2023年10月30日、UNIメディア部会の代表者は、韓国の加盟組織である全国メディア労組(NUMW)とともに、ソウルで記者会見を開き、韓国政府に対し、同国の労働組合との対話を行い、公共放送と報道の自由に対する攻撃をやめるよう促した。
右派の尹錫烈(ユン・ソンニョル)大統領が1年前に政権に就いて以来、政府は公共放送を監督する韓国放送通信委員会(KCC)の委員長に大統領の推薦候補を選出させるため、公共放送の首脳を違法に解任した。
KCCは現在、「フェイクニュース撲滅計画」を提案している。この計画は、政府が恣意的に「フェイクニュース」判定を下した後、事実上、報道機関を検閲できるようにするものだ。同委員会は『ワン・ストライク』ルールでニュース局を閉鎖する可能性がある。
NUMWによれば、政府はまた、公共放送の受信料を約30年ぶりに電気料金から切り離し、人々が受信をやめられるようにすることで、公共放送を弱体化させようとしている。資源の減少は、公共放送の質だけでなく、ジャーナリズムの能力にも影響を与えるだろう。独立したニュースを提供することを仕事とする公共放送ではなく、公的な情報が商業放送でしか得られないという状況が生まれかねない。
同時に、政府は24時間放送のニュース専門チャンネルYTNの株式を売却しようとしており、より多くの放送局が政府支持者の手に渡ることで、報道の自由をさらに脅かすことになりかねない。
NUMWは、政府が安定した視聴率と知名度を持つ公的資産を、民間事業者に引き渡そうとしていることを非難している。民間事業者は政府庇護の恩恵を受けおり、韓国国民にバランスの取れた情報を提供するよりも、むしろ政府を支持する可能性が高いからだ。
以下はNUMWとUNIメディア部会の共同声明の抜粋である。
「メディアを敵視し、表現の自由を損ない、批判的な報道を封じることで支持率を上げようとする韓国政府のメディア政策は、アジアの民主主義のモデルとなってきた韓国の民主主義の衰退を予感させるものだ。(中略)我々は、メディアを統制するためにブレーキのない列車のように暴走する韓国政府を強く非難する。我々は、表現の自由と報道の民主主義を守るための良心的な韓国市民とメディア労働者の闘いを強く支持する。この闘いに勝利するまで、世界中のメディア労働者は連帯する」