3月 2021のお知らせ

世界中で労働者の力を構築してきたUNIの20年を祝う

UNIは、2021年3月9日、20周年記念イベントを開催し、2000万人のメンバーを持つ国際産別労働組織(グローバルユニオン)が労働者の力を構築してきた20年の歴史を振り返り、次の20年を展望した。

司会を務めたアルケ・ベシガーUNI副書記長は、「コロナ禍のため、記念イベントはオンライン開催となったが、世界中の組合役員、活動家、そしてUNIサポーターの皆さんと共にこれまでの数々の素晴らしい成果を称えると共に、連帯の精神を再確認する機会としたい」と挨拶した。

「今日のUNIは、明確なビジョンを持ったリーダー達によって創られ、私達がそのビジョンを一つ一つ実現してきた」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は誇らしげに述べた。

UNI創設に尽力した4つの国際産別労働組織のリーダー、フィリップ・ジェニングス初代UNI書記長(FIET出身)、フィリップ・ボイヤー前UNI副書記長(CI出身)、アドリアーナ・ローゼンツバイク前UNI米州地域書記長(IGF出身)、トニー・レノン前MEI会長がそれぞれ、黎明期から草創期を振り返った。

「私達は、組合の国際協力の在り方をダイナミックなものに変えたいと思った」と、ジェニングス初代UNI書記長は熱く語った。「創設当初から、UNIは新たなミレニアム(千年紀)に生まれた新しい国際産別労働組織なのだとアピールし、結果を出すことにコミットしていた。」

その言葉通り、数々の成果(ブレイキングスルー)がスクリーンに映し出された。第3回UNI世界大会(2010年、長崎)のスローガンでもあった「ブレイキングスルー(突破)!」は、その後、UNIの中で“成果”を表す言葉としてずっと使われている。

これまでに、日本の髙島屋、イオンを含め50社以上の多国籍企業とUNIはグローバル協定(GFA)を締結し、世界中の何百万人もの労働者がこれらの協定の対象となっている。多国籍企業毎に、様々な国の労働組合を結集した同盟(労組アライアンス)が結成され、定期的に経営陣と対話を行っている。アマゾン、テレパフォーマンス等の企業をターゲットに国境を越えた組織化キャンペーンが展開されている。ジェンダー平等の点でもこの間、大きく前進した。労働者のために、ゲームのルールを変えようと、世界中で野心的な取組みを行ってきた。長崎世界大会で満場一致で採択された「核兵器の無い平和な世界」に向けた取組みは、核兵器禁止条約の発効につながった。

「我が米州地域で私は、UNIがどのように変化してきたか、そしてUNIが加盟組織や組合員のために、どのように違いをもたらしてきたかを、身をもって体験した」と、ルーベン・コルティナUNI会長は述べた。

UNIは世界の隅々まで影響力を及ぼしてきた。ナイジェリアのDHL組合員、アルゼンチンの銀行労組組合員、ポーランドの介護労働者、米国の警備員、不当に投獄された韓国の組合役員、マカオのカジノ労働者、マレーシアの放送局の組合役員が次々に、「組合があることで生活が変わった」、「UNIとUNIの仲間によって助けられた」と証言した。

コロナ禍にあって、組合があることはかつてなく重要である。

次の20年に向けて識者から示唆を得るためのパネルディスカッションでは、コロナ危機を克服し、より強い組合となる必要性が強調された。

「私達はこの好機を捉えなければならない」とホフマン書記長は強調した。「労働組合は、コロナ禍の間に、世の中のためになる力として広く認識されるようになった。そして労働者は貧しいままなのに、コロナで暴利を貪る人達がもっと裕福になるのを目の当たりにした。この怒りを集団の力に変える時だ。」

パネルディスカッションにはこの他、オックスファムからガブリエラ・ブシェール・エグゼクティブディレクター、ジャーナリストのオーウェン・ジョーンズ氏、ILO仕事の未来世界委員会メンバーを務めた清家篤慶應義塾大学前学長が加わり、ポストコロナの世界で公正な経済を構築するために、労働組合に期待される役割等を語った。清家教授は、ILO仕事の未来世界委員会報告書から、①人間の潜在能力への投資、②仕事に関わる制度への投資、③ディーセントで持続可能な仕事への投資の拡充が重要であるとし、コロナ禍でこれらへの投資の緊急性が高まったと述べた。

この他、ガイ・ライダーILO(国際労働機関)事務局長、シャラン・バロウITUC(国際労働組合総連合)書記長、ヴァルター・サンチェス・インダストリオール書記長、アンヘル・グリアOECD(経済開発協力機構)事務局長、ダニエル・ロゼラ・ニヨン市長らから祝辞を受けた。

UNIの将来は、国際連帯にかかっており、グローバルアクションを通じた労働者のエンパワーメントにかかっている。

UNIは、20周年記念イベントに参加し共に祝ってくださった全ての皆さんに感謝します


EUはプラットフォームワークの偽装請負に終止符を打つ時だ

欧州委員会は、「プラットフォームワークの労働条件に関わる課題に取組むために可能な行動」についての協議を開始した。労働者に偽装請負(偽装自営業)を強要するプラットフォームは、過去10年間にわたり欧州の労働者の不安定雇用を増大させる大きな要因となってきた。

オリバー・レティクUNI欧州地域書記長は、「労働者は労働者だ。ウーバーのロビー活動資金がどれだけあろうとも、このシンプルな事実を変えることはできない。ウーバーは、米カリフォルニアで労働者の権利を取り戻した法律を覆すのに2億ドルを費やした後、今度は欧州で牙を剥こうとしている。欧州委員会は明確な態度を取り、労働者保護の立場を示さなければならない」と主張した。

偽装請負のプラットフォームは長い間、法的なグレーゾーンで運営していると主張してきた。スペイン、フランス、英国、そして最近ではイタリア等、多くの国で、グレーゾーンは存在せず、こうした企業は単に法律に違反しているとの判決が示されてきた。

欧州委員会が協議を開始したまさにその日、ミラノ検察庁は大手フードデリバリー4社に対し、労働者と雇用契約を結ぶよう命じた。ミラノだけでも何千人もの労働者に関わる今回の命令は、EU全体の問題の大きさを示唆している。

これらの企業は、違法行為によって労働者が得るはずの収入を奪い、不正競争によって巨大な市場シェアを獲得してきた。それによって大規模な投資を集め、今度はEUで法を変えようとしている。

レティクUNI欧州地域書記長は次のように糾弾した。「ビジネスモデルとして組織的に法を破っている企業と、組織犯罪は何が違うのか? 長年に渡り労働条件を侵害し、弱体化させた後、偽装請負プラットフォームが規則に違反しているということに、欧州中の裁判所が気付き始めている。EUが今頃になって目を覚まし、こうした強欲な企業にフリーパスを与えるために介入し、労働者には結局、最賃にも満たない時給や手当しか払われないとしたら、歴史的な大失敗だ。欧州委員会は、プラットフォームを介して働いているか否かによらず、労働者を保護しなければならない。欧州では、ウーバーや他の企業がカリフォルニアで義務を免れようとしているようなことはできない。」

団体交渉

基本的労働権を攻撃して公正な競争を弱体化しようとする、偽装請負企業の特定の利益によって決められるデファクトスタンダード(事実上の業界標準)ではなく、労働者を中心としたアプローチを採用すべき時が来ている。その中心は、労働者の団体交渉権が守られ、確実に実行されるようにすることだ。

立証責任

これまで労働者は、自身の権利を行使するために、自らの労働者性を証明すべく裁判所に出向かねばならず、これには個人に莫大な金銭的、時間的コストがかかっていた。UNI欧州は、欧州委員会に対し、この立証責任の所在を反転させることを要求している。もしプラットフォーム企業が労働者を自営業者として分類するならば、企業側こそが、その主張の合法性を証明するため、法廷に出向くべきなのである。

制裁

労働基準監督署と検察官には、労働法を効果的に執行する権限が与えられなければならない。欧州委員会の目標は、未払いの賃金・社会保障費の清算に加えて罰金という形で、労働者に偽装請負を強いる企業に対する真の抑止力となるような制裁を、EU全体で実施することでなければならない。


国際女性デーに、UNIは必要不可欠な権利を要求する#EssentialWomenWorkers

1908年3月8日に、ニューヨークの路上で女性が時短、賃上げ、投票権を求めて行進して以来、依然として女性の権利を求める終わりなき闘いは続いている。昨年来のコロナ禍で、これまで以上にこの闘いは重要なものとなっている。

コロナ禍で地域社会に必要不可欠な仕事の多くを女性が担っている。こうしたエッセンシャルワーカーは、自らの命を危険に晒しながら、在宅看護にあたったり、銀行、スーパーマーケット、郵便局で働いている。また、感染の危険に向き合いながら配達したり、道路やオフィス、学校を安全で清潔に保つために働いている。

しかし、こうした女性労働者は、多くの場合低賃金で十分に評価されていない。有休病気休暇や十分な防護具も支給されていない。だからこそ、今年の国際女性デーにあたって、UNIは、こうした女性のエッセンシャルワーカーと共に、以下の必要不可欠な権利を求める。世界に、組合の力を示そう。組合があることによって、女性は声をあげることができ、支援を得ることができ、成果を勝ち取ることができる。

  • 尊厳のある賃金
  • 暴力なき職場
  • 職場の安全
  • 有給病気休暇
  • 団体交渉と組合による代表
  • 危機の間の特別な対策

こうした女性達の存在をアピールするため、UNIは、女性デーのためのビデオやポスターを#EssentialWomenWorkers をつけてSNSでシェアし、キャンペーンに参加するよう、加盟組織に求めている。

ポスター(日本語、英語):https://1drv.ms/u/s!ArC6XJtdy3sNgaUN_ItBWTd2uPwSpw?e=Jadn3J

ビデオ(英語のみ): https://youtu.be/Y6Td0v_x4bM


イタリア・保険業労働組合、リモートワークに関する画期的な協約を締結

イタリアのUNI加盟組織、FIRST-CISL、FISAC-CGIL、FNA、SNFIA、UILCAは、同国の保険業使用者協会と交渉を行い、保険部門の約45,000人の労働者のためのリモートワークに関する新たな保護と権利を勝ち取った。

2021年2月24日に締結された新協約では、ワークライフバランス、つながらない権利、リモートワーク関連費用の補償(IT機器やその他金銭及び福利厚生支援を含む)、安全衛生に関する保障、食事券、トレーニングを受ける権利、オンラインのコミュニケーション・ネットワーク利用に関する指針が定められている。
イタリアの保険業において次なる産業別団体協約の一部を構成することになるこれらの共同ガイドラインは、コロナ禍後のリモートワークに関するルールや規制について、保険業部門の労使交渉を下支えするものとなる。
本協約では、今後もリモートワークは使用者による強制ではなく、労働者による任意の選択でなければならないとしている。コロナ禍の中、イタリアの保険業労働者の約98%が、リモートワークを行っている。
リモートワークを選択するか否かに関わらず、全ての労働者は、団体交渉によるあらゆる労働組合権と自由が保障されている。労働安全衛生の当事者としても、リモートワークに関する一般及び特定リスクに関する情報や共同のモニタリングにおいて、広範に関与していくことになるのである。
最後に本協約は、技術・デジタル革新にも関与しており、本ガイドラインとその運用について進展・進捗を監視するための労使モニタリング機関の設置にも言及している。

イタリアでは、保険業界で進む働き方の変更によって組合員が無防備にならぬよう、同部門の労働組合が、これらのガイドラインを求めて力強く運動を展開してきたのである。
アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、「この画期的な協約は、どのような状況下でも、労働者がより良い保護を受けられるよう、強い労働組合が、いかに強力な団体協約を交渉できることを示している。この協約が、他の多くの国で組合の好事例として活用されると確信している。イタリア保険業のUNI加盟組織を祝福する。」と述べた。

今回の協約は、UNIが2月下旬に「遠隔勤務を行う労働者(リモートワーカー)の権利を確保するための労働組合の主要原則」を発表したことを受け、締結に至ったものである。


カナダ郵便労組、アプリ配達員の組織化キャンペーン開始

UNI加盟組織、カナダ郵便労組(CUPW)は、2月25日、新たに配達員の組織化キャンペーンを開始した。カナダのギグエコノミーにおいて、労働者の権利と尊厳を確保するためである。

CUPWによれば、ギグ労働者の組織化キャンペーンによって配達員を結集し、アプリが労働者の生活を管理し、危険で、生計も立てられないような劣悪な労働条件をつくり出す業界を根本的に変えるよう、使用者及び国会議員に呼びかけるという。

「宅配業者では、伝統的な組合の組織化が可能であることが示された。しかし、ギグ労働者労組(ギグワーカーズユナイテッド)はそれよりもはるかに進んでおり、コミュニティ組織化の戦術を用い、集団的な相互扶助を行っている。CUPWの中に新たにコミュニティ支部を結成した。我々は彼らをサポートできることを誇りに思う。斬新なアイデアや清新なエネルギーこそ、労働条件を改善し、シリコンバレーの搾取モデルを拒否するために必要なものだ」と、CUPWのヤン・シンプソン委員長は述べた。

ギグ労働者労組の立ち上げは、1年前にCUPWが「フードラ配達員のための正義」キャンペーンを成功させたことに続くものだ。当時、フードラ配達員は、組合に加入する権利を勝ち取り、大多数がCUPW加入に賛意を示した。しかしフードラはもうカナダで営業していない。そこでCUPWは、今回の配達員組織化の新たなキャンペーンでは、フードラと同様に、安全面や経済面でリスクを負いながら劣悪な条件で働く全てのアプリベースの配達員に範囲を拡大した、という。

ディミトリス・テオドラキスUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長代行は、「フードラ配達員のための正義キャンペーンは、カナダのアプリベースの労働者のための将来を切り拓く道標だった。配達員は今も、労働者の権利、組合に加入する権利、団体交渉の権利を求める闘いを続けている」と述べ、権利と尊厳を要求するカナダの配達員に連帯を表明した。

カナダにおける配達員組織化キャンペーンは、アプリベースの労働者が最近、仕事上の権利を求める闘いにおいて、大きな勝利をあげる中で、始められた。2月、イタリアでは、アプリベースの配達員は、固定給の有期契約の権利を持つ従業員であるとの判決が下された。更に、イタリア当局は、労働安全規則違反だとして、ウーバーイーツと他の食事配達プラットフォーム企業に、7億3300万ユーロの罰金を科した。同じく2月に、英国最高裁は、ウーバーのドライバーは、英国法の下で労働者であるとされ、最低賃金及び休日賃金を得る資格があるとの判決を下した。

ギグエコノミー:インターネットを通じて単発の仕事を受発注する非正規労働によって成り立つ経済形態のこと。ギグとは本来ジャズの単発ライブ演奏を指した俗語であり、転用されて「単発の仕事」という意味で広く使われるようになった。

ギグ労働者:仕事を仲介するプラットフォームを通じて、自分の空き時間に単発の仕事を請け負う労働者。


UNI世界ICTS部会幹部会、ミャンマーの電気通信事業者に要請「非合法な軍事政権からの命令には抵抗を」

UNI世界ICTS部会幹部会は2月末に声明を発表し、ミャンマーで営業活動を行う電気通信事業者に対し、民主派活動家への通信アクセス制限及び彼らに関するデータ収集を要求する軍事政権の命令に「抵抗し、抗議する」よう要請した。

UNI世界ICTS部会幹部会は、テレノール(ノルウェー)、KDDI(日本)、オレド(カタール)の多国籍電気通信事業者3社に対し、以下のように要請した。

  • 通信へのアクセスを制限したり遮断したりする行為を公に非難すること。
  • 個人ユーザーデータを保護するために、あらゆる合理的な措置を講じること。
  • 人権状況が悪化した場合には、市民社会組織と協力して行動計画を立てること。
  • 軍事政権に対するストライキに参加した労働者や、人権を侵害する当局の違法な命令に抵抗した労働者に、報復措置を取らないこと。

テレノールは、軍事政権が提案したサイバーセキュリティ法に反対する声明を発表した。通信事業者に対し、3年間の個人データ保存を義務付けるこの法案は、軍事政権に広範な調査権限を与え、当局によるオンラインコンテンツの遮断を可能にするとしていた。この過酷な法案が行き詰っているのは明らかだ。

アンディ・カーUNI世界ICTS部会議長(英国通信労組副書記長)は、「民主化のために結集しているミャンマーの人々は、これらの通信事業者のサービスを利用しており、プロバイダは人権を守る上で唯一無二の重要な役割を担っている」と指摘し、「軍事政権に抵抗する人々の安全は、これらの企業が人権を守るかどうかにかかっている」と述べた。「数百万を超える人々が民主的政府を希求している。」

UNI世界ICTS部会幹部会は、世界ICTS部会議長及びアジア太平洋、欧州、アフリカ、米州地域のICTS部会議長から構成される。


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