5月 2020のお知らせ

ブラジルの郵便労組、ブラジル郵便局(コレイオス)と安全対策で譲歩を勝ち取る

ブラジルでは20人以上の郵便局員が新型コロナウィルス感染で死亡した。ブラジルの郵便事業者コレイオスは、組合の要求を受け入れ、適切なリスク評価や安全対策がないまま、緊急支援金給付のために郵便局を使用する計画を中断した。

郵便局を通じて支援金を給付すれば、社会的距離の確保等、感染拡大防止に必要な安全対策が不十分な支店に1800万人が押し寄せることになる。組合は、感染から労働者及び顧客を守ろうにも、郵便局員に、個人用防護具や適切な安全基準がないと訴えている。

UNIはコレイオスに書簡を送り、UNI世界郵便・ロジスティクス部会に集う世界中の労働組合が、ブラジルの状況を深く懸念していると伝え、労働者の命を守るため早急に対策を取るよう要求した。

UNI及びブラジルの郵便労組、FINDECT及びFENTECTからの要求を受け、コレイオスは5月25日から、給付金申請の受付けを遅らせ、近くサービス提供ができるようシステムを調整中であると発表した。

「UNIの迅速な対応のおかげで、コレイオスと通信大臣は、労働者及び顧客の感染防止のための要求に応えられるまで、事業活動の再開を中断することとした」と、FINDECTのホセ法務部長は感謝した。FENTECTのエメルソン広報部長も、「UNIが危機の中で労働者を守る安全対策を取るようコレイオスに書簡を送付した後、コレイオスは、ブラジルの郵便局員に安全対策が欠けている状況が国際組織に注目されていることに気づいた。UNIのアクションは、最前線で働く郵便局員の闘いを支える上で非常に重要だ」と強調した。

組合は、ブラジルの郵便局を民営化しようとする政府の計画とも闘っている。マルシオ・モンザネUNI米州地域書記長は次のように述べた。「郵便サービスは、ブラジル国内の遠く離れた場所にも支援を給付するために提供されている。この危機の間、コレイオスは極めて重要な役割を果たしてきた。全ての郵便局員はパンデミックの中で献身的に働き続けている。しかし最前線で働く労働者の安全対策は極めて不十分だ。我々は、あらためて、ブラジルの郵便サービス民営化計画は、経済的及び社会的な観点から間違いであると主張する。」

「パンデミックの中、更なる労働者を不必要に危険に晒す前に適切な安全評価を実施するよう求めた我々の訴えを、コレイオスが受け入れたことを評価する。コレイオスだけでなく世界中の郵便事業者に、UNIが提案する郵便部門の安全対策ガイドライン(UPUとUNIの共同声明(3月27日))を参考にしつつ、コロナ危機の間、労働者及び顧客の安全を確保するよう要請する。UNI世界郵便・ロジスティクス部会は、今後もブラジルの郵便局員を守るための組合の闘いを支援していく」と、コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は述べた。


韓国サービス労連/マート部門労組、イケアとの基本的合意を勝ち取る!

新型コロナウィルス感染が未だ収まらない暗黒の中、韓国サービス労連(KFSU)傘下のマート部門労組(ハイパーマーケット労働者を組織する産別)が、2020年4月17日、韓国イケアを組織化し、同社と初の基本的合意に達したとの朗報を受けた。

韓国イケアは2014年に初めて韓国に進出し、今では4店舗まで拡大した。

世界的に有名なブランドであるにもかかわらず、イケアの店舗労働者は当初から問題に直面していた。韓国イケア労組のチュン委員長は、イケアは韓国の流通部門の中で最も賃金が低いと述べた。労働者によって異なる労働時間が割り当てられるという非標準的な業務編成も複雑だった。週16~20時間働く人もいれば、25時間、40時間まで働く人もいる。

恣意的な労働時間と低賃金のため、労働者は生活を維持管理するのが困難で、それが組合結成の動機となった。KFSU/マート部門労組は2月20日、光明地区にある韓国のイケア1号店で組織化キャンペーンを開始した。

基本的合意には、組合事務所スペースの提供に加え、交渉を含む組合活動に参加したり、健全な労使関係促進のための組合教育を行ったりするため、15人の組合役員への120時間までの有給休暇付与等が含まれる。KFSU/マート部門労組のキム委員長は、韓国イケア経営陣との交渉で、労働条件を改善するために、労使双方が国際労働基準と国内法を尊重しなければならないと繰り返し述べた。KFSUは、労働者が韓国イケアで働くことを誇りに思うような企業になることを非常に期待している。

現在までに、韓国イケア労組には400人を超える組合員が加入した。

UNI世界商業部会は、KFSU/マート部門労組及び韓国イケア労組の功績を祝福した。マタイアス・ボルトン担当局長は、「この試練の時に、イケア労働者と組合が交渉に成功したことは素晴らしく、皆の士気も上がる。韓国イケア労組を、イケア労組ネットワークの一員として歓迎したい」と述べた。

ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長も、組合の成功を称え、今後の緊密な協力を約束した。


UNI Apro印刷・パッケージング部会、初のオンライン委員会開催

2020年5月28日、UNI Apro印刷・パッケージング部会は、初めてオンラインで年次委員会を開催した。

冒頭、ロレイン・キャシン議長(オーストラリア製造労組)は、開催の経緯を説明した。3月にインドネシア・ジャカルタでの開催を予定していたものの、年明けから現地で大洪水が発生したため延期となり、続いて、新型コロナウィルスの感染が世界中で拡大し、当面の国際会議開催の目途が立たないことから、第1回オンライン会議を開催することとした。目的は、コロナ禍の間、UNI Aproの仲間が健康でいることの確認、デジタルツールを活用して、つながり合い、最新情報や意見を交換すること、コロナ禍で既に実施された活動を報告すると共に、今後の活動計画やコロナ後について議論することであると述べた。

続いてクリスティ・ホフマンUNI書記長、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長が挨拶し、社会を支える重要な役割を果たす製造部門で危機の最中も奮闘する印刷・パッケージング産業の仲間に敬意を表した。コロナ禍で人々の往来や接触は制限されても、UNIや加盟組織の取組みは決して中断することはなく、むしろ、社会の弱者や組合の交渉の恩恵を受けられない労働者に組合が手を差し伸べ、コロナ後の新たな経済を構築する議論に組合が積極的に関与する絶好の機会であると強調した。ニコラ・コンスタンティノウUNI世界印刷・パッケージング部会担当局長からは、この間、コロナ禍で働く労働者を守るための対策やガイドラインをまとめ、本産業の大手多国籍企業や欧州、ラテンアメリカの使用者団体に協力を働きかけてきたこと等が報告された。

オーストラリア、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ネパール、タイの参加者から、各国、各産業・部門、企業における新型コロナウィルス感染防止対策や、労働者の状況等に絞って簡潔に報告が行われた。

全印刷・梅原委員長は、製造部門は最低限に人員を絞り納入に支障をきたさないよう製造を続けているとし、紙幣や官報の製造量は変わらないが、パスポート製造量の大幅減少を報告した。

印刷労連・佐藤委員長は、印刷産業は社会インフラを支えていることから自粛や規制の対象ではないが、感染予防の観点から製造部門でも、人員を絞り生産活動を継続していると述べた。コロナの影響により、特にパンフレット、カタログ、スーパーのチラシ等の印刷が大幅減少する一方、パッケージング印刷は、冷凍食品等の需要が増えているが、全体としては減少している状況を報告した。

大日本印刷労組・別府委員長は、コロナ対応に関してUNIが発信したメッセージや各国の組合の取組みに勇気づけられながら対応していると述べた。植野書記長は、コロナ禍以前から導入を拡大していたテレワークについて、運用面の課題を踏まえ、どう上手く進めていくか反映させることができたと報告した。

小川UNI Apro印刷・パッケージング部会担当部長は、2020年度の当面の活動は延期し、第2回オンライン会議を9月に行うことを提案した。委員会は、9月の段階でその後の活動計画を見直すことを確認した。


COVID-19パンデミック期におけるワークライフバランスについてのアンケートに協力を

UNI機会均等局は、COVID-19パンデミックがサービス産業の労働者のワークライフバランスにどのような影響を及ぼしたかを調査するためのアンケートを開始した。

COVID-19危機によって、隔離・孤立した状況で在宅勤務を行わなければならない労働者、育児支援の無い中で仕事をやりくりせねばならない労働者、あるいは失業した労働者に対し、新たなストレスが生まれ負担が増大している。今の状況が、どのように職業生活及び家庭生活に影響を与えているのかを把握するためだ。

アンケート(英語版)は下記リンクから。チェック方式で、回答は匿名で扱われる。

http://uni-iwd.org/quiz/covid19/en/

(以下、質問和訳)

Q1:あなたは次のうちどれにあてはまりますか?

  • 女性
  • 男性
  • その他

Q2:COVID-19の影響で、在宅勤務をしていますか?

  • はい
  • いいえ

Q3:あなたの夫/妻/パートナーも、在宅勤務をしていますか?

  • はい
  • いいえ
  • 独身

Q4:COVID-19危機の間にあなたが行った家事・育児・介護の量は、どのくらい増えましたか?

  • 0%
  • 25%
  • 50%
  • 75%
  • 100%

Q5:あなたの家庭には、パンデミックの影響を受けて普段は学校や保育施設に通っているが今は家で過ごしている子どもがいますか?

  • はい
  • いいえ

Q6:私は子どもの教育や育児に対し、次の程度、責任を担っています。

  • 0%
  • 25%
  • 50%
  • 75%
  • 100%
  • 子どもはいない

Q7:あなたがこの危機の中でも仕事を継続している場合、通常の育児・保育以上にかかる負担はありましたか?

  • はい
  • いいえ
  • 子どもはいない

Q8:パンデミックによってあなた個人の所得はどの程度減少しましたか?

  • 0%
  • 25%
  • 50%
  • 75%
  • 100%

Q9:パンデミックの期間中、デジタル技術に関するあなたの知識・ノウハウは向上しましたか?

  • はい
  • いいえ

ご協力ありがとうございました!


安全なファッション小売業のためのガイドライン

世界中の店がシャッターを開け、営業を再開しようとしている中、UNI世界商業部会は、パンデミック収束後、ファッション小売業の店舗に労働者が安全に戻れるようにするキャンペーンを立ち上げた。

流通労働者、顧客、外部の業者等を保護するための対策を企業と交渉する上で、UNI加盟組織に役立ててもらうよう、ファッション小売業ガイドラインをまとめた。清掃、消毒、個人用防護具、シフト編成、顧客対応、店舗内の社会的距離等が網羅されている。また、これらの基準を徹底するための安全衛生委員会における組合の重要な役割を強調している。

「第2波のリスクを最小化する対策を講じなければ、店舗を再開し経済を立て直すことはできない」と、クリスティ・ホフマンUNI書記長は語気を強めた。「流通産業がうまく立ち直るには、労働者と顧客が共に安心感を持たなければならない。これらのガイドラインが現場の組合員によって徹底されれば、清潔かつ安全で安心な流通産業をつくることができる。」

UNI世界商業部会が安全な仕事への復帰を強力に推進するのは、政府の安全対策が弱い、または産業別の基準が低い、または存在しないような国では極めて重要だからである。例えば、トルコではショッピングモールの営業再開が物議を醸したが、トルコの労働組合は、モールで雇用されている何千人ものファストファッション産業の労働者の安全を守るためにガイドラインを利用しようとしている。ペルーでは、結成されたばかりのH&M労組の組合員がこの数か月で2倍に増えた。多くのH&M従業員がウィルス感染リスクから身を守るためのアドバイスや対策を必要としていたからである。H&M労組は、「安全に仕事に戻ろう」キャンペーンを活用し、組合員を増やすと共に、今後の交渉に向けた要求作りに活かそうとしている。

「ガイドラインには、必要不可欠とされた食品・薬品部門の流通労働者から学んだ教訓や、ザラ等の使用者と仕事への復帰について交渉した経験から、ベストプラクティスを盛り込んだ」と、スチュワート・アッペルバウムUNI世界商業部会議長は胸を張る。「とはいえ、ガイドラインを確実に実行するためには、訓練を受けた労働者の積極的な関与が不可欠だ。そのためにUNI加盟組織と協力していく。」

世界の何百万人もの流通労働者を代表するUNI世界商業部会は、これに先立ち、新型コロナウィルスの感染大流行期における安全確保の諸原則をまとめた、食料品部門の労働者のための 予防措置に関するガイドラインを発刊し、カルフール、オション等の大手企業とも食品小売業部門における労働者及び消費者のための予防措置に関する共同宣言を結ぶ等、共に安全対策を推進してきた。


UNI、新型コロナウィルス禍のLGBTI+労働者保護を訴える

2020年5月17日、UNIは、国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日を記念し、LGBTI+労働者の保護を訴えて連帯行動を行った。新型コロナウィルス危機は、LGBTI+労働者に特に深刻な打撃を与えているからである。

UNIは、他のグローバルユニオンやITUCと共に、全ての労働者の尊敬と尊厳を築くためのコミットメントを再確認する声明を発表した。現在、これらの団体と緊密に協力し、より包摂的な労働組合運動を展開するための「連帯憲章」の策定に取り組んでいる。

UNIは、労働組合向けのUNI LGBTI∔に関する手引を最新版に更新しており、UNI機会均等局は、「私は組合に参加している」運動を再び立ち上げた。このキャンペーンの狙いは、世界中のLGBTI+労働者が直面している差別について意識啓発し、いかなる形態の差別もないディーセントワークの促進に、組合がいかに不可欠であるかを説明することである。

「世界中の労働組合には、LGBTI+権利を擁護してきた長い歴史があり、今日の危機が新たな課題を生み出し、もっとしなければならないことがあると我々に教えてくれている。」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は力を込めた。「我々は、全力で、この危機から抜け出し、誰にとってもより公平で、公正な経済を取り戻さなくてはならない。そして、それはLGBTI+権利拡大の取組みを倍増させることを明らかに意味する。」

我々が現在経験しているような危機の時、状況は悪化する。新型コロナウィルス・パンデミックは、LGBTI+労働者に更に次のような問題を投げつけた。

  • 経済的差別や職場での差別:労働の世界でLGBTI+労働者が直面する偏見(収入の格差、職場でのハラスメント、職に応募時の差別、その他不公平な扱い)がパンデミックで悪化している。LGBTI+労働者の失業率は、既に一般的な失業率よりも高く、彼らは小売り産業やクリエイティブ産業のようなパンデミックの影響を最も被った産業や部門に偏っているため、新型コロナウィルスがLGBTI+労働者の生計に影響を及ぼしている。
  • 医療サービス:LGBTI+の人々は、医療サービスを受けようとしても、通常、汚名や差別を受けており、そのため、医療へのアクセス、質、利用頻度に格差がでている。法律で同性同士の関係を犯罪にしたり、性自認や性表現を理由にトランスジェンダーを標的にしている国では、LGBTI+労働者が逮捕や暴力を恐れて医療サービスを利用しない可能性があるため、健康被害が悪化している。
  • 必要な医療サービスの優先度の低下:患者が増え、医療体制がひっ迫することにより、HIVの治療や検査、トランスジェンダーの人が受けるホルモン治療や性別適合治療等LGBTI+の人々が受けている治療が中断や後回しにされる可能性がある。
  • LGBTI+コミュニティへの非難、差別、ネット上の中傷、ヘイトスピーチ、攻撃:LGBTI+の人々は、以前から、人災、天災を問わず、災害を自分たちのせいにされ、非難を受けてきた。国連は、新型コロナウィルスの文脈においてこのような事例が起きており、ホモフォビアやトランスフォビアを表現する言葉が増えてきていると報告している。
  • 家庭内暴力と虐待:ステイホーム政策により、多くのLGBTI+の青年が理解のない家族や同居人と共に敵対的な環境に閉じ込められている。このため、暴力を受ける危険だけでなく不安や抑うつ症状までも増える。

「組合として、我々は、あらゆる形態の差別に対して声を上げ続け、全ての労働者とその権利を守るために全力を尽くすことを再確認する必要がある。全ての人のために社会正義、平等、そして保護を確保するため、我々の力でできることは全てするのが我々の職務である。実現しよう!」と、ベロニカ・フェルナンデス・メンデスUNI機会均等局長は訴えた。

それに応じて、UNIでは、パンデミック中、LGBTI+労働者の支援を目的とした労働組合のためのガイドラインを発行した。更に、困っている労働者を守るための機関を掲載し、組合が組合員の回覧用に活用できる情報も発信している。

2018年、リバプールで開催されたUNI世界大会で、UNIは、引き続き、差別に対する活動にLGBTI+問題を含めることを誓った。そして、今年5月17日、UNIはこの問題に新たな一歩を踏み出す。

30年前の1990年5月17日、世界保健機関(WHO)は、同性愛を『国際疾病分類』の精神疾患から削除した。それ以来、LGBTI+コミュニティは、生活の全ての面において、性的指向及び/または性表現に基づいたハラスメントや差別の撲滅のために取組んでいる。72の国と地域がいまだ同意のある大人同士の同性間の関係を犯罪としている。LGBTI+の人々に何らかの形態の差別に対する保護を提供しているのは、わずか63ヵ国だ。闘いは終わりにはまだ程遠い。


世界選手会、競技再開に向けて科学的指針を要求

選手の健康と安全は交渉することではない

世界選手会とその加盟組織は、プロスポーツ界が新型コロナウィルス感染流行のため中断されているトレーニングと競技の再開を模索する中で、医療専門家、スポーツ医、公衆衛生の専門家、疫学者、及びその他の専門家と連携を図っていく。

UNIのブレンダン・シュワブ世界選手会担当局長は、次のように懸念を述べた。

「新型コロナウィルスの経済的影響が甚大であるため、当然ながらスポーツ界は、たとえ無観客試合でも、できるだけ早期に競技の再開を切望している。新型コロナウィルス感染がスポーツ分野に蔓延しないよう、幅広い対策が講じられている。」

「しかし、これらの対策は、感染者に及ぼす潜在的影響や、症状をどう治療するかにはあまり対処できていない。最近の研究では、アスリートは特に(特に肺と臓器障害に)脆弱である可能性があると示唆されており、非常に深刻な影響を受けたり、キャリアが終わりになったりするかもしれない。また、多くのプロスポーツでは避けられない密接な身体接触から生じるリスクにも対処するものでない。」

「科学的裏付けがなされていないと思われる医療検査や治療を、選手に課そうとするスポーツもある。」

「同時に、権利放棄書にサインさせて法的権利を奪い、新型コロナウィルス感染の法的リスクをただ選手に押し付けようとするスポーツもある。」

「全ての提案は、選手の健康と安全は妥協することはできないと明確に訴える専門家によって、冷静かつ厳密に評価を行う必要がある。」

「世界選手会は断固として、全ての選手が組合を通じて、科学的に裏付けされた最良の情報を得られるようにし、競技再開のいかなる決定も、(1)可能な限り最大限、新型コロナウィルスのリスクに対処し、(2)感染の可能性のある選手が完全に保護されるようにし、(3)スポーツ環境で常に適用されるべき最高の安全衛生基準が妥協されずに、行われるようにしていく。」

世界選手会の執行委員会は、競技再開について交渉中の選手会の指針となるような協定案を近々検討することとなっている。最も大切なことは、スポーツを再開したいという願望から、公衆衛生を損うことがあってはならないという認識である。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、次のように訴えた。

「スポーツ競技の再開に当たって、人々と選手やアスリートの安全がまず優先されなければならない。世界選手会は、パンデミックの中、選手やアスリートの懸念を訴えるグローバルな代弁者として行動しながら、組合員に明確で中立的かつ専門的なアドバイスを提供するという重要な役割を果たしている。選手やアスリートは、自身の健康とキャリアに脅威となり得る決定に発言権を持つことが極めて重要だ。」


フードラが2000人の配達員を見捨て、カナダから撤退

プラットフォームを介した食事配送サービス事業者フードラが、5月11日にカナダでの事業を終える準備をしている。UNIはパンデミックの最中に、最前線で働く2000人強の配達員を解雇する決定の撤回を同社に要求している。

カナダの10都市で営業していたフードラは、4月27日、破産申請中であることを突然発表し、配達員にわずか2週間前に解雇通知を行った。彼らが公的支援を受ける資格があるかどうかは不明である。

しかし、UNIの加盟組織CUPW(カナダ郵便労組)は、この多国籍プラットフォーマーは大きな利益を上げており、カナダの事業を支える余裕があるはずだと断言する。同社は2020年第1四半期、収益が92%増加したと報告した。

UNIは、フードラのドイツの親会社デリバリーヒーローのニクラス・エストベルグCEOに書簡を送付し、「御社は、労働者を低賃金で手当も無く働かせ、健康と安全への配慮も殆どなく、不当に扱うことで成功しているのは明らかだ。彼らを搾取することで14億ユーロを超える利益を蓄えたのだ」と指摘した。

「御社と子会社のフードラに、この残酷な決定を直ちに取り消し、代わりに労働者に投資するよう要求する。デリバリーヒーローは、この困難な時期にも事業を継続する余裕のある大手多国籍企業なのだから。」

オンタリオ州労働委員会は最近、先例を作る判決を下した。フードラの配達員は依存的契約労働者であると認められ、カナダ郵便労組には彼らを組織化し組合に加入させる道が開かれたのだ。

「長い間、我々はカナダ郵便労組がフードラ配達員の承認ために闘い、組織化する取組みを支援してきた。彼らは、自由と独立性という空約束で、労働者の社会的保護と法的権利を否定する、偽装“個人事業主”モデルの犠牲者だ。この労働委員会の判決は大きな意味を持ち、この慣行を変える重要な前進だった。加盟組織と共に、UNI郵便・ロジスティクス部会は、このモデルを変えるための取組みを継続し、カナダにおいてもどこであっても、雇用形態に関わらず全ての労働者が、団結権や団体交渉権を持てるよう闘いを続けていく」と、コーネリア・ベルガーUNI世界郵便・ロジスティクス部会担当局長は述べた。

デリバリーヒーローは、労働者、カナダ歳入庁、労働者補償委員会だけでなくレストラン、その他債権者に借金をしているカナダのフードラ事業から手を引こうとしている。カナダ郵便労組は、フードラはサービス改善に向けた労働者からの提案を度々無視してきた、と言っている。


フィリピンの民放大手ABS-CBNに対する放送停止命令を撤回せよ!

世界報道自由デー(5月3日)からわずか2日後の、2020年5月5日、フィリピン国家通信委員会は、同国最大の放送ネットワークABS-CBNの放送免許の期限が5月4日に切れた後、放送停止を命じた。規制当局のこの懲罰的措置により、1万1000人の放送労働者やアーティストから生計が奪われた。同時に、新型コロナウィルス危機を受けて政府が命じたロックダウンの最中に、何百万ものフィリピン人からニュースと娯楽の主要な情報源が奪われた。

2016年に就任して以来、ロドリゴ・ドゥテルテ・フィリピン大統領はABS-CBNに対する敵意を繰り返し表明しており、その放送免許は更新されないだろうと、公に同社を脅してきた。

ABS-CBNの閉鎖によって、労働組合及び人権が更に侵害され、報道の自由や自由な表現の権利が縮小される傾向が憂慮される。ドゥテルテ政権に批判的なメディアは嫌がらせを受けてきた。こうしたメディアに対する懲罰的措置は、フィリピン最大手の放送ネットワークの閉鎖にまで及んだ。

ABS-CBNの放送停止命令を受け、ラジェンドラ・アチャリャUNI Apro地域書記長は、「UNI Aproは、ABS-CBNの閉鎖と、フィリピンにおいて報道の自由が侵害され続けていることを非難する。我々の加盟組合である放送労連(NABU)及びUNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)に連帯し、フィリピン政府に対し、放送停止命令の撤回を要求する」と述べた。

中村正敏UNI Aproメディア部会議長(日放労委員長)は、「UNI Aproメディア部会及びUNIに加盟する世界中の放送関係の労働組合は、フィリピン国会に、ABS-CBNの放送免許の更新を要求する。報道の自由、労働組合権及び人権の侵害は、直ちにやめるべきだ」と述べた。

5月6日に出された声明の中で、UNIフィリピン加盟協(UNI-PLC)傘下の加盟組織は、この深刻な社会危機の最中に失職の危機に晒されているABS-CBN、DZMM、子会社、地方テレビ・ラジオ局で働くメディア労働者の雇用と福祉を守るための、NABU及び他の労組の取組みへの支援を表明した。

「政府は、国から情報を奪い、1万1000世帯から生計を奪おうとしているだけでなく、民主主義を弱体化している」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は非難した。「ABS-CBNには直ちに免許が再交付されるべきだ。フィリピンにおける報道の自由は守らなければならない。」


UNIと欧州銀行、従業員にかかる販売圧力の阻止に尽力

2020年5月7日、信頼できる持続可能な金融サービスの提供に向けた重要な一歩として、UNI欧州金融部会と欧州銀行部門使用者の間で、共同宣言が締結された。 「助言を含む金融サービス提供の雇用側面に関する共同宣言」に、欧州の銀行部門社会パートナー4者(労働者を代表してUNI欧州金融部会、使用者を代表して欧州銀行連盟欧州社会局銀行委員会(EBF BCESA)、欧州貯蓄銀行グループ(ESBG)、欧州協同組合銀行協会(EACB))が署名した。 各国が新型コロナウィルス終息後の期間と、欧州及びグローバル経済の社会・経済の長期的発展に及ぼすその影響に対する準備を始める今こそ、持続可能な金融アプローチの礎を築く重要な時期である。特筆すべきは、共同宣言に、労働組合にとって重要な問題である顧客への個人向けアドバイスに関する指針が盛り込まれたことである。 なんとしても業績目標を超えなくてはいけないという銀行側の意図による無責任な金融商品の販売が、長年金融産業を蝕み続け、2008年の世界金融危機の主な要因の一つとなった。これをきっかけに、UNI金融部会は「売上げvsアドバイス」キャンペーンを立ち上げ、顧客のニーズや希望を無視して商品を販売するよう金融部門従業員に更なる圧力をかけることを止めるよう要求し、その集大成として、2010年に「金融商品の責任ある販売に関するモデル憲章」を策定した。 その後10年以上にわたって、UNI金融部会のキャンペーンと憲章は、この問題に関する協定やプロトコルのモデルとして、金融部門多国籍企業の加盟組織によって活用されてきた。イタリアの労組は、更に責任ある販売に関する産別協定を国内で締結することに成功し、これは、2019年12月に締結された同国の最新の産別団体協約にも盛り込まれた。


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