11月 2023のお知らせ

組合は、労働者がテクノロジーについて交渉できるようにしなければならない

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「AIと公共の利益」と題された幅広い討論の中で行われた基調講演において、労働者がAIの影響と導入について交渉する必要性を強調した。

2023年11月15日に オープンマーケッツ・インスティテュートとAIナウ・インスティテュートが、ワシントンDCで主催したイベントでは、AIの出現後に我々が地域社会や職場で直面する将来予測、脅威、規制上の課題について、議論が展開した。欧米から第一線の政策立案者、規制当局者、技術者、起業家、作家、音楽家、政策専門家、学者が集った。

ホフマン書記長は講演の中で、AIの使用に関する懸念について、職場における新技術の導入をめぐる集団的闘争という、より広範な歴史的文脈の中に位置づけた。産業革命の黎明期から、労働者は団結して、今日で言うところの「公正な移行」を要求してきたのである。

1980年代にホフマン書記長が交渉担当を務めたジェットエンジン工場を含め、現代の労働組合運動は1970年代からロボットやオートメーションといった技術をめぐって、本格的な交渉を開始した。同書記長は、今日のテクノロジーをめぐる闘いには、数十年前の闘いと同じ力が必要だと指摘し、次のように述べた。「我々が主に求めてきたのは、技術導入前の事前通告と、雇用、安全衛生、トレーニングの分野におけるリスクに対処する機会でした。また、新しい機械やテクノロジーを導入するための最善の方法を提案する機会も求めてきました。そして、こうした要求は現代にも通じることなのです…(中略)…しかし、より長期的には、新たな効率化によってもたらされるメリットを分かち合いたいと考えていました。実際にこの時代、自動車産業では、自動車製造に必要な労働者数が減ったという事実を踏まえ、賃金をめぐって大規模なストライキが起こりました。そしてまた、これこそ、私たちが生成AIに関して直面している重要な課題なのです」

ホフマンUNI書記長は、非常に人権侵害的なアルゴリズム管理など、他のタイプの職場技術に保護措置を設置することで、世界中の組合が成功を収めていることを指摘した。このようなプログラムは通常、継続的な監視とフィードバックによって生産性を向上させ、労働者を安全上好ましくない、持続不可能な速度で働かせている。

労働運動は、団体交渉と社会対話を必要とする規制枠組みの両方を通じて、職場監視の量と労働者のデータの使用方法を規制してきた。その例として、コールセンターにおける全米通信労組(CWA)とATTの団体協約や、ドイツの労使協議会とアマゾンの個別データに関する協約が挙げられる。

同様に、昨年登場した生成AIは、生産性の向上が期待されているが、アルゴリズム管理とは異なり、これらの利益は、単に労働者を過酷に働かせて搾り取るのではなく、作業の自動化や労働者の能力の増強によってもたらされる可能性がある。 生成AIを職場で使用することに関する唯一の大規模な調査研究のひとつは、コールセンターを対象としたもので、そこではこのテクノロジーによって通話時間が14%短縮され、顧客満足度が向上した。

ホフマン書記長は、 「これは良い話であり、労働者の離職率が下がり、雇用が安定するということになるかもしれない…(中略)…しかし、より多くの電話に応対できるようになったからといって、労働者の賃金は上がるのでしょうか? スピードアップによって、仕事のストレスはさらに増えるのでしょうか? これらの疑問は、こうした労働者が交渉の席で交渉し、ある程度の力を発揮できるかどうかによって多くの部分が決まる、未知の問いなのです」と続けた。

UNIメディア部会の加盟組織による最近の勝利が示しているのも、集団的な行動の力だ。こうした組合は、労働者の補償と雇用が完全に保護されるよう、AIの規制について交渉することができたからだ。

このことは、今後の組合闘争のモデルになるはずだ。ホフマンUNI書記長は次のように締めくくった。「米国で議論されているAIに対する規制は、組合を作るのが難しすぎるという核心的な問題を回避しています。実際、肖像権や知的財産の保護を強化する必要があるのです。 監視は継続的なものであってはならず、安全衛生規則は強力に実施されるべきであり、すべての労働者が休憩を得られるべきです。しかし最も重要なことは、労働組合結成への障壁を減らすことによって、すべての労働者がテクノロジーに関して交渉できるようにすることなのです。…(中略)…労働者には、我々が組織化の進んだ部門で何十年も行ってきたように、テクノロジーに関して使用者と交渉するための本当の力が必要です。 我々はその方法を知っています。ただ、扉を開くだけでいいのです」


第10回UNI Apro東アジア労組フォーラム(2日目)

テーマ2:各国で進む働き方改革と労働組合の対応-長時間労働、少子高齢社会、労働力不足等、東アジア共通の課題解決に向けた取組み
2-1)長時間労働の是正に向けた取組み
●日本(中島遥香 損保労連事務局次長):同労組の中期重点取組み課題において、多様な働き方の実現が掲げ、その一つに「長時間労働につながる商慣習の見直し」がある。時間外電話や至急の対応依頼などの行動を見直し、相手の働き方への配慮が重要である。連合と連携したシンポジウム開催や他産別との意見交換、労使協議等を行い、組合員の行動変革を促している。
●韓国(キム・ミュンソ KFIU副委員長):労働時間短縮に向けた同労組の取組みについて概説した。2002年に金融労使交渉の成果として同国で初の週5日制が導入され、他産業に対しても起爆剤となった。他に昼食休憩の一斉付与、パンデミック時の営業時間短縮などを要求してきた。現在は週休3日制を目指している。
●台湾(ナガオ・クナウ TPTSEU委員長):台湾の公共テレビとその組合員構成、同労組による長時間労働是正と勤務形態の多様化に向けた取組みについて、概説した。組合として次の勤務までの休息時間の確保等に取組んでいる。高齢化が進む中、交渉によって年5日の有給の介護休暇を獲得した。また「報道者」について、残業削減に向けて、超過勤務指示が直前に行われた場合には代休時間を増やすことを協約で定めた。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):政労使で公正される国家労働安全衛生委員会があり、2023年7月に労働条件の基準が改定、これにより労働安全衛生管理に重点がおかれることになった。最近はメンタルヘルス課題にも注力している。組合として、公務員の給与水準の統一、勤務歴に応じた手当、地方勤務手当の支払い、インフレに見合わない賃金水準の改善と求めている。

2-2)女性が働きやすい職場作り
●日本(阪本裕実子 生保労連中央副執行委員長):同労組では「誰もが安心と働きがい・生きがいをもてる職場の実現」に向けて、ジェンダー平等に向けたポジティブ・アクションの推進、両立支援制度の拡充・活用推進を柱に、働き方を柔軟に選択できる制度の整備に取組んでいる。ジェンダー平等に関する意見交換会、管理職フォーラム等を開催し、今後さらに女性が活躍できる環境を整備していく。
●韓国(バン・キウォン KHMU教育委員会議長):約9万人の組合員のうち、多くが女性看護師である。過重労働ゆえに高離職率で、看護師有資格者で実際の稼働率は約5割である。組合は、長時間労働の是正、交代勤務の改善、ワークライフバランス向上について、病院や政府と交渉・闘争し、成果を勝ち取ってきた。
●台湾(リュウ・チュンハン CPWU企画部長):台湾における女性の安全衛生に関する法的保護、中華郵政による女性が働きやすい職場環境促進に向けた措置、(各種休暇や補助金、育児支援など)ワークライフバランスの取組みなどを紹介した。 

2-3)多様な働き方(リモートワーク、フレックス勤務、ワークライフバランス、つながらない権利等)
●日本(水野和人 情報労連書記長): 2020年よりテレワークが急速に拡大、ICT産業で特に顕著であるが、東京と地方、業種間や事業所規模により開きがある。情報労連では加盟組織では7割以上がテレワークを実施、勤務時間管理や業務に必要な現物や手当ての支援、柔軟な働き方等について取組んできた。在宅勤務によるメンタルヘルス維持、つながらない権利が課題であり、労働条件と職場環境の改善に引き続き取組む。
●日本(井上克彦 UAゼンセン常任中央執行委員/イオンフィナンシャルサービスユニオン中央執行委員長):男性の育児休業取得率は2020年以降100%であり、取得日数も増加している。全国規模でのサテライトオフィスの活用や、誰でも時短制度の導入など、多様な働き方の促進に取組んでいる。

テーマ3:賃金・労働条件交渉の成果と今後の課題-物価高騰に対応した労働者への公正な分配・労働条件の向上は実現したか?
●韓国(キム・オクラン FKMTU政治部長):全国医療産業労連は大学病院と交渉、週休3日のパイロット事業の期間と部署を拡大した。また仁荷大学病院労組は2023年に医療労組として初めて中央労働委員会の調停制度を活用、賃金引上げについて早期に協約を締結しただけでなく、適正な人材配備による業務強度の改善、及び病院サービスの質の向上等、労働条件と密接な関連がある部分に対する合意を導出できた。
●日本(徳田和宏 自動車総連国際局部長):2023年の春闘は、全体的または中小組合についてもほぼ30年ぶりとなる水準の賃上げが実現した。2023年度は自動車販売部門においても物価上昇、人手不足を背景に、高い賃上げを獲得、自動車総連全体の底上げ・底支えに確実につながった。整備士を含むサービス職についても、資格手当や役職手当の新設、手当額の引上げを獲得した組合もある。
●日本(中田綾子 UAゼンセン流通部門執行委員):物価上昇やマイナスの実質賃金などを背景に2023年には全加盟組織より署名を集め、UAゼンセンとして賃上げ促進を政府に要請した。結果、政府や経営者団体の間で賃上げの必要性について認識が広がって賃上げの機運も大きく高まり、高い賃金妥結水準となった。短時間組合員の賃金引上げも8年連続で正社員の引上げを上回り、雇用形態間格差是正につながっている。また、労働時間の改善や、カスタマーハラスメント対策などについても多くの加盟組合で交渉が行われた。
●台湾(スー・ホンティン CTWU台北支部長):中華電信および組合、台湾の経済状況、CTWUの方針や戦略枠組みについて概説した。実際の成果として、会社収益に関わらず賃上げを確保すること、育児対策と補助の拡充、永年勤続者の賞与改善などがある。また労働権益の向上にむけた取組みとして、労使協議や政府陳情、労働者教育という3つのチャネルを説明した。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):組合の意見も反映した上で2021年に改定された同国の労働法では、雇用契約、労働時間、賃金・手当、柔軟な労働条件などの点において改善が見られた。リモートワークやパートタイムの環境整備を団協協約で決められるようになり、超過勤務や深夜勤務の手当、同一労働同一賃金も明記された。また一度のシフトにおける勤務上限は12時間となり、健康面で大きな成果である。また、男性の育休や障がい者の雇用割合についても規定された。

■閉会式
砂川翔UNI Apro青年委員(JP労組)より、今回のフォーラムを総括し「今後もUNI、UNI Aproと連携し、東アジアの加盟組織間の情報交換を継続しながら、政労使の社会対話を促進し、労働者の声を政府および使用者に届けていく」ことを確認する共同声明が読み上げられ、採択された。また、次回フォーラムホスト国である韓国のキム・ドンホKPWU委員長が、次回は2025年にキョンジュで開催することを発表した。最後に、安藤京一UNI-LCJ副議長が、二日間で学んだことを生かし、UNIファミリーとして「共にこの地域の社会・経済の発展に貢献していこう」と挨拶し、閉会した。

なお、各セッションでは以下の方々が司会を務めた。
• 開会/基調講演:(日本)山下茂美 日放労中央執行委員
• サブテーマ1 :(日本)加藤友樹 全印刷組織部長
• サブテーマ2 :(韓国)ヨン・ユンギュ KHMUプサン支部長 
• サブテーマ3 :(台湾)ジュリア・ロー CPWU書記長 
• 閉会 :(日本)大澤佳之 全労金ろうきんセントラル労組 執行委員


第10回UNI Apro東アジア労組フォーラムを東京で開催!(1日目)

UNI Apro東アジア労組フォーラムは第10回目を迎え「Rising Together! 共に立ち上がろう!東アジアにおける公正な分配と働き方改革の実現を目指して」をテーマに、2023年10月26~27日、東京・神田明神ホールにて開催され、日本、韓国、台湾、香港、モンゴルより延べ約160名(日本から14組織約100名)が参加した。

■開会式
ホスト国を代表し、石川幸德UNI-LCJ議長は4年ぶりの対面開催となった今回のフォーラム参加者を歓迎し、「実り多い経験の共有と交流の機会になることを期待する」と冒頭の挨拶をした。各国代表より、韓国からシン・ソンイルUNI-KLC議長が、台湾からジョン・フージー台湾金融労連(TFFU)委員長が、モンゴルからオユンバヤル・チュルテムドルジUNI-MLC議長が、そして香港から挨拶があった。続いて、松浦昭彦UNI Apro会長は「UNIファミリーのネットワークを活用し、東アジア共通の諸課題の解決に向けて、労働者の声をよりよく反映させていこう」と連帯挨拶を述べた。

■基調講演
「アジア太平洋地域の労働者を取り巻く環境と課題」と題して、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長がについて講演した。デジタル化等によって急速に変化する仕事の世界において、労働者の新たなスキルを強化して公正な移行を確保すること、ギグ・エコノミーやリモートワークの普及によって組織化が困難になった労働者層を代表していくこと、監視によるプライバシー侵害から労働者を保護すること、正規雇用であったものが非正規化されていくことを阻止すること、などの重要性に言及した。

■テーマ別セッション:3つのテーマについて、各国の加盟組織より報告が共有された。

テーマ1:東アジアの労働者を取り巻く政治・経済・社会の現状と課題
●日本(浅香朋子 JP労組中央執行委員):デフレ経済と停滞する賃金水準、格差拡大、少子高齢化と生産年齢人口の減少といった日本ンの社会経済の抱える課題、政府政策等を概説した。賃上げ機運を継続するために組織拡大が重要である。
●韓国(ユン・チャン KFIU/KDB銀行労組副委員長):反労働保守政権による労働政策改悪の状況と韓国の経済状況や少子高齢社会について言及し、労働弾圧に立ち向かう組合の活動や韓国産業銀行移転阻止に向けた取組みについて紹介した。
●台湾(ハン・シューシェン TFFU事務局長):台湾におけるメーデーの取組み、Mee too運動、インフレに伴う基本給の引き上げについて触れるとともに、2024年の総統選に向けて与党が最低賃金法を提出していること、交渉中の台米貿易協定の状況等について概説した。
●モンゴル(バトチメグ・ナサンバータル 新国際空港労組):政府は経済発展、人材育成、産業推進などの分野で2050年の達成を目標に掲げている。全人口の約半数が労働可能人口であるが、高度人材の不足が課題となっている。組合は賃上げ実現に尽力し、2023年7月に国家公務員の賃上げを獲得、高齢者の年金の均一化も図られた。また都市部での渋滞解消のためにも組合として柔軟な勤務時間の導入に取組んでいる。


第1回UNI Apro東アジア金融労組フォーラムを東京で開催!

2023年10月26日午前、東京・神田明神ホールにて、日本、韓国、台湾、香港のUNI加盟金融労組より約50名が一同に会し、第1回UNI Apro東アジア金融労組フォーラムが開催された。2021年3月の準備会合以来、2回の延期を経て初めての開催となった。

■開会 
冒頭、北村聡太UNI Apro金融部会議長は、これまで様々な形で東アジアの仲間と交流を図ってきたことが2020年の台湾金融労連(TFFU)のUNI加盟、更にはこの第1回フォーラム開催に繋がったとして、友好関係の構築に貢献いただいた諸先輩に感謝の意を表した。また「今フォーラムはあえて特定のテーマを設定せず、お互いを知り合い各国組織の取組みを共有し、意見交換を行うことからスタートしたい。東アジアの金融労組が国境を越えて連携し、未来に向けて共に歩む一歩として、このフォーラムを位置付けたい」と述べた。続いて、キム・ヒュンスン韓国金融労組(KFIU)副会長とジョン・フージー台湾金融労連(TFFU)会長が挨拶した。

■基調講演
アンジェロ・ディ・クリストUNI世界金融部会担当局長が「アジア太平洋地域における金融労働者の課題」をテーマに講演し、雇用不安、賃金格差、長時間労働とストレス、デジタル化、金融規制、金融包摂、持続可能な金融などのキーワードについて概説し、「労働者の権利が守られるようにするためには、団体交渉を強化し、拡大する必要がある」と訴えた。出席者からは、感情労働やストレス管理の観点から金融労働者に対する保護の取組みや、フィンテック企業に対する規制について、質問が出された。

■加盟組織より報告
日本から金融部会7組織(全信連、生保労連、全国農団労、労済労連、全労金、損保労連、JP労組=発表順)が、韓国からKFIUが、台湾からTFFUが、それぞれ組織紹介および重点取組み等の報告をし、互いの組織と重点取り組み活動などについて理解を深めた。

●台湾金融労連 ジョン・フージー会長:1993年に結成、2001年に労働委員会に承認された。組合として最近の重要課題は、「企業の吸収・合併と労働者の権利保護」「繰延賞与と賃金の定義と退職金への反映」「保険業務員の雇用契約と業績保護」の3つである。

●韓国金融労組 キム・ヒュンスン副会長:組合員約9万4千人を擁する産別労組であり、週5日勤務制等がこれまでの大きな成果である。2023年度には感情労働者の業務中断権、家族看護勤務時間短縮制度の新設等を獲得した。現在、韓国産業銀行の移転について、阻止闘争を展開している。また、反金融・反労働弾圧政策に対し、二大産別が共同で連帯闘争を進めている。

以下、日本の加盟組織
●全信連(小川道知議長、福本耕介副議長):全信連としての主な取組みは、対外交流・調査研究、組合員向けの講演会や役員対象の勉強会の開催、情報交換である。単組としては、それぞれ職場環境・労働条件の維持改善に向けた会社との協議や組織の一体感醸成、組合員の意見収集などに取組んでいる。

●生保労連(松田惣佑中央副書記長):組合員の7割が生保営業職であり、9割が女性である。2023年の春闘では多くの組合で賃金改善に繋がる成果を獲得、今後も賃金改善の流れを継続すべく、組合員の賃金・処遇、そして働く環境の改善を目指していく。また生保産業や営業職員の社会的理解拡大に向けた取組み、産業政策推進、ジェンダー平等推進などが重点課題である。

●全国農団労 (川岸正徳中央執行委員長代行):1989年に結成、農協等の従事者11000人を組織している。農協事業や農業再建により、農協経営の改善から賃金水準や労働条件の引き上げを目指す方針である。また、法案に則した職員教育などを課題について、農水省との意見交換も行う。

●労済労連(古川伸平中央副執行委員長):こくみん共済coopグループの9労組で構成され、「協同組合運動・労働者自主福祉運動の推進を柱とする政策実現に向けて、協同組織産別・単組連絡会の取り組み、全労金との定期協議、事業体への政策反映・提言活動を行う。ジェンダー平等推進、環境活動や社会貢献活動について、専門委員会を設置して取組んでいる。

●全労金(櫻井大介書記長):重点課題である「ジェンダー平等と男女平等参画社会の実現に向けた取組み」では、DVやハラスメントの根絶や被害者支援の活動を行い、2021年にはハラスメントの禁止ガイドラインを制定した。また高年齢者雇用に関しては、定年退職年齢を65歳とすべく協議を進めており、これに併せて退職金制度や人事・賃金制度の改定についても協議中である。

●損保労連(上山慶事務局長):22単組、約85,000人の組合員を擁する。労働条件の維持向上、健全な産業発展を目的に掲げ、労連としては、各種法規制等の課題について対外的な働きかけや、加盟単組に対する支援に注力している。中期重点取組み課題として多様性の受容を掲げ、業界経営との定期的な意見交換、地域の組合委員同士のつながり構築、広報活動などに取組んでいる。

●JP労組(中西望中央執行委員):組合としてジェンダー平等推進計画を策定し、女性役員の増強に努めている。また労使交渉の成果である各種休業制度は、法を上回る内容であり、今後も多様な従業員が安心して働ける職場作りに取組んでいく。人材発掘と育成、組合員の声が届きにくいこと等が課題であり、組織拡大と環境整備による職場活動の活性化、労使関係の高度化が重要である。

■閉会
韓国KFIUから採択要請が出された「韓国産業銀行本店の移転問題に関する連帯声明」について、参加者は拍手をもって採択した。続いて、北村議長がフォーラムについて総括し、「日本、韓国、台湾の金融産業で働く仲間が共に集い、未来に向けての連携と協力を模索する重要な一歩になったと確信している」と語った。

その後、3か国の労組代表とジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長が「UNI Apro東アジア金融労組フォーラム協定書」に署名し、本フォーラムが今後も継続して開催されることが確認された。最後にプリヤラル担当部長が、「アジア地域における労働組合の組織化を進め、より多くの金融労組を仲間に加えていきたい。私たち全員が結集し、互いに学び合いながら、効果的かつ効率的な方法で目標を達成するために、共に協力していこう」と挨拶し、締めくくった。


イスラエルとガザにおける戦争に関するUNI声明

以下の声明が、2023年11月8日に開催されたUNI世界執行委員会で採択された。

UNIは、イスラエルとガザで生じている悲劇に衝撃を受け、驚愕している。我々は、イスラエルとパレスチナのすべての暴力による犠牲者に思いを寄せ、連帯する。我々は、国際法の完全な適用に基づく平和と民主主義が実現する恐怖のない平和な世界に強くコミットしている。この目的を達成するため、我々全員が取り組みを強化する必要性は、かつてないほど高まっている。

敵対行為の即時停止が不可欠であり、国際社会は、すべての当事者が国際法の基本原則を守り、すべての民間人が保護されるよう、介入すべきである。

我々は、ハマスによるイスラエル市民に対する残忍な攻撃と殺害を非難し、すべての人質を即時且つ無条件に無事解放することを要求する。

ハマスによるイスラエル市民の殺害も、イスラエル政府によるガザ市民への砲撃も、恒久的な和平をもたらすものとはならない。

ガザでは今、破滅的な状況が続いている。 住民は容赦ない爆撃下に追い込まれ、ガザの医療体制は、必死に助けを求める人々を治療することがますます困難となり、電気、水、食料の遮断は、多数の男性、女性、子どもの死を引き起こしかねない広範な人道危機につながっている。ガザへの人道回廊を開き、切実に支援が必要な人々に援助を提供することが急務である。

UNIは、国連安全保障決議に則った公正で持続可能な和平と、占領の終結を求める長年の方針を掲げている。イスラエル、パレスチナ、そして国際社会が、何世代にもわたって続いてきたこの紛争の公正な解決の実現にこれまで失敗し続けてきたことは、あらゆる立場の多くの人々に影響を与えてきた暴力、トラウマ、殺戮の継続を意味する。

すべての国々は今、平等、民主主義、人権と労働権の尊重を促進する包括的かつ恒久的な和平に向けた取り組みを一層強化しなければならない。我々は、この地域全体のコミュニティを荒廃させてきた暴力の連鎖を終わらせなければならない。

世界中で反ユダヤ主義やイスラムへの嫌悪がエスカレートしていることに我々全員が警鐘を鳴らしている。だが我々は、この危機を利用して分断を煽ろうとする勢力を決して許さない。戦争、暴力、そしてあらゆる形の人種差別に反対する我々の断固たる姿勢は、すべての人のための平和と正義を希求する闘いにおいて、我々全員を団結させるに違いない。

ガザへの人道支援、人質の解放、そして即時停戦は、この危機を脱するための第一歩である。戦争と暴力から抜け出し、我々を平和な未来へと導く道である。


グーグル労働者、報復行為を乗り越えて組合代表権を確保

グーグルと下請会社アクセンチュアの両社が雇用する、米国内のグーグル・ヘルプページのコンテンツ開発に携わる労働者が、全米通信労組(CWA)傘下のアルファベット労組(AWU)に加入することを、賛成26、反対2の大差で議決した。この投票は、労働者が6月に組合結成の意思を公言し、報復的な大量解雇に直面し、組合員119人のうち80人以上に影響を与えた後に行われたものである。

全米労働関係委員会(NLRB)により認定された選挙結果は、グーグルとアクセンチュアの組合潰しに対する労働者の闘いにおいて、画期的な勝利となった。AWUは8月に、大量解雇は組織化に対する違法な報復措置であると主張し、NLRBに提訴していた。

グーグル・ヘルプのデザイナーとして働くジェン・ヒルAWU組合員は、「今日の勝利は、何が可能であるかを示している。労働者が団結すれば、グーグルでさえ我々の邪魔はできない。労働条件について声を上げるために我々は組織化したが、それに対してグーグルは、雇用主としての責任を回避しようとし、同時に何十人もの同僚を解雇した。我々の仕事が、我々よりもさらに賃金が低く、労働者保護も手薄な労働者に移されるのは不当なことだ。今日、組合選挙に勝利できたことを誇りに思うし、公正な分け前を受け取るまで組織化を続けていく。グーグル経営陣と交渉の席で会えることを楽しみにしている」と、意欲を語る。

最近労組に加入したグーグル・ヘルプの労働者を解雇するという同社の決定について、NLRBの公聴会で質問されたグーグル経営陣は、同社の標準的慣行は、まず米国内で事業を起こし、その後プロジェクトを海外に移すことだと語った。米国拠点の雇用を切り離すことは同社にとって「標準的な慣行」であるため、将来の解雇から法的保護を確立するためには、労働者の組織化は不可欠である。

ベンジャミン・パートンUNI世界ICTS部会担当局長は、「この選挙は、集団行動の力を証明するものだ」と述べ、「今回の勝利は彼らだけのものではなく、より良い労働条件と公正な待遇を求めて闘うすべてのテックワーカーのものだ(中略)オフショア化に関するグーグルの発言は、労働者にとって組織化がいかに重要であるかだけでなく、なぜ企業のバリューチェーンや事業全体で組織化が必要なのかを示している」と指摘した。

初期の組織化は、賃金と福利厚生の改善、雇用の安定確保、そして、特に機密情報を扱う際に十分な訓練やサポートを得られないまま、同社のAIチャットボットであるグーグル・バードなどのプロジェクトに不本意に配属されることへの懸念への対処を中心に行われた。

この組合活動の成功は、同じくAWU-CWAが組織化するYouTube Musicの労働者による同様の勝利に続くものである。グーグルはその後、団体交渉に応じない意向を示し、NLRBの命令に抗している。

AWUは、グーグルに対し、時間稼ぎ戦術をやめ、米国の労働法を遵守し、交渉のテーブルにつくよう求めている。AWUは現在、アルファベット事業体全体で1,400人以上の労働者を代表している。


ファッションブランド企業、国際アコードの長期的な将来と拡大を約束

世界の労働組合とファッション・ブランド企業および小売業者は、繊維・衣料品産業の安全衛生に関する国際協定(国際アコード)で合意に達した。再度交渉されたこの協定は、10年後までの活動を確保し、労働者のための苦情処理メカニズムを強化し、他国への拡大に関するコミットメントを含むものとなっている。

2023年11月1日から発効する3年間の法的拘束力のある協定は、3年後に交渉の必要なく自動的に更新される。ブランド企業は、バングラデシュとパキスタンで安全衛生プログラムを継続し、他国でもプログラムに向けてコミットする。他国への拡大条件は、実現可能性についての調査と協定の既存国におけるプログラムの進捗状況に基づく。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「今回の合意は、サプライチェーン規制のアコード・モデル(ブランドとグローバル・ユニオンの間の、拘束力を有する合意)が持続力を持つことを証明するものだ。多くの人々は、この合意について、ラナ・プラザの危機に対応するための一過性のものだと考えていた。しかし今日、両当事者はプログラムの対象地域とその範囲内の問題の両方を拡大する6年間の合意に達した。昨今、サプライチェーンにおけるデューディリジェンスの要件が導入される中、このアコードが実績あるモデルであることに、世界中の使用者は留意すべきだ」と述べた。

新しい国際アコードは今後も、独立した工場検査、是正措置、安全訓練、効果的な労働者苦情処理メカニズムなど、アコードを実効的なものにしてきた基盤の上に構築されていく。

労働者の権利を後押しするため、試験的調査の後、苦情処理メカニズムは、結社の自由など、労働安全衛生以外の問題にも拡大していく予定だ。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は、「10年前の発足以来、アコードは縫製産業の安全性向上に役立ってきた。我々は今、新たな国々への展開や、苦情処理メカニズムや訓練プログラムの中核的な構成要素として労働における基本原則と権利を盛り込むことにより、協約の長期的かつ持続可能な解決策を手にすることになる」とその意義を強調した。

国際アコードは新たな枠組みのもとで、各国の安全プログラムのための付則を伴う独立した枠組み協定として機能する。これらの国から製品を調達しているすべてのブランド企業は、国際アコードに加えてこれらの付則にも署名するよう求められている。この協定は、アムステルダムに本部を置く国際アコード基金とその事務局、および各国の事務所を通じて実施される。

アコードはまた、国際労働機関(ILO) が、各国のプログラムが確実に実施され、効果的なものとなるよう支援する上で、強力な役割を果たすことも想定している。ILOは長年にわたり、アコード運営委員会において中立的な立場として委員長を務めている。

●アコードについての以前の記事はこちらから
ラナ・プラザの災害から10年、さらに多くのブランド企業が国際アコードに署名を!

バングラデシュで実績ある国際アコード、パキスタンに拡大

70社以上のブランドが署名する衣料品産業労働者の安全衛生に関する国際協定が発効


インド国営機関の契約労働者に連帯

UNI Aproは、インドのプネーで国営機関に雇用される契約労働者のために闘う加盟組織RMSと連帯する。スニル・シンデ委員長を先頭に、50人を超えるRMSの献身的なオルグや指導者たちが、2023年11月1日から無期限のハンガーストライキに突入した。その断固たる要求は、何千人もの契約労働者に対し、自治体の常用労働者と同等に、賃金の1カ月分+21,000ルピーに相当する年次ディワリ賞与を支給することだ。

プネー市公社(PMC)は最近、15,000人の常用労働者に年間賞与を支給すると発表した。だが一方で、同様の役割を果たし、何百万人ものプネーの人々の日常生活に影響を与えている契約労働者の貴重な貢献は、無視されたのである。これらの名もなき労働者は、警備員、医療従事者、清掃員、運転手、水道事業関係者、火葬サービスに携わる者など、幅広い重要な役割を担い、都市住民の安全、衛生、福祉を支えている。

インドや世界の国営機関が雇用する契約労働者は、都市の社会的・経済的基盤を維持する上で極めて重要な役割を果たしている。彼らは都市機能の屋台骨であり、RMSは、彼らの権利を損なういかなる試みも「反国民的行為」にほかならないと確信している。そのためRMSは州政府および国政府に対し、PMC契約労働者の社会正義を確保するために速やかに行動するよう求めている。

労働市場がますます契約労働者を好むようになる中、労働組合運動は「契約労働者」が「常用労働者」と何ら変わらない待遇を受けるべきであると断固として主張することが不可欠である。RMSは引き続き雇用関係の改善に尽力し、すべての契約労働者の常雇化を要求していく。

過去2年間、RMSは自治体の契約労働者の権利を求めて闘い続けてきた。その取組みは団体交渉を通じて大きな勝利を収め、PMC労働者にとって歴史的な節目となった。

2023年11月1日に開始された現在のハンガーストライキは、2つの重要な要求が満たされるまで続けられる:
・正社員と同等の年次ディワリ賞与の支給
・1月26日、8月15日、10月2日を含む祝日休暇の付与。驚くべきことに、国民のために不断の奉仕をしている政府労働者には現在、こうした祝日が与えられていない。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「勇敢な労働者たちに心からの連帯と支援を送るとともに、現在インド・プネーで無期限のハンガーストライキを行っている指導者、スニル・シンデRMS委員長の健康を深く案じている。我々は、国営機関に雇用され、不正と不平等に直面している契約労働者の権利のために連帯の精神で団結する。状況が悪化する前に、労働者の要求に対処するために直ちに行動を起こすよう、関係当局に求める」と述べた。


国連貧困専門家、アマゾンなどの企業による労働者の待遇に懸念を表明

国連が任命した極度の貧困と人権に関する権威であるオリヴィエ・ドゥ・シュッター氏は、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOをはじめ、ドアダッシュやウォルマートなどのグローバル企業の最高経営責任者(CEO)に宛てた書簡の中で、「不十分な賃金、積極的な組合つぶし戦術、労働者を『自営業者』として誤分類している」という疑惑について、説明を求めている。

同氏は、「地球上で最も豊かな国のひとつにある、世界で最も収益性の高い企業の一つで働く労働者が、食べるにも家賃を払うにも苦労していることを非常に憂慮している」と述べ、警鐘を鳴らした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、これらの書簡に対して、「労働者に対する権利侵害は人権の侵害であり、国連の独立した専門家が、最悪の人権侵害企業に対して責任を追及していることは、心強い」と歓迎し、「団結権にせよ、安全な仕事に就く権利にせよ、アマゾンの米国での蛮行はひどいものだが、残念なことに、アマゾンはその非道なビジネスモデルを世界中に輸出している。アマゾンに労働組合を尊重させ、まともな賃金を支払わせようとする動きが高まっているのは、そうした理由からだ」と指摘した。

デ・シュッター氏は、米国で増加する「ワーキングプア」を強調した最近の国連報告書を引用し、非標準的な雇用契約が蔓延し、働く貧困層を助長していることに懸念を表明した。また、政府による医療補助や食糧補助を利用している人数は、この3社が最も多いとした米国政府の調査結果にも言及した。「雇用は貧困から抜け出す道筋を与えるはずのものだが、3社ともビジネスモデルは、悲惨な低賃金を補うために政府の給付金に頼ることで、運営コストを国民に転嫁しているようだ」と痛烈に批判した。

さらに同氏は、アマゾンとウォルマートの従業員が賃金改善を求めて交渉する際に直面する困難を指摘し、その原因は両社の組合つぶし戦術にあると指摘した。これらの企業は、従業員の組合結成を阻止するために多額の投資を行っていると言われており「アマゾンは倉庫で反組合的な行動をとってきた長い歴史があると言われている。これには、『囚われの聴衆会議』において労働者に対して恒常的かつ継続的に反組合的メッセージを発信したり、組合選挙結果に対して積極的に異議を申し立てたり、労働者は組合を通すよりもアマゾンと直接取引した方が良いという説明などが含まれる」と言及した。

国連特別報告者と独立専門家は国連人権理事会によって任命され、特定の国の人権状況やテーマ別の人権状況について、調査・報告を行う専門家である。


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