2016年2月16日、第17回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等64人が出席した。2015年度活動報告、同会計報告に続き、中村UNI-LCJ監査(日放労委員長)が監査報告を行った。また2016年活動計画、予算、UNI-LCJ財政管理・会計処理規則が承認された。改選年ではないが、副議長について、UAゼンセンの逢見会長から八野副会長への変更が確認された。更に、スタッフ人事として、伊藤UNI-LCJコーディネーターの退任(UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長職は2016年3月末日をもって退任)と、後任として4月1日から着任予定の大崎新UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長(現在はJP労組職員)の紹介・挨拶があった。
年次総会に引き続き、ジェニングスUNI書記長から「グローバル・サプライチェーンにおけるディーセントワークの達成に向けて」と題する講演を受けた。世界的に有名な多国籍企業であっても、生産プロセスの末端に位置する途上国の工場等では、劣悪な環境の下、低賃金で労働者が働いている現状を把握していないか無視している。その象徴的な事件として、2013年4月、バングラデシュで大手衣料ブランドの製品を製造する縫製工場が入ったラナプラザビルが倒壊し、1,130人もの労働者が亡くなっている。UNIはITUCや他のGUFと連携し、こうしたグローバル・サプライチェーンの実態把握と改善のため、G7、G20、世界経済フォーラム等の場で、各国の政治指導者及び多国籍企業のトップ等に現在のシステムを変える必要があると訴えてきた。合わせてUNIとインダストリオール、NGOが中心となり、215の大手ブランドとバングラデシュ・アコード(バングラデシュにおける火災予防及び建設物の安全に関わる協定)を締結するに至った。「なぜUNIのような国際労働運動がグローバル・サプライチェーンにおけるディーセントワークの確保に取組む必要があるのか?」という問いに、ジェニングス書記長は、「バングラデシュに生産拠点を持つ大手ブランドや小売業の従業員、物流に関わる労働者をはじめ、グローバル・サプライチェーンで働く多くの労働者は、UNI商業部会、UNI郵便・ロジスティクス部会他、様々な部会のメンバーだ。グローバル・サプライチェーン全体における持続可能で公正な生産を企業や政府に要求していく責任がある」と強調した。「グローバル・サプライチェーンにおけるディーセントワーク」は、本年6月のILO総会のテーマでもある。ジェニングス書記長は、UNI加盟組合の積極的な参画を訴えた。
レセプションでは、小俣議長の挨拶に続き、厚生労働省・勝田総括審議官(国際担当)、連合・神津会長より連帯挨拶を受けた。ウンUNI Apro地域書記長は、逢見前UNI Apro会長(現・連合事務局長)の多大な貢献に感謝し、逢見前UNI Apro会長もUNIでの思い出を語った。また、アチャリャUNI Apro労組強化部長は、ネパール大地震からの復興状況について写真を見せながら報告し、UNI-LCJの支援にあらためて感謝した。続いて、退任する伊藤コーディネーターとの数々の思い出を田原UNI-LCJ副議長が披露し、UNI-LCJ及びUNIへの長年の貢献をたたえた。伊藤コーディネーターは、「小俣議長、小川事務局長の下に加盟組織が一致団結して、UNI-LCJを更に発展させてほしい」と祈念した。大崎UNI-LCJスタッフ(4月よりUNI Apro郵便・ロジスティクス担当部長)は、在中国日本大使館での経験を活かし、同部会及びUNI-LCJを盛り上げていきたいと決意を述べた。
写真はFlickr参照
ジェニングスUNI書記長、アチャリャUNI Apro労組強化部長のプレゼンテーション資料はこちらから↓