2013年5月23日、森田CND事務局長を団長とする代表団14名が、シンガポールにあるUNIアジア太平洋地域組織(UNI Apro)を訪問し、クリストファー・ウン地域書記長と意見交換を行った。
UNI Aproの前身ASIA-FIETへの愛知トヨタ労組加盟は、その後の自動車総連加盟の先鞭をつけたという歴史を振り返りつつ、ウン地域書記長は、企業のグローバルな展開と共に労働組合のグローバルな連携・協力が不可欠であると強調した。トヨタのような世界的ブランドの下で働く者どうし国境を越えて連帯することがいかに重要であるかを力説し、CNDや相原会長のリーダーシップによる自動車総連の国際労働運動への貢献に感謝した。
海外では日本のように労使間の信頼に基づいたパートナーシップ関係が未熟であるため、すぐにストに訴えるケースや、紛争が長引くことが多い。UNI Aproは、使用者や政府が労働組合に対して持つネガティブなイメージを払拭する働きかけと共に、労働組合にも組合員を代表して権利を要求するだけでなく、企業の発展に協力する姿勢を持つよう説得している。日本の労働運動はアジア太平洋地域におけるモデルであり、日本の加盟組合には、発展途上の組合にパートナーシップのコンセプトを普及する支援をお願いしたいと、ウン地域書記長は期待した。
メンバーからは、製造業に比べれば労働者が少人数で分散するサービス産業の組織化の難しさや、女性労働者の組織化について質問が出され、ウン地域書記長は「組合は変化に適応する柔軟性や革新的なアプローチを採り入れなければ生き残れない」と応えた。また、最近、多国籍企業やプライベートエクィティに法的アドバイスを提供する国際弁護士事務所から出された報告書が、グローバルユニオンの役割を看過してはならないと警告していることは、UNIのような国際労働運動の影響力が認知されてきた証であると述べた。