6月 2020のお知らせ

国際労働運動は一丸となって「黒人の命は大切」を支持

国際労働運動は、「黒人の命は大切」運動を支持して、共に立ち上がるだけでなく、共に行動を起こしている。

UNIをはじめとするグローバルユニオン(国際産業別労働組織)とITUC(国際労働組合総連合)で構成されるグローバルユニオン評議会(CGU)は、世界の殆ど全ての国々の労働者を代表する。6月17日、CGUは、制度化された人種差別と闘い、米国等における刑事司法制度の再考を求める明確な要求を発表した。UNIは、本部ビルに「黒人の命は大切」のバナーをかけて支持を示している。

CGUの声明は、ブリアナ・テイラー、アマード・アーベリー、ジョージ・フロイドという3人の米黒人の殺害を受けて発表された。これらの全く不当な殺害は全米で抗議を引き起こし、やがてサンパウロからソウルまで世界中に抗議の輪は広がった。

CGUは、「余りにも長い間、人種差別と白人至上主義によって、働く人々は分断され、真の力を勝ち取る力量を弱められてきた」と述べ、「もうたくさんだ」と訴えた。

労働組合は何度でも呼びかける。「新しい世界をつくるために闘おう。みんなが黒人の命は大切だと認識する世界を!」


ティム・ブレイAWS前副社長、「アマゾンには組合と“力の不均衡”を覆す政治的アクションが必要」

巨大IT企業アマゾンの子会社、アマゾンウェブサービス(AWS)前副社長であるティム・ブレイ氏は、2020年6月11日、アマゾン・グローバル労組同盟が開催したフォーラムの中で、アマゾン労働者の組織化計画への支持を表明した。ブレイ氏は、パンデミック期間中にアマゾン倉庫内の労働条件を公然と批判した従業員が解雇されたことに抗議の意を示すため辞職した。

20か国以上のアマゾン労働者を代表する同労組同盟は、現在もアマゾン倉庫で働く従業員が直面している危険に対処するよう、会社に対し一連の緊急要請を出した。

ティム・ブレイ氏は次のように述べた。「アマゾンでは“カスタマー・オブセッション”と言っている(※)。“執着”という言葉を本気で使っているのだ。豊富な品揃え、手ごろな価格、迅速な配達に、いったい誰が対抗できるだろう?しかし、この顧客への執着は倉庫労働者の犠牲の上に成り立っている。彼らがアマゾンの経営を支えているのだ。彼らが犠牲を払わされるのは、21世紀の経済において、労働者に殆ど力がないからだ。この力の不均衡を正すために、いかなる対策でも始めるべきだ。状況をよくする策としては、組合を組織し、法的・規制の枠組み改善に向けて政治的アクションを起こすことだ。」

※「カスタマー・オブセッション」:リーダーはお客様を起点に考え行動します。お客様から信頼を獲得し、維持していくために全力を尽くします。リーダーは競合にも注意は払いますが、何よりもお客様を中心に考えることにこだわります。(AWSウェブサイトより)

UNIが半年に1度開催するアマゾン・グローバル労組同盟フォーラムには、世界中のアマゾン労働者と組合リーダーが結集し、アマゾンに雇用責任を持たせるための戦略や計画を練っている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「ティム・ブレイ氏はアマゾンの変革に重要な意見表明をしてくれた。この変革は、アマゾン労働者が団結して仕事における尊厳を要求しなければ、起こせない。ブレイ氏が指摘したように、これは力の不均衡の問題だ。我々は労働者の声と力を高め、アマゾンが今日の経済と人々の暮らしの中で握っている無限の力を解体しなければならない」と述べた。UNIは、組織化を推進する各国の組合の取組みの連携を図るため、このフォーラムを主催している。「パンデミック期における労働者の待遇に関して、アマゾンは落第点だ。この状態を放置させないためには、労働者が強力な組合の下に団結し、アマゾンに変革を迫るしかない」と訴えた。

欧米の20を超える組合代表らフォーラム参加者は、以下の通り一連の要求に賛同し、取組みの継続を確認した。

2020年アマゾン・グローバル労組同盟は「安全で公正なアマゾン」とするため次の通り要求する

  1. 直ちに組合への反対を止めること。安全衛生及び賃金・諸手当に関する協約を交渉すること。反組合的コンサルタントの使用を止め、組合組織化キャンペーンにおいて中立的立場をとること。
  2. 5月末に取消された賃上げを直ちに回復し、恒常的な賃上げとすること。アマゾン労働者は今も業務遂行にあたって前例の無いリスクに直面しており、アマゾンとジェフ・ベゾス社長には賃上げの余裕がある。
  3. パンデミックが完全に収束するまで、あるいは広く利用できるワクチンが開発されるまでの間、必要な安全予防措置を直ちに導入もしくは復活させること。これには、追加の休憩時間、(米国における)有給病気休暇、時間外労働に対する2倍の賃金、無制限の無給休暇の付与や、労働者へのノルマ割当禁止等が含まれる。
  4. コートニー・ボーデン、ジェラルド・ブライソン、マレン・コスタ、エミリー・カニンガム、バシル・モハメド、クリス・スモールズら、解雇された全ての内部告発者と活動家を直ちに再雇用し、未払いの賃金を支払うこと。
  5. アマゾン労働者(従業員及び請負契約労働者)のうちのCOVID-19感染者数及び死亡者数を直ちに公表すること。労働者及び組合に、感染に関する情報を迅速かつ継続的に提供すること。

さらにアマゾン・グローバル労組同盟は、年に1度のアマゾン・プライムデー開催期間中の今年9月に、過去最大規模のアマゾン抗議活動を組織することを決議した。

UNIは、世界中で急成長するサービス産業において、150か国、2000万人以上の労働者を代表する。全ての地域でUNI及び加盟組織は、ディーセントな雇用が得られるよう、また組合加入権や団体交渉権をはじめとする労働者の諸権利が守られるよう、使命感をもって取組んでいる。


COVID-19によって「つながらない権利」の必要性高まる

COVID-19によって生活は混乱し、我々の多くが働き方を変えざるを得なくなった。仕事と個人の時間の境界が損なわれている。それゆえ、「新たな日常」が確立されようとする中、つながらない権利がかつてないほど重要になっている。

UNI世界専門職・監督職委員会(UNI P&M)は、加盟組合の協力を得て、健全なワークライフバランスを実現するための優良事例を収集してきた。より多くの人々がリモートワークをするようになり、通信機器のプラグを抜く、つまり一時的に仕事から離れる権利がいかに重要であるかを示す新しいビデオやポスター等をリリースした。

「組合は長い間、仕事をする上での条件改善だけでなく、仕事以外の生活を豊かにするためにも様々な取組みを行ってきた。つながらない権利を求める闘いは、1日8時間労働や週末の休みを求める闘いの延長だ」と、アレックス・ホグバックUNI P&M担当局長は語る。「パンデミックの間、人々の間にストレスや不安感が増大した。仕事から離れる必要があるのは明らかだ。」

不安感、絶望感、燃え尽きの度合いが高まるのはたいてい、絶えず仕事の世界とつながっていることと関係がある。このビデオやポスターの発表は「つながらない権利」の啓発キャンペーンの一環である。これに先立ち、UNI P&Mは、コロナ危機時の「つながらない権利」に関するガイドラインを発行した。このガイドラインの主なポイントは次の通りである。つながらない権利(コロナ危機時)

  • 仕事から離れる重要性を強調すること
  • 業務時間を定義すること
  • 人によって(コロナ危機から)受ける影響は様々であること
  • コミュニケーション及び研修

最近UNIが実施した70か国以上の加盟組合への調査では、半数以上が、危機の間に在宅勤務を余儀なくされた組合員のために「つながらない権利」を交渉したと回答している。UNIは、大手通信会社テレフォニカ及びオレンジとのグローバル協定の中でも「つながらない権利」条項を含めることに成功した。

「ウィルス感染防止のため、何百万人もの人々が在宅勤務をしているが、リモートワークは権利も無く働くという意味ではない」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は強調する。「仕事から離れることができれば、家族や友人との時間を持ち、休みを取り、リフレッシュし、燃え尽きないで済むよう、仕事以外の活動に専念することができる。」


テレワークと、つながらない権利

世界中の若年労働者にとって2020年は、かつてない規模の失業や将来への不安に見舞われた大変厳しい年となった。将来への不確実性、失業の高まり、様々な雇用形態、これらが絡み合って世界的に若年層の危機が発生している。しかし組合にとっては、若年労働者を守り、支え、関与を働きかける好機でもある。こうした背景から、UNI世界青年委員会は、若年労働者に重要な課題について加盟組織の若手役員と意見交換を行うウェビナーを企画した。

シリーズ第1弾は6月15日、「テレワークと、つながらない権利」をテーマに開催された。

始めに、UNI世界専門職・監督職(P&M)委員会のアレックス・ホグバック担当局長から、組合がテレワークを交渉する際のポイントと「つながらない権利」という概念について説明があった。

リモートワークに関する議論

つながらない権利(平時)

つながらない権利(コロナ危機時)

欧米ではコロナ禍以前から、仕事と私生活を両立しやすいテレワークを希望する労働者が多く、UNIは加盟組織がテレワークを交渉するための参考となるようガイドラインを作成していた。コロナ禍で浮きぼりになった課題を踏まえ、最近、改訂版を出したところだ。組合としては、テレワークの選択肢は危機の時だけでなくコロナ禍が収束しても継続して与えられるべき、テレワークは義務ではなく任意であるべき、仕事の成果の測り方や評価方法について再検討すべき、プライバシーを尊重すべき、つながらない権利を確保すべき、といった点を交渉すべきだとした。

また「つながらない権利」を交渉するには、常に仕事とつながっていることの危険性を認識し、つながっていないために罰せられないこと(逆に、常につながっていることが評価につながるわけではないこと)を明確にし、通常と例外の明確な定義や、明確な方針、上司及び部下への適切な研修が必要だと強調した。

UNI Apro(UNIアジア太平洋地域)を代表し、釘本UNI Apro青年委員会副議長は、日本におけるテレワークの拡大と特に若年労働者への影響について報告した。若年労働者にはデジタルツールは比較的馴染みやすく、メリットを活かして多様な働き方を実現できるという前向きな捉え方もある一方で、労働時間管理や労働者の健康を守るためのルール作りは必要だと述べた。

欧州(スペイン)や米州(アルゼンチン)の青年委員会代表からは、テレワークのメリット/デメリット、つながらない権利を交渉した企業事例や法制化に向けた動き等が報告された。

第2弾(6月29日)ウェビナーのテーマは「メンタルヘルス」、第3弾(7月22日)のテーマは「不安定雇用」である。


ヒーローと呼ばないで、一緒に闘おう!

6月15日は「国際正義の日」。世界中の清掃労働者及び警備労働者が、不可欠任務に就く労働者を守るための一連の要求を掲げ、職場の正義を求めて闘う日だ。世界中の人々が今、人種差別との闘いに声をあげている中、職場の正義とは何かをあらためて問い直す日でもある。

「2020年になっても1990年当時と同じだ。職場で、街頭で、低賃金、警察による残酷な行為、構造的な人種差別に反対を表明し、“(我々が)やればできる!”と叫ぼう」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は鼓舞した。「困難を乗り越え、全ての人々のために正義を勝ち取るまで闘おう。来る日も来る日も身を粉にして働く労働者は、職場で生み出した富を分かち合い、尊重され、尊厳のある生活を享受すべきだ」

世界中の組合員が、“Black Lives Matter(黒人の生命も大事だ)”運動と、さまざまな場所で起こる人種差別的暴力の被害者を支持する声をあげ続ける中、差別に反対を唱える発端となった国際正義の日を迎える。

1990年6月15日、ロサンゼルスのダウンタウンで平和的に行われていた「清掃労働者に正義」を求めるデモ抗議活動が、過激化した。労働者が互いの腕を組んで通りを横切ろうとしたところ、警官隊が立ちはだかって警棒で男女デモ参加者を殴り、多数の負傷者が出た。このような過激な扱いを受け、かえって清掃労働者は決意を強固にし、人々からの支持も広がったため、多国籍企業は清掃労働者の権利を認識せざるを得なくなった。結果、組合を結成し、医療保険をはじめとする諸手当を交渉し、協約を結ぶ等、労働者の生活水準の向上につながった。

30年を経て今、これまでの成果を祝う時、全ての人々のために、清掃・警備等の仕事をより良い仕事にしていこうと奮闘してきた、清掃・警備その他労働者が勝ち取ってきた数多くの成果を誇りに思う。我々は、1990年にロサンゼルスで闘った清掃労働者達のように、この瞬間も職場や街頭で制度的な人種差別に苦しみ続ける労働者や有色人種コミュニティのための闘いを支える取組みを強めていきたい。


リモートワークは新たな常識?

COVID-19危機により、世界中で職場が徐々にあるいは突然に閉鎖され、何百万もの専門職・監督職(P&Ms)がリモートワーク(遠隔勤務)を強いられることとなった。一部には、危機が弱まり始めて従業員が職場に復帰している場所もあるが、今回の大規模な遠隔勤務の経験と、今後の職場にとってこの経験がもたらした機会と脅威について検討することは、価値があるだろう。

危機の前でも、専門職・監督職(P&M)、とりわけ若手の専門職にとって、遠隔勤務は非常に要求の厳しいものであった。遠隔勤務のメリットについては、これまで多く強調されてきた。仕事と家庭内の責任のバランスを図る上での柔軟性の向上、ストレスの軽減、通勤時間がないことによる時間の節約、意欲と働きがいの向上、業務を遂行する上で最適な方法を従業員が選べるため全体として生産性が上昇すること、などが挙げられている。しかし、こうした調査報告は通常の状況下に書かれたものであり、COVID-19によって引き起こされた付加的ストレスや不安については考慮されていない点に留意しなければならない。

危機以前に、遠隔勤務への需要の増加に対応するのが遅かった多くの使用者は(おそらくは、業務を遠隔で遂行することは不可能、あるいは職場で監視・監督されていない状況下では従業員は一生懸命働かないだろうと疑ってかかっていた)、今では多くの場合、遠隔勤務は実現可能な解決策であると思うようになった。こうした使用者は、最近の経験をもとに今後の業務編成を改善していくことができるだろう。

しかし一方で、COVID-19危機が去った後もこの状況を利用し、短期的利益を増やすために従業員に遠隔勤務を強いてオフィスや支店を閉鎖しようとしている使用者もいる。こうした使用者は、この手法にはリスクも含まれること、そして遠隔勤務拡大へのいかなる動きも、必要な支援と仕組みが伴って従業員の自由意志でなされねばならず、従業員の安全衛生に留意して長期的な視野で計画されるべきであるという点を認識しなければならない。

こうした背景をもとに、UNI世界専門職・監督職(P&M)委員会は、世界中で労働組合が使用者と議論し、交渉するための項目リストを提起する。

 

  1. 遠隔勤務を提供し続ける

上述の通り、従業員に対する遠隔勤務の機会を提供するには、もっともな理由がある。従来のオフィス環境での業務を好む者もいるので、全ての従業員がこうした機会を活用するわけではないものの、将来的にはさらに遠隔勤務の需要が強まりそうである。したがって使用者は、最も有能な労働者を雇い続け、惹き付けるためには、遠隔勤務の選択肢を提供する上での競争力を持たねばならない。加えて、積極的に遠隔勤務者を雇用する使用者は、物理的に場所を限定して採用する使用者よりも、はるかに多くの人材プールにアクセスすることができる。

  1. だが、強制はしない

使用者は従業員に対して遠隔勤務を強制してはならず、遠隔勤務導入の決定による広範な影響を考えることもなく、遠隔勤務を口実に経費節約のためにオフィスを閉鎖したり、労働条件を切り崩したりしてはならない。全ての人が遠隔勤務に適しているわけではなく、過度な遠隔勤務には、孤立感や鬱、新たな発想や創造性の低下といったリスクが伴う。従業員が、物理的職場の特徴である人的交流の自発性から切り離されるためだ。

  1. 長期的な視野で準備する

COVID-19の危機は多くの使用者にとって予期せぬことであり、慌てて遠隔勤務の指針を作成する事態となった。いつCOVID-19が弱まるのか、あるいは我々が今後新たなウィルスに直面するのかは誰も分からないのであり、持続可能で長期的な遠隔勤務のために、使用者は時間をかけて最善の実践を構築し、業務プロセスやIT基盤を改善し、従業員に対しさらなる支援と研修を行わなければならない。自宅で業務を行うための設備機器や家具の提供なども含まれるだろう。また使用者は、同様の突発的事象においても従業員が十分な保護を受けられるよう、健康保険や病欠時の方針も見直す必要がある。

  1. 違いを認識する

通常の状況での遠隔勤務と昨今の経験は大いに異なっているのであり、使用者はこの2つを同一視しないよう注意すべきである。COVID-19危機における最も重要な課題は、学校や幼稚園も閉鎖されたため、両親は仕事と育児の両責任を同時にこなさなければならなくなった点だ。多くの外出禁止令が緊急のものだったので、従業員の多くは労働安全衛生の観点から重大な影響をおよぼす、人間工学に基づく適切な作業場を用意することはできなかった。また、通常の遠隔勤務であれば個人にとってより適した環境で業務を遂行できるかもしれないが、危機下では自宅にこもらねばならない状態となっている。

  1. 新しい文化をつくり出す

従来は、使用者が遠隔勤務の機会を提供するかどうかは、かなりの程度で企業文化に拠るところがあり、オフィスへの出社が重んじられてきた。多くの場合、遠隔勤務は否定的に捉えられ、遠隔勤務を要求した従業員は、結果として将来的な仕事の見通しについて厳しい経験をすることとなってきた。このことは、とりわけ女性や家庭の責任を担う労働者に影響を及ぼしてきた。企業はCOVID-19の経験を生かし、様々な労働形態を尊重した、より包摂的な新しい労働文化を構築すべきである。

  1. 業務の評価方法を見直す

多くの使用者は、目標を設定し成果を測定するための適切な手段を整えずに、生産性の代わりもしくは個人の達成指標として、オフィスへの物理的出社を評価の当てにしている。COVID-19危機の間、多くの場合こうした使用者は、物理的な出社要請を、絶え間ないビデオ通話やチャットを予定に組込んだデジタルなものへと置き換えた。しかし出社していることと生産性は別物であり、遠隔勤務者の業績改善の多くは柔軟かつ自身にとって最適なリズムに従い時間を管理する能力に起因するものである。オフィス環境では典型的な注意散漫状態や業務の中断もなく、職務に集中する能力も要因の1つである。

  1. 従業員のプライバシーを尊重する

COVID-19危機は、従業員がオフィス不在時に実際に働いているか否かを使用者が確認するための、監視ソフトウェア利用の大幅増加という事態をも引き起こした。常にオンライン状態のビデオソフトウェア、ウェブカメラを通して数分ごとに各従業員のスクリーン・ショットや写真を撮影するソフトウェア、パソコンのキー入力を全て追跡し、従業員が送信した全てのメールやチャットを解析するソフトウェアなどがある。プライバシーを侵害するこうした方法は、通常のオフィス環境であっても十分に問題をはらんでいるが、従業員が自宅で監視される場合には、よりいっそう問題となる。

  1. つながらない権利を保障する

従業員が私生活と職業生活の区別を維持し、これらのバランスを図るため、遠隔勤務に対応する柔軟性には、業務と「つながらない権利」が必ず伴わなければならない。常につながっている従業員が賞賛されるべきではなく、つながっていない従業員が罰せられるべきではない。UNI世界専門職・監督職委員会は、COVID-19危機下の「つながらない権利」についての概要と、平時における「つながらない権利」の交渉ガイドを公開した。

つながらない権利(平時)

つながらない権利(コロナ危機時)


前例のない時期にフィリピンSCBで特別な労働協約締結

フィリピンのスタンダードチャータード銀行(SCB)とNUBE-IFO(銀行・保険・金融機関労組)加盟組合、スタンダードチャータード銀行従業員組合(SCBEU)は、マニラでロックダウンが続く中、交渉を行い、歴史的な労働協約を締結した。

SCBEUのレイナー・クルズ委員長は、「従業員に利益を還元し、経験したことのない危機の中で労働条件の改善を図るために誠実に協約を交渉する上で、ロックダウンは労使信頼関係の障壁にはならなかった」と振り返った。銀行の人事部は、社会的距離を保つために従来の対面会議は行わず、代わりにオンライン会議で組合役員と交渉を重ねた。

団体交渉が速やかに妥結したのは、これまで築かれてきた労使間の極めて良好な関係によるところが大きい。

協約の主な成果は次の通りで、これらはフィリピンの銀行産業の中で最も良い条件である。

  • 今後3年間で29%の賃上げ。フィリピン銀行産業で最高水準
  • 無制限の病気休暇とは別に、最低20日、最大25日間の休暇
  • 女性社員に5ヶ月の有給出産休暇

グループ保険(入院、生命保険、損害保険)、歯科治療補助、夜勤手当、メーデー手当、研修補助等が、大幅に見直された。

更に銀行は誠意の印として従業員に対し、基本給1.5か月分のボーナスと、1日の休暇分に相当する現金を支給した。


野田UNI Apro会長、「人の心をつないでいこう」とスタッフを激励

新型コロナウィルス感染が世界的に拡大する中、対面会議の代わりにウェブ会議を活用せざるを得なくなっている。6月4日のUNI Aproスタッフ会議に、野田UNI Apro会長が参加し、今年1月にUNI Apro事務所を訪問して以来、初めてオンラインでの顔合わせを行った。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は冒頭、アジア太平洋地域の状況について報告した。多くの自宅待機或いは在宅勤務をしていた労働者が職場に戻ろうとしているが、未だ感染リスクに晒されている。組合はそのリスクを軽減するため、使用者や政府と安全な職場復帰に向けた指針を協議している。現在、労働運動は「新たな日常」について議論を始めているが、アジアの多くの国で労働運動に追い風が吹いているわけではない。国の財政状況の相対的な強弱に関係しているためである。低・中所得国は国際金融機関からの経済刺激対策への支援に依存しているが、国際金融機関や殆どの国の政府は、労働者に寄り添った政策や対策を立てているとは限らない。とりわけインフォーマル経済に大きく依存している国々では、労働者に優しい政策を要求する組合にとって厳しい状況である。

野田会長は、「世界的な経済危機の到来と、今後、地球規模で起こり得る政治・経済・社会のパラダイムシフトが指摘される中、それらの劇的な変化に対峙した労働運動の在り方や運動スタイルが問われることを認識しなければならない」と述べた。そして、厳しい状況の中、「人の心をつなぐこと」が一番重要だとし、IT等を活用し、加盟組織との連携を強化してほしいと、各国でリモートワークを続けるスタッフを激励した。

各部会・専門委員会担当部長から、コロナ禍にあっても勇気づけられる成果のいくつかが報告された。計画されている殆どの会議や組織化の取組みは延期となったが、ウェブ会議等の代替策を検討中である。

最後に、長年UNIの運動を牽引し、6月をもって日本に帰国、UAゼンセンの任務に就くこととなった玉井部長に、感謝の言葉が述べられた。


パンデミック中、ジェンダーに基づく暴力をなくすために

UNIをはじめとるするグローバルユニオン(GUF)とITUC(国際労働組合総連合)は共催で、新型コロナウィルスの拡大が世界的に大流行する(パンデミック)中、女性労働者への影響を取り上げ議論するためのウェビナーを3回に分けて開催している。第1回目は5月19日、「最前線で働く女性労働者」に焦点を当て、第2回目は6月2日、「パンデミック中のジェンダーに基づく暴力を止める」をテーマに議論が展開された。

UNIからは、オーストラリア店舗流通労組(SDA)のジュリア・フォックスUNI世界女性委員会副議長が、コロナ禍以前から取組んでいた、小売業で働く労働者(その多くが女性)が顧客から受ける暴力をなくすためのSDAのキャンペーンについて報告した。コロナ禍の影響で、顧客のストレスが更に高まり、暴力の件数が急増する中、SDAは営業を続けるスーパー、ファストフードチェーン、ショッピングセンター等の使用者に10項目の安全対策(社会的距離を保つための床に印、キャッシュレス支払い促進、レジ前の透明シート設置、定期的消毒、無償で個人用防護具支給、警備強化、暴力は断固許さない方針等)を働きかけ、採用された。また、エッセンシャルワーカーに対する暴力には罰金が科される州があるものの、エッセンシャルワーカーの定義にスーパーで働く労働者が入っていなかったので、含めるようにさせたり、感染防止・安全の訓練を前倒しで導入させたりして、労働者を感染リスクや顧客の暴力から守っている実例が報告された。ジュリアは最後に、「交渉に女性が加わることが不可欠だ。女性が声を出さなければ、弱い立場の人々を守ることはできない」と訴えた。

この他、PSIの医療労組(スワジランド)から介護や医療に従事する女性の現状について、国際家事労働者連盟から香港における外国人家事労働者の現状について、またインドで実施された家庭内暴力の実態調査の結果等が報告された。

第3回目は6月15日、「新しい日常におけるジェンダー平等」をテーマに開催予定。日本時間21:00~22:30。Facebook等でURLが告知されるので、関心のある方は是非ご参加を。


ホフマンUNI書記長から米国の労働組合へ:我々は正義を求める呼びかけに加わり、人種差別を根絶する闘いを支持する

クリスティ・ホフマンUNI書記長から米国の加盟組織への声明

全米のUNI加盟組織は、ここ数日、警察によるジョージ・フロイドの殺害を非難し、米国における黒人男女に対する人種差別残虐行為の最近の犠牲者であるジョージ・フロイド、ブリーナ・テイラー、アーマド・アーブリーの正義を求めて声を挙げている。

国際連帯とは、1人の痛みは全ての人の痛みであることを意味する。UNIは、正義を求める皆さんの呼びかけに加わり、人種差別を根絶する皆さんの闘いを支持する。組合として我々は、人種的正義なしに経済的正義はないことを知っている。我々の目的は、声を挙げられない人々に発言の場を与え、肌の色や信条に関わらず、全ての労働者の立場を高め、エンパワーすることだ。それは構造的な人種差別の重圧の下では起こり得ない。

我々は、これらの恐ろしい行為に悲しみ、怒り、抗議する人々を支持する。我々は、抗議行動を弾圧するため軍隊を配備すると約束し、より強硬な警察の戦術を求めてきたトランプ大統領の発言に対する警戒感を共有する。抗議を鎮めるどころか激高させている。

まさに苦痛と、悲しみ、怒り、そして恐怖の瞬間である。しかし、希望と、大胆な行動、重大な変化、そして決意を新たにする瞬間でもある。ある活動家が金曜日の夜、路上での暴力に終止符を打つよう呼びかけたように、我々は平和をもたらす人種的正義のために「構想を練り、計画と戦略を立て、組織化し、動員」しなければならない。

人種差別との闘いは皆の闘いだ。我々は行動を呼びかける。

連帯しよう。

#BlackLivesMatter #JusticeforGeorgeFloyd


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