2月 2014のお知らせ

UNI書記長、2013年パーソン・オブ・ザ・イヤーに!

「2013年に最も活躍した人」コンテスト(スイス・ヴォー州の新聞ラ・コート主催)に、フィリップ・ジェニングスUNI書記長がノミネートされた。コンテストの1回目の投票で1位となり、世界のヨットレースで活躍するベルナール・スタムらと共に5人の最終候補に残り、2回目の投票でも1位に選ばれた。

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コンテストをきっかけに、UNIの取組みについて地域の人々に知ってもらう機会が増え、新聞にも記事が掲載された。UNIがメディアに肯定的に取り上げられたことを利用し、ミグロやコープといったスイス企業へのバングラデシュ安全協定調印の圧力を強めることができた。

2月21日にスイスで授賞式が行われた。世界大会準備のためケープタウン出張中のジェニングス書記長に代わり、ホフマン副書記長、ベシガー商業部会担当局長らが出席し、バングラデシュ安全協定等、UNIの活動についてスピーチを行った。

ジェニングス書記長はネルソン・マンデラ元大統領が収監されていた南アフリカ・ロベン島の独房から、受賞を受けてのビデオ・メッセージを送った。「スイス国内・外のUNIファミリーから応援していただき、深く感動しています。私に投票して下さった方々に、この場を借りてお礼を申し上げます。UNIが、スイス、南アフリカ、ブラジル、その他世界の様々な国において、多国籍企業の行動を変えさせるよう圧力をかけられるのは、皆さんの懸命な努力のおかげです。メディアに肯定的に取り上げられることで、UNIはより強くなり、UNIの関わる各部門で働く人々を助けられるようになります。」

受賞に関するUNIウェブサイト記事とジェニングス書記長ビデオスピーチ(仏語)

http://www.uniglobalunion.org/news/jennings-scoops-la-cote-personality-year


JP労組支援インドネシア郵便労組(SPPI)共同セミナー

はじめに

JP労組は、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会の活動と協力し、毎年インドネシア、フィリピン、インド、タイでセミナーを開催している。2014年2月21~22日に開催したインドネシア郵便労組とのセミナーには、JP労組四国地本の若手、山中小春氏が参加した。プログラムは、SPPIセミナーを中心に、インドネシア社会・労働運動の様々な側面を見聞できる行事として構成された。

JP労組支援SPPIセミナー共同セミナー

ジャヤ・サントサ委員長の挨拶のあと、伊藤UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長の挨拶に続いて、山中氏が登壇、「日本郵政の現状」と「JP労組の活動と交渉システム」という2つのテーマで講演した。参加者は、バンドンを中心に、べカシ、スカブミ、チラボンなど西ジャワ地方から約40名が集まった。驚いたのは、質問の多さである。①日本郵政では小包の伸びが著しいが、なぜか。これをポス・インドネシアに適用することは可能か。②公共料金の引受業務はあるか。③日本郵政IPOの進み具合は。④JP労組の活動の財政的基盤は何か。組合費だけか。⑤インドネシア郵便労組の場合、労働協約はあるが、それをどう実施させるかが問題である。日本ではどうか。⑥女性差別はあるか。どのように女性の力を組合内で増大していったらよいか等など、数多くの質問が出され、大幅に時間が超過するほどだった。特にIPOは多くの関心を引いた。なぜならポス・インドネシアにおいても最近のCEOの変化によって、2015年という目標日程は消えたものの、IPO自体は今なおテーマとして消えていないからである。

べカシ・チカラン・ロジスティクス労働者ネットワーク

UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会は、郵便部門とロジスティクス部門、2つの部門の組織化を課題としている。郵便部門の組合組織率は高いが、ロジスティクス部門の組織率は極めて低い。唯一例外はインドネシアである。ここでは、DHL、リンフォックス、APロジスティクス、GACロジスティクス、タッパウェアの5社の労組が中心となって、べカシ・チカラン・ロジスティクス労働者ネットワークを組織し、部門別最低賃金、組織拡大などの取り組みを進めている。2月20日リンフォックス社内会議室で、セミナーが開催され、30名が集まった。まずリンフォックス側から労働安全衛生の取り組みの発表があり、その後サブトAspek書記長がロジスティクス部門の組織化について講演、続いてスダルマントAspekロジスティクス労働者ネットワーク議長から挨拶があった。リンフォックス・マネージメント側からは、「本日リンフォックス労使で労働協約を締結できることは喜ばしい、労使間のコミュニケーションがうまくいっていること、さらに労使は常にポジティブな思考で全てに対応しており、これが今回の協約締結に結びついた」との話があった。続いて山中氏からJP労組の活動について講演があり、質疑応答を行った。

ポス・インドネシアCEOを表敬

24日朝、山中氏は、最近ポス・インドネシアのCEOに就任したブディ・セチアワン氏を表敬した。CEOは、日本郵政の招待で日本を訪問した事が有り、日本の思い出を語った。さらにインドネシアと共通するテーマとして、日本郵政の株式上場をめぐる状況について質問が出された。

終わりに

その他、Aspek青年部が支援している孤児院、バンドンの社会研究団体AKATIGA、郵便労働者の家庭等を訪問した。今回の訪問を通じて、山中氏は多くの新しい経験をし、インドネシアの仲間たちもJP労組の新しい息吹を感じることができた。今後のJP労組の国際交流の幅をさらに広げていく上で、今回の訪問は非常に有意義であった。

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UNI-LCJ金融部会海外調査

UNI-LCJ金融部会海外調査が5年ぶりに行われた。今回の訪問国はインドネシアとシンガポール。両国とも今日本の金融部門にとって進出のターゲットとなっている国である。しかも代表団としては、田原UNI-LCJ金融部会議長(UNI Apro金融部会議長、損保労連委員長)を団長に、田中三井住友信託銀行従業員組合委員長、染谷同副委員長、西村同副委員長、西村三菱UFJ信託銀行従業員組合副書記長、重富労済労連委員長、上田損保労連副委員長、さらに事務局として伊藤UNI-LCJ事務局長という大規模なものとなった。代表団としては、事前に学習会を行うなど万全の体制で臨み、訪問を実りあるものとした。

 

インドネシア

UNI-LCJ金融部会のカウンターパートであるAspek金融部会から、りそなプルダニア労組、CIMB銀行労組、タカフル保険労組など約20名が集まった。UNI-LCJ金融部会からは、田原議長が「日本とインドネシアの金融労組間の友好が深まることを期待する」と挨拶、全信連から西村三井住友信託銀行従組副委員長、西村三菱UFJ信託銀行従組副書記長が、それぞれの組合の活動を報告した。インドネシア側からは、アルピンAspek金融部会議長からAspekの活動について報告があった。討論は主に産前産後休暇の取り方で労使間に問題があるりそなプルダニア労組、統合により銀行は合併したが、組合は4つあるCIMB労組などから問題提起がなされ、日本側と意見交換した。予定した時間を大幅に過ぎるほど煮詰まった討論が行われ、インドネシア労働運動の息吹を感じることができた。

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シンガポール

1) UNI-Aproシンガポール事務所訪問

ウンUNI-Apro地域書記長、プリヤラルUNI-Apro金融部会担当部長、玉井UNI-Apro組織化部長が対応し、UNI-Aproが進めるパートナーシップ労使関係確立の取り組み、その金融部門における例、今後の活動などについて説明を受けた。

 

2) NTUCインカム

NTUCインカムは、シンガポールのナショナルセンターであるNTUCが持つ社会的企業の一つで、日本で言えば全労済に対応する。NTUCインカムからはケン・ウンCEOが説明、日本側は重富労済労連委員長が主に対応した。NTUCインカムは、シンガポールで最も大きな保険会社であり、損保と生保を共にカバーしている。

 

3) SIEU(保険労連)

ルーク・ヒー保険労連書記長を中心に話を聞いた。保険労連はシンガポール唯一の保険労組であり、日系企業も多く組織している。保険労連の歴史を始め討論は多岐にわたった。

 

4) NTUC

シンガポールのナショナルセンターで、フロレンスNTUC国際部長から労働運動全体の話を聞いた。

 

5) 損保協会

デレク・テオ会長から協会の説明を受けた後、消費者教育、不正請求の防止、保険人材教育などを上田損保労連副委員長が聞き取り調査を行った。

 

6) 銀行一般職労連、銀行上級職労連、DBSスタッフ労組

全信連を中心に質問、討論した。染谷三井住友信託銀行従業員労組副委員長は、DBSスタッフ労組の歓迎に感謝し、記念品を贈呈し、交流を深めた。西村三菱UFJ信託銀行従業員組合副書記長は、女性が労組で高い地位を占めていること、いかにそれが可能となったのかなどを質問し、女性の機会均等、地位向上について意見交換した。

 

田原UNI-LCJ金融部会議長のイニシアティブで、短期間とは言え、濃密な討論が行われ、交流を深めた。

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第15回UNI-LCJapan年次総会レセプション

2014年2月5日の第15回UNI-LCJ年次総会レセプションには、加盟組織、来賓を合わせ、約100名が参加した。冒頭、相原UNI-LCJ議長は、「UNIケープタウン世界大会を目前に控え、我々にはUNI-LCJ加盟人員110万人達成という課題がある。加盟組合と協力し、何としても達成していきたい」と力強く決意表明した。

来賓として、堀江厚生労働省大臣官房国際課長は、ILO総会でも労使対話の重要性が政労使で確認されたことを挙げ、UNI-LCJの取組みもその流れに沿ったものだとして更なる飛躍を祈念した。連合を代表して南部連合副事務局長は、UNI-LCJの組織化努力に敬意を表し110万人達成目標にエールを送るとともに、労働者派遣法改悪やホワイトカラーエグゼンプションの再検討など労働者をめぐる環境が悪化しつつあるが、共に1000万人連合を目指して組織強化を図っていこうと決意表明した。ウンUNI Apro地域書記長は、UNI-LCJのUNI Apro活動への支援に謝意を示した。

逢見副議長(UNI Apro会長)は来賓からの連帯挨拶に感謝の意を表し、「ジェニングス書記長の講演を通じて日本では報道されない『労働者の視点から見たダボス会議』を知ることができた。アベノミクスの3本の矢に対抗してUNIに加盟する世界2000万人の組合員が2000万本の矢を持っていることを心強く思う」と述べた。

野田副議長の乾杯の音頭で約1時間の懇談後、田原副議長がLCJとして組織強化に向けて邁進することを誓い、全体の士気を高めて一本締めで閉会した。

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アベノミクスに2000万本の矢で対抗しよう

第15回UNI-LCJ年次総会(2014年2月5日)に引き続き、ジェニングスUNI書記長が「UNIケープタウン世界大会に向けて」と題して講演し、加盟組合を含めて100名以上が集まった。冒頭では1月に開催されたダボス会議での議論に触れ、「誰も取り残されない」社会の実現を呼びかけた。(講演全文はこちらでお読み頂けます。ジェニングスUNI書記長講演録

安倍政権が掲げる「アベノミクス」の3本の矢を、ウィリアム・テルが息子の頭に林檎を乗せて矢を放つ寓話に例え、「アベルノミクス」(アップルとアベノミクスをかけた造語)と名付けた。①解雇しやすく(正規雇用より派遣労働者への依存を助長)、②三者構成のドアを閉ざし、③底辺への競争の強化につながるものだと、労働者の視点から解釈した。

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UNIは「誰も取り残されない」社会の実現を目指している。12月に南アフリカのケープタウンで開催される第4回UNI世界大会でも「Including You!(インクルーディング・ユー!絆‐排除なき共生社会を目指して‐)」をメインテーマとしていることを強調した。

アフリカでUNI世界大会を開催するのは初めてである。アフリカというと、紛争、飢餓、貧困、汚職というイメージが浮かぶが、ジェニングス書記長は成長するアフリカを強調した。アフリカは豊富な天然資源や若い労働力に恵まれている。今日、新興市場として経済発展を遂げており、中国をはじめとして海外からの投資も拡大している。

日本のプレゼンスはまだ小さいが、2013年に行われたTICAD(アフリカ開発会議)を契機に、今後アフリカとの関係を強化する動きもあり、アフリカ大陸が注目されている。UNI-LCJとしても100名の代表団派遣を目指している。今後アフリカ講座などを開催して理解を深めつつ、世界大会に向けた取組みをしていくにあたり、加盟組織にとっても刺激的で有意義な講演となった。

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第15回UNI-LCJ年次総会、ケープタウン世界大会に向け、110万人達成を再確認

フィリップ・ジェニングスUNI書記長とクリストファー・ウンUNI Apro地域書記長を迎え、2014年2月5日、第15回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、UNI-LCJ加盟組合より運営委員および総会代議員40名、オブザーバー20名の計60名が出席した。

総会では、2013年度活動報告及び会計報告、監査報告、2014年度活動計画、予算が確認・承認された。会計報告は、日放労の中村委員長が行った。また、これまでUNI-LCJ運営委員を務めていたJP労組の福島国際部長がUNI-LCJ事務局次長に、福島氏に代わって増田JP労組書記次長が新たにUNI-LCJ運営委員に就任することが承認された。

引き続き行われたジェニングス書記長による記念講演・レセプションからは来賓も加わり、約100名が参加した。レセプションでは、厚生労働省大臣官房国際課長、南部連合副事務局長、ウンUNI Apro地域書記長が連帯挨拶を行い、110万人組織化目標の達成と第4回UNI世界大会成功へ力強いエールが送られた。

 

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責任ある金融産業に向けて組合の発言力の強化を

第15回UNI-LCJ年次総会にあわせて来日したフィリップ・ジェニングスUNI書記長は、2014年2月4日にLCJ金融部会主催の懇談会で、「欧州の経験から学ぶ-欧州金融危機とUNIの活動」と題した講演を行った。 同懇談会にはUNI-LCJ金融部会加盟組合の全信連、生保労連、労済労連、全労金、損保労連から15名が参加し、ジェニングス書記長の講演の後、活発な質疑応答と意見交換が行われた。 開会にあたり田原將一UNI-LCJ金融部会議長(損保労連委員長)がジェニングス書記長を紹介し、貴重な対話の機会を日々の活動に生かしてほしいと挨拶した。

講演の中で、ジェニングス書記長は、米国の連邦準備制度理事会による量的緩和策の縮小が新興国市場に混乱を引き起こしている状況、欧州では2010年のソブリン危機により、多くの雇用が失われただけでなく巨額の税金が銀行再生のために投入された事例を挙げ、金融産業が短期的な利益のみを追求しリスクを顧みない強欲な経営を行った結果、労働者とその生活に与える打撃がいかに大きいかを懸念した。こうした状況の中、金融産業が本来の社会的責任を果たすよう、UNIはL20や世界経済フォーラムなど様々な場で労働者の立場から発言を続けており、IMF、世銀、欧州中央銀行、金融安定理事会(FSB)等の関係機関との直接対話の機会を持つことで欧州では社会的パートナーとして認められてきた。「我々は、欧州委員会、議会のレベルで、積極的にロビー活動を行っており、様々なレベルでチャンネルを有している。より大きな発言力を確保するためにUNI金融部会がより強くなることが重要であり、米国でも銀行労働者の組織化に着手した。危機に責任があるのは、金融労働者ではなく、劣悪な経営であり、大きすぎるリスクと強欲だ。金融労働者はリスクのある商品を販売しなければならないという大きなプレッシャーがかけられている。我々は、今までの金融危機の経験から学ぶことが必要であり、本来のビジネスの在り方に戻るべきだ」ジェニングス書記長はこのように述べ、世界経済の安定に資するグローバルな金融監督・規制の枠組み作りにおいて、労働組合のネットワーク組織としてのUNIが果たす役割は大きいと強調した。

日本の参加者からは、デリバティブの社会的意義やダボス会議での若年労働者の失業問題の議論等について質問が出された。

閉会にあたり全労金の石田輝正委員長は、「このように世界の金融動向についてジェニングス書記長と直接対話できるのもUNIに加盟したからであり、私達はUNI加盟を通じて経営側よりもより多くの情報を持つことができるようになった。経営側が行った判断によって実際に動くのは、労働者であり、金融機関の信頼損失は我々金融労働者の信頼損失に繋がる。金融労働者の信頼を取り戻すためにも、経営側に対する組合の発言力を強めることが重要だ」と述べた。

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LCJ Finance and PJ group

 

 

 

 

 

 

 


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