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世界中で労働者の力を構築してきたUNIの20年を祝う

UNIは、2021年3月9日、20周年記念イベントを開催し、2000万人のメンバーを持つ国際産別労働組織(グローバルユニオン)が労働者の力を構築してきた20年の歴史を振り返り、次の20年を展望した。

司会を務めたアルケ・ベシガーUNI副書記長は、「コロナ禍のため、記念イベントはオンライン開催となったが、世界中の組合役員、活動家、そしてUNIサポーターの皆さんと共にこれまでの数々の素晴らしい成果を称えると共に、連帯の精神を再確認する機会としたい」と挨拶した。

「今日のUNIは、明確なビジョンを持ったリーダー達によって創られ、私達がそのビジョンを一つ一つ実現してきた」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は誇らしげに述べた。

UNI創設に尽力した4つの国際産別労働組織のリーダー、フィリップ・ジェニングス初代UNI書記長(FIET出身)、フィリップ・ボイヤー前UNI副書記長(CI出身)、アドリアーナ・ローゼンツバイク前UNI米州地域書記長(IGF出身)、トニー・レノン前MEI会長がそれぞれ、黎明期から草創期を振り返った。

「私達は、組合の国際協力の在り方をダイナミックなものに変えたいと思った」と、ジェニングス初代UNI書記長は熱く語った。「創設当初から、UNIは新たなミレニアム(千年紀)に生まれた新しい国際産別労働組織なのだとアピールし、結果を出すことにコミットしていた。」

その言葉通り、数々の成果(ブレイキングスルー)がスクリーンに映し出された。第3回UNI世界大会(2010年、長崎)のスローガンでもあった「ブレイキングスルー(突破)!」は、その後、UNIの中で“成果”を表す言葉としてずっと使われている。

これまでに、日本の髙島屋、イオンを含め50社以上の多国籍企業とUNIはグローバル協定(GFA)を締結し、世界中の何百万人もの労働者がこれらの協定の対象となっている。多国籍企業毎に、様々な国の労働組合を結集した同盟(労組アライアンス)が結成され、定期的に経営陣と対話を行っている。アマゾン、テレパフォーマンス等の企業をターゲットに国境を越えた組織化キャンペーンが展開されている。ジェンダー平等の点でもこの間、大きく前進した。労働者のために、ゲームのルールを変えようと、世界中で野心的な取組みを行ってきた。長崎世界大会で満場一致で採択された「核兵器の無い平和な世界」に向けた取組みは、核兵器禁止条約の発効につながった。

「我が米州地域で私は、UNIがどのように変化してきたか、そしてUNIが加盟組織や組合員のために、どのように違いをもたらしてきたかを、身をもって体験した」と、ルーベン・コルティナUNI会長は述べた。

UNIは世界の隅々まで影響力を及ぼしてきた。ナイジェリアのDHL組合員、アルゼンチンの銀行労組組合員、ポーランドの介護労働者、米国の警備員、不当に投獄された韓国の組合役員、マカオのカジノ労働者、マレーシアの放送局の組合役員が次々に、「組合があることで生活が変わった」、「UNIとUNIの仲間によって助けられた」と証言した。

コロナ禍にあって、組合があることはかつてなく重要である。

次の20年に向けて識者から示唆を得るためのパネルディスカッションでは、コロナ危機を克服し、より強い組合となる必要性が強調された。

「私達はこの好機を捉えなければならない」とホフマン書記長は強調した。「労働組合は、コロナ禍の間に、世の中のためになる力として広く認識されるようになった。そして労働者は貧しいままなのに、コロナで暴利を貪る人達がもっと裕福になるのを目の当たりにした。この怒りを集団の力に変える時だ。」

パネルディスカッションにはこの他、オックスファムからガブリエラ・ブシェール・エグゼクティブディレクター、ジャーナリストのオーウェン・ジョーンズ氏、ILO仕事の未来世界委員会メンバーを務めた清家篤慶應義塾大学前学長が加わり、ポストコロナの世界で公正な経済を構築するために、労働組合に期待される役割等を語った。清家教授は、ILO仕事の未来世界委員会報告書から、①人間の潜在能力への投資、②仕事に関わる制度への投資、③ディーセントで持続可能な仕事への投資の拡充が重要であるとし、コロナ禍でこれらへの投資の緊急性が高まったと述べた。

この他、ガイ・ライダーILO(国際労働機関)事務局長、シャラン・バロウITUC(国際労働組合総連合)書記長、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長、アンヘル・グリアOECD(経済開発協力機構)事務局長、ダニエル・ロゼラ・ニヨン市長らから祝辞を受けた。

UNIの将来は、国際連帯にかかっており、グローバルアクションを通じた労働者のエンパワーメントにかかっている。

UNIは、20周年記念イベントに参加し共に祝ってくださった全ての皆さんに感謝します


第22回UNI-LCJ年次総会、新体制でUNI Apro運動牽引を誓う

2021年2月15日、第22回UNI-LCJ年次総会が初めてオンライン併用で開催された。コロナ禍で延期や変更を余儀なくされた2020年度活動報告、会計報告、監査報告を承認した。続いて、UNI Aproにおける6部会大会等の主要行事を含む2021年度活動計画及び予算が承認された。最後に役員改選があり、松浦UAゼンセン会長がUNI-LCJ議長に再選され、事務局長として新たに森川容子が選出された。

就任挨拶を行う森川新事務局長
上田事務局次長

続く記念講演には各加盟組織及び来賓等約100人が出席した。

主催者を代表して挨拶した松浦議長は、UNIやUNI Aproがコロナ禍にあっても組織化の手を緩めず、エッセンシャルワーカーや弱い立場にある労働者のために取組みを続けてきたことに触れ、今後もパートナーシップ労使関係を大切にしながら労働運動を発展させていきたいと決意を述べた。

また来賓として、厚労省の井内総括審議官は、政労使の社会対話によりコロナ禍の難局を乗り切っていく重要性を強調した。

神津連合会長は、ビデオメッセージを寄せ、労働者にとって非常に厳しい状況であるが、雇用や生活を守り、セーフティネットを拡充し、希望と安心の持てる社会の実現に向けて、労働運動は共に連携して取組んでいこうと呼びかけた。

その後「ウィズ/ポストコロナの国際労働運動」と題し、クリスティ・ホフマンUNI書記長(スイスからオンライン参加)及びラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長(ネパールからオンライン参加)から、過去1年の振り返りと今後の展望を聞いた。

ホフマン書記長は冒頭、年明け早々、米国でバイデン大統領率いる民主党政権が誕生したことや、米国のグーグル労働者が組合を結成したこと等の喜びと今後への期待を述べた。UNIはコロナ禍の間、エッセンシャルワーカーの労働条件改善に向けたキャンペーンに精力的に取組んだことや、デジタルな組織化スキルを深めてきたことを紹介した。2021年は、コロナ禍で加速したリモートワークの課題やリストラの課題に取組むこと、企業に説明責任を負わせるために、OECDガイドライン等の枠組みを活用しながら、運動を進めていくと述べた。アジアでは、ミャンマー、香港、フィリピン等で民主主義が危機に瀕していることにも触れ、UNI Aproと緊密に連携しながら国際労働運動全体として弾圧されている人々の支援に全力を挙げると強調した。

アチャリャUNI Apro地域書記長は、コロナの大打撃を受けアジア太平洋地域の特に途上国において労働者の状況が悪化していることを報告した。そのような中、労働者を勇気づけるキャンペーンに日本の加盟組織やリーダーが積極的に参加していることに、感謝の言葉が述べられた。最後に、UNI Aproはワンチームとして、コロナを克服し、より良い復興に向けて、政労使の議論に積極的に参画していきたいとの決意を語った。

講演後には、「コロナ禍を理由に労働者が不利な立場に置かれる国が多い中で、政労使の協力によって乗り切ろうとしている事例があれば教えてほしい」(全労金・末留委員長)、「UNI長崎世界大会で女性参画比率40%の目標を採択して10年が経過したが、前進したと評価できるか」(印刷労連・古賀副書記長)、「在宅勤務等の働き方が普及する中で、とりわけ就業経験の少ない若年層にはワークライフバランスやメンタルヘルス上の課題が生じている。このような新たな課題を解決するためのヒントはないか」(日放労・松波中央執行委員)、「グーグル労組結成までの経緯や苦労した点」(UAゼンセン・中田国際局局員)等の質問が出された。

閉会にあたり、野田副議長は、引き続き建設的労使関係の普及に努めるべく、アチャリャUNI Apro地域書記長を支え、松浦議長、森川新事務局長・上田事務局次長の下、UNI-LCJとして力強く活動を展開し、より良い復興を共に目指していこう、と参加者全体を鼓舞した。


2021年、共に立ち上がろう!

ルーベン・コルティナUNI会長ビデオメッセージ(スペイン語)

UNIファミリー、兄弟姉妹の皆さん

新年にあたり、2020年、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大の中、奮闘された皆様のご尽力に感謝申し上げたいと思います。

既にご承知の通り、世界でワクチン接種が始まりましたが、ウィルスは未だ猛威を振るっております。

国際労働運動の仲間と共に最前線に立っておりますが、私達はこの先、より良い通常に戻るため、引き続き緊張感をもって取組んでいきたいと思います。

私達は今なお、経験しているこの現状を論理的に理解しようと努めながら、足元では医療体制の整備、根本的には政治経済の立て直しを考えなければなりません。

国際労働運動が訴えてきたように、以前より良いニューノーマル(新たな日常)を構築する必要がありましょう。

新たな、より良い日常とは、環境に配慮し、富を平等に配分する必要性や、持続可能な開発のシナリオを重視するものです。

少なくともこの3点に配慮がなされなければ、不確実性はこの先も続くと思われ、更なるパンデミックに見舞われる不安が拭えません。新たな経済危機が訪れ、必然的に労働者や排除された人々が影響を受けるのです。

引き続きウィルス感染防止対策を徹底し、同僚の職場の安全衛生確保に取組む必要があります。しかし根本的には、先に述べた、より良い日常を構築する上で意思決定に影響を及ぼすには、私達が国レベル、地域レベル、現場レベルで強力な存在感を持たなければなりません。

改めて皆さんに感謝申し上げると共に、世界の緊張関係が解消されようとしている中、国際労働運動としても主張すべきことがたくさんあることを強調したいと思います。そうすることには歴史的な教訓が多々あるからです。

私達の組織を強化し、私達自身を大事にし、新年のスタートを切りましょう。労働運動の中で、私達はどのようにコロナによって破壊されたものを建て直し、前進していくかを深く議論していきましょう。

ビデオではありますが、皆様に心より連帯の気持ちを送ります。2021年が皆様にとって素晴らしい年になりますように祈念申し上げます。ご静聴ありがとうございました。


今日の英雄は明日にはいない:永久に公正な賃金を

本記事は、世界のあらゆる社会分野のOECD専門家やオピニオンリーダーがCOVID-19危機について議論し、今後に向けた方策を考えるシリーズの一部である。我々がこの重要な難題に立ち向かっていけるよう、分野を超えて専門的知見を交換することを目的としている。提起された意見は、必ずしもOECDの見解ではない。原文はこちらから(OECDフォーラムネットワーク、2020年7月21日掲載)

UNI書記長 クリスティ・ホフマン

世界の労働運動のリーダーとして、この数ヶ月間で私は何度も同じことを耳にしてきた。「喜ばしいことに、ついに労働者は本来受けるべき評価を得ている。多くのメディアが労働者の働きを取り上げ、人々は支援の気持ちを示している。」 実際、メディアはパンデミックの間に来る日も来る日も、「日々の英雄」は見過ごされ正当に評価されてこなかったと報じてきた。

日々の英雄とは、我々の地域社会に食料が行き届くようにしている食料品店の従業員のことであり、病人や障がい者、高齢者に不可欠な支援を行っているケアワーカーのことであり、病院やバス、公園や街頭が安全で清潔であるよう尽くしている清掃ならびに警備労働者のことだ。

そのほとんどが女性であり、人口に占める割合に比べて極端に多い人種的・民族的マイノリティの人々が、個人用防護具も支給されない中、こうした仕事に従事している。多くの場合、有給の病気休暇がないからである。仕事をするため、自分自身と家族を危険に曝しているのだ。毎年出される『OECD雇用アウトルック』も、女性やマイノリティ、低賃金労働者の働きによって、社会がコロナ危機を乗り切ろうとしていることを認識し、次のように述べている。「リモートでは提供できない必要不可欠なサービスに従事するいわゆる『最前線の労働者』は、低賃金であることが多い。」

だが、こうした労働者に対する世間の認識が高まった一方で、こうした低賃金の仕事の基準を押し上げるべく実質的な取組みがなされているのか、疑問である。実際には、パンデミック中、労働者を雇用し続けるために、わずかばかりの「ボーナス」の支払いすら使用者が撤回しているため、多くの労働者の賃金はむしろ下落しそうである。

雇用危機に直面して:『OECD雇用アウトルック』からわかる重要な点

例えば米国では、Kroger 、Whole FoodsやTrader Joe’sなどの40以上の小売チェーンが「英雄賃金」の支払を終了すると発表している。英国の大手スーパーマーケットチェーンのTescoは、国内のCOVID-19感染者が増加し続ける中、5月30日で10%の感謝手当を打ち切った。ドイツに本社を持つAldiの特別賃金は4月末で終了したが、コロナの危険は今も高まっている。

これは想像を絶する冷酷な仕打ちである。感染の危険がなくなったわけではないことは明らかであり、実際、食料品店の従業員の緊張感は高まり、彼らの受ける嫌がらせは増加しているのだ。従業員は、顧客に対してマスク着用を呼びかけることを求められているからだ。

だが、英雄賃金への注目は、もっと大きな点を見落としている。命取りのパンデミック中に業務の重要性を証明した労働者は、危機迫る間だけではなく、恒久的に公正な賃金を受け取るべきなのだ。

スーパーマーケットの一時的な「英雄手当」は、労働者と家族が安心して暮らせる賃金の代わりにはならない。世界中の労働組合がさらなる賃金を要求しているのは、このためだ。英国のUSDAW、カナダのUNIFOR、オーストラリアのSDA、米国のUFCWといった労働組合は皆、食品小売労働者の賃金引上げを求めるキャンペーンを展開している。ドイツのIG BAUは清掃労働者の賃金引上げを要求しており、米国のSEIU やペルーのSITOBURも同様である。アルゼンチンではSindicato de Salud Pública de la Provincia de Buenos Airesがケアワーカーの雇用と賃金確保を求めて闘い、勝利した。同様に、多くのケアに関わる組合がグローバルなキャンペーンに向けて準備を行っている。

こうした闘いは、エッセンシャルワーカーの必要不可欠な権利の確立に向けた一連の要求をめぐる、グローバルな動きの一環である。不可欠な権利とは、団体交渉の拡大、尊厳ある賃金、安全な仕事、そして特に米国と英国では有給の病気休暇のことである。

経済が良質な雇用をかつてなく必要としているこの時期に、必要不可欠な仕事を公正に評価することで、何百万もの人々が貧困から抜け出すことができるだろう。最前線の労働者を保護しながら、地域を守ることができるだろう。そして力と富の均衡を、一握りの者から大多数へとシフトする力になるだろう。

近年絶え間なく繰り返されてきた不平等の事実を我々は知っている。過去30年間、世界経済に占める労働者の割合は減少し、その理由の少なくとも半分は団体交渉の減少である。富の不均衡は、現代社会がかつて経験したことのないレベルにまで達している。世界で最も裕福な国、米国における「ワーキングプア」の数は爆発的に増加し、10世帯に1世帯以上が該当する。そして不安定雇用の増加により、その数は世界中でいっそう悪化している。

そうして我々の社会は、実質賃金が何十年も横ばいで、ラリー・サマーズのような著名な経済学者も、公正な条件を作り出すためにはもっと多くの労働組合が必要だと主張するに至った。改訂版「OECD雇用戦略」では、弾力的な労働市場を作り出し、不平等と闘う上での団体交渉の中心的役割が認識されている。昨年OECDは、強力な組合と調整された団体交渉は、ソーシャル・グッド(社会を良くするもの)であり、民主主義と社会の結束のために必要であるとの認識を明確にした。またコロナ危機の最中にOECDは、パンデミックにより露呈した問題の長期的解決策として、長期介護部門でのさらなる団体交渉を求めている。「雇用アウトルック2020」においても、社会パートナー、つまり労働組合と使用者団体が危機の間に果たす中心的役割を評価している。

我々は今、歴史的に類い稀な瞬間を生きている。未来を変える真の選択と不平等に関する取組みを行うには、良い機会だ。エッセンシャルワーカーの多くが、社会で最低の賃金しか得ていない。多くの場合は有給で病気休暇を取れず、国によっては適切な医療さえ受けられない状況だ。我々はこれまでの道を歩み続けたいのか?

スイスで保健庁を管轄するアラン・ベルセ内務大臣も最近、次のように問いかけている。「我々は、今回コロナ危機を経て明らかになったエッセンシャルワーカーへの酷い扱いを是正していく政治的意思を持つのか?それとも、『システム上、重要な』職業の人々に対する敬意を、安っぽい美辞麗句へとこっそり転じてしまうのか?」

エッセンシャルワーカーは、もっと多くを得て良いはずだ。彼らに必要なのは、感謝のしるし以上に、彼らの仕事を評価し、何が必要不可欠であるかを見極める我々の経済が変化していくことだ。グローバルに今、このことを考える時だ。

仕事をどのように評価するのか、リセットボタンを押すのは今だ。


韓国フレゼニウス・メディカルケア労組、初の団体協約を締結

2020年6月初め、韓国フレゼニウス・メディカルケア(FMC)労組は、フレゼニウスと初めて団体協約を締結したと発表した。初の協定によって、韓国の労働者の生活改善、組合の権利の保障、韓国FMC労働者の労働条件改善が期待される。

新たな団体協約には、公正な賃金、福利厚生、労働安全衛生、人権に基づく安定した枠組みが規定されており、ハラスメントからの保護やジェンダー平等も含まれる。また、組合活動家が「就業時間中に」組合の権利を行使することを認めており、団結権も保障される。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「長年にわたる闘争が、ようやく韓国FMCの皆さんのために実を結びつつある」と喜んだ。「我々UNIファミリーは、誇り高く実効性ある韓国の労働運動を支援し強化していく」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「韓国フレゼニウスFMC労組の成功は、韓国の労働運動にとって新たな節目となる。アジアの他地域や世界の仲間を勇気づけるだろう」と述べた。

組合にとって団体協約は、感動的な節目として祝うだけでなく、UNIや韓国民主医薬労組(KDPU)等からの大きな支援に感謝を示す機会でもあった。韓国FMC労組は、イ・ヨンドク議員の尽力に感謝すると共に、今年2月、組合行動と合わせて協約締結に向けた最後の一押しをしたルーベン・コルティナUNI会長、アルケ・ベシガーUNI副書記長に謝意を示した。

キム・キュナン韓国FMC労組委員長は、「これは歴史的な協約であり、現場の労働者にとって大きな良い変化をもたらすだろう」と期待した。

この協約では、時間外労働について明確に規定され、更に年間150万から1000万ウォンに及ぶ画期的な福利厚生も設けられている。


国際労働運動は一丸となって「黒人の命は大切」を支持

国際労働運動は、「黒人の命は大切」運動を支持して、共に立ち上がるだけでなく、共に行動を起こしている。

UNIをはじめとするグローバルユニオン(国際産業別労働組織)とITUC(国際労働組合総連合)で構成されるグローバルユニオン評議会(CGU)は、世界の殆ど全ての国々の労働者を代表する。6月17日、CGUは、制度化された人種差別と闘い、米国等における刑事司法制度の再考を求める明確な要求を発表した。UNIは、本部ビルに「黒人の命は大切」のバナーをかけて支持を示している。

CGUの声明は、ブリアナ・テイラー、アマード・アーベリー、ジョージ・フロイドという3人の米黒人の殺害を受けて発表された。これらの全く不当な殺害は全米で抗議を引き起こし、やがてサンパウロからソウルまで世界中に抗議の輪は広がった。

CGUは、「余りにも長い間、人種差別と白人至上主義によって、働く人々は分断され、真の力を勝ち取る力量を弱められてきた」と述べ、「もうたくさんだ」と訴えた。

労働組合は何度でも呼びかける。「新しい世界をつくるために闘おう。みんなが黒人の命は大切だと認識する世界を!」


ヒーローと呼ばないで、一緒に闘おう!

6月15日は「国際正義の日」。世界中の清掃労働者及び警備労働者が、不可欠任務に就く労働者を守るための一連の要求を掲げ、職場の正義を求めて闘う日だ。世界中の人々が今、人種差別との闘いに声をあげている中、職場の正義とは何かをあらためて問い直す日でもある。

「2020年になっても1990年当時と同じだ。職場で、街頭で、低賃金、警察による残酷な行為、構造的な人種差別に反対を表明し、“(我々が)やればできる!”と叫ぼう」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は鼓舞した。「困難を乗り越え、全ての人々のために正義を勝ち取るまで闘おう。来る日も来る日も身を粉にして働く労働者は、職場で生み出した富を分かち合い、尊重され、尊厳のある生活を享受すべきだ」

世界中の組合員が、“Black Lives Matter(黒人の生命も大事だ)”運動と、さまざまな場所で起こる人種差別的暴力の被害者を支持する声をあげ続ける中、差別に反対を唱える発端となった国際正義の日を迎える。

1990年6月15日、ロサンゼルスのダウンタウンで平和的に行われていた「清掃労働者に正義」を求めるデモ抗議活動が、過激化した。労働者が互いの腕を組んで通りを横切ろうとしたところ、警官隊が立ちはだかって警棒で男女デモ参加者を殴り、多数の負傷者が出た。このような過激な扱いを受け、かえって清掃労働者は決意を強固にし、人々からの支持も広がったため、多国籍企業は清掃労働者の権利を認識せざるを得なくなった。結果、組合を結成し、医療保険をはじめとする諸手当を交渉し、協約を結ぶ等、労働者の生活水準の向上につながった。

30年を経て今、これまでの成果を祝う時、全ての人々のために、清掃・警備等の仕事をより良い仕事にしていこうと奮闘してきた、清掃・警備その他労働者が勝ち取ってきた数多くの成果を誇りに思う。我々は、1990年にロサンゼルスで闘った清掃労働者達のように、この瞬間も職場や街頭で制度的な人種差別に苦しみ続ける労働者や有色人種コミュニティのための闘いを支える取組みを強めていきたい。


野田UNI Apro会長、「人の心をつないでいこう」とスタッフを激励

新型コロナウィルス感染が世界的に拡大する中、対面会議の代わりにウェブ会議を活用せざるを得なくなっている。6月4日のUNI Aproスタッフ会議に、野田UNI Apro会長が参加し、今年1月にUNI Apro事務所を訪問して以来、初めてオンラインでの顔合わせを行った。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は冒頭、アジア太平洋地域の状況について報告した。多くの自宅待機或いは在宅勤務をしていた労働者が職場に戻ろうとしているが、未だ感染リスクに晒されている。組合はそのリスクを軽減するため、使用者や政府と安全な職場復帰に向けた指針を協議している。現在、労働運動は「新たな日常」について議論を始めているが、アジアの多くの国で労働運動に追い風が吹いているわけではない。国の財政状況の相対的な強弱に関係しているためである。低・中所得国は国際金融機関からの経済刺激対策への支援に依存しているが、国際金融機関や殆どの国の政府は、労働者に寄り添った政策や対策を立てているとは限らない。とりわけインフォーマル経済に大きく依存している国々では、労働者に優しい政策を要求する組合にとって厳しい状況である。

野田会長は、「世界的な経済危機の到来と、今後、地球規模で起こり得る政治・経済・社会のパラダイムシフトが指摘される中、それらの劇的な変化に対峙した労働運動の在り方や運動スタイルが問われることを認識しなければならない」と述べた。そして、厳しい状況の中、「人の心をつなぐこと」が一番重要だとし、IT等を活用し、加盟組織との連携を強化してほしいと、各国でリモートワークを続けるスタッフを激励した。

各部会・専門委員会担当部長から、コロナ禍にあっても勇気づけられる成果のいくつかが報告された。計画されている殆どの会議や組織化の取組みは延期となったが、ウェブ会議等の代替策を検討中である。

最後に、長年UNIの運動を牽引し、6月をもって日本に帰国、UAゼンセンの任務に就くこととなった玉井部長に、感謝の言葉が述べられた。


ホフマンUNI書記長から米国の労働組合へ:我々は正義を求める呼びかけに加わり、人種差別を根絶する闘いを支持する

クリスティ・ホフマンUNI書記長から米国の加盟組織への声明

全米のUNI加盟組織は、ここ数日、警察によるジョージ・フロイドの殺害を非難し、米国における黒人男女に対する人種差別残虐行為の最近の犠牲者であるジョージ・フロイド、ブリーナ・テイラー、アーマド・アーブリーの正義を求めて声を挙げている。

国際連帯とは、1人の痛みは全ての人の痛みであることを意味する。UNIは、正義を求める皆さんの呼びかけに加わり、人種差別を根絶する皆さんの闘いを支持する。組合として我々は、人種的正義なしに経済的正義はないことを知っている。我々の目的は、声を挙げられない人々に発言の場を与え、肌の色や信条に関わらず、全ての労働者の立場を高め、エンパワーすることだ。それは構造的な人種差別の重圧の下では起こり得ない。

我々は、これらの恐ろしい行為に悲しみ、怒り、抗議する人々を支持する。我々は、抗議行動を弾圧するため軍隊を配備すると約束し、より強硬な警察の戦術を求めてきたトランプ大統領の発言に対する警戒感を共有する。抗議を鎮めるどころか激高させている。

まさに苦痛と、悲しみ、怒り、そして恐怖の瞬間である。しかし、希望と、大胆な行動、重大な変化、そして決意を新たにする瞬間でもある。ある活動家が金曜日の夜、路上での暴力に終止符を打つよう呼びかけたように、我々は平和をもたらす人種的正義のために「構想を練り、計画と戦略を立て、組織化し、動員」しなければならない。

人種差別との闘いは皆の闘いだ。我々は行動を呼びかける。

連帯しよう。

#BlackLivesMatter #JusticeforGeorgeFloyd


メーデーに向けたUNI書記長メッセージ「より良い世界にしていくために、この機会を逃すな」

2020年のメーデーに際し、「メーデーは、我々の闘いと成果を称え、より良い世界を求める闘いへのコミットを再確認する時だ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は述べた。

ホフマン書記長ビデオメッセージ(英語)はこちらから

今年は各国で大規模な集会は開かれないが、これは新型コロナウィルスのせいで労働組合がおとなしくしているという意味ではない。それどころか、世界中の労働組合は5月1日にオンラインでつながる。この数か月間で、組合はかつてないほどに重要であることが証明されてきた。

新型コロナウィルスの感染が世界的に大流行する中、組合は労働者の安全と収入を守るために不眠不休で闘ってきた。

「組合代表は、労働者の安全確保や、仕事がない期間の賃金補償、仕事の維持等を交渉する上で、決定的な役割を果たしている」と、ホフマン書記長は称えた。「団体交渉と労働組合は労働者にとっても、社会にとっても良いことが、誰の目にも証明された。組合は、コロナ収束後の復興に関わらなければならない。」

しかし残念ながら、組合が何十年にもわたり攻撃されてきたため、組合に代表されることによる恩恵を受けている労働者はあまりにも少ない。

この危機によって、不平等な経済が社会にもたらすリスクも明らかになった。貯蓄もセーフティネットも社会的保護もない、多くの人々が不安定な生活を送っている。有給休暇を取得する資格がない場合、または医療を受ける資格がない場合、自宅待機や自主隔離は不可能である。インフォーマル経済では特に、そしてフォーマル経済であっても多くの場合、仕事がない人々は食べていけない。

経済回復に向けて、これら全ての問題に取組まなければならない。

「変革の機会はめったにない。この好機を逃さず、世界がシフトするよう要求していこう。世界はこの経済危機から脱却するために何兆ドルも費やすだろう。このお金をどのように使い、コロナ後の期間をどのように規制するかで、格差社会を逆転させるか悪化させるかが決まる。どちらを選ぶかだ」とホフマン書記長は強調した。

復興期の重要な目標の1つは、質の高い仕事を提供することだ。多国籍企業は、サプライチェーンを含む全ての労働者の経済的見通しを確保するために役割を果たすべきである。

より公平な未来に向けて、より良い世界を構築するための3つの重要なステップがある。

  • 社会的保護の底上げ:インフォーマル経済の労働者を含む全ての人は、有給の病気休暇、医療、生活賃金等の社会的保護を受ける必要がある。そして、医療を含む公共サービスに再投資する必要がある。
  • 団体交渉の促進:支出や調達を通じた積極的な政府の政策の上に、団体交渉を促進し、サプライチェーンの上流から下流まで使用者の説明責任を確保する必要がある。
  • 経営トップの強欲を阻止:まず、救済を申請する企業の、CEOの報酬・賞与、自社株買い、配当金支払いを制限する必要がある。超富裕層や企業に相応の税を負担させる、公正な課税制度が必要である。デジタル独占を抑制する必要がある。

この恐ろしい危機から脱却する時に、包摂的で環境に優しい経済を構築する機会がある。しかし我々が連帯しなければ実現できない。共に頑張ろう。そしてメーデーおめでとう!


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