12月 2009のお知らせ

UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会、民間インテグレータを組織せよ

 



60名の代議員、オブザーバー、ゲスト等がアジア太平洋地域から集まった。今大会のテーマは「底辺への競争を巻き返せ:グローバル危機へのUNI-Aproの対応」であり、「女性のエンパワーメント」、「民営化と規制緩和」、「組織化とグローバル協定」、「第3UNI世界大会」、「郵便金融サービス」、「欧州の郵便事情」等のセッションが設けられた。大会参加者は、グローバル金融危機、民営化・自由化の危機を乗り切るために、一層の国際連帯と情報の共有化を図ることを確認した。
竹内JP労組委員長は大会議長を務めた他、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会議長に選出された。
ニール・アンダーソンUNI世界郵便・ロジスティクス担当局長は、「民間企業が、郵便・ロジスティクス分野にも参入しており、そこで働く人々の組織化が重要だ。郵便・ロジスティクス部会もUNIブレイキングスルー戦略を柱として、将来戦略を策定していきたい」と挨拶した。
ホスト国ベトナム郵電労組のロアット委員長は、「郵便・ロジスティクス産業の事業環境が変化し、多くの労働者の生活が影響を受けている。ベトナム郵電労組も様々な課題に直面しており、この機会に海外参加者のいろいろな経験を共有したい」と歓迎した。
米田JP総研所長は、「民営化と規制緩和:郵便労働者にとってそれは脅威か-日本の経験から」と題する基調講演を行った。その中で、日本郵政グループと金融2社の株式売却が、政権交代により凍結されたこと、郵政改革法案が来年の春に議会に提出され、夏に新たな法律が成立する予定であることなどを説明した。UNI-Aproの メンバーに対しては、①郵便事業における組織改革と自由化の進展は避けられないが、そのスピードと方向性をコントロールすることは可能、②労働組合は、郵 便事業の最も強力なステークホールダーであり、改革のあらゆるステージで発言し、政策決定に影響力を行使するべきであること、③郵便事業の世界標準となる ビジネスモデルは存在しないが、過去の事例や経験を学ぶことは重要であり、労働組合も政策ビジョンを確立するべきなどとアドバイスした。
「女性のエンパワーメント」と題するパネルディスカッションでは、ニュージーランド、ベトナム、台湾の代表及び祖川中執が発表し、各国における状況を議 論した。パネルを通して、女性が働きやすく活躍できる職場をつくることは、家庭や企業、組合にとって良い結果をもたらすことつながると例証され、女性があ らゆるレベルで意志決定に参画する必要性が強調された。
 竹内議長は、来年11月に迫った長崎大会の準備状況について報告を行った。
 民営化と規制緩和の討論では、「企業化、民営化であろうが、重要なことは労働組合が政府や経営側と対話を行い、政策決定に関与していくことだ」、「マレーシア、シンガポールの民営化はうまくいっているようだが、日本では民営化から2年が経過して、サービスや郵便局ネットワークなどにほころびが生じている。今後、民主党政権の下で見直しが行われる予定だが、政府及び新経営陣に対してJP労組の政策を反映させ、しっかりと対応していきたい。」との決意が表明された。また、インド、インドネシア、韓国でも政府によって将来の民営化が計画されている。互いの経験を交流し合い、労働組合として責任ある取組みを図っていくことが重要だとまとめた。

組織化とグローバル枠組み協定
郵便労働者は組織されているが、民間の宅配・物流企業労働者は組織されていない。これら企業の労働者は、劣悪な労働環境や最低の労働条件の下で働いている。彼らの労働条件を改善し、郵便労働者への悪影響を取り除くために、UNIITFと連携して世界各地でDHLをターゲットにした組織化キャンペーンを行っている。グローバルインテグレータは、CSRやグローバルコンパクトだけに注目しているが、これをさらに発展させてグローバル枠組み協定(GFA)締結につなげるため取組みを進めている、とUNIから報告があった。
中田JP労組国際部長は、30万人組織建設に向け、非正規社員50%の組織化を目標に取組んでいると報告した。
 UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会活動計画(2009-2013)として、①ユニバーサルサービスの確保、②APPU との良好な関係、③組織化とグローバル協定、④郵便金融サービス部門の発展、⑤プライベートエクイティの監視、⑥情報交換機能の強化、教育活動の強化、⑦小地域連携のフレームワーク形成、などを採択した。
 大会はまた、「オーストラリアポストは、妥当な雇用の保障を行うべき」との動議を採択した。。


UNI-Aproテレコム部会大会、ICTサービス労働者の結集軸に

 



はじめに
12月11~12日、ベトナム・ハノイで第3回UNI-Aproテレコム部会大会が開催され、15カ国・24組織・81名が参加した(日本からはNTT 労組4名、KDDI労組2名、情報労連3名)。NTT労組・加藤委員長(UNI-Aproテレコム議長)は「ILO世界労働報告書によれば、世界の失業者 数は2億4100万人も達し、適切な対策を打たなければ、さらに4200万人が今後2年間で失業するだろう。だが、テレコムは未来志向の産業であり、経済 のエンジンになりえる。この危機をブレイキングスルー(突破)しよう」と挨拶した。テーマ①「エコ・フレンドリー、UNI-Aproテレコム!!!
ICTが環境の改善に果たす役割と可能性について、テレコム労組の経験を共有した。
ドコモ本部・小助川執行委員は、地球温暖化対策である「グリーンNTT」を紹介。また、ドコモ本部の中国ホルチン砂漠緑化活動やプルタブ回収活動を紹介し、「循環型社会の実現に向けて、労働組合も組合員参加型の環境問題に取り組んでいく」と報告した。
フィリピン、インドネシア、スリランカが各取り組みを報告し、加藤議長は、①労働組合は対置する企業にメッセージを発し、企業活動にエコロジーの取り組みを入れ込むよう努力する、②労働組合自らがNGOや地域と連携して主体的に活動する――事を呼びかけた。

テーマ②「ICTインフラへの投資とテレコム労働者への影響」
通信事業者の多くはNGNを含むICTインフラに投資しているが、これが雇用にどのように影響するかという視点で、欧州と日本の状況報告が行われた。
NTT労組・中野中央執行委員は、「NTT労組は、新たなサービスを生み出す基盤であるNGNの構築とFTTHの全国普及に対応している。厳しい経営環境 だが、自らの事業構造を改革し、新たな事業領域の拡大を図っていく」と報告した。ラーセン世界テレコム議長は「ICTは社会インフラであるのに、競争が投 資を支配している」と指摘し、国際労働組合としての対応の必要性を訴えた。マーカス局長は、「投資が雇用に結びつくよう労組は監視を強めるべき。規制にも 関わる問題であり、UNIは国際機関の議論
へ参画していく」とまとめた。

テーマ③「組織化とグローバル枠組み協定」
Apro地域のテレコム労働者数は減少傾向である。一方、ICT産業の労働者は増加傾向だが、未組織労働者が多い。また、アウトソーシングや非正規労働者が増加していることもアジア全体の共通の傾向である。こうした状況への対応について議論した。
情報労連・安永書記長は、非正規労働者と情報サービス企業労働者の組織化を報告した。あいねっと倶楽部やユニオンほほえみ等の活動、また、情報サービス 業界団体JISAと「情報サービス産業の魅力向上に関する共同宣言」に調印し、業界の魅力を高めるとともに労働組合の存在価値をアピールするために努力し ていることを報告した。

テーマ④「女性をエンパワーする」
2008年8月にマレーシアで開催されたUNI-Apro地域大会では、労働組合のあらゆるレベルで女性が全面的に参画していく事を確認した。本セッ ションは、この方針の実践として設置したもので、女性にとっても働きやすい職場づくりのための政策と、戦略を達成するための各労組の取り組みについて情報 を共有した。NTT労組・宇田中央執行委員が進行を担当し、NTT労組の取り組みを報告。また、台湾、タイ、ネパール、マレーシアも、それぞれ報告した。

テーマ⑤「フレキシブル化するAproテレコム労組をエンパワーする」
アジア地域、とりわけアセアンはビジネスチャンスが高まっており、テレコムも潜在性が高い。その一方、競争の激化や多国籍企業の進出により雇用面の新たな課題にも直面している。持続的成長可能な産業をつくり、ディーセントな雇用を創出するための方策について議論した。
KDDI労組・上口委員長は、KDDI労組の労使関係構築の取り組みについて報告した。KDDIは15社が合併した企業だがであり、合併当初は、過半数 を超える従業員が未組織であったが、企業内労組の存在そのものが危機的状況であった。しかし、「より良い会社、より良い社会の実現」というビジョンを明示 し、するとともに労使協議制の機能充実により、労使パートナーシップ認識の一致強化と組織率向上をはかってきた――と報告した。

UNI-Aproテレコム戦略目標」
大会は、今後4年間の戦略目標を策定した。具体的には、①テレコム労働者の組織化推進、②団体交渉、グローバル枠組み協定、社会対話の推進、③UNI- Aproテレコム部門の利益の推進――を3大目標とし、UNIは調整機能を発揮し、加盟組織は具体的な活動を展開していくことを意思統一した。
アジア地域は、金融危機の影響を受けたにも関わらず、経済成長が高い国が多い。とりわけ、東南アジア、南アジアの通信市場は拡大している。しかし、テレ ノール(ノルウェイ)やテリアソネラ(スウェーデン)等、欧米の多国籍企業の進出も盛んであり、UNI本部との機能的な連携を持って取り組みを進めていく ことを確認した。

まとめ
大会は役員選挙を実施し、NTT労組・加藤委員長が議長に、KDDI労組・上口委員長が第一地区委員に選出された。また、UNI-Aproテレコム部会 は、アジア太平洋地域各国においても顕著な「産業融合」という潮流をとらえ、従来の通信産業の枠を超えた「ICTサービス労働者」の結集軸となる事を目指 し、「UNI-Apro ICTS部会」を新たに創設し、組織機構を整備していくことを全体で確認した。また、「UNI-Aproテレコム戦略目標」の実現に向け、各組織が連携・ 努力していくことを確認し、終了した。


UNI-Apro商業部会、アジア太平洋地域に労使パートナーシップ関係を


開会式には、トゥワン・ハジ・マレーシア経営者連盟事務局長が招待され、マレーシアでも協調型労使関係が重視されつつあることが伺えた。日本からは、19人が参加した。

弾力化するアジア太平洋地域の商業労組のエンパワーメント
自動車総連の村山代議員は、加盟組織の具体的組織化方法等を紹介。日本のものづくり産業への人気を回復しようと、初の試みとして東京モーターショーに出展したことも報告した。
 UIゼンセン同盟の藤吉副会長は冒頭、2009年は日本の労使関係が改善されて50周年という記念すべき年だとして、生産性三原則など日 本の労働運動の概略を説明した。続いて流通部会が最も注力するパートタイマーの組織化について報告。組織率が約90%に達したダイエー労組の成功例を参加 者と共有した。
インドネシアのヒーロースーパーマーケットは、インドネシア最大かつ最も長い歴史を持つスーパー(407店舗)だが、以前は団体交渉においても問題が多 く、労使紛争が頻発していた。ウンUNI-Apro地域書記長、デブリュンUNI-Apro会長をはじめとするUNI-Aproの仲介により、協調型労使 関係の確立に成功。生産性が向上した結果、企業業績も大幅に上昇した。ジャカルタ市内には、「ジャラン・ヒーローユニオン」、「ジャラン・ユニ・グローバ ル」と名付けられた通りが誕生。ウン地域書記長の元には、成果を知って同社のような労使関係を構築したいと数多くの企業から、会談の要請が入っているとい う。一企業の枠を超えて、行政、地域社会にも組合が広く受け入れられた特筆すべき成功例であり、その過程に関わった全ての人々に参加者から大きな拍手が送 られた。ヒーロー労組代議員からは、UNI-Apro、オーストラリアSDA、日本のUIゼンセンに感謝の意が示された。

ディーセントワークとジェンダー平等の強化
オーストラリアSDAのブライアント代議員は、労働組合における女性の参画を進めるためSDAで行っている19項目を紹介した。「女性組合員にその希望 と何を達成したいのか聞いてみる」、「全役員を対象に、男女共同参画に関する研修を行う」「組合員に女性の味方になってくれるよう依頼する」等ユニークで ありながらも、あらゆる組合で共有できる手法が多く、非常に参考になった。
JSDの石黒代議員は、「均等・均衡待遇の推進と男女共同参画の実現に向けて」と題して、日本の労働市場の現状を交えながら発表した。JSDにおける均 等・均衡待遇の概念、パートタイマーの時間給についての春の交渉方針などは、非正規労働者の増加という同じ課題に直面する他国労組も高い関心を寄せてい た。また、組合の男女共同参画を進めるには、「トップの意識改革が最重要課題。もし改革が進まないなら、トップを変えるしかない」との発言で締めくくり、 会場は大いに沸いた。

組織化及びグローバル枠組み協定
UNI-MLCのシャフィー議長がマレーシアの状況を報告。北欧のドナー団体から支援を受けて小売部門の組織化に着手し、大手流通企業12社の約2万人の組織化に成功した。発表の中で伊勢丹労働組合の組織化に協力した八野JSD会長に謝辞を述べた。
続いてアジア地域初のグローバル枠組み協定締結企業である髙島屋の取組みについて、JSDの八野会長が発表。「スリーピング協定にしてはならない」との 思いのもとに作成された詳細な検証項目、労使が互いの実施状況を確認しあう独自のモニタリングシステムを含め、「生きた協定」にするための努力を説明し た。
JSDの扇谷代議員はフロアから発言し、日本に進出している多国籍小売企業のうち、UNIとグローバル協定を結んでいる企業にターゲットを絞り、本部と連携を取りながら積極的に組織化を進める決意を表明した。
UIゼンセン同盟の伊藤代議員は、グローバル枠組み協定をより効果的なものとするために、UNIと枠組み協定を締結している多国籍企業とUNI- Aproの関係組合間で、「健全な労使関係を構築するためのソーシャル・パートナーシップ」に関する会議を開催すること、また必要に応じ関係GUFと連携 を取ることを提案した。
UNI-LCJを代表し、村山代議員が、長崎世界大会の準備状況について報告した。
アジア太平洋地域には日本型の協調的労使関係がふさわしいというウン地域書記長の持論が、大きく実を結びつつある。日本の加盟組合は、今後も同地域で先進的な役割を果たしていくと同時に、UNIと連携しながら国内の多国籍企業組織化を進めることが求められている。


ギニアでの犯罪に刑罰を!

 


2009年9月28日、ギニアの首都コナクリで、ムーサ・ダディ・カマラ大尉が率いる軍事政権の治安部隊による抗議活動への武力鎮圧が行われた。デモが 行われた競技場には、軍事政権やカマラ大尉の大統領選出馬に反対する何万もの民主主義支持者が集まっていた。150人以上が殺害され、白昼の婦女暴行で命 を落とした者もいる。また、拉致・監禁暴行の被害にあった女性も多い。
女性は、女性であるという理由だけで、人権や尊厳が踏みにじられることが多々ある。戦争の武器として組織的暴行が行われても、裁かれることはない。無関心はさらなる暴力につながり、女性の人権を奪い、暴行を正当化してしまう。
罰を受けないことが見過ごされてはならない。
この件について、UNIはギニアの加盟組合と連携し、情報収集を行っている。11月上旬、マリアマ・ペンダ・ディアロFESABAG(ギニア銀行・保 険・金融労働組合連盟)副書記長は、UNI女性委員会幹部会、世界執行委員会、UNI欧州女性委員会において惨状を報告した。ギニアの労組はまた、世界中 のUNIメンバーから支援メッセージを募った。5冊にのぼるメッセージ集は、政治情勢を仲裁するブルキナファソ大統領に渡される。
UNIは、国連人権高等弁務官事務所に提出する請願書を作成した。コナクリに平和をもたらすため、加害者を罰する適切な手続きを求めるものである。ギニアの仲間を支援するため、世界中のUNIメンバーに署名してもらいたい。
多くの署名が集まれば、私達のメッセージは力を持つ。
戦争の武器として女性を利用するのは止めさせなければならない!
女性への暴力の連鎖を断ち切ろう!
請願書のリンクはこちらから。

UNI-LCJ インドセミナー

 



基調講演
桜田UNI-LCJ議長が挨拶・基調講演を行った。
桜田議長は、全てのプレゼンを英語で行い、好評を博した。桜田議長は、「日本の雇用契約の性質には職務(ジョブ)という概念が希薄であり、日本型雇用シス テムでは、企業の労働を職務ごとに切り出さずに、一括して雇用契約の目的とする」と日本の労使関係を特徴づけた。その基礎の上で生産性運動が発展し、生産 性三原則に基づく運動を展開してきた。ところがワシントンコンセンサスを一貫して進めた自民党政権により、社会が大きく劣化し、二極化や格差の拡大が助長 された。8月末の衆議院選挙における民主党の勝利は、こうした社会の動きに対する大きな時代の 転換点だった。「市場原理主義的経済が破綻した今、国際社会は市場経済を前提とした持続可能な新たなパラダイムシフトを求めて動き出している。」「この信 義と連帯を、来年の長崎世界大会の成功にぜひともつなげたい」と述べた。
シンハ・インドオーバーシーズバンク書記長は、「桜田さんの話を聞いて、その強いメッセージに感動した。パートナーシップ労使関係の本質は、我々がより大きな責任を取ることだ。セミナーが成功することを期待している。」と述べた。

日本の終身雇用制度と年功賃金
俣野JSD事務局次長は、「日本の終身雇用制度と年功賃金制度について」のテーマで、日本型雇用システム3つの特徴の内、終身雇用制度と年功賃金制度を説明した。

ワークライフ・バランス
石川損保労連委員長が、「ワークライフ・バランスの実現に向けて:日本の損保産業における実践例」を説明した。「我々は付加価値の高い働き方を実践し、知識とスキルを高めることが大切」と説明した。
永井情報労連組織局長から、「IT産業のワークライフ・バランスを目指して」との講演があった。

企業別組合の運動と組織
土田JPGU輸送部長からは、「日本郵便輸送を取り巻く環境と日本郵政グループ(JPGU)の経験」と題した講演が行われた。
上田損保労連損保ジャパン労組委員長は、「労働組合の役割:損保ジャパン労組の取り組み」と題した講演が行われた。

まとめ:経営対策活動
まとめとして、佐藤自動車総連組織・政治室・組織・政治グループ長から、「自動車総連の経営対策活動強化の取り組み」について説明があった。自動車総連の説明の後、経営対策について説明した。
最後に、ボイヤーUNI副書記長から、「私は日本に1970年代後半約2週間滞在し、当時の政府の言い分、組合側の言い分を聞き、100ページ2冊の報告書にまとめた。そこでは当然日本型労使関係についても触れた。日本の文化的背景、独特の慣習と深く結びついていることが分かった。ただしこれを受け入れられないということではない。日本の労働組合が強力なことは、UNIへの加盟費支払い実績を見ても分かる。まず強い組合があって制度が出来るのであり、その逆ではない。インドの労組も強い組合を作るために奮闘してほしい」とのまとめがあり、セミナーを終わった。

セミナーを振り返って
21世紀はインドの時代という言葉があるように、インドの成長は著しい。20世 紀に見本を示せた日本が、インドに一つのモデルを示すことが出来るか-これが今回のセミナーの意図だった。桜田議長はじめ、全体の努力で一定程度日本的労 使関係モデルを示すことが出来たと思う。「問題は、どのくらいインドの皆さんが我々のいうことを理解し、取り上げてくれるかだ。」という声があった。他のGUFUNIとの決定的な違いは、UNI-Aproがパートナーシップ労使関係を打ち出している点にある。パートナーシップ労使関係論のベースには、日本型労使関係論がある。我々は単に日本型労使関係を一方的に押し付けているわけではない。あくまでもUNI-Aproの指導に基づいて、講演しているわけである。UNI-Aproは、必ずや我々の講演を生かすであろう。
インドにおけるセミナーは、我々にとって初めての経験であり、克服すべき点も多かった。そのひとつに通訳の問題があった。UNIDOCに依頼したが、残念ながらレベルはひどいものだった。同行した事務局長の通訳で最悪の事態には至らなかったが、今後克服すべき問題である。
今回の教訓を生かし、今後もインドに取り組んでいきたい。


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