2014年6月24日、UNI Apro保険労組ネットワーク会議が開催され、テーマとして、「気候変動による自然災害の多発と労組としての対応」を取り上げた。田原議長は、大規模自然災害が業界にもたらす影響が増し、社会や消費者の保険会社に対する期待も高まる中、信頼に応えるような健全な事業運営と業界発展のために、労組としてどのような役割が果たせるかを共有すると共に、連帯ネットワーク強化と保険労組組織拡大につなげていきたいと述べた。
ナラシマン委員は、自然災害に対する企業・従業員、政府及び軍の準備不足を指摘し、労組は経営側に従業員の訓練や被災者の利便性に配慮した手続き面の改善等を要求していると述べた。アリパン・タカフル保険労組委員長(Aspek)は、「アジアは自然災害件数が世界でも多い地域だが、その経済損失額に比べ支払い保険料は少ない。地震、津波、洪水、地滑り等の多いインドネシアも経済的損害が甚大だ。労組としての役割は日本に倣いたい。災害保険の導入、貧困層へのマイクロ保険概念の普及等を政府に要求していきたい」と述べた。プルナ金融労組副委員長は、ネパールにおける自然災害は開発を阻み貧困層を拡大するリスクがあるとし、保険会社の責任として、防災対策の調査、啓発、低炭素社会への貢献、耐震性建築物に対する保険料優遇等を挙げ、労組の役割としては、保険加入を啓発するボランティアネットワークの形成、被災者支援、防災対策の提案等を挙げた。
ルーク委員は、「シンガポールは自然災害が少ないが、外国で支払いが発生すれば、シンガポールの保険会社も再保険という形で関与する。最近はリスク評価が難しいものもあり、保険会社の利益や雇用に影響する。シンガポールでは金融機関の合併が多いが、協約にリストラ時に守るべき条項を入れ、雇用は安定している。保険労組のネットワークを更に強化し、問題が起こる前に情報交換することは非常に有益だ」と述べた。プリヤラル部長は、UNI Aproにおける保険会社の組織化状況について、インド、ネパール、マレーシア、フィリピン、台湾、香港等の現状と計画を報告した。
田原議長は、情報交換や経験交流を継続し、UNI本部の支援も得ながら、UNI Aproにおける保険労働者の組織化とネットワーク拡大を図っていきたいとまとめた。