12月 2020のお知らせ

コロナ禍の世界におけるEコマース:労働者と組合の課題

UNIが委託して実施されたCOVID-19のEコマースへの影響に関する最新の調査では、パンデミック期間中のオンライン小売の勝者と敗者、また労働者と労働組合への影響が明らかになった。

FESの支援を受けて実施したこの調査では、オンラインストアのみに特化したアマゾンのようなピュアプレイヤーと、従来型の小売業として実店舗を持ちながらも、一体型もしくは別のオンライン販売チャンネルを開発してきたカルフールやH&M等のハイブリッドプレイヤーにも注目している。

予想通り、コロナの影響で人々は密を避けるようになり、ロックダウンによって何百万もの人々が在宅を余儀なくされたため、通販業界はコロナから大きな恩恵を受けた。販売数・販売量、収益は大幅に増加した。アマゾンの国際小売部門は初めて黒字となり、大手ピュアプレイヤーのほとんどが2020年の第2四半期に10~20%ポイントの上昇となった。

しかし、ネット通販の楽天は、コロナの影響を大きく受けた旅行や娯楽チケット販売への依存度が高いため、マイナス(3.7%ポイント減)の影響を受けた。

多くの場合、ピュアプレイヤーの業績は、オンライン注文の急激な需要増加に対応できるインフラを持たないハイブリッドプレイヤーの業績を上回っている。ファストファッション小売企業の多くは、オンライン販売数を2~3倍に増やしたものの、パンデミック時の店舗閉鎖を補うには十分ではなかった。

同様に、大手ハイパーマーケットチェーンによるEコマースへの投資も、商品配送に膨大なリソースを要するため、利益を上げることはできなかった。報告書によると、食品小売の一般的なラインモデルのほとんどがマイナス利幅で経営されていることがわかった。にもかかわらず、市場の投資家圧力と、利益が出るようになる日に備えて、オンライン小売への投資を続けている。このパラドックスの一例が、英国のオカドだ。実店舗を持たないオンライン専門のスーパーマーケットで、2000年に設立以来、まだ利益を上げていないが、欧州第2の高評価を得る食品小売業者になった。

報告書は、コロナ感染拡大以来、小売業者は将来の危機に備え、特に倉庫やレジにおいてロボット化や自動化の投資を増やすだろうと予測する。労働者の仕事に影響が及ぶのは避けられないだろう。

在宅勤務が増えたことで、クラウドサービスの利用が加速し、アマゾンやアリババのようなピュアプレイヤーの利益につながった。これらの企業は余剰資金を、市場シェアを独占するためにつぎ込むことができる。略奪的な価格設定により競合他社を駆逐し、独占体制を築いていく可能性を、報告書は警告している。

Eコマースや自動化、デジタル化、AIは未曽有のレベルまで成長を高める可能性を秘めているが、それによって得られた利益がいかに分配されるかについては懸念がある。通販業界のピュアプレイヤーからのデジタル配当金は、ほぼ独占的に経営者、株主、ベンチャーキャピタルファンドに回収されている一方で、この業界の仕事は不安定、低賃金、社会的保護が無いことで悪名高い。更に、テック大手企業の多くが反組合的方針を採っているため、こうした労働者の組織化は困難である。

マタイアス・ボルトンUNI世界商業部会担当局長は、次のように主張する。

「この報告書から、なぜEコマースにおける労働者の組織化と、利益の公平な分配を要求する取組みの強化が必要かがあらためてわかる。放置すれば、通販業界に底辺の階級が生まれ、何百万もの労働者が人間らしい生活を送れず苦境に陥ることになるだろう。Eコマースが成長している今こそ、我々は、まともな賃金が払われ、有給病気休暇のような社会的保護のある、質の高い仕事を求めて闘う必要がある。それがコロナ感染拡大を防ぐ鍵にもなる。」

UNIは、個人用防護具支給、安全ルールの徹底、危険手当、感染時・自主隔離時の有給休暇付与等、エッセンシャルワーカーのために不可欠な権利を要求するキャンペーンを展開している。

報告書は、UNIが委託し、ルーマニアのシンデックス社がまとめた。

UNI Commerce E Commerce 2020 (full version in English)


「コロナ禍でも情報発信と文化を守れ」UNI世界メディア部会委員会、オンライン開催

2020年12月15日、UNI世界メディア部会委員会がオンライン開催された。開会挨拶の中で、マシュー・D・ローブUNI世界メディア部会議長は、オンライン開催の利点として多くの傍聴者の参加を歓迎した。日本からは、中村UNI Apro メディア部会議長が参加した。

ヨハネス・ストゥディンガーUNI世界メディア部会担当局長は、2020年活動報告として、コロナ禍によってメディア及びエンターテイメント業界が深刻な影響を受ける中でも、UNI及びメディア部会は、活動を止めることなく、労働者のため、さまざまな課題に取り組んでいる旨報告した。

続いて各地域より活動報告が行われた。特にコロナ禍の影響が大きい欧州地域においては、ライブパフォーマンス業界におけるコロナ禍の影響に関するウェビナーを行い、共同声明を採択すると共に、UNIからEUに対し、エンターテイメント業界への支援を要請した。米州地域においては、メディア制作の現場がストップしたが、UNIはメディアの現場を守るためのセミナーを行うと共に、調査活動を行い、現場の支援を行った。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「コロナ禍の中、メディア及びエンターテイメント業界の労働組合は、文化を守るため闘ってきた。しかし今後も終息には長い道のりが予想され、この世界的危機により貧困に陥る人が増えている。業界では企業の労働者のみならず、フリーランスの労働者も影響を受けている。メディア業界は、情報の発信と人々に楽しみと豊かさを与える重要な仕事である。今、民主主義が危機にさらされており、雇用が守られない時代となった。我々は全ての人がディーセントな仕事に就くことができる“よりよい復興”を目指さなければならない。そのためには、デジタル税、タックスヘイブンの是正を始めとする多国籍企業への取り組みを続けなければならない。かつてこれほどまでに労働組合が必要とされたことはなく、我々は団体交渉を行うことができる団体である」と述べた。

「仕事における平等と尊厳」に関し、UNI世界メディア部会女性ワーキンググループは、メディア業界におけるジェンダー平等の好事例ハンドブックを作成し、ABU(アジア太平洋放送連合)やILOと共に啓発に努めているが、女性労働者の更なる地位向上が必要であることを強調した。

また、映画・テレビ制作ワーキンググループは、コロナ禍における映像制作のプロトコルを策定したことで、コストはかかるが現場の安全性は担保されたという成果がある一方で、長時間労働問題は相変わらず残っており、引き続き使用者側との協議を行っている旨報告した。

最後に8月に採択した2021年度の優先課題及び活動計画と共に、2021年3月、次回部会委員会をオンライン開催で予定することを確認し、閉会した。


UNI、LGBTI+労働者に対する差別と闘うネットワークを新設

UNIは12月14日、LGBTI+の労働者に対する偏見と闘い、職場で声をあげるための新たなネットワークを立ち上げるオンライン会議を行った。LGBTI+の労働者は職場で不寛容さや不公平に直面することが多く、UNIは差別に直面する労働者を断固として支援し保護していくつもりだ。

ネットワーク会議にはUNIの全ての地域及び様々な部会から代表やスピーカーが参加した。

このネットワークは、職場におけるLGBTI+の権利を保護・促進するための優良事例を共有し、団体交渉戦略を支援し、職場での差別を根絶するための条文をグローバル協定に盛り込むよう、各部会と連携していく。

「UNIはLGBTI+労働者の完全な市民権と人権を求めて闘いを続ける決意だ」と、アルケ・ベシガーUNI副書記長は語った。「世界中に、性的指向やジェンダー・アイデンティティに基づく偏見に直面する人々がおり、それが平和な世界への障害となっている。いまだ70を超える国々で、LGBTI+の人々は、LGBTI+であるという理由だけで犯罪者にされている。LGBTI+の権利を推進する上で果たした我々の役割を誇りに思うが、組合にはまだやるべきことが多い。真の社会的・経済的正義を促進するため、LGBTI+に必要な変化と前進に向けて闘わなければならない。」

ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、「加盟組織と協力し、LGBTI+コミュニティの人々に対する差別と闘うためのアクションを強化していく」と述べた。「LGBTI+労働者に対するあらゆる形態の暴力や不寛容さを根絶するために尽力してきたが、もっと多くの取組みができる。そのために、このネットワークを立ち上げた。この新たなUNI LGBTI+ネットワークへの積極的な参加を、全てのUNI加盟組織に呼びかける。組合として、職場における不平等や偏見をなくすため、共に立ち向かおう。強力な団体協約を交渉し、LGBTI+労働者を組織化することで、収入格差やハラスメント、不当な扱いをなくすために闘おう」と呼びかけた。

参加者からは、ILO第190号条約を活用する重要性が提起された。

第5回UNI世界大会(2018年、英国・リバプール)において、LGBTI+に関する決議が採択されて以来、UNIは他のGUFと提携し、LGBTI+労働者に対する差別や暴力と闘うためのネットワークを構築してきた。 UNI機会均等局は、LGBTI+に関する手引きを作成し、LGBTI+労働者への暴力に反対するキャンペーンを行い、パンデミック中にLGBTI+労働者を保護するための一連の勧告をまとめ発表した。


UNI AproとAPPU、パートナーシップを再確認

2020年12月11日、UNI Apro郵便・ロジスティクス部会とアジア太平洋郵便連合(APPU)は、パートナーシップの覚書を更新した。APPUはアジア太平洋地域の32か国の郵便事業者を代表する組織である。両組織は3年毎に覚書を更新してきたが、今年はコロナ禍のためオンラインで署名式を行った。

増田UNI Apro郵便・ロジスティクス部会議長は、初めてオンラインで署名を行うにあたり、リンAPPU事務局長の協力と理解に感謝の言葉を述べた。コロナ禍とテクノロジーの急速な進展によりビジネス環境や労働環境が大きく変化する中、労使が協力して対応することは極めて重要であり、アジア太平洋地域の郵便事業に携わる労使の枠組み協定として、本覚書の重要を強調した。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、UNI Apro地域の16か国の郵便労組を代表して連帯の挨拶を行った。UNIは労使の社会対話を促進するため、世界60余の多国籍企業とグローバル枠組み協定(GFA)を締結している。APPUとの覚書もGFAと同じ位置づけであり、アジア太平洋地域各国の郵便事業者との間で建設的な労使関係を構築し、感染症やデジタル化・自動化の影響等、雇用・労働に影響を及ぼす問題について、労使で共に対応を考えると共に、組織化を進めていきたいと述べた。

コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、コロナ禍でもAPPUとUNI Aproの協力関係が維持・強化されていることを、11月にAPPUと共同で行った若手役員向け共同セミナーを例に挙げ、Apro地域の郵便事業及び労働運動を担う若手の育成に資する活動として高く評価した。そして、立場は違うが、同じ目標に向かってパートナーシップの下、郵便事業を前進させ、ユニバーサルサービスを実現し、雇用を確保することができると述べた。

署名後に、リン・ホンリャン事務局長は、APPUを代表して挨拶し、20年余に及ぶ協力関係に感謝した。現在、コロナ危機の直撃を受け、非常に難しい状況ではあるが、共同セミナーをオンラインで成功裏に開催できた経験から、新しい方法で協力ができることを確信したと述べた。今後もUNI Aproと緊密な協力関係を維持し、加盟組織や世界中のコミュニティに貢献していきたいと語った。


UNI Apro/JP労組ユース英語セミナー、初のオンライン開催

毎年、UNI AproはJP労組と協力し、1泊2日のユース英語セミナーを開催してきた。今年はコロナ禍のため、12月5日に初めてオンラインでの開催となった。

台湾及びニュージーランドからの講師とJP労組の参加者11人が、グループワーク等を通じて国際労働運動に対する理解を深めた。

参加者はまず事前に準備したパワーポイントを使い自己紹介を行った。続いて、小川UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長から、UNI概要(郵便・ロジスティクス部会及び青年委員会の活動等)について講義を受けた。

中華郵政労組(台湾)の蔡金芳(ニックネーム:Jump)は、台湾や出身地雲林の紹介を交えながら、中華郵政の主な事業、組合の課題についてプレゼンを行った。

ニュージーランドEtuのキャサリン・ミード(ニックネーム:Kat)は、自己紹介に続いて、ニュージーランドポストの事業、コロナ禍の状況、組合の取組みについてプレゼンを行った。

休憩の後、参加者とJump、Katは2つのグループに分かれ、「コロナ禍における職場、組合の取組み、自身の生活の変化」等について、ディスカッションを行った。アイスブレーキングによって殻を破り、少人数でのグループワークを通じて、互いの国、身の周りの状況等を英語で説明し合った。土曜日の午後、3時間という限られた時間ではあったが、北海道から沖縄まで、そして台湾、ニュージーランドの、同じ郵便部門で日々奮闘する仲間と連帯を深め、情報・経験交流を通じて相互の理解を深める国際労働運動に触れることができた。


UNI Apro執行委員会、ミア・マスードGPEU書記長の復職を要求

第27回UNI Apro執行委員会(2020年11月25~26日)は、バングラデシュのグラミンフォンによるミア・マスード氏の根拠なき解雇問題の解決に向け、全力を挙げて取組むよう、UNIに強く求める動議を採択した。

執行委員会は、クリスティ・ホフマンUNI書記長から、ミア・マスード書記長の解雇に至った経緯について説明を受けた。書記長は長年にわたりグラミンフォンにおける組合の存在感を高め、守ることに尽くしてきただけに、委員は大いなる遺憾の意を表明した。

野田三七生UNI Apro会長/UNI Apro ICTS部会議長は、UNI Apro執行委員会に対し、グラミンフォンの親会社であるテレノールとUNIが締結したグローバル枠組協定の下、ミア・マスード書記長の解雇を巡る問題の解決に向けたUNIの建設的な関与を全面的に支持する動議の採択を要請した。

ミア・マスード書記長の復職を求めるGPEU組合員のヒューマンチェーン

UNI Aproは、ミア・マスード書記長とグラミンフォン労組(GPEU)組合員、そして可能な限り短期間での無条件復職を確実にするべく取組むUNIに対し、全面的な連帯支援を表明する。


英国の店舗労働者に国際連帯を

英国のUNI加盟組織USDAW(店舗流通関連労組)が11月16~22日に「全国店舗労働者尊重週間」を実施するにあたり、世界中のUNI加盟組織が支持を表明した。

USDAWは2002年以来、「恐怖からの解放」キャンペーンの一環として、毎年このイベントを実施してきた。だが、同労組の調査で、パンデミック中の小売労働者に対する暴言や脅迫、暴力が倍増したことが明らかになった今年、尊重週間はいっそう重要な意味を持つことになった。

BBCラジオに出演したUSDAW組合員でもあるクレア店長は、「つばを吐いてコロナに感染させるぞと脅されたり、押し倒されることも日常茶飯事」だと語る。店員は、パンデミック当初の買い占めに走る人や、列に並びたくない人からの攻撃の対象となってしまった。そして、社会的距離の徹底は、客や店員の安全のためであるにもかかわらず、「店員は、それをお願いしたために、お客様から罵声を浴びるのです。」

小売労働者に対する暴力は世界的な問題となっており、カナダ、日本、トルコ、オーストラリア等20以上のUNI加盟組織がソーシャルメディア上で英国の店員に連帯を示した。

オーストラリアや日本では、店員に暴行を加えた者に罰金を科す法律がある。USDAWは小売労働者への暴力を特定犯罪とする新たな法律を議会に求める請願を開始した。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は語気を強めて次のように述べた。「小売労働者は、自分や家族へのリスクを抱えながら、パンデミック中も食料や必需品を提供し続けるために、格別の努力をしてきた。そのエッセンシャルワーカーに敬意を持って接してほしいというのは、無理なお願いなのか?客の酷い行動を止めさせるには、より厳しい法律の施行を徹底しなければならない。パンデミックであろうとなかろうと、店員がこの種の暴言・暴力に曝されることは、断じて容認できない。」


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