4月 2022のお知らせ

ギリシャの銀行労連、新しい産別協定で重要な成果

UNI加盟組織であるギリシャ銀行労連(OTOE)は、ギリシャの銀行との間で、5.5%の賃上げや雇用保護への取組み、リモートワークの取決めを含む新たな産別協定を締結した。

組合が4月4日に出した声明の中で、ギオルゴス・モチオスOTOE委員長は、「不確実性、不安定性、団体協約の役割に対する疑念や攻撃が強まっている中、OTOEは3年間の全国的な産別協定を締結することができた。この協定によって雇用が保護され、賃金は5.5%引き上げられ、リモートワークを規制する枠組みが確立し、金融部門の労働者の安全、保護、見通しがさらに強化されることになる。OTOEが発信しているのは、より広範な社会的・政治的意味を持つ、楽観主義、自信、将来的展望についてのメッセージだ」と述べた。

3か月に及ぶ困難な交渉の末 、2022年4月1日に署名されたこの協定は、OTOE理事会で承認された。解雇からの労働者保護についての条項を含む唯一の全国レベルの協定である。

主な成果は以下のとおり。
・雇用保護に関する条項の大幅な強化:「両当事者は今後3年間、この部門の雇用を保護する意志を確認する。使用者は経済的/財政的理由による解雇を防止するため合理的な措置を講じる」。
・今後3年間で5.5%の賃金増額。
・1,000ユーロ超の基本給(新入社員)を導入。このような範囲の産別協定はギリシャで初となる。
・ギリシャの全国産別協定として、つながらない権利を含むリモートワークに関する初の枠組み。15 項目の枠組みは、企業レベルでのさらなる改善や具体化の基になる。
・年次休暇の付与条件を改善し、成文化した。
・金融部門の労働者のための調査・訓練活動や文化・スポーツ活動に対する使用者からの継続的な財政支援。

ギリシャの首都で、アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、OTOEの勝利について「OTOEは、労働者が満足できる公正かつ適正な労働条件を確保できるよう、全国産別協定の制度を守る決意を示した」と称えた。


UNI Apro、南オーストラリア州首相に当選したマリナウスカス氏を祝福

UNI Aproは、先般の南オーストラリア州選挙において、南オーストラリア労働党を勝利に導いたピーター・マリナウスカス氏を祝福する。

マリナウスカス氏が率いる労働党は、労働者の中核的な問題、特に健康とクリーンエネルギーの雇用に焦点を当て、選挙キャンペーンを展開した。

UNI Aproは、賃金窃盗の刑罰化、業務上過失致死罪の導入、偽装請負に関する規則の強化、看護師対患者比の改善など、選挙で提起された一連の労使関係政策に称賛を送る。これらは労働者の日常生活に深く影響する問題であり、有権者からの圧倒的な支持を得た。

また、政労使の三者社会対話アプローチに長年取組み、各当事者、そして最も重要な南オーストラリア州の人々の利益になるバランスをとるべく、連携して取り組んできた同氏を称える。UNI Aproは、このアプローチがマリナウスカス政権を支え、州の経済競争力を高め、働く人々の生活を向上させることにつながると確信する。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、同氏が勝利演説の中で、オーストラリア自由党について「対抗関係にあるが敵ではない」と表現した、その融和的アプローチを賞賛し、 「この平和的アプローチと建設的な三者関係の構築を求める姿勢は、ますます二極化する世界において民主主義を維持する上で不可欠であり、アジア太平洋地域の政府、企業、組合にとって素晴らしい手本だ」と述べた。

政界入りする前、同氏はUNI加盟組織の店舗流通関連労組(SDA)の南オーストラリア支部の役員を務めた。そこでの最大の功績のひとつは、クリスマスと大晦日の半日祝日を法制化するキャンペーンを展開したことだ。マリナウスカス氏は、2018年にクロイドンの議員に初当選し、その直後に同州の労働党首となった。

UNI Aproは、南オーストラリア州新政府の今後の活躍を期待する。


セイロン銀行労組HSBC支部、経営陣に対する行動を強化

セイロン銀行労組HSBC支部は、HSBCスリランカの経営陣が2021~2023年の団体協約締結を遅らせていることへの不満を表明し、Wear Black(黒リボン着用)キャンペーンを開始した。

組合側は、3月上旬に予定されていた協議で前向きな結果が出ることを期待していた。しかし、3月中旬になっても解決のめどが立たないことから、組合は交渉決裂とみなし、より目に見える形での行動強化が必要との判断に至った。

セイロン銀行労組HSBC支部は、組合員に抗議の意思を示す黒リボンを着用させ、独自の「ブラックフライデー」を立ち上げた。4月1日以降、組合員は黒リボンを着用して出勤し、昼休み中も行動を共にしている。

スリランカ独立以来最悪の経済危機によって、組合の不運な状況はさらに悪化している。深刻な外貨不足のため、輸入品の食料、燃料、その他必需品を購入できない中、品不足と電力の途絶が人々の怒りを煽り、3月中、首都やその他の地域で抗議デモが発生した。

銀行のトップが多額の報酬等の利益を得た一方で、銀行の一般従業員は、甚大な危機の影響を緩和する団体協約への合意を拒否されたのである。

ラジェンドラ・アチャリヤUNI Apro地域書記長は、こうした事態の進展に懸念を示し、「UNI Aproは、セイロン銀行労組HSBC支部のキャンペーンを全面的に支持する。HSBCスリランカの経営陣は、この経済危機の中、思いやりを持ち職員を助けるべきだ。その最善の方法は、これ以上の遅滞なく、組合と公正な団体協約を迅速に締結することだ」と述べた。


ドイツの文化・映画・メディア部門の労使、難民向け求人ポータルサイトを開設

ドイツの文化・映画・メディア部門の使用者団体と労働組合のネットワークが、パートナー組織のJobnet AGとともに、難民向けの求人情報をまとめたポータルサイトを開設した。戦火でドイツに避難せざるを得なくなったウクライナ難民を対象に、多言語(ウクライナ語、ドイツ語、英語、ロシア語)で情報を提供している。

労働組合ver.diのクリストフ・シュミッツ中央執行委員は、「戦争によって母国で働けなくなったウクライナの文化、映画、メディア分野の労働者やジャーナリストに、強い連帯のシグナルを送りたい。労働組合と使用者は、我々の社会に避難してきた人々が、従来の職業について生活できるように支援したい。避難という過酷な状況と今も続くウクライナの戦争は、我々全員に関わることだ。だが、我々のところに避難してきた仲間は一人ではない。劇場、オーケストラ、映画制作、ラジオ局、メディア企業、出版社における将来の同僚として、仲間を迎えたい」と語った。

この求人ポータルサイトは、ドイツにいる文化・映画・メディア部門の求人情報を掲載し、実際的な連帯を提供するものだ。サイトの開設時からドイツの関連部門で約5万件の求人があり、今後もネットワークのメンバーが継続的に求人情報を追加する予定だ。

ポータルサイトのさらなる充実に向けて、コミュニティページや語学基礎講座などの機能も、近い将来に追加予定だ。包囲されたキーウやリヴィウ等の都市にいるウクライナのJobnet AGの従業員も、ここ数週間、このサービスの開発に取組んできた。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「避難民は豊富なスキルやノウハウを持っている。心の傷を抱えて戦火を逃れてきても、人々の職業経験を消し去ることはできない。受入国は、難民を見て見ぬふりするのではなく、人々の経験を活かすことができるし、活かさなければならない。難民を社会の隅に追いやって、その脆弱な立場につけこんで搾取するような事態を許してはならない」と訴え、「このサイトは、組合と使用者が連携して人々の能力を評価し、ディーセントワークの機会を通じて、難民が望む安心できる生活を提供できることを示す、良い事例だ」と取組みに期待した。


テレパフォーマンス従業員、年間1000万ユーロ相当の無給労働-新たな報告書が推定

3月25日にUNIが発表した報告書『働きがいのある会社ではない:テレパフォーマンスでのより良い職場作りに向けた事例』には、全世界で40万人の従業員を抱えるテレパフォーマンスのコールセンター事業における広範な労働者の権利問題が詳述されており、中でも労働者が同社のシステムにログインする際の無給の労働時間は年間推定1000万ユーロにのぼるとしている。

この調査では、11か国における無給労働、安全衛生に関する苦情、労働者に対する過度の監視、積極的な労働組合回避が報告されており、3月下旬に行われた同社主要株主との非公開会議で初めて発表された。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「この報告書は、世界中の労働者がテレパフォーマンス社の雇用改善を求めて組織化している理由を示している」と述べ、「同社の労働慣行には根本的な問題がある。同社の巨大な事業規模、グローバルな展開、仕事の未来に対する影響力の増大を考えると、組合や株主を含むすべての利害関係者が一丸となって変革を推し進めることが急務だ」と力を込めた。

英国に拠点を置くコーポレート・ガバナンスの分野で優れたコンサルティング会社PIRCが、「ソーシャル・ウォッシング」に関する調査結果を発表した1週間後に、今回の報告書『働きがいのある会社ではない』が発表された。PIRCの調査報告では、テレパフォーマンスが『働きがいのある会社』認定を労働力管理に関する主要な指標として使用していることが不適切である点が強調されている。

UNIの調査は、フランスのOECD連絡窓口が2021年8月に、結社の自由と安全衛生に関して労働慣行を改善するようテレパフォーマンスに勧告を出した後も、同社に深刻な問題が残っていることを示すものだ。これらの継続的な懸念に取組むため、UNIは社会的責任のある投資家に対し、同社への関与を強化するよう求めている。

同社の年次株主総会は4月14日に開催される予定だ。

数百万ドルの未払い労働

推定1000万ユーロ相当の無給の労働時間は、テレパフォーマンスの未払い賃金全体のごく一部であると考えられる。この数字は、同社が事業展開する80か国以上のうち、7か国でのログイン時間に対するものである。これらの国の従業員によると、業務に必要な複数のモニタリングやカスタマーサービス・プログラムへのログインは1日に10〜20分かかるが、この作業は 「勤務時間外」になるという 。

無給のログイン時間に加えて、同社では他にも数種類の無給労働が確認されている。例えば、シフト終了時刻を過ぎても通話が続く場合には賃金が支払われない、厳しいノルマを達成するために休憩時間も仕事にあてられる、インターネットや電力網が停止した場合も給与が差し引かれる在宅勤務、支払われるはずの賞与を受け取れない、無給のトイレ休憩などだ。

ポルトガルのある労働者は次のように語っている。「定時に仕事を開始できるよう、シフトの15~20分前にログインしなければならないのですが、このログイン時間には賃金が支払われません。(中略)シフトの終了時刻を過ぎても電話の応対をしている場合、その分の賃金も支払われません(中略)もちろん、これはきつい状況です。わずかな賃金しか払われていない上に、会社はこの時間外労働も支払わないので」

テレパフォーマンスで働く厳しい現実

パンデミック第一波の際のテレパフォーマンスにおける安全性の問題はよく知られているが、それに加えてこの報告書は、労働者の健康に影響を与える新たな危険、すなわち人間工学的に適切でない在宅勤務環境に関連する問題にも触れている。

テレパフォーマンスは、おそらく世界で最も多くの在宅勤務従業員を抱える企業の一つであり、UNIは、キッチンテーブルやプラスチック製の庭用家具、さらにはスーツケースを在宅勤務用に使用している労働者の事例を集めた。適切な人間工学的配慮を欠いた長時間のシフトは、手根管症候群や筋骨格系の問題、長期的な痛みを労働者に引き起こす恐れがある。

テレパフォーマンスの労働者は、過度の自宅監視によるストレスの増加や、ノンストップの仕事文化による身体的負担の増加についても報告している。ジャマイカのある労働者は、「10時間勤務で15分間の休憩すらないこともありました。(中略)会社は労働者を酷使しているし、精神的に虐待している。だって、36歳の大人の女性が、トイレで用を足しに行くのにも立ち上がれないなんて言われたら、笑えませんよね。(中略)多くの人が膀胱炎を訴えています。(中略)膀胱炎になって医者にかかると、給料がすっかり消えてしまいます」と証言している。

根強く残る組合忌避

組合による代表と団体交渉が実施されれば、労働者はこうした問題によりよく対処することができるだろう。だが、強力な組織化の取組みにもかかわらず、テレパフォーマンスが事業展開する80か国以上の国の大半で、労働者は組合に代表されていない。そして、ポーランドやアルバニア、コロンビアなどのように組織化されている場合には、報復、組合との交渉・対話の拒否、組織化に対する妨害などを経験してきた。

「OECDガイドラインに規定されている労働者の結社の自由と団体交渉の権利を尊重する」よう勧告が出ているにもかかわらず、労働者による組織化の取組みを挫き、テレパフォーマンスは従来の行動パターンを今も継続しているのである。

提言

UNIはテレパフォーマンスに対し、世界の従業員に以下の点を保証し、報告書に記載された問題に対処するよう求める。

・ ログイン時間やシフト終了後の延長時間分を含む、すべての労働時間に対する賃金の支払い 
・ 選出された労働者安全衛生委員会
・ 労働者に対する監視は、会社のセキュリティ上の必要性を超えない範囲であること
・ 在宅勤務の場合でも、労働組合を組織する結社の自由があること
・ UNIとのグローバル枠組み協定を通じ、あらゆる国で結社の自由や団体交渉の自由など、ILOの中核的労働基準を尊重し、適用すること


安全衛生を通じ、労働者の力を構築

UNIの新しい報告書では、労働安全衛生の改善に向けた組織化を通じ、組合がどのようにパンデミックに関わる課題に立ち向かい、力をつけてきたかを示している。

3月31日にUNI商業部会とケア部会が共催したウェビナーの中で、報告書『より安全な仕事と強い組合-安全衛生を通じた労働者の力の構築』が発表された。その中では、労働組合の昨今のキャンペーンに焦点が当てられ、安全衛生の諸課題が、世界中で自らの権利を求めて戦う労働者の結集点となってきた状況が浮き彫りになっている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「パンデミック中、労働安全衛生の諸課題が引き金となり、労働者の活動や組合の取組みが行われてきた。この報告書は、致命的なウイルスに直面した労働者を保護するため、UNI加盟組織がどのように立ち上がり、成果を勝ち取ったかを示すものだ。組合の戦略が功を奏し、組合員は、個人防護具へのアクセスが改善し、有給で病気休暇や検査や隔離のための休暇を取得し、重要な社会的役割を認識されるようになった。今後に向けて、組合はこうした成果を基に、より強力な労働運動を展開していくことができる」と述べた。

この報告書は、パンデミックの最前線で労働者が重要な役割を担っているUNIの2部会として、商業とケアの組合に焦点を当てており、労働組合が労働者の力を構築し、安全衛生を改善するため成功した5つのアプローチを示している。
1) 使用者との団体交渉で労働安全衛生を強調する。
2) 政界の指導者に、改革へ向けた圧力をかける。
3) 地域組織との共同行動に参加する。
4) 労働安全衛生委員会を組織化の触媒とすること。
5) メンタルヘルスの問題は、身体的な健康と同様の重要性があると定義する。

このウェビナーでは、アルゼンチンの商業サービス労連FAECYSのシーザー・グエレロ安全衛生担当が、講演の中で「労働組合がなければ、パンデミックはより致命的なものとなり、労働条件は安全性の損なわれたものとなり、エッセンシャルワーカーは得られるべき尊厳や公正な賃金を得ることができなかっただろう」と述べた。

FAECYSのロビー活動によって、アルゼンチン議会はすべての職場で安全衛生委員会の設置を義務付ける法案を検討している。可決されれば、労働者は職場において安全衛生委員会の委員を選出・任命する権利を持つことになる。

同国ではヘルスケア部門の組合FATSAの取組みにより、医療従事者が賃上げだけでなく、パンデミック時の尽力に対する一時金を受け取ることができた。FATSAのミゲル・ズビエタ 教育担当は、「組合は決してあきらめず、先頭にたち、COVID-19を労災として認定させるために取組んできた。これは、労働者が効果的な個人防護具を確保し、正当な賃金を受け取り、病気休暇を利用できるようにするために、絶対に欠かせない取組みだった」と振り返った。

米国では、全米食品商業労組(UFCW)が、食料品店の労働者が地域社会に食料や生活必需品を提供する役割について認識を高め、危険手当を交渉した。スタンリー・ガセックUFCWグローバル戦略シニアアドバイザーは、「正義は決して与えられるものではなく、勝ち取るものであり、我々は組合員のために正義を要求し続けなければならない」と述べた。

また日本からは、UAゼンセンに加盟するイオングループ労連の森木雅子社会政策局長は、カンボジア・イオンリテールワーカーズユニオンの安全衛生の取組みを報告した。従業員から現場の課題を集め、組合会議で分析と解決提案を考え、労使協議で発表、意見交換を行うなど、従業員目線の課題を話し合い、労使が協力して解決していくプロセスが、具体例を交えて共有された。

ネパールでは、UNI加盟組織の医療部門の組合UniPhinが、労働者がPPEやメンタルヘルスのサポート、休暇を確保できるよう支援した。プラティマ・バッタUniPhin財政兼オルグ担当は「多くの労働者にとって、UniPhinは希望の源であり、困難な時期に新しい組合員を組織することができた」と、述べた。

この報告書は、オープン・ソサエティ財団の資金援助を得て作成された。

報告書をダウンロードするには、ここをクリック。(英語)


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