1月 2017のお知らせ

アジアの郵便を支えるユース、「郵便の未来」を構想

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201712829日、東京で、UNI AproJP労組共同英語セミナーが開催された。全国から集まった25人の若手組合役員・組合員が、マレーシア、フィリピン、スリランカのリソースパーソンと英語で語り合い、UNIを通じた国際連帯活動について学ぶと共に、各国の郵便事業や組合活動を共有した。

参加者はグループに分かれ、組織化のロールプレイングを行ない、リソースパーソンからも組織化の苦労や工夫している点についてアドバイスを受けた。

UNI Apro青年委員会副議長を務める佐々木JP労組ユースネットワーク議長は、昨年10月に南アフリカで開催されたUNI世界青年大会の様子や組織化フォーラム等の経験を報告した。

また、「郵便事業の将来」というテーマのグループワークでは、特に若い人や外国人をターゲットとした新しいサービスのアイデアがたくさん出された。

最後に、八木国際部長は総括の中で「職場でも組合でも社会でも、コミュニケーションは大事だ。今回知り合った仲間とのネットワークを大切にし、経験を今後の活動に活かしてほしい」と参加者を激励した。  

 

 

 


UNI世界商業部会新担当局長、日本の加盟組織と情報交換

2016年10月にUNI世界商業部会担当局長に就任したばかりのマタイアス・ボルトンが、主要国の商業部門の概要及び加盟組合の取組み等についての最新情報を把握するため、1月17~18日の日程で来日し、1日目に自動車総連を、2日目にUAゼンセンを訪問した。

自動車総連では、UNI世界商業部会委員を務める郡司事務局長から歓迎の挨拶を受けた。始めに山田国際局局長、津田国際局部長から、「日本の労使関係の歴史と自動車総連の国際活動」及び「JAW国際活動の20:30ビジョン」について説明を受けた。続いてUNI商業部会に加盟する販売部門に関して理解を深めるため、近藤労働法制局局長から販売部門の処遇条件等の説明を受けた。郡司事務局長は、「自動車総連と日本が進める生産性運動をグローバルに広めて、各国の労働者の待遇改善につなげてほしい」と期待した。

午後にはディーラーを視察し、ボルトン局長の出身である米国と日本における車両販売の違いや共通点、店舗における技術革新の状況等、様々な意見交換を行った。

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UAゼンセンでは、UNI世界商業部会副議長を務める八野副会長から歓迎の挨拶と、UAゼンセン概要の説明を受けた。続いて、UNI Apro商業部会副議長を務める藤吉副会長及び西尾流通部門事務局長から、流通部門の活動について詳細な説明を受けた。八野副会長は、「UNI商業部会がますます発展するよう、しっかりサポートしていきたい。新担当局長として、特にアジアの商業部門の状況について理解を深めてほしい」と活躍を期待した。また、昼食懇談会で松浦会長からも激励を受けた。

午後には、UNIと日本企業として初めてグローバル枠組み協定(GFA)を締結した髙島屋労組を訪問し、毎年労使で実施する検証等の説明を受けた他、職場視察も行った。

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ボルトン新担当局長は、今回の訪問を通じて日本の労働運動及び流通部門、自動車販売等の現状をあらためて理解する機会を得られたことに感謝した。

「自動車総連においては、生産性運動の三原則の有効性と、労使が同じ方向を向いて共通の目的のために活動する姿勢(建設的な労使関係の構築)に感銘を受けた。UAゼンセンにおいては、流通部門を業態別に分けて様々な活動を推進していることや、非常に体系的なGFAの労使検証方法が参考になった。」

就任後、初の訪問国として日本を訪問したボルトン局長。「国や地域による違いを認識し、良い事例を他の地域にも参考にしてもらえるよう、局長として、世界の加盟組織に有益な情報の共有を活性化していきたい」と抱負を述べた。

マタイアス・ボルトン略歴 ■

1990年、全国RWDSU(小売・卸売・百貨店労組)の支部役員に選出。後に、RWDSU本部で調査・企画対策部長に就任し、9年間経験を積む。2012年から、UNI本部(スイス・ニヨン)でUNI世界商業部会シニア・コーディネーターとして、主に多国籍企業対策とグローバル労組同盟の取組みを担当。2016年10月、UNI世界商業部会担当局長に就任。44歳、米国出身。※RWDSUは現在、UFCW(全米食品商業労組)の傘下にある


UNIグローバルIT組織化会議

2017年1月17~19日、ドイツ・ベルリン(Ver.di本部)において、UNIグローバルIT組織化会議が開催された。UNI欧州加盟組織を中心に、33カ国、52組織、120人余が参加した。日本からは情報労連の木村国際担当部長が参加した。①大手多国籍企業対策、②クラウドワーカーの組織化について状況確認と情報共有し、今後の取組みについて確認した。

開会の挨拶を行ったクリスティ・ホフマン副書記長は、新たな労働の世界における組織化の問題について課題提起し、労働組合としての取組みの重要性を述べた。また「幼い頃からデジタル機器を使いこなしてきたミレニアル世代が労働組合に関心がないというのは思い込みである。こうした若い労働者にも関心を持ってもらえる組合へと進化を遂げなければならない。労働運動という1つの傘の下にさまざまなスタイルがあっても良い」と述べ、労働組合自身の変革の必要性を訴えた。

大手多国籍IT企業対策

IT市場の動向と組織化状況について共有した。IT企業は主に3つの形態に分類された。①ハードウェアからソフトウェア会社へと事業転換している企業(IBM、HP、富士通等)②コンサルティング会社からIT企業へと事業拡大している企業(アクセンチュア等)③従来よりソフトウェア中心に事業を行っている企業(マイクロソフト、オラクル、SAP、CSC等)

OECDは、世界のGDPに占めるIT産業の割合は今日6%程度だが、2020年には25%まで上昇すると予測している。ビッグデータ、IoT、クラウドコンピューティング等の増加が要因である。

UNIはIBM、HP、CGI、アトスにおける取組みに引き続き傾注し、特にIBMについてはインダストリーオールと連携して実施しているIBMグローバル労組アライアンスをさらに充実させていくことを確認した。

ITクラウドワーカーの組織化

オンライン上で仕事を請け負うクラウドワーカーが世界中で急増しているが、労働組合の対応が遅れている実態を全体で課題として認識した。UNI欧州地域組織が昨年実施した調査によると、欧州全体で労働者の8人に1人がクラウドワーカーであると報告されている。また、若い世代のクラウドワーカーが多いことが明らかになっており、全クラウドワーカーのうち、スウェーデンで57%、英国で50%、オランダで42%、オーストリアで47%、ドイツで50%が35歳以下との結果であった。クラウドワーカーのメリットは「自由に働ける」、「融通がきく」、デメリットは「収入が不安定」、「将来の保障がない」と考えられている。

クラウドワーカー組織化のための取組み事例が紹介された。ドイツVer.diは、特定の企業に属さない自営労働者のための「メディアフォン」というオンラインサイトを運営している。メールで相談を受け付けて、電話で回答する方式である。スウェーデンのユニオネンは、テレビ広告やインターネットによる自営労働者向けの勧誘活動を積極的に行い、この5年間で12万人の新規組合員獲得に成功、多くのクラウドワーカーも含まれている。米国では自営労働者のための「フリーランサーズユニオン」という組織があり、寄付金を活動の財源とし、自営労働者のための医療保険プログラム等を実施している。

最後に、今後、ますます増加するであろうIT労働者の組織化の取組みが必要であること、そのためのネットワークを強化していくことを確認した。当面、UNI世界ICTS部会の全ての活動でIT労働者の組織化について議論を行い、地域別、企業別の活動計画を策定していくこととした。UNI世界ICTS部会委員会(6月、クロアチア)、UNI Apro ICTS部会大会(8月、マレーシア)でも議論が行われる。


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