
第8回UNI Apro東アジア労組フォーラムは、「労働の未来、決めるのは私たち」というスローガンの下、2019年10月16~17日、韓国・ソウルにおいて開催された。日本、韓国、台湾、モンゴルより156人(うち女性45人、女性参加率29%)が出席した。日本からは9組織41人(うち女性14人、女性参加率34%)が参加した。香港は民主主義を求めるデモの影響で出席できなかったが、今回初めてモンゴルが参加した。
開会式では、ホスト国を代表し、ナ・スンジャUNI韓国加盟協議長から歓迎挨拶を受けた。松浦UNI-LCJ議長は、ナ議長をはじめ、韓国加盟協の受入れ準備ともてなしに感謝し、本フォーラム出席が最後となるクリストファー・ウンUNI Apro地域書記長にも感謝した。そしてUNI-LCJが長年、強化を支援してきたモンゴルの加盟組織の初参加を歓迎すると共に、参加できなかった香港の加盟組織に連帯を表明し、平和的に解決が図られることを祈念した。

ウンUNI Apro地域書記長は特別講演の中で、デジタル化のマイナス影響を最小化し、ビジネスの発展と雇用維持・創出を両立するためには、経済・労働政策の一貫性が必要であると訴えた。そして、ディーセントワークを確保し、包摂的で持続可能な社会経済的秩序を築くためには、労働組合の関与が不可欠であり、政労使による建設的な対話と大局的な連携強化の必要性を強調した。講演後に、ホスト国、韓国の労働運動との思い出を振り返り、「労働界は団結して、大きな課題に立ち向かわなければならない」と東アジアの全ての労働組合に激励の言葉を残した。
続いて、韓国労働社会研究所のキム・ジョンジン副所長から、「雇用可能性を高めるためのスキル開発と良質な仕事」と題する基調講演を受けた。韓国における労働市場の現状、とりわけプラットフォーム労働の問題等について詳細に説明し、「プラットフォーム労働者も、正規労働者と同じ労働条件とすることが重要であり、共存できるようにすることが課題だ」と述べた。 フォーラムでは、「各国の政治、経済、社会、労働事情の報告」、「労働時間短縮とワークライフバランス」、「プラットフォーム労働者及びIT部門の組織化」、「ジェンダー平等」というテーマで、各国の取組みを共有した。
最後にフォーラムのまとめとして共同宣言を採択した。第9回フォーラムは、2020年10月、台湾・台北で開催する予定。