約60名の代議員、オブザーバー、ゲスト等がアジア太平洋地域から集まった。今大会のテーマは「底辺への競争を巻き返せ:グローバル危機へのUNI-Aproの対応」であり、「女性のエンパワーメント」、「民営化と規制緩和」、「組織化とグローバル協定」、「第3回UNI世界大会」、「郵便金融サービス」、「欧州の郵便事情」等のセッションが設けられた。大会参加者は、グローバル金融危機、民営化・自由化の危機を乗り切るために、一層の国際連帯と情報の共有化を図ることを確認した。 竹内JP労組委員長は大会議長を務めた他、UNI-Apro郵便・ロジスティクス部会議長に選出された。 ニール・アンダーソンUNI世界郵便・ロジスティクス担当局長は、「民間企業が、郵便・ロジスティクス分野にも参入しており、そこで働く人々の組織化が重要だ。郵便・ロジスティクス部会もUNIブレイキングスルー戦略を柱として、将来戦略を策定していきたい」と挨拶した。 ホスト国ベトナム郵電労組のロアット委員長は、「郵便・ロジスティクス産業の事業環境が変化し、多くの労働者の生活が影響を受けている。ベトナム郵電労組も様々な課題に直面しており、この機会に海外参加者のいろいろな経験を共有したい」と歓迎した。 米田JP総研所長は、「民営化と規制緩和:郵便労働者にとってそれは脅威か-日本の経験から」と題する基調講演を行った。その中で、日本郵政グループと金融2社の株式売却が、政権交代により凍結されたこと、郵政改革法案が来年の春に議会に提出され、夏に新たな法律が成立する予定であることなどを説明した。UNI-Aproの メンバーに対しては、①郵便事業における組織改革と自由化の進展は避けられないが、そのスピードと方向性をコントロールすることは可能、②労働組合は、郵 便事業の最も強力なステークホールダーであり、改革のあらゆるステージで発言し、政策決定に影響力を行使するべきであること、③郵便事業の世界標準となる ビジネスモデルは存在しないが、過去の事例や経験を学ぶことは重要であり、労働組合も政策ビジョンを確立するべきなどとアドバイスした。 「女性のエンパワーメント」と題するパネルディスカッションでは、ニュージーランド、ベトナム、台湾の代表及び祖川中執が発表し、各国における状況を議 論した。パネルを通して、女性が働きやすく活躍できる職場をつくることは、家庭や企業、組合にとって良い結果をもたらすことつながると例証され、女性があ らゆるレベルで意志決定に参画する必要性が強調された。 竹内議長は、来年11月に迫った長崎大会の準備状況について報告を行った。 民営化と規制緩和の討論では、「企業化、民営化であろうが、重要なことは労働組合が政府や経営側と対話を行い、政策決定に関与していくことだ」、「マレーシア、シンガポールの民営化はうまくいっているようだが、日本では民営化から2年が経過して、サービスや郵便局ネットワークなどにほころびが生じている。今後、民主党政権の下で見直しが行われる予定だが、政府及び新経営陣に対してJP労組の政策を反映させ、しっかりと対応していきたい。」との決意が表明された。また、インド、インドネシア、韓国でも政府によって将来の民営化が計画されている。互いの経験を交流し合い、労働組合として責任ある取組みを図っていくことが重要だとまとめた。 組織化とグローバル枠組み協定 |