6月 2020のお知らせ

UNIフィリピン加盟協、報道の自由を求め、連帯の声

6月15日、フィリピンのニュース配信サイト「ラップラー」のCEO兼編集長のマリア・レッサ氏及び同社の元記者レイナルド・サントス・ジュニア氏に対し、マニラ地方裁判所からネット上の名誉棄損で有罪判決が下った。これはフィリピンの不安定な報道の自由が更に侵食されていることを示すものだ。2019年1月から2020年4月までに、報道関係者に対する61の立件があり、同時期に少なくとも3人のジャーナリストが殺害されている。

UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)は、同国でますます高まる報道の自由及び表現の自由に対する脅威に対し、声を挙げている。報道の自由に対する攻撃は、健全に機能するメディアの情報が人々に届けられる必要があるこのパンデミック期に、深刻な問題となっている。更にドゥテルテ政権は、合法的な反対意見を抑えるために使われかねない条項を持つ、新たな2020年「反テロ法」の成立を急いでいる。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は次のように懸念を表明した。「UNI Aproは、フィリピンにおいて、基本的自由が絶え間なく攻撃されていることを非常に憂慮している。特に、ITUC(国際労働組合総連合)の2020年度世界権利指標で、フィリピンは労働者にとって最悪の国トップ10に入っている。我々は、報道の自由及び表現の自由に対する攻撃を止めるよう政府に要求するUNI-PLCの闘いを強く支持する。」

UNI-PLCは、マリア・レッサ氏とレイナルド・サントス・ジュニア氏の有罪判決と、政権によるジャーナリストやメディアへの攻撃を非難し、これらの攻撃を止めるよう要求する声明を発表した。


メンタルヘルスと若年労働者

6月29日、「メンタルヘルスと若年労働者」をテーマに、UNI世界青年委員会ウェビナー第2弾が開催された。

最初に、WHO(世界保健機関)のアイシャ・マリカ博士及びノルウェーのライフマネジメント・公衆衛生センターのイングリッド・ブルン氏から、メンタルヘルスの概要について聞いた。

アイシャ博士は、若年層は精神的に影響を受けやすく、支援も行き届かない中、コロナ禍で状況は悪化しており、若年層の自殺の半分はメンタルヘルスが原因だと述べた。「仕事との関連では、精神的に不健康な労働者は本人の生産性だけでなく職場全体にも悪影響を及ぼす。その解決には、国連やWHOが推進するような世界各国を関与させるアクションが不可欠であり、コミュニティサービスを強化したり、職場においてはメンタルヘルスへの偏見をなくす取組みを行ったり、皆それぞれにできることがある。」

イングリッド氏は、若年層の精神的苦痛の要因や、成人のメンタルヘルスとの違い、その後の人生への影響等を概説し、コロナ禍で孤立感・否定的思考が強まり、かつ適切なケアが受けにくい状況にあると指摘した。こうした若年層をメンタルヘルスから守るには、オープンなコミュニケーションとメンタルヘルスに関する正しい情報、若年層に寄り添ったサービスが重要だと述べた。

続いて、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は、コロナ禍がメンタルヘルスに及ぼす影響についてジェンダーの視点から分析した。無給の家事労働の他に、登校できない子供の世話が加わり、負担が倍増するが、女性の仕事だと思い込み助けをなかなか求めない。家庭内暴力の被害者である場合、加害者から逃れられない。こうしたことから女性の方が男性より影響を受けやすく、コロナ禍で状況は悪化している。

ベルナデット・レイズUNI Apro青年委員会議長(フィリピン銀行労組)は、アジア太平洋地域の若年労働者がコロナ禍により受けている精神的ストレス(失業、仕事の不確実性、収入減、休業要請、賃金支払いの遅延等)により、恐れ、不安、鬱等に陥り、自殺に至る例もあると述べた。既に警戒すべきレベルに達しており、組合は組合員及びコミュニティを守るため手を差し伸べなければならないと主張した。

チェコの東欧組織化センターのオルグである、パブラ・ジェンコバによれば、コンタクトセンター労働者はコロナ禍のためテレワークを強いられ、オンラインアンケートでもストレスの増大やメンタルヘルスの悪化が浮き彫りになった。しかし、メンタルヘルスはタブー視されており、相談すら躊躇するため、オンラインカウンセリングを実施しても誰からも支援の要請がなかった。そこで、「メンタルヘルスの問題は異常なことではなく、誰にでも起こり得るもの」と意識を変えさせ、自由に話せる雰囲気を作ることが重要だと述べ、支援を必要とする労働者にどうアクセスし、どう支援していくかを検討していると報告した。

英国通信労組(CWU)のルーク・エルガーも、「自分が弱いから、自分に問題があるから、メンタルヘルスに異常をきたすわけではない」と述べた。CWUでは若手が主導してメンタルヘルス対策チームを設置し、700人の職場代表がこれまでメンタルヘルスの研修を受けたという。身体的健康を維持するため、自宅での運動や十分な睡眠も奨励し、「みんなで困難を克服していこう」というメッセージを発信している。研修を受けた職場代表が身近におり、組合は不安を抱える他の人の問題に耳を傾ける体制を整えている、と知らせることが重要だと述べた。

最後に、マルタ・オチョアUNI青年委員会担当局長は、コロナ禍で更に浮き彫りになったメンタルヘルスの問題は、孤立を防ぐコミュニケーションや、メンタルヘルスに関する正しい情報、タブー視や偏見をなくす努力等、組合が解決に向けて取組むことのできる課題だとまとめた。


ブラジルのサンタンデール銀行、組合との約束を反故にし、労働者を解雇

スペインのサンタンデール銀行は2020年3月、ブラジルのイタウ銀行、ブラデスコ銀行とともにUNIの加盟組織であるContraf-CUTとの間で約束を取り交わし、COVID-19危機の期間中、ブラジルにおける雇用を維持し、解雇を避けるとした。これはパンデミック期における労働組合にとって、最も重要な要求の1つであった。

しかし6月10日にサンタンデール銀行は、ブラジルの銀行としては初めて、パンデミック中に解雇を実施したのみならず、COVID-19感染者が増加し続けている最中に、ブラジル国内の支店業務再開を指示した。

サンタンデール銀行はすでに160人の従業員を解雇し、その理由を経済危機の影響としている。しかし、ブラジル連邦政府は流動性資産にして1兆レアル以上(1695億米ドル)を金融機関に対して支援してきた。また、同行は最近、2020年の1〜3月に38億5千万レアル(6億5260万米ドル)の利益を計上しており、これは2019年の同時期から10.5%、第4四半期から3.4%の増加である。ブラジルにおけるサンタンデール銀行の利益率は22.3%に達しており、同行の世界規模での第1四半期収益の29%はブラジルにおけるものだ。

ブラジルのサンタンデール銀行は、国内従業員のうち9千人以上に相当する2割を解雇する予定だと発表した。この人員削減計画によって解雇された労働者の1人は、次のように説明した。

「解雇は電話で告げられた。私はサンタンデールで20年以上働いのだから、少しは配慮してもらえるかと期待していたのに。特に健康状態を理由にされた。私は従業員の中でもリスクの高いグループに入っているとされ、会社はこのグループの人たちを守りたいからだと言ってきた。しかし本当のところは誰のことも守っていない。従業員を解雇しなければならないという時、躊躇がなかったのだから。」

マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は、強く非難した。「世界的パンデミックの中、感染拡大の中心地となったブラジルで今、労働者を解雇するとは、非人道的な経営以外の何物でもない。通常の状況下でも新たな職に就くことは困難なのに、このような状況で解雇されるとは、労働者にとってどれほどの意味があるか。サンタンデールが他国で労働者を解雇しないならば、ブラジルでも同じ待遇を要求する。労働者代表との交渉および署名された合意が尊重されることを求める。」

リタ・ベルロファUNI世界金融部会議長も、怒りを顕わにした。「ブラジルでサンタンデールがとっている態度は決して容認できない。非常に深刻な政治的・経済的・健康的な危機に直面しているこの時期こそ、労働者は守られていると実感を得たいであろう。にもかかわらず、我々が目にしているのは何か。多額の利益を得、役員へ巨額の報酬を払う一方で、労働者を軽視する使用者だ。解雇は社会全体に影響を及ぼし、危機を悪化させる。パンデミック中に解雇を行わないとの合意を反故にするのみならず、サンタンデールはこの機を利用し、社会保障権を脅かし、従業員に販売目標の達成を要求し、それを満たさない者は解雇するとの脅しすらかけてきた。労働者に対するこのような処遇は、サンタンデールが存在する他の国では見られないことだ。ブラジルの労働者と社会を尊重し、社会対話を行い、組合との合意を守るべきだ」と要求した。

サンタンデール銀行は、販売目標の達成を従業員に要求し、これを達成しない従業員には、解雇をちらつかせて脅してきた。

アンジェロ・デクリストUNI世界金融部会担当局長は、「サンタンデール銀行は、COVID-19危機の間に雇用を守るという約束を破り、労働者に対して極度に敬意を欠いた態度を示している。我々は銀行に対し、約束を守り、労働者を解雇する言い訳にパンデミックを持ち出さないことを強く求める」と述べた。

UNI米州はブラジルのサンタンデール銀行副頭取に書簡を送り、今回の解雇措置および同行の頭取による「在宅勤務労働者の賃金は引き下げるべき」との公式声明を認めない姿勢を示した。

オンライン署名はこちらから:

https://www.labourstartcampaigns.net/show_campaign.cgi?c=4389


世界選手会:安全な競技再開に必要な6要件

世界選手会は6月4日、COVID-19による世界的な競技中止を受け、選手、チーム、リーグ、放送局が、プロスポーツの無観客試合再開を交渉する中、あらゆるスポーツが対処すべき6つの必須条件があると主張した。

世界選手会は、各選手会と集中的な協議を行い、医療や公衆衛生の専門家、スポーツ医、疫学者、労働安全衛生の専門家、弁護士等の専門的な知見を盛り込んだ「安全に仕事及び競技を再開するための指針とすべき検討事項」を策定してきた。

この検討事項は、各選手会が競技再開に向けた交渉を行い、競技が再開した際に選手の安全衛生を慎重にモニタリングすることを支援する目的で作られ、安全に仕事及び競技を再開するための包括的な枠組みを示している。

次に挙げる6つの原則の下、検討事項として考慮すべき重要な問題が提起されている。

  1. 関連市場における公衆衛生上の危機が収束していること。
  2. 選手は、自身の安全衛生に関してCOVID-19が要因となる固有の個人的及び環境のリスクから保護され、もし感染した場合には、最高水準の治療を受けられること。
  3. 選手は、プレー復帰の法的、経済的、健康上のリスクを負わないこと。
  4. メンタルヘルスや社会福祉に関する適切な支援のメカニズムがあること。
  5. スポーツの現場に内在するリスクを前提とすれば不可欠な、選手の安全衛生に関する通常の高い基準は、今後も維持されること。
  6. パンデミック第2波が起こる可能性を仮定し、各スポーツは透明性のある「次善の策」を備えておくこと。

UNIのブレンダン・シュワブ世界選手会担当局長は、「世界中で多くの選手達が現場に戻るために努力してきたが、いかなる犠牲も払ってはならない。競技再開の経済的圧力によって、選手の権利と安全が損なわれてはならない」と訴える。

「COVID-19は未知な点が多く、未だ感染性の高い病気であり、確立した治療法や有効なワクチンがない。スポーツをプレーすることは、ウィルス感染拡大を抑えるために社会が規律をもってとっている措置とは相反する。現場に戻ることで、選手は自身と家族を危険な状況にさらす可能性に置かれる。」

「我々がまとめた『指針とすべき検討事項』は、選手会が安全な競技再開に向けた交渉を行う際に役立つだけでなく、劇的に進化し変化していく環境の中で競技再開を注意深く監視する上でも有効なものだ。」

また、クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「労働組合は、パンデミックの間に労働者の安全と権利を保護する上で非常に大きな役割を果たしており、それはスポーツの世界でも同様だ。UNIの仲間である世界選手会が提示する6つの必須条件は、安全な競技再開に向けた非常に有益な枠組みを示すものだ」と述べた。

世界選手会は、プロスポーツ選手や競技者を組織し、意見を代弁する唯一の国際組織で、60か国以上、100を超える選手会の85,000人もの選手が結集している。その役割は、組織化された選手の意見が、国際スポーツの意思決定機関の最高レベルに届くようにすることである。


ILO第190号条約がついに現実のものに!

ウルグアイ、フィジーの批准により、この重要な条約がついに現実のものに!

2020年6月25日、ILO第190号条約が現実のものとなった。この条約は2019年6月のILO総会において圧倒的多数の加盟国の支持によって採択された。ウルグアイが初めて批准し、この日、フィジーが2か国目の批准国となったことにより、第190号条約は2021年6月に発効することとなる。仕事の世界で労働者を暴力やハラスメントから守るための重要な国際基準となる。更に多くの国が批准するよう、共に働きかけていこう!第190号条約は、人々の生活を変えることができるのだから。


韓国フレゼニウス・メディカルケア労組、初の団体協約を締結

2020年6月初め、韓国フレゼニウス・メディカルケア(FMC)労組は、フレゼニウスと初めて団体協約を締結したと発表した。初の協定によって、韓国の労働者の生活改善、組合の権利の保障、韓国FMC労働者の労働条件改善が期待される。

新たな団体協約には、公正な賃金、福利厚生、労働安全衛生、人権に基づく安定した枠組みが規定されており、ハラスメントからの保護やジェンダー平等も含まれる。また、組合活動家が「就業時間中に」組合の権利を行使することを認めており、団結権も保障される。

アルケ・ベシガーUNI副書記長は、「長年にわたる闘争が、ようやく韓国FMCの皆さんのために実を結びつつある」と喜んだ。「我々UNIファミリーは、誇り高く実効性ある韓国の労働運動を支援し強化していく」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「韓国フレゼニウスFMC労組の成功は、韓国の労働運動にとって新たな節目となる。アジアの他地域や世界の仲間を勇気づけるだろう」と述べた。

組合にとって団体協約は、感動的な節目として祝うだけでなく、UNIや韓国民主医薬労組(KDPU)等からの大きな支援に感謝を示す機会でもあった。韓国FMC労組は、イ・ヨンドク議員の尽力に感謝すると共に、今年2月、組合行動と合わせて協約締結に向けた最後の一押しをしたルーベン・コルティナUNI会長、アルケ・ベシガーUNI副書記長に謝意を示した。

キム・キュナン韓国FMC労組委員長は、「これは歴史的な協約であり、現場の労働者にとって大きな良い変化をもたらすだろう」と期待した。

この協約では、時間外労働について明確に規定され、更に年間150万から1000万ウォンに及ぶ画期的な福利厚生も設けられている。


UNI世界女性委員会、コロナ禍で多くの役割担い奮闘する女性労働者の声を共有

6月23日、新型コロナウィルスの世界的な感染拡大を受け延期となっていたUNI世界女性委員会が、約3時間に渡りオンラインで開催された。今回は特別に世界女性委員だけでなく各地域の女性委員や加盟組織の女性組合役員にもオブザーブ参加が奨励され、世界各国から約130人が参加し、コロナ危機の中、各国の様々な産業で働く女性達が直面している課題について共有した。日本からは、UNI Apro女性委員会副議長を務める景中悠紀損保労連事務局次長が金融部門を中心に働く女性達へのコロナ危機の影響について日本の状況を報告した。また、UAゼンセン、JP労組からもUNI Apro女性委員及び国際担当者がオブザーブ参加した。

冒頭の挨拶でパトリシア・ナイマンUNI世界女性委員会議長(南アフリカSACCAWU)は、コロナ危機の中で女性に多くの役割が科され、ストレスが増大しているが、人間は社会的な存在であり心のケアが重要だと述べた。また、米国から始まったBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)運動にも触れ、世界女性委員会としてジェンダー差別のみならず人種差別の問題にも取り組んでいくと連帯を示した。クリスティ・ホフマンUNI書記長は、コロナ禍において健康上の危機、経済的な危機が進行し、女性はこうした危機のしわ寄せを最も受けているが、このような時代だからこそ、労働組合の力を高め、存在を可視化し、未組織労働者を取り込み、彼らが抱える課題を解決していくことが重要だと強調した。

COVID19女性労働者への影響

各地域議長及び女性委員からの報告が行われた。コロナ危機の中、女性は多くの産業でエッセンシャルワーカーとして前線で働いているにも関わらず、男性に比べ低賃金で、個人防護具(PPE)へのアクセスも十分でなく、常に感染のリスクにさらされていること、また、ロックダウンで学校が閉鎖となったために、これまでの家事・育児に加え、学校教育の担い手という役割も課されていること、移動が制限される中で家庭や職場での暴力も増えていること等が共通の課題として報告された。

ILO190号条約及び206号勧告の批准状況

2019年6月に成立したILO190号条約及び206号勧告の批准状況、関連してこの間にUNI機会均等局が他のGUFやITUCと共同で開催したウェビナー等の活動及びキャンペーンについて、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長が報告した。同条約はこれまでにウルグアイが批准し、スペイン、アルゼンチン、フィジー、フィンランド等も批准に向けたプロセスを進めている。続いて挨拶したデニス・マクガイア前UNI世界女性委員会議長からも、新型コロナウィルスのパンデミックにより女性に対する暴力が増えている中、以前にも増して各国が同条約を批准する重要性が高まっていることが強調された。参考: ILO第190号条約チラシ

ワークライフバランス・アンケート

全UNI加盟組織を対象にCOVID‐19パンデミックが労働者のワークライフバランスに与える影響について調査するため行われたオンライン・アンケート結果の一部が共有された。約4800人(うち約3100人が女性)が回答し、家事や育児の負担に加え、学校に代わり家庭で教育を行う等、女性がより多くの役割を担っている実態が分かった。また、オンライン・コミュニケーション・ツールの活用が促進されたことにより、自らのデジタル・リテラシーが高まったという副次的な効果も見られた。調査結果の詳細については、近く加盟組織に共有される。


世界の映画・テレビ産業の安全な再開に向けて

映画・テレビ製作におけるコロナ後の対策に関するFIA/UNIメディア部会共同声明

22か国、50万人以上の実演者・撮影クルー等を代表する34組織がグローバル・ウェビナーに参集し、ワクチンが未だ開発されていない中でのコロナ後というシナリオで、映画・テレビ製作を再開するにあたり、優良事例を共有した。

かつてないほどの連帯と協力の精神をもって、国際俳優連盟(FIA)及びUNIメディア娯楽芸術部会(UNI MEI)の加盟組織は、この数週間、映画・テレビ製作が次第に再開される中、実演者・撮影クルー等のための、妥協のない科学的根拠に基づく安全衛生基準を促進するため不眠不休で取組んできた。

娯楽産業労働者の生活は新型コロナウィルス感染拡大防止のロックダウン措置によって経済的・社会的に厳しい影響を受けており、労働組合及びギルドは新しい日常に戻ることを歓迎する。しかし、同時に不要なリスク防止のため製作手順を調整する覚悟もある。この前例のない健康への恐怖は先が見えない。急いでも安全は確保できない。

世界のテレビ・映画部門の収益は毎年およそ5400億米ドル、何百万人も雇用し、多くのフリーランサーや個人事業主と契約している。3月以降、世界中のあらゆる製作は中断或いは延期された。労使で設立した連帯基金や、経済的支援プログラム、公的な失業手当等によって、仕事の中断の影響は軽減されたものの、映画・テレビ番組製作への持続可能な投資の確実性を取り戻すには、安全に製作を再開するしかない。

ウェビナーでは、オーストラリア、フランス、英国、米国の組合やギルドが交渉した4つの安全ガイドラインが示された。それらのガイドラインでは、検査から、俳優・撮影クルー・製作スタッフ等の保護、スタジオ及びロケ現場での撮影日数の調整等、製作のあらゆる行程における様々な問題の詳細が取り上げられている。

最近は、新型コロナウィルス防止の特別な対策を周知・アドバイスし、実施をモニターし徹底するための特別な安全衛生部署の設置も当然ながら不可欠となっている。中核となる実演者・撮影クルーの周囲にセキュリティの層を設置すると共に、現場で陽性の検査結果が出た者には有給病気休暇が与えられるようにすることも重要である。収入を失うことを恐れて、名乗り出ることを恐れてはならない。ウィルス感染リスクが高いと思われる者も含め、全ての年齢の実演者に公平な配役の機会を担保するよう、特別な取り決めも推奨される。

今後も、FIA及びUNI MEIは、国内及び国際レベルの同産業のステークホルダー及び関係当局と連携し、新型コロナウィルス対策として最高水準の安全手順を促進する加盟組織の取組みを支援していく。

FIA会長 フェルネ・ダウニー(カナダACTRA:俳優組合)は語る。「実演者は製作プロセスの中心におり、仕事に戻りたいと願っている。しかし、安全性が確信できるまでは戻れない。組合やギルドは、懸命に知見を共有し、現場で、最良の科学的調査に基づく最高の安全基準を促進するよう取組んでいる。これらの手順が適切に実施されれば、世界中の観客に新しいコンテンツを届けることができると信じている。UNI MEIや姉妹労組との素晴らしいコラボレーションを評価すると共に、私たちのパートナーシップを深め、前進していきたい。」

UNIメディア部会議長 マシューD.ローブ(米国IATSE:国際舞台演劇映画組合)は、「俳優や撮影クルーを最大限守り、我が産業の持続的な再開を果たすには、世界中の組合やギルドの協力が不可欠だ。FIA及びその加盟組織の仲間との連携の継続に期待している。国境を越えて定期的に情報・専門性・経験を交換することによって、どの組合も、組合員を安全に仕事に復帰させる能力を高めることができるだろう」と述べた。


フェイスブックの組合潰しツールはテック企業全般に蔓延する問題

フェイスブックが、職場用アプリの新しい管理機能は組合潰しのツールとして使える可能性があると発表した後、同社への批判が殺到している。

テック企業をはじめ、サービス産業の労働者を幅広く代表するグローバルユニオン(国際産業別労働組織)の1つであるUNIは、このような議論が起こるのも、フェイスブックやテック産業全体で、結社の自由という権利が無視されていることを表していると指摘した。

「フェイスブックのネットワークでは、反民主的で甚だしく危険な表現が可能だが、企業がフェイスブックの新しい社内コミュニケーションアプリを利用した場合、例えばクライアント企業が抑圧したいかもしれない用語として、“組合結成”という言葉を一例に挙げた。批判を受け、フェイスブックは、根拠のない発言ミスだったと言い訳をしたが、そのような背景があることは明らかだ。フェイスブックは、ウォルマート、スターバックス等のクライアント企業の反労組的行為で儲けようとしている。その上、組合潰しは全く問題がなく容認できることだと信じている。だからこそ、うっかりとは言え平然とそんなことが言えるのだ」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は憤慨する。

フェイスブックは、直接雇用の従業員による組合結成を妨げてきた。現在、米国のフェイスブックの請負業者は、悪意のある反労組キャンペーンに遭っている。

「フェイスブック、グーグル、アマゾンその他テック企業のトップは、彼らの公言が世界を変えるほど影響力があることをもっと自覚し、自らの見解に沿って行動する時だ。まず、自社及び請負業者の労働者の権利を抑圧することを止めるべきだ。従業員が組合をつくりたいという意思や努力に反対しない、と約束しなければならない」とホフマンUNI書記長は訴えた。

最近、アマゾンウェブサービスの前副社長、ティム・ブレイ氏がUNI主催のグローバル・アマゾン労組同盟のフォーラムで、アマゾンをはじめテック企業になぜ組合が必要かを力説したところだ。


歴史的なILO第190号条約採択から1周年

ILO第190号条約採択1周年を記念して

この6月21日で、ILOが、仕事の世界における暴力やハラスメントを撲滅するため、第190号条約を圧倒的多数で採択して1年を迎えた。この画期的な国際条約を補足する、第206号勧告も採択された。この条約及び勧告は、仕事の世界における暴力やハラスメントから労働者を守るための国際的な法的枠組みとなった。

国連の統計では、15歳以上の女性の35%(世界全体で8億1800万人)が家庭内、コミュニティ、職場等で性的或いは身体的暴力を受けたことがあると示されている。3か国中1か国以上で、職場における性的嫌がらせを禁じる法律がなく、2億3500万人の女性が保護されていないと推測される。

ジェンダーに基づく暴力は、個人悪というより制度的悪である。被害者は、ジェンダー、性自認、性的指向、階級、人種等、様々な理由によりターゲットとされる。労働者は被害を訴えれば、失職したり更に酷い暴力を受けたりするかもしれないと恐れ、追い詰められてしまう。このように力のアンバランスがあるため、使用者は、従業員に家族も養えないようなわずかな賃金しか払わず、安全でない職場を放置し、職場における暴力やハラスメントの文化を増幅させてしまう。

条約が採択されてから、ウルグアイが唯一批准した。また、スペイン、アルゼンチン、フィジー、フィンランド等の国が批准に向けた手続き中である。

「新型コロナウィルスのパンデミックにより女性に対する暴力が増えている中、以前にも増して各国がこの条約を批准する重要性が高まっている。各国政府は世界的な健康危機の影響を抑えることに全力をあげているが、暴力及びハラスメントの根絶が優先順位から落とされることがあってはならない」と、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は訴えた。「加盟組織と共に、できるだけ多くの国に条約批准を働きかける取組みを継続していく。この条約の実施を止めることはできない。」

加盟組織による各国政府へのロビー活動を支援するため、UNIは他のグローバルユニオン(国際産業別労働組織)と連携し、#itcanchangelives(#人々の生活を変えることができる)をスローガンとしたキャンペーンを展開している。力を合わせて、条約の批准と実施を実現させよう!

ILO第190号条約リーフレット


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