7月 2022のお知らせ

EUで最低賃金と団体交渉について政治的合意

適切な最低賃金に関する指令の法案について、暫定的な政治合意が成立した。欧州理事会と欧州議会の交渉担当者は6月上旬、このEU法の採択に向けた大きな一歩となる合意を発表した。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は「この法案は、団体交渉の強化に向けたシグナルとなるものだ。EUの目標は、各加盟国において団体交渉によって保護される労働者が全体の80%となるようにすること。これは、多くの加盟国において、団体交渉と労働組合の支援に向けた政府の行動を要求するものであり、まさに欧州全体で労働者が必要としているものだ」と述べ、「これを実現する上で、公的機関には公共調達という非常に有効な手段がある。公共契約を獲得するすべての企業に、労働者との団体協約の締結を義務づけることが必須だ。これこそUNI欧州のキャンペーン『団体協約なくして公共契約なし』が目指すところであり、この指令は、この取組みに弾みをつけるものとなる」と期待した。

団体交渉が適用される労働者の範囲を表すグラフ(下)は、EUと各国が行動を起こすべき時期に来ていることを示している。職場における民主主義は攻撃にさらされ、職場で発言権を持つ労働者の数は過去10年間で劇的に減少した。

レティク同書記長は、「良い賃金と労働条件を確保する最善の方法は、労働者が集団として強い発言力を持つことであるということを、我々は知っている。法律や政策が繁栄を共有するためには、労働者が組合に参加するのを阻害するのではなく、促進しなければならない。EUの法律が、すでに労働者や組合のために機能している各国の団体交渉制度を混乱させるようなことは決して望まない。この指令が各国の団体交渉制度を保護することが極めて重要である。欧州の社会モデルを前進させるため、EUは団体交渉を通じて前進しなければならない」と力説した。

加盟各国において団体交渉によって保護される労働者を全体の80%にするというEUの目標が達成されるためには、多くの国の労使関係に関する政策において、労働者寄りのシフトが必要である。部門別・複数事業主間の交渉は、すでにこの目標を達成している国々の中核をなすものである。労働組合が部門全体の最低条件を団体交渉できるようになれば、労働条件を攻撃することで競合相手を打ち負かそうとする企業を切り捨てるメカニズムが生まれる。

また、この指令はEUの公共調達に関する規則を修正する措置をとるものであることも報告されている。UNI欧州は1年以上にわたり、労働者に団体交渉での発言権を与えない企業が公契約から外れるよう、訴えてきた。100人以上の欧州議会議員が組合の要求を支持し、欧州全土の人々が支持を示すなど、勢いは増している。このキャンペーンを支援する署名は、こちらから。


民主主義を蝕む公共放送への攻撃に対し、フランスで大規模スト

新しく選出されたフランス国民議会の初会期と同じ6月28日、フランス・テレビジョンを含む公共放送の労働者が、公共放送の経済的・政治的独立とフランスの生活、文化、民主主義におけるその役割を守るため、ストライキを実施した。

今回のストは、マクロン大統領が公共放送の受信料(年間139ユーロ)を廃止し、37億ユーロの財源不足を生じさせる公約を掲げたことを受けて行われた。UNIに加盟するCGT、CFDT、FOなどの組合が、フランス・テレビジョン、ラジオ・フランス、フランス・メディヤス・モンド、INA、ARTEなどの公共放送に持続可能な資金を要求するため、フランス議会へデモ行進した。

フランスの労働組合SNRT-CGT Audiovisuelの書記長を務めるウィリアム・モーニエUNI欧州メディア部会議長は、「公共放送は、フランスの視聴覚部門で何万人もの人々を雇用しているだけでなく、独立した制作会社に映画や番組の大部分を委託している。しかし、これは単に雇用や資金の問題ではなく、フランスのメディアの独立性を維持すること、番組の多様性、文化の多様性に関わることだ。公共放送は社会のあらゆる部分に役目を果たしており、そのために我々は闘っているのだ」と訴えた。

フランスで起きていることは、欧州で各国政府が公共放送の予算削減や解体を試みている、より広範にわたる動きの一角に過ぎない。

例えば、ベルギーの3労組は5月末、フランダース地方政府が人気のある公共放送VRTの資金削減計画を発表したことに対し、ストライキを打った。また、英国では、組合が団結してチャンネル4の民営化計画に反対しており、政府も受信料モデルを変更する意向を示しているが、今のところ代替案を出すには至っていない。

フィリッパ・チャイルズ英BECTU委員長は、「BBCの受信料を凍結し、後に廃止することは、雇用、地域経済、そして最終的には英国人が親しんでいるコンテンツに打撃を与え、大幅な縮小を余儀なくされるだろう。チャンネル4の民営化は、英国の盛んな独立プロダクション部門と、英国の視聴者が楽しんでいる、示唆に富んだ境界を押し広げるようなコンテンツに大打撃を与えることになる」と指摘し、「こうした攻撃は文化破壊行為であり、BECTUは公共資産、公共放送が産み出す革新的で創造的なコンテンツと、そこで創出される何万もの雇用に対する攻撃を、決して容易に通過させたりしない」と語気を強めた。

公共放送は、右派政権による攻撃から特に危険にさらされており、ハンガリーやポーランドでは、公共放送は編集の自由の多くを失っている。スロベニアの組合は、右派ポピュリスト政権の下で何年もの予算削減に耐え抜いた後、国営放送RTVでは独立した質の高いジャーナリズムを維持するために闘っている。

ヨハネス・シュトゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は「複数の国で、政府の政策にとって邪魔な存在であると認識されている公共放送の縮小に向けた圧力がかかっている。そして、公共放送の役割を制限するために資金が使われる危険性がある」と述べ、「公共放送を弱体化させることは、すべての人の市民空間を狭めることだ。受信料は、公共放送がコミュニティや文化の多様性を支援し、良質で信頼に足る公平な視点の報道を提供するという使命を果たす上で必要な自由を与えてくれるものであり、ナショナリズムの高まりやフェイクニュースの時代においては特に重要だ」と指摘した。


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