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郵便・ロジスティクスサービスの多様化と、労組の変化への対応を議論する

UNI世界郵便・ロジスティクス部会会議が、2019年5月28~29日、スイス・ニヨンのUNI本部で開催され、約70人が出席した。UNI Aproからは、増田UNI世界郵便・ロジスティクス部会副議長(JP労組委員長)、シンガポールUTES、スリランカNPTWU、インドFNPO、NZファーストユニオンから委員や組合の代表者が出席した。

主な議題は、「郵便事業と雇用の変化に郵便・ロジスティクス部会の各加盟組織がどのように対応していくべきか」であった。会議に先立ち、UNIは加盟組織へアンケートを行い、次の報告書をまとめた。これら「郵便サービスの多様化」、「郵便サービス自由化の社会的・経済的重要性」に関する調査によれば、21世紀に入り欧州だけでも50~70万人の郵便労働者が減少している。また、郵便物数の減少と荷物の増加に完全に対応できておらず、通常郵便の配達が差し出し後5日目となった国も出現するなど、ユニバーサルサービスの質の低下も世界では顕著に現れている。

さまざまな議論を経て、今後、次のテーマを郵便の将来ビジョンとしていくことを確認した。

①グリーン(環境に優しいこと)

②イノベーション(労働条件とサービスの質の改善)

③多様化(新しいサービスの開発と支援)

④インクルージョン(包摂性。労働者と労組は変化に対応し、社会的に持続可能かつ包摂的な方法で、使用者と対等な条件の下、共に変化をデザインしていく)

増田副議長は、郵政サービスの多様化やイノベーションについて、日本の状況を報告した。日本郵便がベンチャー企業と連携し、荷物の積み下ろしを制御するアームを開発し、実際にロボットによる自動化を目指すなど、新しい技術の活用を進めていることを共有した。

また、UPUのゲストスピーカーから講演を受けた。金融包摂の専門家、サレー・カーン氏は、郵便の全国ネットワークを使った金融サービスの可能性に触れた。また、SDGs専門家のジェームズ・ヘイル氏は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)達成のためにも、労組との協力は不可欠であり、UNIと今後も密接に協力していくことを約束した。

この他、会議では次の3つの決議が採択された。

①米国、アルゼンチン、英国における郵政事業の民営化やさらなる自由化に反対し、国民と労組が求める場合は郵政事業を再国営化する

②モロッコ郵政使用者がILO条約やモロッコ国内法を遵守し、きちんと労組との団体交渉に応じるよう支援する

③パレスチナ郵政がイスラエルを通さず、直接外国と郵便物を交換できるようにするため、UPUの正式なメンバーとなれるよう支援する


UNI Apro/JP労組関東地方本部後援スリランカ奨学金贈呈式開催

2019年3月23日、スリランカのコロンボで、第9期UNI Apro/JP労組関東地方本部後援奨学金贈呈式が行われ、西藤勝委員長を団長に9人のJP労組関東地本代表団が出席した。来賓として、S.M.モハマド郵政・イスラム教省長官及びロハナ・アベヤラトネ大統領補佐官(前郵政長官)が立ち会い、JP労組関東地本の支援に感謝した。

UNI Apro/JP労組関東地本奨学金プロジェクトは、スリランカのUNIに加盟する3つの郵便労組(UPTO、 NPTWU及びSLPTSU)の組合員の子どもたちに月額4000スリランカルピー(大学生は5000スリランカルピー)の奨学金を2年間にわたり支給するものである。今回は69人の応募者に対し郵政研修施設での筆記試験及びグループ面接が行われ、高校生6人、大学生9人の15人が選抜された。

西藤委員長は、今回の奨学金支援プロジェクトにあたり、3万人の組合員に広く呼びかけ、奨学金プロジェクトに必要な支援金の全額を集めたことに触れた。「この支援の成果は、約20年に渡り、スリランカの仲間と育んだ絆の強さと共に、私たちが行ってきた活動が、仲間のため、国際連帯のため、さらにはスリランカのために役に立っていることの表れだ」と述べた。また、郵便労働者の子どもたちが大学等の高等教育機関で勉強を続け、地域や国の発展に貢献する優秀な人材として活躍していることを喜び、今期選抜された奨学生を激励した。そして、日々志高く勉学に励む素晴らしい子どもたちを温かく見守る家族にもエールを送った。

ジャヤスリ・プリヤラルUNI Apro金融部会担当部長は、スリランカ出身であり、奨学金運営委員会議長として、20年前から現在に至るまでの長年の支援に感謝した。この20年で奨学金制度も進化しており、当初1期あたり選抜される奨学生数は10人だったが、今では15人に増えた。また、奨学生は学業成績だけでなく、変化し続ける社会で問題を解決することができるリーダーシップを備えた人物が選抜されている。UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)青年委員会は、選抜試験や面接の際に、学生たちに労働組合と社会の関わりについて説明するなど、このプロジェクトを側面から支えてきた。青年委員会からも、国際連帯を通じた分かち合いや思いやりの気持ちから創設された奨学金制度と関係者の協力に、感謝の言葉が述べられた。

新しく選抜された15人の奨学生たちは両親と共に式典に参加し、誇らしげに奨学金を受け取った。奨学生を代表し、ティリニ・パバスラ・ワルナソーリヤが、感謝の言葉と、今後一層勉学に励む決意を述べた。

また、卒業生代表として第6期(2013~2014年)のバサンタニ・ラトナラジャが感謝の言葉を述べた。彼女は大学進学直前に父を病気で亡くし、JP労組関東地本奨学金制度を通じて2年間の支援を受けた。奨学金は彼女にとって、経済的支援だけでなく、精神的支えにもなった。現在は無事に大学を卒業し、母校で講師として働いている。

奨学金授与式の午後には、UNIスリランカ加盟協(UNI-SLAC)青年委員会メンバーとの交流プログラムを行った。両国参加者は英語で自己紹介を行い、JP労組関東地本、スリランカの郵便労組と銀行労組それぞれの取組みについてプレゼンテーションを行った。その後、互いの組合活動の現状や課題について意見交換を行った。JP労組の参加者は日本の四季と伝統的な遊びを紹介した。

この他、代表団は、スリランカ郵政副長官を表敬訪問したり、郵政博物館や中央集配センターを見学したりした。また、2004年のインド洋大津波で被災したゴール郵便局を訪れ、当時、JP労組の義援金と国際ボランティア貯金の支援で設立された局舎2階のITセンター(現在は職員向け研修施設)も視察した。


経済再生中のネパール、インフラ整備のため外資を歓迎

「インフラは、経済成長に不可欠な外資を誘致するため、ネパールのような国にとって非常に重要だ」と、KPオリ・ネパール首相は語った。オリ首相は、長きに渡る政治的移行の終焉を告げる、連邦民主共和国制度を導入する新憲法制定後、初の総選挙で圧倒的多数を勝ち取り、政権の座に就いた。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長率いるUNI Apro代表団はオリ首相を訪問し、ネパールの発展に向け、海外の注目と支援を引きつけようとする努力を称えた。ウン地域書記長は、第5回UNI Apro地域大会を2019年11月に首都カトマンズで開催する予定であることを、オリ首相に伝えると共に、主賓として招待した。オリ首相は、UNI Aproがネパールでの地域大会開催を決定したことに感謝し、招待に応じた。大会には、アジア太平洋地域の加盟組織から代議員が参加するばかりでなく、世界中から来賓が参加する予定であることを歓迎した。

オリ首相は、政府が労働者の利益のために実施した最近の様々な取組みについて述べた。労働組合及び使用者協会と協議し合意した上での、社会保障制度の導入、労働法改正、最低賃金の引き上げ等である。ウンUNI Apro地域書記長は、オリ首相の強力なリーダーシップを称え、ネパールの今後の発展と繁栄を確信した。


UNI Apro運営委員会、地域大会準備を議論

第32回UNI Apro運営委員会が、2019年2月22日、東京で開催された。野田UNI Apro会長が議長を務めた。

今年は地域大会開催年であるため、例年4~5月に開催されるUNI Apro執行委員会は開かれず、地域大会準備のための重要事項については、UNI Apro運営委員会の確認に委ねることが、昨年のUNI Apro執行委員会で確認されていた。

従って、主な議題は第5回UNI Apro地域大会(11月、ネパール・カトマンズ)・女性大会の準備に関わる事項であった。

この他、昨年、英国・リバプールで開催された第5回UNI世界大会・女性大会のフォローアップ、UNI Aproの法人登録に伴う移行手続きの最新状況、予算等について確認を行った。


クリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI-LCJ年次総会で記念講演

司会:さて、ホフマン書記長は、年明け早々、世界経済フォーラム、ダボス会議に世界の労働組合リーダーと共に出席されました。まずは初めて参加したダボス会議の様子をお聞かせください。

ダボスには期間中3000人くらい集まり、うち企業は1000社くらい参加しています。今年、労働界からの参加は10人だったので、私たちのプレゼンスは限定的だったかもしれません。それでも存在感を示すことはできたと思います。連合から相原事務局長、3つのGUF代表、デンマーク、スウェーデンと米国の労働組合代表、シャラン・バロウITUC書記長が出席しました。多くのパネルディスカッションに参加し、様々なマスコミからインタビューを受けたので、存在感を示すことができました。今回も、将来についての議論がかなり行われました。グローバル経済にとって最大の脅威は、サイバーセキュリティーと気候変動であると認識されました。テクノロジーについての議論では、ロボットがやってくる、というヒステリックな論調から離れ、テクノロジーの活用に対してより現実的なアプローチになっているとの印象を受けました。

ダボスに参集したリーダーや専門家の意見を総合的に考えると、デジタル化は予想より遅いスピードで起こっており、企業は既存の従業員を置き換えるのではなく、再教育または再訓練してデジタル技術を導入しようとしています。これは私たちにとって朗報だと言えます。表向きには企業はそのようなことを言っており、私たちはもっと懐疑的に思うべきかも知れませんが、ダボスでは、少なくとも真摯な気持ちで言っていたと感じました。

ダボスで共有された雇用に関するデータは以前より良好なものでした。デジタル化によって雇用が大幅に拡大するという見方もありましたが、新たな雇用がどれだけ増えても、仕事を失う労働者は必ず出てきます。私たち労働組合リーダーは、ダボス会議の中で、「誰も取り残されないように、政府主導または政労使の取組みが必要だ。生涯教育を受ける権利を全ての人に保障するべきだ」と訴えてきました。

また、ダボスでは引き続き各国内での所得格差の拡大に懸念が示されました。最新情報によると、世界の富の半分はわずか26人の富豪によって所有されているといいます。しかし、富裕層への税率を引き上げることによって、富の再分配を図るという考えには、ダボスの参加者は反対しました。この考えはいろいろな会議の分科会で笑い飛ばされ、ある分科会では、これを提起した若いオランダのエコノミストの発言が衝撃的とされ、論議の的となり、彼のスピーチの動画はSNSで炎上しました。ダボス会議創設者のクラウス・シュワブ氏は、会議後のフォローアップの中で、「ことによっては富の再分配は必要かもしれない」というコメントを出しています。

ダボス・デビューとしては実りが多かったと自負しています。

司会:書記長は米国出身で、米国の労働運動でも長く活躍してこられました。ということで、米国や、ブラジル、ルーベン会長の出身国でもあるアルゼンチン等における労働運動について簡単にご紹介いただけますでしょうか。

私は米国出身であり、米州(南北アメリカ)で何が起きているか、いつも注視しています。

まず米国について、トランプ政権は組合に非常に敵対的ですが、そのことによって組合の役割が薄れたわけではありません。逆に昨年、組合の闘争活動、スト回数、スト参加人数はここ数十年で最高を記録したのです。現在の組合費徴収の仕組みに対して法的手段を用いた攻撃が続いているにも関わらず、組織人員は変わっていません。こうした攻撃を受ければ組合員は減るのではないかと言われていましたが、労働者はより強く問題意識を持ち、職場で声をあげたい、ディーセントな(人間らしい)仕事がほしい、という気持ちをより積極的に表現するようになりました。調査によると、若者はここ数年で一番労働組合を好意的に見るようになっていると言う結果も出ています。

民主党も労働組合により好意的で、州レベルでもはっきりと物を言う野党に生まれ変わりました。多くの州で最低賃金が1時間15ドルに引き上げられました。これは連邦政府が設定している最低賃金の約2倍です。法律で病気休暇を定めることが義務化された州もあります。今まで米国の労働者にはこうした法定の休暇はありませんでした。

最近では、従来の労働組合に代わる労働者グループの活動が活発になってきています。こうしたグループは、単一の問題についてSNS上でキャンペーンを展開したり、使用者に要求を行ったりしています。昨年だけで200ものキャンペーンが行われました。例を挙げると、昨年、世界中のグーグルで働く2万人の労働者が、組合は無いものの、世界各国で1日ストライキを実施しました。彼らの要求は、セクハラに関するものの他に、自分たちが開発する商品に関して発言したい、というものでした。大局的に見ると、組合費徴収が攻撃されているものの、労働者による行動が活発化していると言えます。ですから、米国の状況は非常に期待できると考えています。

一方、ブラジルの状況は全く違います。ボルソナーロ新大統領は、就任後すぐに最低賃金を引き下げました。新政府は全ての労働者を標的にしています。労働省は切り捨てられ、つぶされてしまいました。1日の労働時間は8時間だったところ、10時間労働を導入し、かつ、労働者の権利保護を縮小する動きが多数出ています。政府は、労働組合の結成承認と規制の権限を連邦警察に委ねると提案しており、これは結社の自由に対する恥知らずな攻撃です。

ブラジルの労働法制において、団体交渉、組合費徴収等の点がかなり前から弱体化されており、その結果、UNI加盟組織は組合費収入の相当の部分を失いました。ブラジルの組合は危機に瀕しており、今後、再編・統合を余儀なくされると思われます。しかし、ブラジルの組合は、極右政府によって突きつけられた制約の中でも闘争を続ける強い意志を持っています。

コルティナUNI会長の出身でもあるアルゼンチンには、リバプール世界大会後、2度訪れています。財政危機、通貨危機に陥って、政府がとった緊縮財政政策に多くの労働者が苦しんでいます。しかし、アルゼンチンの組合の交渉力はまだ強く、産業別労組は未だ健在です。組合は今でも重要な交渉当事者です。政府の力に屈せず、組合の力が強いことに期待していますが、通貨の切り下げの結果、通貨危機以前の資産を取り戻すには、ここから先4世代かかると試算されています。

司会:UNIは“労働の未来”について、5年前のケープタウン世界大会から取組みを始めていました。これについて最新情報をお聞かせください。

UNIにおいては、“労働の未来(Future world of work)”から徐々に“新しい仕事の世界(New world of work)”へと移行しています。ケープタウンで初めて提起されて以来、様々な取組みを経て、現在進行形です。“新しい仕事の世界”におけるUNIの役割は、さらに進化しています。最初はトレンドに対する問題喚起・啓発活動でしたが、その段階は終わり、次は解決策を求めていく段階です。この過程において、いかに労働組合を強化していくか。将来を形成するプロセスに労働者が確実に参画できるようにするにはどうすればよいのか、具体的には将来のあるべき姿に向けての交渉当事者として、労働組合の役割を強化しなければなりません。交渉議題には、新たな技術の再訓練の強化や、新たな技術の導入により可能となった使用者の過剰な監視等が、含まれるでしょう。他にも多くの交渉すべき議題があります。使用者と交渉する際に、加盟組合にはこのような課題を強調するようお願いしたいと思います。UNIは、世界各国から優良事例を集め、共有することを目指しています。UNI加盟組織は既に重要な成果をたくさんあげています。優良事例も教訓も蓄積されています。恐らく私だけではないと思いますが、「労働組合は過去の遺物だ」と言われることに辟易しています。将来のあるべき姿を決めるため、労働者が発言力を持つために、今まで以上に労働組合は大切です。労働組合の交渉は、正義ある未来への移行過程の一部なのです。

この移行期において、置き去りにされる労働者がいないようにするためには、団体交渉の諸制度を強化すべく、ルールを変更し、自営業、自由業、フリーランスの人たちにも組織化する権利や社会的保護を与え、生活賃金が保障されなければなりません。このような主旨がILOの報告書にも提案されています。

テクノロジーと言えば、UNIが組織化活動を推進する上で、いかにテクノロジーを活用できるかを探求する、「デジタル組織化フォーラム」を昨年、欧州で開催しました。そこで優良事例を共有しました。今年も5月に同様のフォーラムを開催する予定です。UNI本部で“労働の未来”を担当するクリスティーナ・コロクロフが、グーグル財団から資金援助を受け、特に若い労働者の組織化に役立つアプリの開発に取組んでいます。良いアイデアが出てきています。今度皆さんにも共有したいと思います。

司会:書記長になってから、既に4つか5つのGFAが結ばれました。短期間にそんなに結ばれた理由は何でしょうか?

新規に加え、更新されたものを入れると、8つだと思います。副書記長時代からGFA締結に取組んできました。リバプール世界大会以前から交渉していたものもありました。新書記長に花を持たせようと、スタッフが締結時期を調整してくれたのかもしれません。

最近調印されたGFAには、デューデリジェンスに関する有意義な文言が盛り込まれました。企業が果たすべきデューデリジェンス遂行計画の中で、UNIの役割もきちんと定められています。このようなブレイクスルーが達成されたことを大変嬉しく思います。他のGFAも新しい文言が含まれています。例えば、セクハラ条項、フランチャイズ条項、“つながらない権利(労働者が持っている通信機器のスイッチを切る権利)”条項が入っている協定もあります。

私は40年近く多国籍企業との交渉を行ってきました。今後もUNIの対象となる産業の多国籍企業とのGFA締結に力を入れていきます。私のアプローチは単純です。グローバル化時代において、多国籍企業が労働者の権利が尊重されていない国に進出する時に、GFAは不可欠だと会社側を説得するのです。リスクの未然防止の点からも、企業の評判を高める点からも、良いものだという付加価値を会社側にオファーするのです。UNIは長きに渡り信頼できるパートナーであることも主張します。私たちは約束したことは必ず守り、企業側にも必ず守ってもらう。目標は野心的に高く設定し、それを明確に相手に伝えなければなりません。

今は、新しいグローバルなルールがあります。企業はデューデリジェンスが求められており、GUF(UNIのようなグローバルユニオン)とのGFA締結の意義を多くの企業が認識するようになっています。私たちは信頼できるパートナーであると、企業も認めています。デューデリジェンスとは、企業が、労働者の人権や権利に関わるリスクの調査を行い、リスク防止の措置をとり、権利侵害が発生した場合には対策をとることが要求されることです。UNIはこの全てのプロセスに付加価値をつけることができるのです。デューデリジェンスの徹底は、私たちに追い風となっています。特にフランスでは法律により、使用者はデューデリジェンスの遂行が義務付けられました。デューデリジェンスの一環としてフランスの使用者は、GFA締結が奨励されており、そのためフランスの多国籍企業とのGFA締結が増えています。

司会:最後に、書記長としての今後4年間の豊富と、UNI-LCJに期待することをお聞かせください。

先週開かれたILO専門家会合で、GFAについても話し合われました。GFAが結ばれたのは欧州企業とだけではないか、と言われ、私は、日本をはじめとするアジアや、ブラジル等の企業とも締結されている、と発言しました。髙島屋やイオンとのGFAの意義について、ILO等の場を通じて他の使用者の理解が深まることを期待しています。

このような取組みを重ね、多国籍企業におけるUNIの認知度を高め、影響力を拡大したいと思います。労使関係の構築において、UNIはもっと重要な役割を担っていくべきだと考えます。

各部会でそれぞれの活動計画を立てていますが、中には部会の活動範囲を超えた分野もあります。例えば、アマゾン対策です。UNIは、アマゾン対策のハブ組織になろうとしています。アマゾンに対するアクションは、UNIの全ての部会を巻き込み、世界中の労働組合や関係者を連携させることが必要です。ICTS部会は、グーグルとの関係構築に取組もうとしています。グーグルで起きていることは、今までとは違います。何人かのグーグル労働者とコンタクトをとりながら、彼らをUNIに引き込み、彼らのまとめ役になりたいと考えています。彼らは自分たちで何でもできると思っていますが、私たちの仲間になって一緒に行動しよう、と粘り強く説得していきます。

世界は新たなルールを必要としています。ルール作りにもUNIは積極的に参加し、貢献していかなければなりません。実効力のあるGFAモデルをつくっていきます。サプライチェーンに正義をもたらす取組み、例えばバングラデシュ安全協定を、パキスタン等、他の南アジアの国にも適用できないか、検討しているところです。

GFA、OECD多国籍企業ガイドライン等の取組みを通じて、GUFをデューデリジェンスのプロセスにしっかりと組み込み、標準化していきたいと思います。これは私たちの将来にとって非常に重要です。さらに雇用労働者の定義を再検討し、自営業者として不当に分類され不利益を受けている何百万人もの労働者の問題に取組む必要もあります。全ての労働者を包摂することが重要です。

そのような中、日本の加盟組織には大変期待しております。皆さんの組織拡大には常に感銘を受けています。日本企業とのGFAは実効力ある理想的なものです。“新しい仕事の世界”で労働者が受ける影響は東洋と西洋で異なっても、世界の働く仲間とUNIを通じて連帯し、多国籍企業と建設的な交渉をしていきましょう。

 

 


第20回UNI-LCJ年次総会

2019年2月21日、第20回UNI-LCJ年次総会が東京で開催され、各加盟組織より運営委員及び総会代議員、オブザーバー等約65人が出席した。2018年度活動報告、会計報告に続き、2019~2022年度UNI-LCJアクションプランやUNI-LCJ海外活動の方向性を含む、2019年度活動計画及び予算が承認された。最後に、松浦UNI-LCJ議長以下、副議長、事務局長、事務局次長、運営委員の再選が確認された。

記念講演及びレセプションには、UNI本部からクリスティ・ホフマンUNI書記長、UNI Aproからクリストファー・ウン地域書記長、ラジェンドラ・アチャリャ書記次長が出席した。また、翌22日に東京で開催されるUNI Apro運営委員会に出席するため来日したUNI Apro運営委員会メンバーも来賓として参加した。

第5回UNI世界大会(2018年6月、英国・リバプール)において選出されたホフマン書記長は、連合、ILO、GUF、友誼団体等から集まった約120人を前に、「皆さんと共にMaking it Happen(実現していこう!)」と題し、最近のホットな話題から、新書記長としての決意や日本の加盟組織に対する期待等を述べた。司会の小川UNI-LCJ事務局長から、書記長として初めて参加した世界経済フォーラム(ダボス会議)の感想を聞かれ、「政界・財界・ビジネス界等から多数参加する中で、労働組合からの参加は非常に少なかったが、多くのマスコミからのインタビューに応じ、一定の存在感を示すことができた」と述べた。「“労働の未来”の議論におけるUNIの役割も、労働者への啓発から、団体交渉を通じたプロセスへの積極的関与の奨励へと変わってきている。いかに労働組合の存在感を高め、未来を形成するプロセスに労働者が確実に参画していくか、将来のあるべき姿に向けて労働組合の役割を強化していかなくてはならない。グローバル企業におけるUNIの認知度を高め、組合の影響力を拡大したい」と書記長としての抱負を熱く語った。また、最近のILO専門家会議において、日本の企業と結ばれたGFAの効果について発言し、欧州だけに限った取組みではないことを強調した。日本の加盟組織に対しては、組織化や効力あるGFAの経験について、UNIにおいて共有してほしい、と期待を寄せた。(全文はこちら

レセプションでは、厚生労働省の麻田千穂子国際労働交渉官、連合の逢見直人会長代行から連帯挨拶を受けた。ドワイヤーUNI Apro会長代行(オーストラリアSDA書記長)は、UNI Apro運営委員会メンバーを代表して挨拶した。ウンUNI Apro地域書記長は年末の自身の退任を控え、国際労働運動に42年もの長きに渡って関わった経験を振り返りつつ、乾杯の音頭をとった。

その後UNI-LCJ年次総会参加者は、他の加盟組織参加者及び国内外の来賓との懇親を深めた。


UNI Apro/JP労組共同英語セミナー開催

2019年1月26~27日、東京でUNI Apro/JP労組共同英語セミナーが開催された。全国から集まったJP労組の29人の若手組合役員、組合員が、台湾、マレーシア、スリランカの郵便労組からリソースパーソンと共に、UNIを通じた国際連帯活動、そして各国の郵便事業や組合活動を学んだ。

開会挨拶で三村寿宏JP労組組織局次長は、本セミナーが長崎で開催されたUNI世界大会のフォローアップとして始まり、これまで約200人が本セミナーに参加してきたことに触れた。「英語力の向上や、海外の郵便事業や労組の活動を学び、JP労組の国際労働運動のこれまでの成果と今後の方向性を考える機会となっている。皆さんも今セミナーで学んだことを活かし、是非組合活動の活性化や豊富化に尽力していただきたい。」と参加者を激励した。

今回、海外の郵便労組から3人のリソースパーソン(講師)を招いた。台湾のリンCPWU国際処処長は、CPWUとJP労組の長年にわたる交流関係や、台湾の若い世代が直面する低賃金、長時間労働、高齢化社会などを報告した。マレーシアのムハンマド・ニザム・ハジルUPCW書記次長は、マレーシアの郵政事業は現在、物流への強化のみならず、金の売買等、事業の多角化経営も積極的に行っていることに触れ、「労組は伝統的な郵便サービスからニューエコノミーへと移行する際の課題にも対応していく」と述べた。スリランカのウデシカ・リヤナゲSLPTSU中央執行委員は、2018年にUNIに新規加盟したSLPTSUの組織や課題について触れ、特に青年の教育不足、組合活動へ政治が介入してくる現状、そして新しい技術やデジタル化に対応するニーズが高まっていることを説明した。 大崎佳奈子UNI Apro郵便・ロジスティクス部会担当部長は、UNIの成り立ちや組織化、能力開発のためのセミナー等の活動を紹介し、加盟組織がお互いに強くなり、国際連帯を進めていく重要性を訴えた。

参加者は4つのグループに分かれ、定年制度や組合の意義について考えるグループワークに取り組み、その議論内容を、寸劇やフリップを作成するなどわかりやすく工夫して、グループ毎に発表した。 また、2018年6月のUNI世界大会に参加した久保田昭子JP労組東京地本支部執行委員と、同年11月のUNI Apro青年大会に出席した岸野剛JP労組北陸地方本部ユースネットワーク常任幹事、金城尚紘JP労組沖縄地方本部組合員から、UNI活動を通じて得た海外の労働組合との共通課題が報告され、学んだ内容を全体で共有した。

最後に八木和子JP労組国際部長は、「2日間のセミナーで、グループが協力し、海外講師とともに英語を通して組合活動を学ぶことができた。組合のことばで『仲間の皆さん』を英語で表現すると『ブラザーズ・アンド・シスターズ』となるが、このセミナーで知り合った仲間とのネットワークを大切にし、春闘や各種の取り組み強化など今後の活動に是非活かしてほしい」と期待を寄せた。


第18回UNI-LCJユース英語セミナー

2018年12月15~17日、湘南国際村において、第18回UNI-LCJユース英語セミナーが開催され、8組織17人(男性8人、女性9人)が参加した。海外から、ドゥルバ・ラジ・ダカル(ネパール、ラジオネパール労組出身、現在早稲田大学留学中)、リリアン・タン(シンガポール、DBS銀行労組)、シャーリー・テイ(シンガポール、DBS銀行労組)、シェ・ユーファ(台湾、中華郵政労組)の4人がリソースパーソンとして参加した。

UNI-LCJユース英語セミナーは2006年に開始され、今回で18回目を迎える。当初の目的は、2010年に長崎で開催された第3回UNI世界大会を支えるボランティアの育成であったが、今では国際労働運動に触れる最初のステップとして非常に好評な英語合宿となっている。

開会式で、松浦UNI-LCJ議長は、国や産業が違っても互いの経験から学び、国際労働運動と連帯についての理解を深め、新しく知り合った仲間とのネットワークを大切にしてほしい、と期待を寄せた。

小川UNI-LCJ事務局長と森川事務局次長が、UNIの概要について説明した後、具体的な青年活動として、先月マレーシアで開催されたUNI Apro青年大会に参加した大日本印刷労組の植野書記次長とJP労組の大芝職員が、大会とワークショップの様子を詳細に報告した。

リソースパーソンから、シンガポール、台湾、ネパールにおける労働組合運動の概要、特に青年・女性の課題と組合への参画等について説明を受けた。

参加者は4つのグループに分かれ、各国の青年・女性の組合活動への参画、ワークライフバランス、組合の社会貢献活動等について、リソースパーソンを交えて議論し、グループ発表を行った。この他、「ソーシャルファン(交流イベントを企画する)」、「エナジャイザー(息抜きのゲーム等をリードする)」、「モデレータ(司会)」、「ニュースリポーター」の4つの委員会に所属し、与えられた任務をチームワークでこなした。

昨年、福島で開催されたセミナーにリソースパーソンとして参加したスリランカ郵便労組のツッシーは、ライブ・ビデオで登場し、「UNI Aproの青年活動に参加して、私は視野を広げることができた。コミュニケーションの一手段として英語を勉強すれば、UNI Aproの青年ネットワークの仲間ともっと情報交換ができる。互いにがんばろう」と激励した。

各グループは、「UNI」、「組合」、「青年・女性」、「連帯」というキーワードをそれぞれ与えられ、全員参加と全て英語、というルールの下、最終日に寸劇やクイズ形式等、独創的なプレゼンテーションを行った。リソースパーソンからは、「異なる文化的背景を持つ人どうしが仲良くなるには、異なる点ではなく共通点を見つけることが大事だ」というアドバイスを受けた。2泊3日、様々なアクセントの英語に四苦八苦しながらも、各国の共通の課題や異なる背景を共有する中で、「連帯」の重要性について体得することができた。

 

 


第5回UNIネパール加盟協大会

2018年12月6日、「労働の未来に向けて、組合の力を高めよう」のテーマの下、第5回UNIネパール加盟協(UNI-NLC)大会がネパール・カトマンズで開催された。18加盟組織から約200人名が参集し、UNI Aproからは野田地域会長、クリストファー・ウン地域書記長が来賓として参加した。加えて、各ナショナルセンター、フリードリヒ・エーベルト財団(FES)、オランダ労働組合連盟(FNV)からも来賓が駆け付けた。

開会にあたり、ゴルカルナ・ラジ・ビスタ労働・雇用・社会保障大臣が祝辞を述べ、ネパールの国家発展のためには労働組合の役割が大切であり、UNI-NLCの活躍に期待すると述べた。野田UNI Apro地域会長は「第4次産業革命の進展により働き方や暮らしが変化する中で、労働組合としての情報収集と分析に基づく政策立案はこれまで以上に重要だ。組合の力を高めよう」と挨拶した。また、来年11月のUNI Apro地域大会への支援と協力を要請した。ウンUNI Apro地域書記長は、UNI-NLCの組織化の取組み成果を称えると共に、次期地域書記長にラジェンドラ・アチャリャ書記次長を推薦したいと述べ、出身国のサポートを要請した。

活動報告や今後の活動に関する議論を経て、向こう4年間の行動計画を盛り込んだ決議が採択された。また、シャンカール・ラミチャーニ氏(ネパールテレコム労組)が議長に再選された。加えて副議長5人、委員5人を中心とする新執行部が選出された。

 

 


変化を起こす原動力になれ!第5回UNI Apro青年大会

2018年11月23~24日、マレーシア・サラワクにおいて、第5回UNI Apro青年大会が開催され、アジア太平洋地域15ヵ国から、計150人(UNI-LCJより32人、女性16人、女性比率50%)が参加した。

開会式では、ノリカ・ワルナスリヤUNI Apro青年委員会議長が挨拶し、「第4次産業革命の目まぐるしい変化において、私たち青年はまさに原動力そのものだ。私たち青年こそが、青年に対する投資が果たして十分なのかを問い、若手世代を率いていかなくてはならない。そのためには、若者の組合への参画を強化するとともに、意義ある貢献をするための交流が必要である。技術革新により、私たちは膨大な情報を入手でき、物理的に参加できない仲間ともテクノロジーでつながりあえる。これらのテクノロジーも活用しながら、お互いに学び合い、青年の発言力を高めていこう」と力強く訴えた。

開催国のマレーシア加盟協(UNI-MLC)を代表して、モハメド・シャフィー・BPママル議長が連帯の挨拶に立ち、「第4次産業革命の時代に、青年は重要な役割を担っている。アウトソーシングの拡大、国境を越えた移民問題、児童労働、貧困等、青年に関わる重要課題が深刻さを増している中、青年こそが最大限関与し、社会的な変化に対処していかなければならない」と述べた。

クリストファー・ウンUNI Apro地域書記長は、「UNI Apro、変化のチャレンジに対応するため、労働組合を一新する」と題する基調講演を行い、「第4次産業革命の中で、雇用の非正規化はさらに進むだろう。多くの人が労働法の保護を受けられなくなり、格差が拡大し、組織化率も低下している。この変化に対し、抵抗するだけでは労働運動は前進しない。これらの状況を先読みし、最善の努力によって変化がもたらす影響にきちんと準備をしていかなくてはならない。今日のスピーチは、私が青年大会で話す最後の機会となる。青年の皆さんには、自らが困難な課題に対処していくのだというコミットメントが重要だ、ということを伝えたい」と述べた。

大会では、「2018~2022年度UNI Apro青年委員会アクションプラン」を決定するとともに、「組織化と青年の能力開発」や「第4次産業革命時代の変化の担い手としての青年」、「UNI Aproの中核的活動へ青年労働者を完全に統合させていくための包括的支援」等に焦点を当てたセッションが開催され、活発な議論を経て、各種動議が確認された。

UNI-LCJから3人がパネリストとして報告を行った。UAゼンセン・中川代議員は、若手組合員の組合活動への参画向上に向け、青年活動の広報誌への積極的な掲載や新入社員交流会を通じ、組合の認知度向上を図る等の取組み事例について、JP労組・飯澤青年委員は、全国にまたがるJP労組のユースネットワークの組織体制や青年による社会貢献活動について、情報労連・齋藤青年委員は、日本のクラウド・ワーカーやITエンジニアを取り巻く課題を共有し、彼らとの接点拡大に向けた情報労連の取組みについて報告した。

大会の最後に、UNI Apro青年委員会の役員選挙が行われた。東アジア、東南アジア、南アジア、オセアニアの4地区からそれぞれ指名された候補者が選出された。東アジアは日本の4人の委員(情報労連・齋藤委員、UAゼンセン・寺嶋委員、日放労・釘本委員、JP労組・飯澤委員)が再選され、東アジアを代表する副議長に釘本日放労副委員長が再選された。レイズ新議長(フィリピン加盟協・金融労組)のもと、新体制を確立した。

本大会で築き上げたネットワークを礎に、大会参加者が連帯して運動を前進させ、4年後の青年大会でその成果を持ち寄ることを誓い合い、2日間に渡る大会を終了した。


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