UNI世界ケア部会(UNICARE)の結成大会が2015年5月20~21日、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催され、29カ国109人が出席した。UNI Apro(アジア太平洋)地域からは日本、韓国、マレーシア、インドネシア、ネパール、オーストラリア、ニュージーランドから参加した。
開会式にはカルロス・トマダ労働大臣も出席し、グローバル化の中で誰にとっても望ましい社会の実現のためには強い労働組合が必要であるとし、UNICAREへの支援と連帯を表明した。
参加者は各国のケア部門を取り巻く環境、組織化戦略やその課題について共有した。「在宅ケア・長期ケアにおける成長戦略」のセッションでは、UAゼンセン・日本介護クラフトユニオン(NCCU)の陶山浩三会長が、日本の急速な高齢化と世帯構造の変化、NCCUの活動(組織拡大と国への要請活動)、今後に向けた課題と展望について発表した。
大会は、活動計画、部会規則を全会一致で採択した他、世界運営委員会を選出した。活動計画は、先の第4回UNI世界大会(2014年12月、ケープタウン)で採択された戦略目標と優先課題に沿う形で、下記の実現に向け取り組んでいくこととした。
・組合成長を実現する。
・組織化・キャンペーン力の強化を図る。
・働く者が同産業において影響力を持つことができるような戦略を構築する。
・ケアの仕事が、働く者のディーセントな暮らしを実現すると共に、高水準のケアと社会的保護を提供する中で尊厳と敬意を伴う素晴らしい仕事となるよう、経済活動の主導権を取り戻す。
UNICARE世界運営委員会議長には、今大会の受入れ組織となったアルゼンチンのケア部門産別組織FATSAのカルロス・ウェスト・オカンポ会長が選ばれた。各地域組織に割り当てられる副議長には欧州及び米州の代表(フランス、カナダ、メキシコ、ブラジル)が選出された。UNI Apro及びアフリカの副議長枠については、UNICAREの地域組織がまだ確立されていないため空席となった。
また大会では、ネパール大地震を受け、ネパールの民間医療機関で働くスタッフらが加入するUNIPHINのプリシビ・サパリヤ会長が、大地震発生後の現地の状況やUNIネパール加盟協(UNI-NLC)とUNIPHINの救助・支援活動について発表を行なった。参加者からは犠牲者や被災者への連帯と支援が表明された。会場には「ネパールへの連帯」と書かれた横断幕も掲げられ、カンパが呼びかけられた。