8月 2023のお知らせ

UNI世界大会2日目:世界中の労働者の緊急課題に取り組む

2023年8月30日、第6回UNI世界大会2日目は、松浦昭彦代議員(UAゼンセン)が司会を務める中、ルーク・トライアングルITUC書記長代行が基調講演を行い、「労働者の力を高め、ルールを変えるために共に立ち上がることによってのみ、企業権力に打ち勝つことができる。それが私たちの共同の闘いだ」と呼びかけた。

最初のセッション『公正で包摂的な経済』では、フランク・ヴェルネケ代議員(ドイツ、veri.di)が、より良い団体交渉を確保するためにストライキや産別行動が有効であることを強調し、その証に同労組の組合員数が14万人増加したことを挙げた。

また、インフレとの闘いにおける成功を引き合いに出したヘクター・デール代議員(アルゼンチン、FATSA) も、「我々は交渉の場でも街頭でも労働組合の力を高めている」と同様の見解を示した。地球の反対側では、日本の小川敬太代議員(自動車総連)が、春闘がいかにして物価上昇から労働者を守ることに成功し、過去数十年で最大の賃上げを実現したかを強調した。また、自動車総連として、大企業の動向に関わらず、それぞれの企業組合が自ら目指すべき賃金水準を実現し、中小企業の底上げを実現していきたいと発言した。

フロアから発言した松田惣佑代議員(生保労連)は、同労組では「人への投資」を重視し、賃金改善をはじめとする総合的な労働条件の改善に向けた取組みを積極的に展開しており、今後も生保産業で働くすべての組合員の経済的・社会的地位の向上、ひいては生保産業の健全な発展に努めていく、と力強く発言した。

また、セッション『不平等、人種主義、差別に対抗して立ち上がろう』では、深見正弘代議員(全労金)が、日本が現在もILO第190号条約を批准できていない経緯に触れつつ、ILO条約に基づく整備が必要であるとの認識の下、同組織が労働組合内における議論と業界団体との協議を進め、2020年4月に国内法を上回る内容で「労働金庫業態におけるあらゆるハラスメント禁止ガイドライン」を策定したことを報告した。

モーリス・ミッチェル働く家族の党代表は、セッション『不平等、人種差別、差別に反対して共に立ち上がろう』の基調講演において、「経営側は、労働者が互いに対立すれば、自分が勝利することを知っている。労働者が自身の勝利を自らのものだと考える時、我々は勝利する」と呼びかけて、UNIの参加者を鼓舞した。

この基調講演後、清掃員、警備員、全米サービス従業員労組(SEIU)32BJ 支部の組合員が、ドラムとコールを響かせながら会場に入り、清掃員の公正な契約を求めてアピールした。UNI世界大会の参加者は、この米国最大のビル管理部門の組合キャンペーンに連帯すべく、フィラデルフィアの街頭で展開された集会に参加し、路上を練り歩いた。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、グローバルな連帯の力を強調し、「世界中の組合員が今日、フィラデルフィアで清掃員を支援できることを誇りに思う。公正な協約を求めて闘う勇気ある清掃労働者は、単に生活のために闘っているのではなく、この国のハートとソウルのために闘っている。パンデミック時の彼らの献身は、尊厳を守り、家族を守り、地域を再建する協約を得ることで、正当に評価されなければならない。この極めて重要な連帯行進は、フィラデルフィアの街をはるかに超えて響き渡り、あらゆる場所で働く人々の模範となるものだ」と呼びかけた。

しかし、この日の勢いはここで終わらなかった。ジュリー・スー米国労働長官代行は、熱気に包まれたUNI世界大会で講演し、「バイデン=ハリス政権は皆さんを支持しており、労働者を第一に考えている」と述べ、低賃金労働者や移民労働者を擁護してきた自身の経験についても語った。「労働者に対する虐待をなくし、すべての人の雇用の質を向上させる上で、皆さんとともに行うグローバルな活動が、我々の使命にとって不可欠であることを認識している」と発言し、米国政府は外交を通じて労働者の権利を促進する活動を継続するため、世界労働戦略を発表する予定であると述べた。

続いて、セッション『安全衛生のために共に立ち上がろう』において司会を務めたジェラルド・ドワイヤー代議員(オーストラリア、SDA)が、 労働者が直面するメンタルヘルスの危機、長時間労働、生産性に関するプレッシャー、第三者からの暴力について、概説した。パンデミックはケア部門の労働者に大きな打撃を与えたが、そうした労働者のメンタルヘルスの課題は、長い間見過ごされてきた。

ミゲル・ズビエタ代議員(アルゼンチン、FATSA)は、同労組によるメンタルヘルス課題への取組みと、ケアに関わる労働者への支援について語り、「労働組合は、メンタルヘルス問題を可視化する必要がある。労働者がそうした課題について語ること、そして組合がそれに共感し、理解することを促していく必要がある」と発言した。

また、スウェーデン、フィンランド、日本から、商業における暴力やハラスメントを阻止する取組みが共有された。リンダ・パルメッツホファー代議員(スウェーデン、Handels)は、暴力やハラスメントから商業労働者を守るための同国の法律について語り、「顧客を出入り禁止にする法的権利も重要だが、労働組合や使用者のためのさまざまなツールを備えた包括的なワークショップも必要」と発言した。

永島智子代議員(UAゼンセン)は、「サービスを受ける側も提供する側も共に尊重される社会を創る!」というコンセプトのもと、小売業におけるカスタマーハラスメントや第三者による暴力の根絶に向けた同労組の取組みを報告し、従業員に対するアンケート調査の実施や、国会集会の開催等に触れた。地方自治体が独自にカスタマーハラスメント対策に着手している事例などを紹介し、「カスタマーハラスメント対策が社会全体で推進されるよう必ずや対策推進法の法制定を実現させる」と力強く発言した。

菅野秀則代議員(損保労連)は、長時間労働の是正に向けた取組みについて発言した。長時間労働の要因の一つに、時間外における問い合わせや至急対応依頼などの「商慣習」があり、これらの課題を解消する必要があるとした上で、「お互いに相手の働き方に配慮する」という考えを社会全体に広げていくことも有効だと述べた。また、同労連ではこうした課題認識のもと、世論喚起を図るべく、政労使学のキーパーソンを招いてシンポジウムを開催したことを報告した。

エリカ・カハラ代議員(フィンランド、PAM)は、「顧客が常に正しいとは限らない。攻撃的な行為や侮辱的な行為を非難することは、悪いカスタマーサービスではない。脅迫や侮辱、個人的な誹謗中傷を受けることは、誰の仕事でもない。労働者は自分自身を守る力を得る必要がある」と指摘した。

エンターテイメント業界では、過重労働や長時間労働が横行している。マシュー・ローブ代議員(米国、IATSE)は、労働者の休息時間増を求めて闘い、それを実現した同労組の革新的なキャンペーンについて「この業界のプレッシャーが、エンターテイメント制作労働者の安全衛生リスクを増大させ続けるなか、労働組合はグローバルな連携と団体交渉を通じて反撃し、安全な職場を提供するという第一義的な責任を使用者に負わせなければならない」と述べた。

続くセッション『デジタル時代のディーセント・ワークのために、共に立ち上がろう』では、司会を務めたピーター・ヘルバーグ代議員(スウェーデン、Unionen)が、スウェーデンのテック企業スポティファイで働く労働者の、UNIを通じた国際的な組織化の取組みについて紹介した。

アラン・マカヴィニー代議員(米国、CWA)は、アルファベット労働者間の国際連帯の高まりに言及し、「我々は使用者がグローバル戦略を持っていることを知っている。我々もまた、グローバルに戦略を持たねばならない」とメッセージを発した。

フロアから発言した高須玲衣代議員(情報労連)は、変化の激しい環境の中、スキル向上のために求められるリスキリングへの対応について、会社と団体交渉を積み重ねてきたと述べた。そして人材育成政策を整備する事で合意したことを報告し、「再チャレンジやリカバリができるセーフティネットをつくるのが労働組合の役割であり、誰1人取り残されないために、仲間を守る私たちの役割はとても重要だ」と発言した。

中熊英樹代議員(JP労組)は、日本郵便が取組むデータ駆動型のオペレーションサービスや業務効率化などの取組み等に触れつつ、DX化の取組みは、働く環境や働き方に大きな変化を及ぼす可能性があり、雇用を守りつつ、労働生産性を高める取組みとなるよう、変化に合致した人事制度や処遇の見直しも必要であると指摘し、「先端技術を活用し、その結果を働く者の幸せに繋げていくためには、労働組合が将来を見据えて能動的に取り組むことが重要」と発言した。

クァク・チャンヨン代議員(韓国マイクロソフト労組)は、マイクロソフト労組のキャンペーンと、韓国におけるテック労働者の組織化の状況について報告した。同労組から始まった取組みは、グーグル、アマゾン・ウェブ・サービシズ、ツイッター、セールスフォース・ドットコム、メタにおける組織化も刺激している。

ローウェル・ピーターソン代議員(米国、全米東部脚本家組合)は、「我々がテクノロジーをコントロールすべきなのであり、テクノロジーが我々をコントロールしてはならない」と強調し、米国のテレビ・映画脚本家が、デジタル時代における公正な業界を求めて決行しているストライキについて報告した。UNI世界大会の参加者は、脚本家組合や俳優労組のSAG-AFTRAに連帯し、集会に参加した。


UNI世界大会1日目:組織化、ジェンダー平等、立ち上がるアマゾン労働者

2023年8月28日、 第6回UNI世界大会が米国・フィラデルフィアで初日を迎え、組合の力、女性の権利、Make Amazon Pay(アマゾンに支払わせる)をテーマに、盛りだくさんの議題で幕を開けた。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「我々はこの大会に結集し、次の4年間を展望すると同時に、グローバルな労働組合主義の力を称え、再確認していく。労働者に敵対する勢力が大きくとも、我々の力はもっと大きい。世界最大の民主主義運動であり、さらに大きくなる可能性を秘めている。我々は団結し、戦略的でなければならない。礼儀正しくお願いしていては、これらの目標を勝ち取ることはできない。闘わなければならない。闘えば、勝利を得られる」と呼びかけ、「我々の使命は、労働者の生活を向上させ、グローバルなパワーバランスを変えるために組合を強化すること。そしてこれは、ただ単に語るだけでなく、実際に変化をもたらし、物事を成し遂げるということ。そして、我々はそれを実践している」と参加者を鼓舞した。

この日の第1部「すべての人のために組合の力を構築しよう」は、ロシオ・センツ代議員(米国、SEIU)の司会で進められ、各地域のUNI加盟組織による、組織化の成功にスポットライトが当てられた。

トニー・クラーク代議員(米国、メジャーリーグ選手会)は、組合が初めてマイナーリーグを組織化して協約を締結し、健康手当や年金、そして報酬の改善を獲得したことを報告した。

松坂武敏代議員(UAゼンセン)は、今年の春闘での部門全体の賃金交渉における、歴史的に高水準となった成果について報告するとともに、「労働組合に対する社会の注目を大いに集め、特に労働組合への関心が低いとみられる青年労働者や、組合未加入のパートタイマー労働者に、労働組合の重要性を訴えることが出来た。この賃上げの流れを来年以降も推し進めることで、労働組合の存在意義を社会に示し、組織化や組合への新規加入につなげていきたい」と意欲を語った。

グローバル協定を通じた組織化
UNIと多国籍企業の間のグローバル協定は、厳しい環境で組織化を進める労働者を支援する上で、大きな役割を果たしている。クリスティーナ・ゴゲスク代議員(ルーマニア、FSC)は、 UNIがスーパーマーケット小売業のオーシャンと締結したグローバル協定によって、今年3月にこのスーパーマーケット・チェーンで組合結成の道が拓かれたことを共有し、「我々の目標は、団体協約の交渉を開始できるよう、来年4月までに組織率を少なくとも35%にすること。今のところ、組合員数は順調に伸びており、予定通り法的承認を得られると確信している」と期待した。

同様に、リズ・パサロ代議員(ペルー、SutraH&M)も、UNIの支援を受け、スウェーデンのファストファッション大手H&Mとのグローバル協定を活かした同労組のキャンペーンについて「初の団体協約を締結し、6年以上ぶりの昇給を実現した。経営側は中立の立場を維持することを約束した」と語った。

UNI組織化センター
大会では、東欧(COZZとUNISEEOC)、コロンビア(COE)、西欧(EPOC)にあるUNIの地域組織化センターによる優れた活動についても、それぞれ参加者に共有された。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「我々はポーランド、ハンガリー、チェコで、ケア、ICTS、印刷・パッケージングの各部門において、組合のない職場で組織化を行い、商業部会と金融部会では組織率を高めるキャンペーンを実施した。昨年だけでも、COZZはポーランドのタレス、ハンガリーのエランダース、チェコのアルツハイマーに特化した介護施設の組織化に成功しており、現在も、グーグルやオルペアを含む6つのキャンペーンを継続中だ。この戦略が目指すのは、単に少数の企業、部門、国で成功することではなく、新自由主義の新たな攻撃に耐えられる強靭な労働組合の機構を欧州全土で実現することだ」と報告した。

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、「我々のブレイキング・スルー組織化キャンペーンは、世界中の組合が設定した戦略の中でも最も重要な一つだ。このキャンペーンを実施することで、人々の生活に真の変化をもたらしうる労働者の力を構築できると期待しており、不平等や貧困と闘う上で役立つだろう。 米州で70人以上がCOEで働いており、組織化の発展、より良い団体交渉の実現、民主主義の擁護を後押しする、より広範な戦略の一部だ」と述べた。

キャロル・シェファー代議員(アイルランド、CWU)は、「EPOCの利点は、草の根の代表から上級組合役員に至るまで、組合の全レベルで能力を開発できること。このアプローチによって、労働者の力を高める最善の方法について、一貫した共通の理解を得ることができる」と説明した。

グローバル労組アライアンス
大会では、力を構築するための国際ネットワークとグローバルな連帯の重要性についても、強調された。

アフリカにおけるUNIのDHL労組アライアンスは、世界最大のロジスティクス企業であるDHLの組織化において目覚ましい成功を収め、これまでアフリカ大陸の5か国から32か国に拡大している。イブラヒム・サール代議員(セネガル、SNTPT)は、「国際的なアライアンスを持つことは重要であり、多くの国々で、団結する自由と組合を持つことで、さらに多くの人々が恩恵を受けられるようになる」と、述べた。

ロザリナ・ンガコプ代議員(ニュージーランド、Etu)は、警備労働者の公正な賃金協約の確保に向けた同労組のキャンペーンについて語った。この協約は部門全体レベルでの全国交渉の土台を築くものであり、E tūは、このキャンペーンでUNI米国加盟組織SEIUの支援を受けている。

UNIはまた、新たな資金調達イニシアチブを立ち上げ、個人がオンラインで資金を拠出することで世界的な連帯を示し、世界中の組織能力を高めることができるようにすることを発表した。

ジェンダー平等のために立ち上がろう!
午後には、テレサ・モーティマー代議員(バハマ、BFSU)が、ジェンダーの視点に立った交渉を提唱するUNI世界女性大会の動議について紹介し「協定の中に女性のニーズを盛り込むことで、女性だけでなく、家族や地域社会全体に影響を与え、女性が労働組合運動に参加する門戸を開くことになる」と述べた。

パネル・ディスカッションでは、職場で無視されがちな女性の問題が取り上げられ、パトリシア・ナイマン代議員(南アフリカ、SACCAWU)は、「不妊、流産、人工妊娠中絶、死産は、肉体的・精神的に壊滅的な影響を母親に与えうるのであり、肉体的回復には数カ月、喪失感から精神的・心理的に回復するにはさらに多くの時間を要する」と述べた。

アレハンドラ・エストゥープ代議員(アルゼンチン、ラ・バンカリア)は、「女性を支援するための条項を交渉してきた。卵子凍結治療休暇は、女性がこの治療を受けるために1労働日の休暇を全給与で取得できるものであり、代理母を通じて子どもを授かる場合の代理懐胎休暇もある」と付け加えた。

ルクサナ・パーベン代議員(バングラデシュ、GPEU)は、自身が主導した、衣料品工場における衛生設備の改善と安全性を求めるキャンペーンについて説明し、 「女性たちは、この問題がいかに重要かを理解し、闘ってきた。今は、専用のトイレがあるし、必要なときに着替えることができる。要すればトイレ休憩をとることもできる。そして最も重要なことは、脆弱であると感じることもなく、危険にさらされていると感じることもない、ということ」と語った。

世界中で労働組合が、ドメスティック・バイオレンスの被害者を支援する立場をとるようになってきている。キャロル・シェファー代議員(アイルランド、CWU)は、「アイルランドでは秋に、5日間の有給DV休暇に関する法律が導入される予定であり、被害者、使用者、そしてアイルランドの労働組合運動の勝利だ」と報告した。

また、寺嶋雪乃代議員(UAゼンセン)は、日本における生理休暇の取得率が0.9%と非常に低いことについて、有給ではないこと、名称が直接的すぎること、異性の上司には申し出にくいこと、まわりで誰も取得していないことなどを理由に挙げ、生理休暇を有給で休むことができるよう、組合として推進している、と報告した。また、更年期症状についても、セミナーやリーフレットを通して、職場における健康意識の向上に取り組んでいる他、更年期休暇制度の支援や、生理や更年期の症状で休んだ場合の有給義務化などについて、組織内議員とともに進めていると報告した。そして、性別や働き方を問わず、誰もが活躍できる社会を目指していく旨、力強く発言した。

MakeAmazonPay

大会初日の最後のセッションでは、世界的大企業アマゾンに関する熱のこもった議論が展開された。

討議の先頭に立ったのは、スチュアート・アップルバウム代議員(米国、RWDSU)で、アマゾンの慣行に対する責任を追及し続けることが急務であると強調し、「アマゾンほど21世紀経済の不正と行き過ぎを体現している企業はない。悪質な反組合主義、過酷な生産性目標、労働者の監視、不安定労働の利用、独占的なビジネス慣行、租税回避、極端なグリーン・ウォッシング等、この企業は、労働者、地域社会、地球、そして我々の未来に対する脅威だ」と訴えかけた。

アラバマ州ベッセマーのアマゾン倉庫で働くジェニファー・ベイツ代議員(米国、RWDSU)は、「これまで、組合潰しに何百万ドルも費やすことを良しとする企業で働いたことはなかった。だから組織化が始まったとき、辞めて転職するか、残って正義のために闘うか、決断しなければならなかったが、私は残って闘うことにした」と語った。

ステファイン・ヌッツェンベルガー代議員(ドイツ、ver.di)は、アマゾンの過剰な監視とアルゴリズムによる悪質な管理に反撃する必要性について、「我々は、アマゾンが労働者の行動を監視し、労働者にまともな仕事を提供しないような世界を望んでいない。アマゾンとの団体協約を求めて闘っていく」と訴えた。

地元フィラデルフィアから、ジェシー・モレノ代議員(米国、チームスターズ)は、アマゾンがそのすべての労働力に対して責任を負うよう要求し、「我々はアマゾンの荷物を配達し、アマゾンの車両を運転しているが、会社は世界に向けて、我々はアマゾンの労働者ではない、と言い続けている。我々には変革が必要であり、変革の時は、今だ」と呼びかけた。


ウクライナの医療従事者労組Be Like Ninaに、UNI『恐怖からの解放賞』

UNIは、戦時下で労働者の権利を求めて闘い続けるウクライナの医療従事者の労働組合、Be Like Ninaに『恐怖からの解放賞』を授与した。

米国・フィラデルフィアで開催されているUNI第6回世界大会で、医療従事者で同組織の共同設立者であるオクサナ・スロボディアナ氏が賞を受け取った。

看護師のニーナ・コズロフスカ氏がフェイスブックでウクライナにおける厳しい労働条件について懸念を表明した後、2019年に設立された同組織は、その後82,000人以上の組合員を抱えるまでに成長した。2020年にはウクライナの社会運動団体として、2021年には労働組合として登録された。

ウクライナで戦闘が勃発して以来、労働者は戦地で医療・看護を提供するために奮闘してきただけではない。戒厳令が敷かれ、身の安全が脅かされる事態が頻発する中、ゼロ時間労働制が導入されたことで、すでに押しつぶされそうであった状況に、さらなる重荷がのしかかった。

このような状況にもかかわらず、Be Like Ninaは、ますます高まる危険にさらされている医療従事者を支援するため、活動を続けてきた。リヴィウ地方とポルタヴァ地方では、不法解雇された看護師の復職を勝ち取る手助けをし、また多くの医療機関で未払賃金を取り戻した。さらに、研修や、国内避難民のための住宅、医療従事者のための医薬品やその他の必需品、危機的状況に陥った医療労働者のための心理的サポートといった人道的支援を強化してきた。

オクサナ・スロボディアナ代表は、「ウクライナのすべての労働者を代表して、この賞を受けたい。世界中のUNIの仲間が、私たちの日々の闘いを支援してくれていることに励まされる思いだ。私たち労働組合活動は、労働者の基本的権利と人権を擁護しており、非常に重要なもの。そして、失った権利を回復し、人々の公正な労働条件を確保することは、戦争が終わってからも同じく重要になってくる。私たちの取組みに共感いただき、感謝します」と語った。

UNIは毎年、組織化と労働者権利の促進、そして 「恐怖のない世界」の実現に向けて尽力した個人や団体に『恐怖からの解放賞』を授与している。過去には、米国・アラバマ州で組織化したアマゾンの労働者や、不当に投獄された人権活動者でバーレーンのサッカー選手ハキーム・アル・アライビなどが受賞している。今年は、組合活動のために脅迫・銃撃されたコロンビアの労働組合指導者、ルイス・フェルナンド氏も受賞する。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「圧倒的な困難に直面しながらも、労働者の正義をあくなき姿勢で追求するBe Like Ninaの姿は、連帯の力と人間の回復力の証しだ」と称え、「オクサナ代表とウクライナの何万人もの医療従事者の経験を分かち合うため、オクサナ代表をここにお招きできて、嬉しく思う。この賞は、暴力や抑圧に直面しながらも、患者や利用者、そして自らの権利を守るために立ち上がった看護師、介護士、医師、医療従事者一人ひとりの勇気を称えるものであり、我々全員を奮起させてくれている」と語った。


コロンビアの屈強な組合指導者に、2023年のUNI『恐怖からの解放賞』

UNIは、第6回世界大会で、コロンビアの組合 SINTRAPULCAR の不屈の指導者、ルイス・フェルナンド・ロドリゲス氏に、2023年の『恐怖からの解放賞』を授与した。同賞は、労働者の権利を促進しながら逆境に直面した際に並外れた勇気を示した個人を称えるものである。

ルイス・フェルナンド・ロドリゲス氏の道のりは、労働者の権利と求める揺るぎないコミットメントの証である。スマーフィット・カッパの元労働者であり、同社を組織する組合で委員長を務めていたルイス氏は、仲間の労働者のために立ち上がる中で、困難な試練に直面してきた。激しい嫌がらせを受け、命を脅かされ、暗殺未遂事件にまで直面したにもかかわらず、正義と平等を追求すべく、断固とした姿勢を貫いた。 

正義と尊厳を求める闘い
ルイス氏の闘いは、かつての雇用主であったスマーフィット・カッパが、不祥事を理由に彼を解雇するために根拠のない訴訟をでっちあげたことから始まった。冤罪にもめげず、法廷に立ち、自分自身と同僚のために正義を求めた。

彼は、金銭提供によって決意を揺さぶろうとする企てに直面し、次いで彼の弁護活動を陥れようとする企てにも直面した。こうした卑劣な手段に直面しても、同氏の決意は揺るがず、真実を明らかにするために闘い続けた。

そんな彼の転機となったのは、衝撃的で心が痛むような出来事である。仲間のスマーフィット・カッパの労働者たちとの会合に向かう途中、雇われの殺し屋による残忍な暗殺未遂の犠牲になったのである。3発の銃創を負い、重篤な病気と何度もの手術という長く苦しい期間を耐え忍んだにもかかわらず、ルイス氏は逆境をはねのけ、生還した。 

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「彼の目覚ましい回復は、その屈強な精神と、労働者の権利を擁護し続ける決意を物語っている。…(中略)…今日、彼は希望の象徴として立ち、逆境に直面しても耐え抜くよう、人々に勇気を与えている。彼に恐怖からの自由賞を贈ることができて、光栄だ」と語った。 


公正な賃金と手当を求める歴史的デモ行進-フィラデルフィアの清掃労働者とともに1,000人を超える世界中の組合員が参加

第6回UNI世界大会に参加する109か国の1000人以上の労働組合員が、8月29日(火)、現地フィラデルフィアの清掃労働者の公正な団体協約を求めて、連帯行動に参加する。

2023年10月15日に期限が切れる現地清掃員の公正な団体協約を要求するため、約1000人の全米サービス労組(SEIU)の清掃員、保守労働者、整備士とともに、UNI世界大会の参加者がフィラデルフィアの街中を行進する。

この歴史的行進は、今年最大の民間部門の交渉の1つとなっている米国での取組みをさらに拡大するもので、全国13万4,000人のSEIU清掃員が、インフレに見合った賃上げと、命を守る医療給付の保護を求めている。

2023年8月22日に、SEIUの32BJ支部と、ビルディング・オーナーズ・レイバー・リレーションズ社(BOLR)との交渉が開始した。相手方は、フィラデルフィアの清掃労働者2,000人の大幅な減給と手当減額につながる厳しい削減を提案しており、労働組合コミュニティの間で憤激を巻き起こしている。

地元の清掃員オードラ・トレイナム氏は、「都市の根幹である労働者が生活必需品も買えないのに、どうやって都市を再生できるのか」と疑問を呈し、「国際的な組合員からの支援は、単に高揚感を与えるだけでなく、ディーセントな労働条件と公正な賃金を求める普遍的な闘いの証しだ。これは世界的に共感を呼ぶ闘いだ」と語る。

10億ドル産業は不公正に取り組まなければならない
ブランディワイン・リアルティ・トラストやシルバースタイン・プロパティーズのような不動産大手は、パンデミック中でも大きな利益を上げているが、生活費が高騰する中、清掃員は賃金の低迷に苦しんでいる。

初任給が時給20.14ドルの組合員は、賃上げ、使用者負担の家族医療、有給休暇、退職手当などを求めて闘っている。「私の健康管理は、単なる予算項目ではなく、家族の生死にかかわる問題だ」と指摘する清掃員のリチャード・ソープ氏は、「我々は皆、生活賃金と充実した福利厚生を受ける資格がある」と訴えた。

SEIUのマニー・パストライヒ32BJ支部長は、「エッセンシャルワーカーである組合員への投資は、地域経済への投資だ。盤石な基礎がなければ家を建て直すことができないのと同じように、我々は力強い経済を促進するため、家族を支える賃金と福利厚生を備えた良質な組合員の仕事が必要だ」と語気を強めた。

今回の連帯行進が改めて強調しているのは、フィラデルフィアや米国だけでなく、世界中のエッセンシャルワーカーの重要性であり、労働者の権利を求める闘いに、国境はないということだ。


フィンランドの組合に、UNIブレイキング・スルー賞

フィンランドのUNI加盟組織が、同国における労働組合の権利に対する前例のない攻撃に直面しながら、組合員の増強と団体交渉の擁護に取組み、UNIブレイキング・スルー賞を受賞した。米国・フィラデルフィアで開催された第6回UNI世界大会で、UNI加盟組織PAMのアニカ・ロンニ=セリネン会長が、受賞したフィンランドの複数の労組を代表し、受賞した。

2023年6月に新たに誕生したフィンランドの右派ポピュリスト連立政権は、団体交渉を弱体化させ、スト権を縮小し、従業員の解雇を容易にする措置など、一連の反労働者政策を発表してきた。これは、北欧モデルとして知られる、社会対話を基礎とする国内の産別交渉の枠組みを破壊しようとする、国内の主要使用者の協調的かつ憂慮すべき動きに続くものだ。

このモデルは長年にわたって建設的な労使関係を構築し、何十年にもわたって労使に利益をもたらしてきた。その結果、労働者の約6割が組合に加入しており、フィンランドの組織率は世界でも最も高い水準になっている

北欧モデルの維持に向け、組合も反撃に出ている。例えば、UNI加盟組織PAMによるストライキ行動は、20万人の商業労働者の6%の賃上げにつながった。セリネンPAM会長は、「フィンランドで直面している闘いが世界的に評価され、この賞を受賞したことを、誇りに思う。前回の団体協約では、いくつかの部門でストライキを実施し、組織の力を誇示・活用しなければならなかったが、長期的な組織化の取組みがそれを可能にした…(中略)…近年、我々は他の国内労組と協力することが増えている。フィンランドの労働組合運動と我々が代表する労働者に対する政治的攻撃から、自身の存在を守るためには、力を合わせるしか道はない」と語った。

UNI加盟組織PROも、2022年にICT部門で長期ストを実施するなど、組合員を守るために組織化や産別行動で力を発揮している。ヨルマ・マリネンPRO委員長は、ブレイキング・スルー賞の受賞について、「この賞に選ばれたことに感謝したい。今回の受賞は、労働組合の自由に対する容認しがたい違法な攻撃と闘っている我々を大いに勇気づけてくれるものだ。新規組合員の勧誘は容易ではないが、柔軟な姿勢で取組み、職場代表と協力し、綿密に計画されたキャンペーンを展開することで成功につながる。共に立ち上がることで、必ず乗り越えられる!」と力強くコメントした。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「組合員を増やし、力をつけるという基本に立ち返ることが最善の戦略であることを示したフィンランドの加盟組織を祝福したい。使用者と政府からの二重の攻撃に直面しながら組織化に成功した彼らの姿は心を打たれるものであり、UNIと世界中の加盟組織は、産別団体交渉と労働者の権利を守るために立ち上がるフィンランドの加盟組織の闘いに連帯していく」と述べた。


ウガンダのHTS労組、UNIブレイキング・スルー賞を受賞

フランスの大手小売企業カルフールにおける組織化が評価され、ウガンダのHTS労組が、UNIブレイキング・スルー賞を受賞した。

受賞にあたってHTS労組を代表してジェーン・カツベ氏は、「ここ至るまでのプロセスには、経営陣の抵抗、ドバイを拠点とする意思決定者からのフィードバックの遅れ、労働者に対する脅迫など、いくつかの困難があった。だが、その一つひとつが我々を強くし、今日のウガンダ、そしてアフリカにおける強力な組合となることができた」と振り返り、「今回の受賞は、組織化訓練や交渉スキル、連帯プロジェクト基金による財政支援を通じて、我々を後押ししてくれたUNIの支援なしには成しえなかった。こうした支援の下、組織化に成功し、カルフールとの団体協約を締結することができた」と謝意を表した。

カルフールの組織化キャンペーンは、オランダの組合FNVハンデルも支援してきた。カルフールは、2019年12月にウガンダで事業を開始して以来、7店舗に拡大し、500人以上を雇用している。HTS労組は、このうち300人の労働者を組織化し、2023年4月には、団体協約を締結して雇用条件を改善した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「HTS労組の成功は、グローバル協定を基盤として、革新的な組織化と忍耐が、労働条件を改善できることを示している。…(中略)…HTS労組は、困難な状況でも労働者が勝利できることを証明しており、この素晴らしい組合にブレイキング・スルー賞を授与できることを、光栄に思う」とコメントした。

労働者の団結権を促進するカルフールとUNIのグローバル枠組み協定が、同労組の取組みを後押ししてきた。UNIブレイキング・スルー賞は、組織化において優れた功績を残した組合や労働者団体に、毎年贈られる。


ネパール医療労組UNIPHIN、UNIブレイキング・スルー賞を受賞!

UNIは、ネパールの民間医療労組UNIPHINによる組織化の成功を評価し、UNIブレイキング・スルー賞を授与した。この賞は、医療労働者の権利、労働条件の改善、ネパールの医療部門全体の改善を提唱してきた同労組のたゆまぬ取組みを称えるものだ。

2015年に小さな労働者団体として発足したUNIPHINは、現在、医療介護部門の30以上の企業で働く9,000人以上の組合員数を誇る、全国的な連合体へと変貌を遂げた。同労組のビジョンと、こうした短期間での成長は、医療従事者の権利を求める世界的な運動において、見事な手本となっている。UNIPHINの指導者であるプリシヴィ・ラマン・タパリヤ氏は、受賞スピーチの中で「我々の組合は、医療従事者を組織化し、その発言力を強化するという明確な使命を持って結成さた。力を合わせ、連帯し、使用者や経営者団体と建設的な話し合いをすることに重点を置いている。医療従事者一人ひとりのために、安全な職場とより良い労働条件を作り出すことが目標」と語り、「全国に強力なネットワークを構築し、使用者や政府との社会対話における重要なパートナーとなり、組合員を増やして医療部門の政策決定において、強い影響力を持てるようになりたい」と抱負を語った。

UNIPHINは、ネパールの民間病院部門を変革してきた。ポカラのマニパル教育病院で500人を超える労働者が28日間にわたるストを行い、病院勤務者の待遇改善と賃上げを獲得したことは、最近の成果の一つだ。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「UNIPHINの素晴らしい活動は、ネパールだけでなく、アジア太平洋地域全体で輝く希望の星だ」と称賛し、「UNIPHINは、医療介護部門において組合の力が増大していることを示している。今後、何年にもわたってUNIPHINの組織化を見守り、支援することを楽しみにしている」と期待した。UNIPHINのプラティマ・バッタ氏は、受賞スピーチの中で、UNIとFESの支援に感謝の意を表した。

UNIは毎年、組織化において革新性と卓越性を示した組合や労働者団体に、UNIブレイキング・スルー賞を授与している。今年は他に、ジョブズ・ウィズ・ジャスティス(米国)、HTS(ウガンダ)、フィンランドの組合が受賞している。


ジョブズ・ウィズ・ジャスティス、UNI世界大会でブレイキング・スルー賞を受賞

労働者の権利擁護団体として知られるジョブズ・ウィズ・ジャスティス(JwJ)が、UNIブレイキング・スルー賞を受賞した。労働者のエンパワーメントに対する同組織の優れた貢献を称えるものである。

エリカ・スマイリーJwJ事務局長は、受賞にあたり「今回の受賞は本当に名誉なこと。先見性のある労働者、地域社会、学生、宗教のリーダーたちが、すべての人のための団体交渉力を組織化し、現代の労働者の経験や状況に見合った創造的アプローチを拡大するという共通のビジョンのもと、対等な立場で協力する機敏な組織や組合のネットワークの構築に努めたことの証だ」と感謝の意を表した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ジョブズ・ウィズ・ジャスティスは、一貫して、労働者の声を押し上げ、公正な待遇を確保するために揺るぎないコミットメントを示してきた。その取組みは、UNIが掲げる団結の精神に完全に合致している」と述べ、JwJの優れた活動を祝福した。

JwJは、公正な賃金と労働慣行、安全な労働条件を提唱する取組みの最前線にいる。草の根の組織化、ネットワークの構築、戦略的キャンペーンによって、同組織は地域、国、国際レベルで労働者に利益をもたらす政策変更に貢献してきた。JwJは、労働者、地域社会、学生や宗教の声を国や地方レベルで結集し、人々の生活改善を勝ち取るとともに、労働者の権利に関する世論を形成している。

UNIブレイキング・スルー賞は、JwJの功績を称えるだけでなく、より良い未来のために協力と革新を続けるよう、労働者の権利擁護者に行動を促すものでもある。この賞は、今日、急速に変化する仕事の世界において労働者が直面する課題に取組む上での連帯と集団行動の重要性をアピールするものである。


#UNIRISINGTOGETHER:第6回UNI世界大会が米国・フィラデルフィアで開幕

2023年8月27日、ついに第6回UNI世界大会が、米国・フィラデルフィアで盛大に開幕した。109か国から1,200人以上の組合指導者が参加し、世界の労働運動と米国の政界からの力強い声を聞いた。

冒頭、ルーベン・コルティナUNI会長が、「我々は5年前、組織化、組合結成、グローバル協約の締結など、加盟組織と共に前進を続け、より良い世界のために連帯することを約束した。すべての目標を達成したわけではないが、我々は前進し続けてきたし、今後もこれまで以上に力強く歩み続けていく」と語った。

開会式では、ダンカン・クラブツリー=アイルランド全米映画俳優労連(SAG-AFTRA)事務局長が巧みな司会を務め、ストライキに突入した16万人の俳優たちの状況を、大会会場であるペンシルベニア・コンベンション・センターに伝えた。彼らは、デジタル時代に尊厳ある仕事を求めて闘っており、どこの組合にとっても身近な闘争である。UNI世界大会の参加者は、闘争中の労働者にエールを送った。

次いで、ジム・ケニー・フィラデルフィア市長が参加者に歓迎の辞を述べ、ダニー・ボーダー・フィラデルフィア地方労働評議会議長が、フィラデルフィアが組合の街であることを改めて強調した。

メアリー・ケイ・ヘンリー全米サービス従業員労組(SEIU)国際会長は、「すべての人に組合を」という呼びかけで、会場を沸かせた―「前進する道はただ一つ。我々、何百万人もの人々が組合に結集し、我々を尊重し、守り、労働の対価を支払うよう、要求を表明することだ。我々は子どもたちのため、両親や祖父母、家族のため、そして隣人のために、豊かで、喜びのある、安全なコミュニティを築いていきたい…(中略)…我々の仕事には尊厳がある。我々の人生には価値がある。そして希望がある。その希望を原動力に、どこで働き、どこに住もうが、すべての人のための組合を勝ち取るために闘っていく」

マーク・ペロン北米食品商業労組(UFCW)会長は、国際的な団結の重要性を強調し、参加者に呼びかけた。「我々はグローバル・ユニオンの多様なメンバーとして、互いに、そしてそれぞれの組合内で、新たな、より強力な絆を模索しなければならない…(中略)…我々が直面する重荷がどのようなものであろうと、それがどれほどの時間を要するものであろうと、立ち向かう相手の規模がどのようなものであろうと、我々が求めるより良い世界と正義を求めて、闘いを強化していかなければならない」

リズ・シューラー・アメリカ労働総同盟・産業別組合会議(AFL-CIO)会長は、「労働者は社会的保護を欠いており、ILOは所得の低下を報告している。これはどういうことか?その答えは、労働組合だということ。そして我々は、そのことを世界中の労働者に知らしめるため、持てる力のすべてを使い続けていく。 …(中略)… あなたは一人ではない、我々はともに立ち上がり、世界中の労働者のために尊厳と正義の未来を築いていく、私は闘い続ける準備ができている。あなたはどうですか?」と呼びかけ、会場は熱気に包まれた。

この行動への呼びかけは、富の集中に反対し、より公正で公平な未来への希望を語りかけたバーニー・サンダース上院議員によって、さらに熱を帯びた。「世界は億万長者だけでなく、我々全員のものであるということを、無法者の企業に伝えなければならない」と述べ、「ごく少数の人々が多くの富を持ち、多くの人々がわずかな富しか持たないという現実を変えなければならない。そして、その変化をもたらすのは労働組合運動だ…(中略)…新たなテクノロジーが企業のCEOだけでなく、労働者にも利益をもたらすようにするために共に闘えば、我々が実現しうる可能性は、無限にある」と聴衆に訴えかけた。

サンダー上院議員のスピーチはこちらから。

日本からは、情報労連、全信連、生保労連、UAゼンセン、労済労連、全労金、自動車総連、損保労連、大日本印刷労組、JP労組、事務局から70人以上が、開会式に出席した。

また、開会式には、米国史上もっとも労働者と労働組合を支持する大統領となることを誓ったバイデン大統領から、UNI世界大会の参加者に向けて、メッセージが寄せられた。

UNIの取組みを称え、中産階級の重要性を指摘するとともに、次のように締めくくられている―「私たちは歴史の変曲点にあり、世界は急速に変化しています。労働組合は労働者に声を与える存在であり、あらゆる場所で人々は、自由かつ公正に団結し、団体交渉を行う機会を持つべきです。それは家族にとっても、私たち共通の未来にとっても、良いことなのです。ともに、労働者の力を高め続けていきましょう」

UNI世界大会に関連したその他の記事は、以下のリンクからご確認いただけます。

第6回UNI世界女性大会
UNI世界金融部会大会

●世界大会1~3日目の記事
世界大会1日目 世界大会2日目世界大会3日目

●UNI各賞の記事はこちら
『ブレイキング・スルー賞』
1:UNIPHIN(ネパール)、 2:HTS労組(ウガンダ)、 3:PAM、PRO(フィンランド)、 4:Jobs with Justice(米国) 

『恐怖からの解放賞』
1:Be Like Nina(ウクライナ)、  2:SINTRAPULCAR(コロンビア)


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