2020年7月29日、UNI Apro東アジアの郵便労組が、新型コロナウィルス感染拡大後初めて、オンラインで情報交換を行った。今年10月に台北で予定されていたUNI Apro東アジア郵便労組フォーラムが来年に延期されたためである。
開会の挨拶の中で、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長はまず、エッセンシャルワーカーとしてパンデミックの中でもコミュニティのためリスクに直面しながらも働き続け、同時に組合員の擁護に奮闘した加盟組織を称えた。アジア太平洋地域の各国の状況を概説した上で、アジア太平洋地域では、欧州の企業や使用者の対応とは異なり、また調整役としての政府の機能も不十分である等、厳しい現実に直面していると指摘した。だからこそ、パンデミックの最中も、最前線で生活維持に不可欠なサービスを提供する産業を代表するグローバルユニオン(国際産業別労働組織)として、UNIの役割の重要性を強調した。
続いて、台湾CPWU、韓国KPWU、日本JP労組からそれぞれ、コロナ禍の中で組合員を守るための取組みが報告された。
台湾は、ウィルスの封じ込めに最も成功している。ウーCPWU委員長は、中華郵政が感染防止から経済再活性化まで、政府からの要請に応え、重要な役割を果たしていると述べ、それを支えている有能で献身的な郵便労働者に感謝した。CPWU組合員は、社会全体に中華郵政の価値をあらためて示すことができた。
FKTU(韓国労働組合総連盟)の書記長という重責を兼任している、リーKPWU委員長は、三者構成会議で2021年の最賃引上げを交渉し、大幅な賃上げを勝ち取ることができた。またKPWUは5月に初めてオンラインで定期大会を行い、全代議員の99%が出席したという。
増田JP労組委員長は、政府からJP労組に対して感謝の言葉が示されたと述べた。政府が全国7000万世帯に郵便サービスを活用してマスクの配布を決定したことを受け、感染リスクがある中、全世帯に配達を完了したからである。
コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は、健康危機に際して郵便労働者の健康と安全を守るためUNIとUPU(万国郵便連合)による共同声明を発表したこと、郵便・ロジスティクス部会にとって重要な課題についてオンライン議論を重ねてきたこと、今後の計画等について説明した。 また、東アジアの郵便労組のコロナ対応の経験は、世界の他の郵便労組にも参考になると述べ、このような危機の時こそ組合の情報交換・経験交流が重要だと強調した。
小川UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、地域の活動及び計画について紹介した。東アジア郵便労組の労働安全衛生の優良事例や、今回のような感染症対策の取組み等を簡単にまとめたチラシ案も示された。
加盟組織は、9月2日のUNI Apro郵便・ロジスティクス部会委員会(今年はオンライン開催)で再会することになっている。