5月 2024のお知らせ

カナダのアマゾン労働者、組合結成に関する投票権を獲得

アマゾンのデルタ事業所で働く労働者は、2024年5月27日のカナダのブリティッシュ・コロンビア州労働関係委員会(BCLRB)による裁定を受け、カナダ最大の民間労組であるUniforへの加入について投票することになった。

ラナ・ペインUnifor委員長は、「デルタのアマゾン労働者にとって、組合代表の力は手の届くところにある」と述べ、「職場で強い声を上げる最善の方法は、我々の組合に加入するよう投票し、使用者に対して明確な集団的メッセージを送ること」と訴えた。

デルタの事業所で数百人の労働者が機密の組合カードに署名した後、UniforはBCLRBに申請を行った。BCLRBは、5月28日午後3時から31日正午12時の間に秘密投票の実施を義務付けている。投票数の単純過半数が得られれば、Uniforはデルタ事業所のアマゾン労働者の公式な交渉代表権を得ることになる。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、「デルタのアマゾンで働く労働者がこのような行動に出たことは、公正な待遇とより良い条件を求める労働者が世界的に増加していることを反映している」と述べ、「投票が成功すれば、カナダ国内のみならず、世界中のアマゾン労働者を鼓舞するだろう」と期待する。

ギャビン・マクガリーグルUnifor西部地域局長は、「Uniforは、カナダ全土ですでに数千人の倉庫労働者を代表しており、労働者は賃金や福利厚生の強化、雇用保障を享受している。(…中略…)アマゾンの労働者は組合を結成して当然だ」と語った。

Uniforはカナダのさまざまな部門において31万5,000人の労働者を代表し、労働者の権利、平等、社会正義を擁護し、より良い未来のために進歩的な変化を促進すべく取組んでいる。


世界の組合指導者、パレスチナの労働組合と人々への支援を確認

2024年5月下旬、8つのグローバル・ユニオン(GUF)と国際労働組合総連合 (ITUC)の指導者が、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸の中心都市ラマラを訪れ、西岸とガザの組合に連帯を伝えた。これらの組織はほぼすべての産業において150以上の国々で2億人を超える労働者を代表している。グローバル・ユニオン評議会(CGU)のメンバーであるGUFは、パレスチナの加盟組織やその他の組織と協力し、現地の労働組合が労働者にとって困難な時期を乗り切り、パレスチナにおける変革の重要な推進力としての役割を果たす上での支援を強化することを約束した。

ITUCと各GUF書記長をはじめ、世界各地から多数の組合トップが参加した代表団は、パレスチナ労働組合総連合(PGFTU)の代表や、西岸とガザの労働者を代表する組合指導者と会談した。

代表団は、パレスチナ解放機構のアッバス議長と面会する機会に恵まれた他、2024年5月28~30日にかけてのミッションでは、サマ・アブ・ウン副首相や複数の政府閣僚にも面会した。グローバル・ユニオンの中には、すでにパレスチナの仲間と深く関わっている組織もあり、いずれもパレスチナ人労働者の闘いを支援・維持することにコミットしている。

代表団は、「我々はこの困難な時期に、パレスチナの労働組合と労働者に対する連帯を表明する。私たちは、ガザの人々が直面している深刻な人道的危機に深い懸念を抱いており、パレスチナ人、イスラエル人、そして平和、平等、正義を求める世界中の人々とともに立ち上がる」と明言した。

緊急の優先事項として、国際人道法を完全に尊重した即時かつ恒久的な停戦、直ちに人道支援を受けられるよにすること、正当な司法手続きを経ずに拘束されているすべての人質やその他の人物の解放、紛争に巻き込まれたすべての労働者の安全な帰還を可能にすることが挙げられる。

同代表団は、IITUCと他のグローバル・ユニオンが長年にわたり、2国家解決を目指す方針を示してきたこと、また、独立したパレスチナの真の経済的未来を促進するため、国連安全保障理事会決議242と338を完全に履行し、公正で持続可能な和平を求めることを想起した。これには、西岸の占領を終結させ、すべての違法入植地を解体し、東エルサレムをパレスチナ国家の首都とする、1967年以前の国境線を承認することが含まれる。

代表団は各国政府に対し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金援助の再開と増額を要請した。UNRWAの役割は、パレスチナ人が最も困窮している時に、必要不可欠なサービスを提供し、支援する上で極めて重要である。

代表団は、「我々はパレスチナの労働者と労働組合に対するコミットメントを強化するためにここに来た。我々は皆、同じ家族の一員であり、我々の目標は、公正で永続的な平和と安全の中で暮らす民主的で主権を持ったパレスチナの構築であり、安全なイスラエルの構築だ。労働組合は、あらゆる民主主義に不可欠な要素であり、強力で民主的な独立した組合がパレスチナにおける目標の実現に向けた重要な基盤になる」と述べるとともに、現在の戦争で悲惨な代償を払ったパレスチナ人から、胸を打たれる証言を聞いたことを報告した。

ガザでの破壊と人命の損失という悲惨な現実に加え、入植者の暴力、移動の自由などの人権の制限、西岸での経済的苦境についても聞いた。そうした状況にもかかわらず、光を放っているのは、労働組合主義へのコミットメントであり、そうした取組みが、紛争による広範な混乱の中でも公正な解決を実現する手助けをする可能性である。

代表団は面会したパレスチナの労働組合に対し、「グローバルな労働組合活動家として我々は、労働運動に対し、平和、人道、民主主義、連帯の原則を実現するよう求める。これには、パレスチナとイスラエル両国の労働組合がそれぞれの社会で果たす重要な役割を認識し、建設的な対話に投資し続けることも含まれる。(…中略…)グローバル・ユニオンはパレスチナの姉妹兄弟を忘れることも見捨てることもない。我々は、パレスチナの労働組合を支援に向けた取組みを強化していく。労働組合は不変の存在であり、民主的で地域に根ざし、ディーセント・ワークと質の高い公共サービスの原則を根付かせるべき復興期に、具体的な支援を提供できる体制を整えている」と述べた。

グローバル・ユニオンの多くは、ガザや西岸の組合を通じて、すでに労働者に多額の援助を行っている。教育インターナショナル(EI)は、パレスチナで1,000人以上の教員に財政支援を行い、ラファでは5,000人以上の子どもたちにシェルターを提供している。国際ジャーナリスト連盟(IFJ)は、ガザで記者に直接支援を提供し、ガザ地区南部のハンユニスで作業スペースと機材を備えた連帯センターを運営している。国際運輸労連(ITF)と国際公務労連(PSI)は連帯基金を立ち上げ、パレスチナの運輸・公務労働者とその家族に緊急支援と長期支援を提供している。国際建設林業労働組合連盟(BWI)は、建設労働者とその家族に人道的支援とシェルターを提供してきた。


UNIマレーシア加盟協の71人がマレーシア労使関係裁判員に任命

2024年5月25日、UNIマレーシア加盟協(UNI MLC)の組合指導者71人が、セランゴール州の州都で行われた任命式で、マレーシアの三者構成による紛争解決機構である労使関係裁判所のパネル委員としての任命状を受け取った。

モハメド・シャフィーBP・ママルUNIマレーシア加盟協議長は、UNI MLCの指導者たちを同裁判所の労働者代表として任命したマレーシア人的資源相の信頼に対し、感謝の意を表した。

2022年から2024年までは65人の組合幹部が、2019年から2022年までは54人の組合幹部が、同裁判所にて委員を務めた。

シャフィ議長は、「任命された皆さんが、委員としての職務を遂行する際に、正義、責任、誠実さという基本原則に忠実であり続けてほしい 」と述べ、新たに任命された委員を激励した。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、「UNI MLCから、労働者の代表として労使関係裁判所パネル委員に任命された71人のリーダーの皆さんを祝福したい。UNI MLCが『変革のために共に立ち上がろう!』と取組んできた証だ」と賛辞を送った。


欧州:視聴覚部門における多様で包摂的な職場の推進に向けて

2024年4 月30日、欧州の労働組合と使用者が、ドイツ・ベルリンで視聴覚部門のインクルージョン(包摂性)に関する円卓会議を開催した。この円卓会議は、EUが資金提供する2年間のプロジェクトの一環であり、多様性強化策を実施する視聴覚部門の能力向上を目的としている。

今回の会議は、2023~2024年にかけて開催された4回シリーズの最終回である。すでに実施された3回では、概念と定義、そしてダイバーシティ・モニタリング・ツールについて検討した。また、インターセクショナリティ、DEI(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)戦略、この部門に参入する上で必要な学び、スクリーン上の多様性についても議論された。

好事例
最初のパネルディスカッションでは、欧州の専門家が、優れた実践例と業界変革へのコミットメントを共有した。スペインの視聴覚メディアにおける多様性のための研究所、フランスのCollectif 50/50、ドイツの公共放送WDR、アイルランドのScreen Producersが議論に参加し、多様性強化策のさまざまな重要な側面、すなわち、障がいのある専門職やトランスジェンダーの代表性、多様性のあるニュースルーム、ステレオタイプ的な描写に対抗する必要性、多様な背景を持つ専門職のデータベースとメンタリング・プログラムの影響などを取り上げた。

第2部では、ドイツの状況に焦点が当てられた。Die Neuen deutschen Medienmacher*innen、ARD/ Degeto Film GmbH、Themis Vertrauensstelle e.V.といったメディア部門の主要組織が参加し、新たなプロトコルや働き方を採用する際に直面しがちな課題について、具体的なツールや変革のプロセスが積極的に議論された。

Produktionsallianzのビョルン・ボーニングCEOは、「ダイバーシティとインクルージョンを推進するには、差別と闘うだけでなく、他の手段も必要だ」と述べ、ダイバーシティを推進する「永続的なプロセス」の必要性を強調した。マティアス・フォン・フィンテルver.diメディア・ジャーナリズム・映画部門担当部長は、「我々は皆、よりオープンな制作と職場環境に貢献したいと考えています。(中略)視点の変化によってもたらされる、真の変化が必要」と述べた。

次なるステップは?
欧州社会パートナーは間もなく、視聴覚部門における多様性と包摂性に関する欧州行動枠組みの交渉段階に入る。その目的は、共通の目標と目的を設定し、多様性政策を実施・促進する業界の能力を向上させるための勧告を提出することである。

2024年11月19日にブリュッセルで会議が予定されており、プロジェクトをまとめ、交渉の現状が報告される。

EUが共同設立したこのプロジェクトは、視聴覚部門における欧州社会対話委員会を構成するすべての社会パートナーの共同イニシアティブである。参加しているのは以下の組織: 欧州放送連合(EBU)、欧州視聴覚制作協会(CEPI)、国際映画製作者連盟(FIAPF)、欧州ラジオ協会(AER)、欧州商業テレビ・ビデオオンデマンドサービス協会(ACT)、欧州ジャーナリスト連盟(EFJ)、国際俳優連盟(FIA)、国際音楽家連盟(FIM)、UNI欧州メディア部会。


重要な節目となる欧州デュー・ディリジェンス指令の最終承認

長年にわたる審議と白熱した交渉の末、欧州連合(EU)の閣僚は2024年5月24日、企業の持続可能性に関するデュー・ディリジェンス指令(CSDD)を最終承認した。企業の説明責任に新時代の到来を告げるものであり、今回の成果は、労働組合、市民社会、進歩的な議員のたゆまぬ取組みによって勝ち取られた前進である。

この指令は、企業の本社が欧州にあっても海外にあっても、欧州に大きな影響を及ぼす全ての企業が世界中の労働者の人権を確実に尊重するようにするための新たな可能性を引き出す。対象となる推定5,400社の範囲には、グローバルな事業、下請け業者、子会社、グローバルなバリューチェーン全体の労働者数百万人が含まれることになる。

この広大な範囲に人権デュー・ディリジェンスの義務化をもたらすと同時に、既存の国内デュー・ディリジェンス法を超える新たな規定も導入する。最も重要なことは、デュー・ディリジェンス・プロセスのあらゆる段階を通じて労働組合の役割が組み込まれる点である。また、監督当局が苦情を受理できるなど、様々な手段を組み合わせた執行の可能性も導入しており、その範囲は限定的ではあるが、民事責任を導入した最初のデュー・ディリジェンス法である。

欧州の各国労働組合は、 堅固な国内法制を確保するため、各国政府に強力な立法基盤を設定するよう圧力をかけていく必要がある。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「ようやく欧州連合(EU)レベルでCSDDが可決されたことは、大きな節目だ。この指令には制限があるものの、労働者の権利を守ろうとするEUの重要なリーダーシップが示されている。欧州全域の労働組合は今後、国内法が指令を確実に実施するだけでなく、さらに水準を高める機会を確実に捉えるべく、気を配っていくだろう」と述べた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「今回の承認は、 莫大な苦闘の末の勝利であり、労働者を保護する法律が弱い、もしくは存在しない国々の労働者に特に恩恵をもたらすもの。例えばアマゾンの請負業者は、ついに正義を求める手段を得ることになる。グローバル・ブランドの衣料品を生産する労働者は、EU域内で申立てを行えるようになる。UNIにとって、この法律の実施と施行は主要な優先事項となるだろう」と付言した。


グローバル・ユニオン、ウクライナ連帯ミッションに参加

2024年5月中旬、 クリスティ・ホフマンUNI書記長はウクライナの組合と労働者への支援を強化するため、ウクライナへの国際労働組合連帯ミッションの一員としてキエフを訪問した。

国際労働組合総連合(ITUC)が主導した代表団には、リュック・トライアングルITUC書記長、インダストリオールのアトレ・ホーイ書記長、を代表するポール・ノヴァク英国労働組合会議(TUC)書記長が参加した。

代表団は、ウクライナ自由労働組合総連合の議長で国会議員でもあるウクライナの組合指導者ミハイロ・ヴォリネツ氏、ウクライナ労働組合連盟のフリホリ・オソヴィイ議長、UNI加盟組織であるウクライナ文化労組を含むウクライナの多くの加盟組織と会談した。

国連によると、この戦争で何千人ものウクライナ軍が死傷し、少なくとも1万人の市民が死亡、2万人が負傷している。前線から遠く離れていても、ロシアの攻撃により、空襲警報やミサイル攻撃で日常生活が中断されている。

ホフマンUNI書記長は、「我々は戦争で荒廃したウクライナの労働者と組合が直面する困難と、極限状態の中で職務を遂行し続ける彼らの勇気を直接、見聞きした。労働者は最前線に招集され、多くの労働者がウクライナから脱出し、経済は2022年に壊滅的な打撃を受け、現在ようやく回復の兆しを見せている」と述べた。

ILOのデータによると、戦争が始まってから最初の1年間で、GDPは29%減少し、240万人の雇用が失われた。現在、国外で働いているウクライナ人は推定600万人で、その45%は戦争が始まってから国外に流出している。

ホフマンUNI書記長は、「代表団は、キエフ近郊にあるトリピルスカ発電所を訪問した。ここは、ウクライナの重要なインフラを一掃しようとするロシアのミサイルによって、ほとんど破壊されてしまった。スタッフは、発電所が再び破壊されるかどうかもわからない中で、施設再建のために懸命な努力をしている」と説明した。

キエフ最大の小児病院を訪問した一行は、爆弾攻撃の犠牲となった子どもたちを目の当たりにし、戦時中の脅威と人員不足の下で働くことの難しさを学び、民間人やインフラに対する攻撃を非難した。

使用者と政治家に対する代表団の重要なメッセージは、戦時下および将来の復興に向けた社会対話の重要性である。

グローバル・ユニオン評議会の議長も務めるホフマンUNI書記長は、「残念ながら、ロシアの侵略に対抗する国の団結にもかかわらず、一部の勢力が戦争を隠れ蓑にして労働者の権利を損ない、それが今後も続くことを意図しているようだ。使用者を含め、多くの人々が社会対話を支持する声を上げたが、この重要な原則は現場でも法律上でも崩壊しつつあるようだ」と懸念を表明した。

最近の法改正では、交渉権を持つ者の範囲が劇的に縮小されており、「我々は、将来のウクライナが自らの欲望を満たすものになるよう、一部の企業関係者が静かに動いていることを知った。労働者の法的権利がほとんどなく、交渉権が極端に制限され、ゼロ時間契約が結ばれ、年金制度が民営化されようとしている。今すぐこれを阻止しなければならない」と訴えた。また、「何十億ドルもの公的資金がウクライナに流入し、トラウマからの回復や復興を含め最終的な復興を支援することになるだろう。この資金は再建に役立つだろうが、ウクライナの人々がふさわしい社会を手に入れられるよう、良質な雇用と労働組合の役割を創出する機会にもすべきだ」と述べた。

世界中の組合が、自由で独立したウクライナに対するロシアの侵略を非難し、ウクライナの人々への支援で団結している。


UNI、フランスのメディア労働者のストライキに連帯

UNI世界メディア部会は、世界中のメディア産業で働く50万人の労働者を代表し、すべての公共視聴覚部門の企業を合併するというフランス政府案をめぐってストライキを準備するフランスの労働組合に連帯する。

フランスのUNI加盟組織であるCGT、FO、CFDTに加入する数千人の労働者が、2024年5月23日と24日に、フランスの公共放送機関である国立視聴覚研究所、フランス・メディアス・モンド、フランス・テレビジョン、ラジオ・フランス(合わせて約16,000人を雇用)でストライキを実施予定である。

フランス議会は、2025年初頭に持ち株会社を設立し、2026年1月1日にすべての公共メディアを1つの企業に統合できるようにする改革について議論している最中であり、今回の合同ストライキはこの計画案に反対して行われる。

過去数年間、フランスの歴代政権は公共放送部門を弱体化させてきた。2022年、フランスの労働組合はライセンス料廃止の政府計画に抗議したが、結局、代替財源の計画はないまま、ライセンス料は廃止された。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、「数度にわたるリストラと予算削減の結果、労働者はまたしても不安と雇用喪失に直面しているが、この新たな計画は、フランスの公共放送の財政的・編集的独立性をさらに損なう恐れがある。我々は、公共メディアを守るために闘うフランスの加盟組合に連帯する。独立した強力な公共放送を維持することは、私的所有権の集中が多様性を損ないかねないメディア状況において、すべての声がプラットフォームを確保するために極めて重要だ」とコメントした。

新しい持ち株会社の設立に伴い、既存の団体協約の再交渉が必要になる可能性があり、労働組合は、このような重要な変更に対して予定されている期限は急ぎすぎではないかと懸念している。

スト前夜に発表されたUNI世界メディア部会の連帯声明には、次のように記されている。

公共放送の弱体化は、多元的で多様、包摂的でオープンなメディア・エコシステムへのコミットメントを弱めることを意味する。公共空間を縮小し、主流派、時にはフェイクニュースや極端な言説の発展を支持する強力な多国籍企業に支配された世界において、公共放送は、我々の社会の多様性を反映する声、物語、テーマの表現のために、すべての市民がアクセスできる空間を保証する主体である。(…中略…)我々は、フランスの労働組合の要求を支持し、意思決定者に以下を要請する。
●公共放送に関するすべての持ち株および/または合併計画を撤回すること。
●公共放送サービスに持続可能かつダイナミックな資金を確保し、その独立性と多くの使命の遂行に必要な資源の両方を保証すること。
●いかなる展開においても、最低限の基礎として、従業員に対する従来の保障が継続されるようにすること。


UNIアフリカ、コートジボワールでハラスメント防止キャンペーンを開始

UNIアフリカは、コートジボワールで特に警備部門の女性が直面する課題に取組むことを目的とした広範な反ハラスメント・キャンペーンを開始した。このキャンペーンは、組織化、団体交渉スキル、職場暴力に関する意識向上に関するリーダーシップ研修を通じて、労働者のエンパワーメントに焦点を当てた3日間のトレーニング・セッションで幕を開けた。

このプログラムには、同国のUNI加盟組織SYNASCIから女性15人、 男性10人を含む25人の労働者が参加し、指導力を強化するための専門訓練を受け、職場のハラスメントと闘う役割を強化するためのメンタリング・プログラムにも参加した。

このキャンペーンは、男女別のロッカールームやトイレ、男性向けにデザインされた制服、セクシャル・ハラスメントなど、男女別の施設の欠如といった重大な問題を取り上げている。この業界では、一部の男性が優越的な権限を悪用して、好みの企業で働く見返りに性的な好意を要求することが知られており、拒否した女性は立場を悪くしたり、職を失うことさえある。こうした状況により、職場は女性にとって非常に厳しい環境となり、しばしば雇用不安や職業上の挫折につながっている。

こうした問題に対し、UNIアフリカは積極的な姿勢を示してきた。キース・ジェイコブスUNIアフリカ地域書記長は、「このキャンペーンは、見過ごされがちな日々の不公正に直面している警備部門の女性たちからの緊急の要請に応えるものだ」と述べ、「我々の目標は、性別に関係なく、すべての労働者にとって安全で尊重される職場環境をつくること。教育、提言、組織化を通じたエンパワーメントが、状況を変える鍵となる」と語った。

キャンペーンの一環として、これらの極めて重要な問題についての認識を促進し、より多くの議論を促すために、職場に掲示するポスターが配布された。こうした取組みからのフィードバックは、キャンペーンをさらに改善し、その範囲を拡大するために活用される。

UNIアフリカは、このキャンペーンをアフリカ大陸の全部門に拡大し、 必要に応じて同様の課題に直面している他の部門にも適用する計画である。この取組みは、差別や虐待を恐れることなく女性が活躍できるハラスメントのない職場の育成を目指すUNIの取組みにおいて、重要な一歩となる。


世界中のフレゼニウス労組、労働者の権利侵害に焦点

フレゼニウス・メディカル・ケア(FMC)とフレゼニウスSEの年次総会が2024年5月16日と17日に開催されるのを前に、世界各国の労働組合で構成されるフレゼニウス労組アライアンスとドイツ倫理的株主協会は、両多国籍企業が適切な人権デュー・ディリジェンスの基準を十分に遵守していないとの懸念を表明している

労組アライアンスの代表は、フランクフルトで開催される両社の年次総会に出席し、効果的なデュー・ディリジェンスと、そのプロセスへの組合の積極的な関与を求めていく。

コロンビアにおける結社の自由と団体交渉権に関する労働者のリスクは何年も前から知られており、フレゼニウスSEは独自のリスク評価でこれを考慮してきた。それにもかかわらず、経営陣が誠実に交渉することを拒否したため、交渉プロセスが遅れたと労働者は報告していた。争議は仲裁に持ち込まれ、フレゼニウス社の交渉拒否に対して労働者が仲裁で勝訴した後、経営側は3つのクリニックの仲裁判断の取り消しを要求した。

PSI副書記長を務めるデビッド・ボーイズ・フレゼニウス労組アライアンス代表は、「コロンビアが労働組合員や活動家にとって世界で最も危険な国の一つであることは広く知られている。そのため我々は、フレゼニウス SE がようやく結社の自由と団体交渉の権利が無視されてきたことを、自社の事業において優先的に対処すべきリスクとして認識したことを歓迎する。しかし、それだけでは十分ではない。フレゼニウスは何年も前からコロンビアの件を認識していたが、我々の仲間は日常的にこうした権利侵害にさらされ続けている。フレゼニウス社に対し、この状況を改善するために直ちに行動を起こすことを求める」とコメントした。

FMCの最大市場である米国では、2023年秋に十数か所のFMCクリニックで労働者がストライキを行った。労働者は、組合を結成しようとし、会社が誠実な交渉を拒否し、労働条件に違法な変更を加えていると報告したためにクリニックで脅迫され、脅迫され、場合によっては解雇された。さらにFMCは、2018年以降、組合潰しに300万ドルを費やしている。SEIU-UHWで執行委員を務めるキャス・ガルベス組織化担当部長は、「これは米国では違法ではないとはいえ、労働者の団結権行使に対する会社の姿勢を示している。それでも労働者たちは変化を求めて闘い続け、15のクリニックと病院で組織化した」と説明した。

カリフォルニア州にあるフレゼニウス・キドニー・ケアセンターの血液透析認定技師であるマニー・ゴンザレス氏は、「自分の家族よりも患者や同僚と過ごす時間のほうが長い。経営陣は慢性的な人員不足と低賃金であることを知っている」と語る。

アルケ・べシガーUNI副書記長は、「組合がフレゼニウス・メディカル・ケア経営陣の労働慣行を批判しているのは米国だけではない。フィリピンでは、さまざまな透析センターにおける検査で、労働法違反や安全衛生規制違反が明らかになった。さらに、同社は最近、利益相反方針を示したが、これは労働者の他団体への所属を制限するなど、労働者の結社の自由を行使する能力を損なう危険がある。フレゼニウスは、ドイツのサプライチェーン法と欧州のデュー・ディリジェンス指令を実施するための有意義な手段として、労働組合の権利に関するグローバル協定を交渉するなど、労働問題を解決するための早急な措置を講じる必要がある」と指摘する。

フレゼニウス労組アライアンスについて
フレゼニウス労組アライアンスは、3つのグローバルユニオン;国際公務労連(PSI)、UNI、インダストリオールによって組織されており、労働者と労働組合の権利を確保するためのグローバル枠組み協定を求めている。


UNI-LCJ印刷・パッケージング部会 春闘情報交換会

2024年4月22日、国立印刷局・東京工場(東京都北区)にて春闘情報交換会を開催し、オブザーバー参加を含む4組織(印刷労連、全印刷、大日本印刷労組、UAゼンセン)およびUNI-LCJ事務局より、13人が参加した。会議に先立ち、 本局の吉川総務部長および大澤工場長から、東京工場の概要や7月に改刷される3券種の日本銀行券の説明、見学に関する注意事項などを受けた後、製造工程を見学した。終了後、工場における女性採用比率や安全管理、セキュリティ管理等について質疑応答が行われた。

春闘情報交換会では、安部UNI-LCJ印刷・パッケージング部会議長(全印刷 中央執行委員長)の開会挨拶に続き、各組織より参加者の紹介、2024春闘における賃金・労働条件の交渉状況について説明があり、意見交換が行われた。

この他事務局より、11月にタイ・バンコクで開催される第6回UNI Apro女性大会・地域大会の案内他、2024年度のUNI/UNI Aporo/UNI-LCJ印刷・パッケージング部会活動スケジュールについて説明した。会議終了後は情報交換夕食会にて、懇親を深めた。


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