グローバルユニオンと日本の多国籍企業が締結する初のグローバル枠組み協定の正式名称は「グローバル枠組み協定:企業の行動規範に関する労使協定」。協定者は株式会社髙島屋、髙島屋労働組合、JSD、UNIである。
調印式の開会にあたって、ジェニングス書記長は日本のだるまを紹介し、「不可能と思われていた日本のグローバル協定が締結できたことで、目を入れられる」と成功を祝い、協定を調印するパートナーを紹介した。
ジェニングス書記長はさらに、「歴史上日本で初めてグローバル協定の締結となる本日の催しは、新しい道を切り開き、グローバル経済に新しい相貌を与えることになるだろう。先週米国の大統領選挙の結果も明らかになったが、今われわれ全員が新しい希望を感じている。株主価値だけではなく、共通の価値、社会的責任を含む新しいビジネスモデルが評価されるようになっている。髙島屋GFAは特にサプライヤーとの関係でも一貫性を保っている」と語った。
署名の後、安藤髙島屋副社長はCSR経営の重要性を、村田髙島屋労組委員長は労使が共に手を取り合って企業の発展を目指す姿勢を、桜田JSD会長は「これがスタート」と強調した。ソマビアILO事務局長は、次のように語った。
「私がILOに来た頃はまだGFAは無かった。その後、2回証人として調印式に参加することができた。現在UNIは30社とGFAを結んだとのこと、全体のGFAの数が70なら、UNIは約半分を占めており、この分野でリーダーシップを発揮していると言えよう。GFAの真のアクターは、実体経済で活動している人々である。調印に至るまでは多くの困難があったと思うが、困難を克服し、今日の調印式までこぎつけたことに敬意を表したい。初めて何かを成し遂げようとする時、最初は多くの困難に直面するものである。髙島屋は、他の日本企業に対する道を指し示したと言える。私は、村田委員長の演説を聞いて2つのことに感銘を受けた。第1にUSR、組合の社会的責任、第2に1300の職場集会開催である。全世界的に、これまでの新自由主義的政策が問われている今、GFAが新たな道を指し示すことを期待している。」
調印式には、UNI世界執行委員をはじめ、約100名が出席した。同時期にILO理事会が開催されており、村木ILO政府側理事、中嶋ILO労働側理事も調印式に出席し、日本初のグローバル協定調印を共に祝った。