧州議会議員も、改革を支持している。

欧州委員会のコミットメント
討論の最後にニコラ・シュミット委員は、欧州委員会が法制化も含めたさらなる措置と改革を検討することを約束するとともに、「不正行為を行い、労働者の権利を尊重せず、労働者の保護を尊重しなければ、企業は最安値で取引できるだろう。だがそれは誰が負担する価格なのか」と述べ、法的な不確実性が問題であるという重要な事実を認めた。

これは、EUの公共調達規則を改革するUNI欧州のキャンペーンにとって大きな勝利だ。今後、UNI欧州は加盟組織とともに、言動を行動に移すよう、働きかけていく。


UNI欧州商業部会、AIに関するプロジェクトを開始

人工知能(AI)は、商業部門等の職場において不可欠な要素となりつつあり、企業は加速度的にAI技術に基づくイノベーションを採用している。シフトの作成・管理から監視にいたるまで、労働条件への影響が拡大する中、労働組合の声に耳を傾ける必要がある。

この課題に取組む労働組合を支援するため、UNI 欧州商業部会は、EUが資金を提供する2年間のプロジェクト『管理と監視―小売部門におけるAIの活用』(MMAI)を主導している。このプロジェクトを通じて、UNI欧州商業部会はワークショップを実施し、ツールキットや解説動画を作成し、アルゴリズムの使用に関する交渉を行うことで、良好な労働条件の確保に向けて取組む組合を支援する。

このプロジェクトの全体的な目的は、商業部門の組合、労働者代表、安全衛生委員が、加速するAI利用にどのように対応できるかを明らかにし、認識を高めるとともに、訓練と実践的ツールの両方を提供することである。プロジェクトによって、組合の代表性を高め、社会対話と団体交渉を強化し、社会パートナー間の協約交渉を支援する狙いだ。

プロジェクトは、フランス(CFDT=サービス産業労連)、ハンガリー(KASZ)、スペイン(CCOO Servicios)、スウェーデン(HandelsおよびUnionen)の 4 か国を対象とするが、2025年に完成予定のツールキットと解説動画は、UNI欧州商業部会加盟組織、社会パートナー、商業部門の主要関係者が活用できる内容となる。

2023年11月のプロジェクト運営グループ初会合に続いて、オンライン調査が開始された。調査では、商業労組に対し、人工知能の使用についての社会対話と労働協約に関する現状や課題、戦略について情報提供を求めた。調査結果は、概要報告書および2024年春に予定されている対象国での一連のワークショップの中で発表される予定だ。


イタリアの小売・観光労組がクリスマス前にスト

2023年12月22日、イタリアのUNI加盟組織であるFilcams-CGIL、Fisascat-CISLおよびUILTuCSの呼びかけで、数百万人の商業・観光業労働者が賃上げと産別協約の更新を求めてストライキを実施し、街頭に繰り出す。

イタリアの商業・観光部門の産別協約は約 500 万人の労働者を対象としている。協約は3年以上更新されておらず、前回の労使交渉は暗礁に乗り上げていた。

労働組合は、インフレ率に見合った賃上げと、職種分類制度の見直しや継続的訓練を受ける従業員の権利強化など、規則枠組みの改訂を求めている。

しかし、使用者団体は労働組合の公正な要求を繰り返し拒否し、代わりに、14か月給与、有給休暇、年功序列昇給、通告期間など、労働者がこれまで勝ち取ってきた権利を削減する、容認しがたい提案を出しているのだ。使用者側はまた、柔軟に有期契約を利用することで、雇用のさらなる不安定化を進めようとしている。

これに対し、イタリアのUNI加盟組織はストを呼びかけ、労働者はローマ、ミラノ、ナポリ、カリアリ、パレルモでも抗議に参加する。UNI、IUF、アルゼンチンFAECYの国際代表団もミラノでの集会に加わり、イタリアの組合と労働者を支援する予定だ。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「世界の労働運動は、産別協約の更新を求める公正な闘いにおいて、Filcams-CGIL、Fisascat-CISLそしてUILTuCSとともに立ち上がる」と連帯を表明し、「使用者は500万人の労働者と組合の声に耳を傾けなければならない。金曜日の行動で、労働者の声が届くことを確信している。この部門の労働者は公正な協約を得る資格があり、我々は勝利するまで労働者を支援し、共に闘い続ける」と述べた。


ドイツとスペインのアマゾン労働者、クリスマス前にストライキ

2023年11月24日のブラックフライデーに国際的な支持と注目を集めたMake Amazon Payキャンペーンの成功から1か月弱、1年で最もショッピング繁忙期となる12月中旬に、ドイツとスペインのアマゾン倉庫労働者が、一連のストライキを実施する。

ドイツでは、ヴィンセンにある複数のアマゾン倉庫の労働者が12月17日の日曜日にピケットラインに向かった。要求の中心は、より良い賃金と健全な労働条件を保証する労働協約の確立である。この運動は新しいものではない。10年前からドイツの労働組合ver.diの組合員は、一貫してアマゾンの労働慣行に対して声を上げてきた。ver.diは、小売・通信販売部門における団体協約を承認する要求に加え、アマゾンが 「良好で健康的な労働のための団体協約」を締結することも求めている。

同様にスペインでは、セビリアのドス・エルマナスにあるアマゾン倉庫で働く労働者が、ストライキに入った。アマゾン労働者委員会を構成する労働組合(UGT、CCOO、FETICO)は、「センターの全従業員の労働に尊厳と価値を与える、相応の賃金」を得るため、物流センターでの無期限ストを呼びかけた。

同委員会で多数を占めるUGTは、クリスマス繁忙期の真っ只中である12月18日(月)に、労働者が倉庫の門に集まり、「賃金、休日出勤や時間外労働、研修時間、その他に対する支払い」を掲げてストを開始することを発表した。

11月にUNIが共催したMake Amazon Pay キャンペーンでは、米国、英国、イタリア、日本を含む30か国以上の労働者と支援者が、様々な形でアマゾンの搾取的慣行に対する抗議行動に参加した。今年は、数か国でのストライキや集会、アマゾン・ウェブ・サービス施設での気候変動についての抗議活動、バングラデシュの衣料品労働者による集会など行われた。

11月24日の抗議行動の直後、コベントリーでストライキを行なったGMB労組は、英国におけるストライキがバーミンガムにまで拡大したと発表した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、この運動の強さが増していることを指摘し「この運動が拡大しているのは、国や職種に関係なく、賃上げ、不合理ノルマの廃止、仕事上の発言権を求める闘いにおいて、我々全員が団結していることを、労働者が知っているからだ」と述べた。

UNIは、これらの労働者と、アマゾンの労使関係におけるより広範な変革を求める世界中のアマゾン労働者に対する支援を堅持する。UNIのアマゾン・グローバル労組アライアンスとMake Amazon Payは、アマゾンが労働者に公正な賃金を支払い、労働組合に加入する権利を尊重し、真の環境持続可能性に取り組み、公正な税負担を担うという共通の要求のもとで団結している。

ドイツとスペインでストライキが展開される中、世界の労働運動は、2024年にはすべてのアマゾン労働者が評価・尊重され、適切な補償を受ける世界を獲得できることを期待しつつ、状況を注視している。


フィリピン上院、全会一致でILO第190号条約の批准を承認-フィリピン労働者に歴史的な瞬間

2023年12月11日、フィリピン上院が「仕事の世界における暴力およびハラスメントに関するILO第190号条約」の批准を全会一致で承認し、フィリピン労働者の権利にとって画期的な勝利がもたらされた。

ILOがこの条約を2019年に採択して以来、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)は、フィリピンの他の労働組合、労働団体、権利擁護団体とともに、職場におけるあらゆる形態の暴力やハラスメントから労働者を保護するこの重要な条約の批准に向けて、キャンペーンを精力的に展開してきた。広範なロビー活動、大規模集会、政策立案者との対話、さらに労働者の権利保護における190号条約の重要性について認識を高めるための草の根アドボカシーなどを行ってきたのである。

UNI-PLCは、組合活動家やこの大きな成果のために取組んできた他の労働組合に敬意を表し、次のようにコメントした。「ILO第190号条約の批准は、フィリピン人労働者とその権利擁護のために取組んできた人々の声を結集した重要な勝利。ILO第190号条約が国内法の一部となるということは、フィリピンの労働組合・労働運動にとって重要な勝利として記憶される歴史的瞬間だ。この条約は、意味のある変化をもたらし、労働者の権利を前進させる上で、集団行動とアドボカシーの力がいかに重要であるかを示すものである。この画期的な勝利は、フィリピンのあらゆる労働者が暴力やハラスメントを受ける恐れを抱くことなく、まっとうな雇用に従事し、国内の職場で敬意と平等、安全の文化を育む未来への道を拓くものだ」

UNI-PLCはさらに、条約の批准という決定的な一歩を踏み出すことは、持続可能な開発と社会進歩の目標に沿い、すべての労働者の尊厳と権利を守る職場環境を構築するという国際労働基準と人権原則に対するフィリピンのコミットメントについて強力なメッセージを送ることになる、と期待している。

フィリピン政府は現在、法的枠組みの確立、執行のメカニズム、被害者への支援サービス、この問題に関する教育・啓発の促進など、包括的な施策を実施する体制を整えている。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「UNI Aproは、この画期的な成果を達成したUNI-PLCと加盟組織の精力的な活動、フィリピン労働運動への貢献を非常に誇りに思う」と述べ、勝利を祝した。

ILO第190号条約は、職場における暴力やハラスメントに対処・防止することを目的とし、そのような行為が人権や職場における基本原則・権利を侵害するだけでなく、個人の尊厳や社会全体の健全性を損なうものであるとしている。現在、ILO加盟国のうち36か国がこの条約を批准しており、うち太平洋地域からはオーストラリア、フィジー、パプアニューギニアの3か国が批准しているが、今回の画期的な決定により、フィリピンはアジアで初めて190号条約に加盟した国となった。


第22回UNI-LCJユース英語セミナーを開催!

2023年12月8~10日、東京・府中においてUNI-LCJユース英語セミナーが4年ぶりに対面開催された。6組織(情報労連、全印刷、全労金、UAゼンセン、大日本印刷労組、JP労組)14名の参加者(男性5名、女性9名)は、海外から招いた3人のリソースパーソンを交え、英語でコミュニケーションをはかりながら、国際労働運動について理解を深めた。

「2023~2027年UNI-LCJアクションプラン」の重点課題に挙げられる「国際労働運動で活躍できる人材の育成」という方針に沿って開催された本英語セミナーの開会式では、北村聡太UNI-LCJ副議長が英語で開会挨拶を行い、「将来、日本のみならずアジア太平洋地域の労働運動のリーダーとなる皆さんにとって、このセミナーへの参加は国際労働運動への第一歩となる。ぜひ職場の仲間にも、この合宿で得た体験を共有してほしい」と呼びかけた。

自己紹介とオリエンテーションを経て、参加者は、上田智亮UNI-LCJ事務局長より国際労働組合運動の概要やUNIの取組みについて説明を受けた。また、インド出身のプージャ・カパヒUNI Aproオルグ(デジタルコミュニケーション・キャンペーン担当)は、同国における貧富の差や女性差別などの問題に触れつつ、非正規層や青年女性の組織化、縁故主義の蔓延する労働組合運動の課題を指摘した。マレーシアのメディア労組のアメリア・ナディアKESTMB労組副書記長は、多文化共生の同国の風土、メディア産業、労働組合の現状、女性や青年の課題、組合の活動などについて報告した。また、オーストラリア出身のホビッグ・メルコニアンUNI Apro組織化・キャンペーン部長は、同国の労働組合運動の概要や、出身組織である店舗流通関連労組が取組んできたハラスメント撲滅キャンペーンやフランチャイズ店舗における移民労働者搾取に対する闘い等について、報告した。進藤葉月UAゼンセン国際局職員は、11月に開催されたUNI Apro青年委員会及びワークショップについて報告するとともに、UAゼンセンの青年組織である「ヤングリーブス」の取組みについて紹介した。

最終日には、前日より準備と練習を重ねてきた最終プレゼンテーションが行われた。

グループ1は、Make Amazon Payやジェンダーに基づく暴力に反対するキャンぺーン等を事例にUNIの取組みを説明し、組合の下で団結すれば変革していく力を得ることができる、とまとめた。

グループ2は、青年や女性がどのように労働運動の中で闘ってきたか、いくつかの事例をもとに歴史を振り返った。同時に、寸劇とクイズを盛り込み、参加者を惹きつける対話型の構成で発表を行った。

グループ3は、日本に来た外国人労働者が、日本の独特の職場文化に触れて違和感を表明しつつ、日本の労働者もそれによって視野を広げていくというストーリーで寸劇を行った。

いずれのグループも本セミナーで学んだ内容を盛り込みつつ、短い練習時間の中でもチームワークを発揮して、助け合いながらプレゼンテーションを成功させた。

またセミナー中、上記グループワーク以外にも、プレゼンの司会進行を担う「モデレーター」、参加者同士のアクティビティを企画・実施する「ソーシャルファン」、その日の出来事を英文記事にしてFacebookにアップする「レポーター」の3委員会が設置され、参加者は各委員会の中で積極的に役割を果たした。さらに懇親会や休憩時間、ソーシャルファンのセッションを通じて、参加者同士やリソースパーソンとの活発な交流が行われ、懇親と友情を深めた。

参加者からは、「日本と異なる組合の課題や社会問題を聞くことができて視野が広がった」、「英語への興味を今まで以上に持つことができた」、「他労組のメンバーと共に団結して達成感を味わい、横のつながりをのばすことができた」といった前向きな感想が寄せられた。


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