3月 2020のお知らせ

米国の銀行で歴史的な組合結成!

何十年もかかって初めて、米国の銀行労働者は組合結成に成功した。

全米通信労組(CWA)は2020年3月2日、カリフォルニア州オークランドのベネフィシャルステートバンクで、従業員の過半数が組合結成に賛意を示し、組合の権利を勝ち取ったと発表した。

「大手銀行で20年近く働いた後、コミュニティに投資するというコミットメントに惹かれ、ベネフィシャルステートバンクに入行して誇りに思う」と、同行のデザレイ・ジャクソン部長補佐兼「より良い銀行委員会」メンバーは語る。「組合を結成するという歴史的な出来事に、コミュニティへの公約が実行されたことを実感している。これを成し遂げた1人として光栄に思う。銀行員は、自分達のため、同僚のため、顧客のために、仕事に対して発言権を持つべきだ。それは権利であり、公正なことだから。」

ベネフィシャルステートバンクの113人の銀行員が、「より良い銀行委員会」のメンバーでもあるCWAに加入する。組合を通じて、報復を恐れることなく、より良い賃金、労働条件を交渉し、仕事に関して意見を言うことができる。

窓口係からコールセンターまで、全米の銀行産業の労働者は、「より良い銀行委員会」に加入している。2008年の悲惨な金融危機と、2016年のウェルズファーゴ不正口座スキャンダルが二度と起こらないよう、より良い労働基準と消費者保護を要求するためである。不祥事は、「より良い銀行委員会」に加入していたウェルズファーゴ労働者によって暴露された。

差別、低賃金、過度な販売目標、内部告発者への報復等、組織上の問題が山積していた米国の金融産業は、組合組織率が最も低い。

「今日、ベネフィシャルステートバンクは銀行産業全体に前例を作った。このように組織上の変化を促すため、産業全体で労働者を組織化していきたい」と、CWAのオルグ、エリン・マホニーは意気込む。

「たいてい、パワーバランスは不当に使用者側にある。株主利益の最大化に専心する組織が人間や天然資源を搾取するような活動を推し進めるのを、幾度となく見てきた」とベネフィシャルステートバンクのランデル・リーチCEOは述べた。「経済システムの中でパワーの不均衡と闘うことに、ベネフィシャルステートバンクの存在意義がある。」

12月に始まった組織化の取組みに先立ち、ベネフィシャルステートバンクは、カードチェック(従業員が組合加入カードに署名する)プロセスの間、中立性を保つことに同意し、組合結成という労働者の権利を認めた。

「欧州でも、アジアでも、南米でも、アフリカでも、銀行員は、米国のようにハラスメントや脅しに遭うことなく、組合を結成し加入することができる」と、UNI世界金融部会のリタ・ベルロファ議長は述べ、「ベネフィシャルステートバンクの勝利は、世界中の金融労働者を勇気づけるものだ。金融産業で働く労働者の声を強化すると共に、米国の金融産業にとって転機となった」と喜んだ。


イタリアのUNI加盟組合、新型コロナウィルスの危機に直面し店舗従業員の安全を確保

イタリアのUNI商業部会加盟組合FILCAMS(イタリア商業・観光・サービス労連)は、新型コロナウィルスの影響を大きく受けている同国北部のロンバルディア州で、店舗労働者のための特別な対策を確保した。

FILCAMSは、ザラ、H&M、カルフール等の使用者から休暇と柔軟な労働時間を確保した。多くの学校が閉鎖される中、店舗労働者は子供達の面倒を見ることができる。また企業に、店舗用の消毒剤を提供すること、日中、手洗いができるようにすること、希望する労働者には手袋やマスクを提供すること等も約束させた。使用者は、強制的に閉鎖された場合の有給休暇を検討することも同意した。

FILCAMSミラノ支部、マルコ・ベレッタ書記長は次のように述べた。「新型コロナウィルスの深刻さが明らかになるや、我々は組合員を助けるために迅速に動かねばと思った。店舗労働者は人々と接する仕事ゆえに、ウィルスに感染しやすい。同時に多くの組合員は親でもある。学校が突然閉鎖となるような例外的な状況で、親として子供の面倒を見られるようにしたかった。我々の5点の要求は、ロンバルディア州で組合員を持つ全ての企業で受け入れられた。」

ミラノのザラで働くクラウディアは、「組合のおかげで、娘の世話をすることができる。学校が休みの時には、柔軟なシフトと休暇を利用することができる」と喜んだ。

ロンバルディア州(州都ミラノ)とヴェネト州(州都ヴェネツィア)では感染者が多く報告されている。

クリスティ・ホフマンUNI書記長は、「FILCAMSの迅速な対応を評価する」と称えた。「新型コロナウィルス禍に見舞われたロンバルディア州の店舗労働者へのプレッシャーを軽減する等、強力な組合があればこそ、使用者と真摯な交渉ができ、労働者を守り助けるための迅速な行動につながることを示す、素晴らしい事例だ。」

FILCAMSは以下の要求を勝ち取った。

  • 全ての店舗に、適切な感染防止の装備を手配する。マスクと手袋の着用は必須ではないが、希望者は誰でも許される。
  • 消毒剤を配備し、日中、手洗いを許可する。
  • 学校閉鎖のため欠勤した親に有給休暇を与える。
  • 学校閉鎖中も働きたい親に、柔軟なシフトを許可する。
  • 強制的な閉鎖のため欠勤した場合に、(週休と重ならなければ)有給休暇を検討する。
  • 更衣室及び現金自動支払機の特別な消毒。

UNI、欧州委員会のデューデリジェンス調査結果を歓迎

UNI及びUNI欧州地域組織は、デューデリジェンス(企業活動が及ぼす人権や環境へのマイナスの影響を回避・緩和することを目的として、事前に認識・防止・対処するために取引先などを精査するプロセス)の慣行に関する欧州委員会の調査結果を評価し、EU全体で強制力のあるデューデリジェンスのルールを法制化するよう行動を促した。

「あまりにも多くの企業が、労働者の権利を濫用したり、無視しようとしたりしている」とクリスティ・ホフマンUNI書記長は指摘する。「デューデリジェンスは、企業の説明責任を果たさせる重要な仕組みであり、強制力のあるルールが必要だ。リスクを洗い出し、リスク防止対策を取り、是正措置を整えるよう、企業に要求していかなければならない。有効な規制とするには、司法手続きへのアクセスを強化すべきだと考えている。」

「EUにとって、この調査結果は、デューデリジェンスの義務化に向けた重要な一歩である。このような決定的な証拠を突き付けて、長く待ち望んでいた、人権侵害から労働者を保護する法律の制定プロセスを直ちに開始するよう、EUへの要求にUNIも積極的に関わっていく」とオリバー・レティクUNI欧州地域書記長は語った。

この調査は、英国国際法・比較法研究所(BIICL)がシビック・コンサルティング及びLSEコンサルティングと協力して実施した。この結果により、デューデリジェンス規制義務化の必要性が確実に高まるだろう。企業の自主的な対策だけでは、労働者やコミュニティ、環境を守るのに効果がないことが示された。これは特に、ビジネスのグローバル・バリューチェーン及び金融機関に関連した、人権や環境への悪影響が、未だに残り、かつ悪化しているという証拠から明白である。

この調査は、市民社会及び業界団体の両方と幅広く協議して実施された。労組、市民社会組織、企業の大多数を含むステークホルダーの間では、既存のシステムでのデューデリジェンスの要件は、「効果的でなく、効率的でもなく、一貫性がない」という意見で一致した。調査参加企業のわずか3分の1強しか、人権及び環境への影響に配慮したデューデリジェンスを実施していない。

デューデリジェンスを既に実施している企業は、優良事例を主流化するための規制の必要性を感じている。70%以上の企業が、EUの規制によって公平な競争の場が生まれ、業界にもプラスになるだろうと回答した。

UNI及びUNI欧州地域組織は、この調査結果を歓迎する100を超える市民社会組織と共に、人権・環境デューデリジェンスの法制化を求める共同声明に署名を行った。


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